健康・ヘルスケア
2022.11.16

専門家・医師に訊いた「睡眠の質を高める方法」まとめ

しっかり寝たはずなのに、朝がツライ、日中眠くなる…という人は睡眠の質が悪いかも!?そこで、「睡眠の質を高める」方法を紹介します。寝る前のスマホチェックや、お酒の飲み過ぎには要注意!部屋の温度や寝具選び、入浴や食事の時間を見直してみて!

注意!睡眠の質が悪くなる8つの「生活習慣」

【1】お酒の飲み過ぎ

東京疲労・睡眠クリニック院長

梶本 修身先生

アルコールは自律神経の中枢を麻痺させる働きがあるため、質の良い睡眠のリズムが作り出せず、眠りが浅くなります。それに加え、利尿作用もあるので、夜中に目が覚めやすくなる傾向に。飲酒は、夕食時など早めの時間帯にして、飲酒終了後入眠まで5時間空けるのが理想です。(梶本先生)

 

【2】カフェイン

睡眠研究家

西川 ユカコさん

コーヒーに含まれるカフェインには、眠気を吹き飛ばす作用が。その効果は5~7時間継続するといわれているので、睡眠時間を逆算するとタイムリミットは14時頃。14時を過ぎたらカフェインレスのドリンクにシフトしましょう。

 

【3】ストレスを溜め込んでいる

「ストレスは、脳の自律神経を疲弊させます。特に、慢性的なストレスに晒されると、自律神経機能の低下により睡眠の質が悪化し、夜中起きてしまって眠れなくなったり、眠ったはずなのに朝に疲れが取れていないといった現象が生じます。」(梶本先生)

 

【4】寝る前のスマホチェック

MET BEAUTY CLINIC 院長

福山 千代子先生

スマホやPCが発するブルーライトの刺激は、脳を覚醒させて、交感神経が優位な状態を長引かせます。スマホのスイッチは就寝30分前までにオフして、ベッドにもち込まないように!

 

大塚製薬株式会社

石川泰弘

寝る直前まで部屋を明るくし、スマートフォンを触っていると、明るい光によって脳が“今は昼間だ”と錯覚してしまい、メラトニンの分泌量が抑制されます。それによって脳が覚醒し、眠りが浅くなるなど、良質な睡眠の妨げになることは大いに考えられます。

スマートフォンのLEDディスプレイやLED照明には、ブルーライトが多く含まれています。ブルーらうとは部屋の照明とは違い、可視光線の中でも強いエネルギーを放つ光です。そのため、睡眠に与える影響が大きいのです。特に、就寝前2時間前以降にブルーライトの光を浴びると寝つきが悪くなったり、不眠症の原因にもなりやすい。そのため、スマホ利用は控えたほうが良いと言われています」(石川さん)

 

【5】激しい運動

激しい運動をするなど、交感神経を優位にする行為も睡眠の質を下げる要因です」(梶本先生)

 

【6】自律神経機能の低下

「自律神経は体調を調節する役割があり、体へ負荷がかかると前頭眼窩野にシグナルが送られ、これ以上働かないよう“体が疲れた”と脳を錯覚させているのです。自律神経の疲弊は、睡眠の質も下げるので、疲れを増やさないことが大切です」(梶本先生)


「ストレスは、脳の自律神経を疲弊させます。特に、慢性的なストレスに晒されると、自律神経機能の低下により睡眠の質が悪化し、夜中起きてしまって眠れなくなったり、眠ったはずなのに朝に疲れが取れていないといった現象が生じます。」(梶本先生)

 

【7】常夜灯をつけている

快眠セラピスト
睡眠環境プランナー

三橋 美穂さん

「常夜灯に豆電球が使われている場合、ちょっと心配です。豆電球の光は思っている以上に強く、あお向けで眠っていると、光源が目にダイレクトに当たります。刺激が強いため、たとえまぶたを閉じていても脳に届き、睡眠の質を高めるメラトニンの分泌が減少してしまうのです。」(三橋さん)

 

