7時間以上寝ても睡眠不足になるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「睡眠」について。7時間以上寝ても睡眠不足になるってホント? Emma Sleep Japan カントリーマネージャーの小原さんにお話を伺いました。
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「睡眠」について。7時間以上寝ても睡眠不足になるってホント? Emma Sleep Japan カントリーマネージャーの小原さんにお話を伺いました。
Q:7時間以上寝ても睡眠不足になるってホント?
「8時間寝た肌になる」といったコピーのスキンケア商品があったり、「最低でも6時間は寝ないと疲れは取れない」など、起きてしなければいけないことと、休息のバランスとして「ちょうどいい睡眠」は7時間前後、というイメージがあります。しかし、「7時間以上寝ても足りていない」という状況が起こるというウワサが…。本当なのでしょうか。さっそく、この疑問を小原さんに聞いてみました。
A:ホント
「理想の睡眠時間は人によって異なります。しかし、日々の睡眠リズムが不規則だったり、寝溜めをすることで本人には自覚がなく、隠れ睡眠不足に陥っているケースがあります」(小原拓郎さん・以下「」内同)
隠れ寝不足とは?
「睡眠時間は足りているのに、質が悪いために睡眠不足になっている状態です。
もともと睡眠時間が短いと言われている日本人ですが、コロナ禍によるストレスなどで睡眠の質が低下している人もいるようです。自宅で過ごす時間が増え、寝過ぎたり、遅い時間に寝て、起きる時間は遅くなることで、睡眠のサイクルがズレてしまった人も増えているようです。そうすると、自分では“けっこう寝ているから睡眠不足であるはずがない”という判断をしてしまいがち。結果、自覚のない“隠れ寝不足”になる場合があります」
隠れ睡眠不足を自覚するのは?
「何時間寝ていようが、日中眠くなるようであれば睡眠不足と言えます。
十分な睡眠を取らないと、脳が情報処理をする時間が少なくなります。そうすると、睡眠不足が積み重なり、借金のように積み重なり、やがて睡眠負債となって健康被害を及ぼすと言われています。
寝不足の状態だと交感神経のバランスが崩れ、ストレス耐性が弱くなり、イライラしやすくなります。そして睡眠時間が不足するとストレスを感じることも増えます。
睡眠不足はメンタル面にも影響するため、イライラのほかに集中力の低下、不安定でネガティブな思考になりやすくなるなどの気持ちの不調を招く原因にもなります。不安を増幅させてしまうことで、心的うつ症状を発症することもあります」
どうすればいい?
「初めにお伝えしたように、理想の睡眠時間というのは人それぞれです。ただ、アメリカの国際機関の情報によると、成人では7〜9時間が理想の睡眠時間とのこと。日々、5〜6時間の睡眠しか取らないというのは、どの機関でも推奨していないため、少ないと思います。
そのため、7〜9時間の間で、日中に眠気を感じることがなく過ごせる睡眠時間を確保しましょう。昼間に眠気を感じるような人は、いつもより早めに寝てみるなどを試して、自分の最適な睡眠時間を探ってみてください。
そして、十分な睡眠時間を取ることのほかに、ある程度決まった時間に眠り、起きるというのも良い睡眠を得るために大事なポイントになります。睡眠時間は同じでも、リズムが崩れていると、質の良い睡眠は得られません。睡眠時間と合わせて、リズムにも注目してみてください」
Point
・7〜9時間で日中に眠気を感じない程度・眠る時間と起きる時間を一定にする
睡眠不足は寝だめで解決できる?
「睡眠不足だからといって、週末に寝だめをするという人もいるかもしれませんが、寝だめでは睡眠不足を解消することはできません。平日は5時間睡眠なのに、週末は10時間寝るといったような行動をしてしまうと、逆に時差ボケのような状態になってしまい、体のリズムが崩れてしまいます」
昼寝は習慣にしないほうがいい
「日中に眠気を感じるというのは、夜の睡眠が足りていない可能性があります。大人の場合、しっかり睡眠が取れていれば、昼寝をせずに夜まで過ごせるのが健康的な状態です。
昼寝の習慣はおすすめできませんが、どうしても眠い場合は15〜20分の短めの睡眠で済ませましょう。日中にあまり長い時間寝てしまうと、睡眠のリズムが崩れてしまい、夜眠れないなどといった負のサイクルに陥る可能性もあります。
とはいえ、