【8】靴下を履いて寝る

「人は眠っているときに深部体温を下げて、細胞の活動を落とすことで体を癒し、体力を回復させているのです。そして、深部体温を下げるときに熱を放って温度を下げているパーツこそが、手と足の裏。

例えば、手袋をしていると寝にくいですよね? それと同じで、靴下で足の裏を覆ってしまうと体の熱が放出できないため、深部体温が下がらず、細胞の回復が図れなくなってしまいます。」(梶本先生)

 

睡眠の質を高める「メカニズム」と「睡眠時間」

メラトニンと呼ばれるホルモンをしっかり分泌させる必要がある

管理栄養士

前田あきこさん

睡眠の質を上げるためには、メラトニンと呼ばれるホルモンをしっかり分泌させる必要があります。メラトニンは、自律神経を整えて寝つきを良くして長く眠れるようにする役割のほか、免疫力や美肌にも関わるホルモンです。」(前田さん)

 

理想は7時間の熟睡

「睡眠不足や睡眠の質の低下は、ホルモン分泌の司令塔である脳の休息時間を削ってしまうことに。理想は7時間の熟睡。夜にぐっすり眠れば、 日中の疲れが取れ、免疫力が高まり、自律神経のバランスも整います。起床時間はなるべく一定にして、脳や体のリズムを整え、交感神経・副交感神経の切り替えをスムースにするようにしましょう。寝具や照明などによっても睡眠の質に差がつくので、快眠重視のアイテム選びを!」(福山先生)

 

良質な睡眠のための3つの「基礎知識」

【1】睡眠時間を確保する

Emma Sleep Japan カントリーマネージャー

小原 拓郎さん

「理想の睡眠時間というのは人それぞれです。7~9時間の間で、日中に眠気を感じることがなく過ごせる睡眠時間を確保しましょう。」(小原さん・以下「」内同)

【2】眠る時間と起きる時間を一定にする

「十分な睡眠時間を取ることのほかに、ある程度決まった時間に眠り、起きるというのも良い睡眠を得るために大事なポイントになります。睡眠時間は同じでも、リズムが崩れていると、質の良い睡眠は得られません。睡眠時間と合わせて、リズムにも注目してみてください」

「週末に寝だめをするという人もいるかもしれませんが、寝だめでは睡眠不足を解消することはできません。平日は5時間睡眠なのに、週末は10時間寝るといったような行動をしてしまうと、逆に時差ボケのような状態になってしまい、体のリズムが崩れてしまいます」

【3】昼寝は習慣にしない

「日中に眠気を感じるというのは、夜の睡眠が足りていない可能性があります。大人の場合、しっかり睡眠が取れていれば、昼寝をせずに夜まで過ごせるのが健康的な状態です。昼寝の習慣はおすすめできませんが、どうしても眠い場合は15~20分の短めの睡眠で済ませましょう。

日中にあまり長い時間寝てしまうと、睡眠のリズムが崩れてしまい、夜眠れないなどといった負のサイクルに陥る可能性もあります。」

 

睡眠の質を高める10の「方法」

【1】就寝1時間前から眠れる空間作りを

「就寝1時間前には、部屋の照明を夕食時の半分程度に落としましょう。150ルクス程度の暗さがおすすめ。目から入る光の量が少ないほど、眠りのもとである“メラトニン”の分泌量が増えていきますよ」(三橋さん)

 

【2】就寝30分前までにスマホやパソコンをオフに

内科医・医学博士

根来 秀行先生


「寝る前にスマホなどの強い光が目に入ると、メラトニンの分泌が抑制されて、睡眠の質が低下します。夜は照明を落とし、少なくとも就寝30分前までにスマホやパソコンをオフにして」(根来先生)

 

【3】部屋の温度を調整する


「部屋の気温が高いと脳を冷却できず、深部体温がしっかり下がらないため、深い睡眠へは誘いざなえません。気温が26℃以上になると、脳のパフォーマンスが下がるので、夏の寝室は26℃未満に設定して、冬用かけ布団で身体を温めることがベストです」(梶本先生)

【夏の場合】

  • 寝汗を抑える
  • エアコンは朝までつけっ放しにしておく
  • 手は布団から出しておく

【冬の場合】

  • かけ布団は増やさない
  • 室温は18~20℃をキープし、18℃以下にしない
  • 手は布団から出しておく

 

【4】日中の活動量をアップする

アシル治療室 代表 臨床家・鍼灸師

若林 理砂先生

「昼間、体の活動量が足りないと、夜、なかなか寝つけなかったり、熟睡できなかったりします。午前中、できれば朝のうちに太陽光を浴びながらラジオ体操やストレッチなどの運動を行うといいでしょう。体内時計のリセットにも役立ちますよ」(若林先生)

 

【5】夕食は就寝3~4時間前までにすませる

医学博士、スリープクリニック調布院長

遠藤 拓郎先生

「夕食が遅い時間帯になると、体内の消化活動時間が後ろにずれ込み、寝つきにくくなって浅い眠りに。質の良い睡眠をもたらすには、食事は寝る3時間ぐらい前までにすませてください」(遠藤先生)

 

【6】「睡眠五感」が整った環境作り


暗い(視覚)、静か(聴覚)、いい香り(嗅覚)、寝床内の温度32±1℃・相対湿度 は50±5%(温熱感覚)、肌触りのいい寝具(触覚)。睡眠五感を整えれば、ストンと眠って朝までぐっすり!

【7】就寝1時間前に湯船にしっかりつかる


「良質な睡眠をとるためには、就寝1時間前の入浴がおすすめです。湯船にしっかりつかることで上がった深部体温が、ちょうどベッドに入る頃に 下がって、入眠しやすくなります。また、湯船にお気に入りの入浴剤を入れれば、リラックス効果が高まって、より快適な眠りにつながります」(福山先生)

【8】スムースに寝返りできる寝具を選ぶ

私たちはひと晩に20~30回は寝返りを打つといわれていて、寝返りしづらい寝具だと、その都度体に力が入って眠りが浅くなります。寝返りしづらいものを使っていたら、この機会に見直しを!枕やマットレスなどは、寝返りしやすい高さや硬さ、弾力にこだわって選ぶのがポイント。

 


良質な睡眠を得られるかどうかのポイントのひとつとして、“正しい寝姿勢がとれているか”があげられます。そのため、枕を筆頭に寝具選びは重要といえるでしょう。

正しい寝姿勢をサポートする枕選びのポイントは、頚椎が曲がった状態にならない姿勢をキープできる高さがあること、背骨に負担がかからない姿勢を取れる固さがあること、通気性や放湿性に優れている素材であることです。

それに加え、基本として上述したように体にフィットして、首や肩に痛みを感じないものというのがポイントになります。

掛け布団は、寝ているときの温度・湿度を快適に保てる保温性・吸湿性・放湿性があることが大切です。季節を問わず、床内の温度が33℃程度に保てる寝具を選びましょう。」(小原さん)

 

【9】耳を温める

きたにし耳鼻咽喉科 院長

北西 剛先生

「睡眠は入眠、長さ、リズムの3つに分けて捉えられ、寝つきは入眠のパートに分類されます。睡眠時間の短さやリズムの乱れの対策については、朝日を浴びる、寝る前にスマホを見ないといったものがよく挙げられていますよね。

これらも睡眠の質を良くするためには大事なことですが、近年の研究では、入眠直後の90分ほどの睡眠(ノンレム睡眠)がひと晩の睡眠の質を大きく左右すると言われています。つまり人間にとって、入眠をスムーズにすることはとても重要なこと。寝る前に耳を温める“耳温活”を習慣にすれば、睡眠の質の向上に大きく期待できると言えるでしょう」(北西先生)

 

【10】パジャマで寝る

「スウェットなどを部屋着にしていて、そのまま寝るという人もいると思いますが、質の良い睡眠を得るためにおすすめなのは、やはりパジャマです。人は寝ている間も汗をかきますから、吸湿性があり、通気性が良い素材のパジャマを選ぶことで、入眠もスムーズになります。」(小原さん)

 

睡眠の質を高める「食べ物」

イミダゾールペプチドを含む食材

「食後は消化活動が活発になって眠りを妨げるので、夕食は寝る3時間前までにすませるのが理想。また、食事では脳疲労を軽減させる働きがある抗酸化成分のイミダゾールペプチドを含む食材を摂取するのがおすすめです」(梶本先生)

イミダゾールペプチドを多く含むのが鶏の胸肉。カツオやマグロでも摂取が可。

 

睡眠の質を高める「サプリ」4選

【1】アサヒグループ食品 ネナイト[機能性表示食品]

価格容量
¥2,052 120粒入(30日分)
  • 睡眠の質を高めること(起床時の疲労感や眠気を軽減する)と報告されているL-テアニンを4粒に200mg配合。

 

【2】富士フイルム 飲むアスタキサンチン すっとねリッチ クロセチンプラス[機能性表示食品]

価格容量
¥5,940 60粒
  • 健康な睡眠をサポートし、肌の潤いを守るのを助ける。

\美的クラブの口コミ/
「飲んだ日は夢を見ることもなく、朝までしっかり眠ることができました。起きた後にいつも感じていた倦怠感も心なしか軽くなったような気がします。睡眠だけでなく肌の潤いまでも守ってくれる点も気に入りました!」(美的クラブ 日野萌華さん)

 

【3】ハウス食品 ネルノダ[機能性表示食品]

価格容量
¥238(編集部調べ) 100ml
  • 睡眠の質の向上に役立つ機能があると報告されるGABAを100mg配合したドリンク。

\美的クラブの口コミ/
「さっぱりとした味で、飲むと体がじんわり温かに。汗ばむほどではないので、お風呂上がりにも最適。寝入りの良さよりも、朝起きたときのすっきり感に感動!睡眠時間はいつもと変わらないものの、疲労感が軽減したような体の軽やかさを感じました」(美的クラブ 深谷沙織さん)

 

【4】大正製薬 快眠ケア カプセル[機能性表示食品]

価格容量
¥1,944 28粒
  • 睡眠をサポートするクロセチンやGABAを配合。
  • 起床時の眠気や疲労感を和らげる。

 

心地よい眠りへ誘う「快眠グッズ」5選

【1】ナイトミン 耳ほぐタイム

価格容量
¥698(編集部調べ) 本体1セット+発熱体5個セット

寝付きづらい夜に耳からリラックス。とろ~り温まって夢気分。

 

【2】ザ パブリック オーガニック スーパーディープナイト ホリスティック精油ピローミスト クオリティスリープ

価格容量
¥3,080 60ml
  • もち運びしやすいファブリックミストは、長距離のフライトなどでも大活躍。
  • フローラル系のアロマの香りで心が穏やかに整い、長時間続けて寝られるように。

 

【3】SHIGETA PARIS エッセンシャルオイル スウィートドリーム

価格容量
¥5,720 15ml
  • なかなか寝付けない時や、睡眠が浅い人におすすめの100%ピュアエッセンシャルオイル。
  • ラヴェンダー、マジョラム、レモングラスなどのエッセンシャルオイルブレンドの香りが、不安やストレスを和らげ、体の芯からリラックスを促進。
  • 気持ちを落ち着かせ、心地よい眠りへ誘ってくれる。

 

【4】西川 Laxia 横寝専用抱き枕

価格
¥18,700
  • 背中部分スペースが埋まり、横向き寝をキープする抱き枕。

「意外と多い“横向き寝さん”は、抱き枕で寝姿勢をサポートしてみて。寝姿勢が整うと、寝始めから深い眠りまでの到着時間が早くなるという研究報告も。疲労回復にもひと役買ってくれます」(SleepLIVE株式会社代表取締役 小林麻利子先生)

 

【5】西川 newmine アロマミスト

価格容量
¥1,980 30ml
  • ひと吹きでリラックスする香りに包まれる、ルームスプレー。
  • 女性ホルモンに良い影響を与えるゼラニウムをベースに、7種の香りをブレンドした奥深さも魅力。

 

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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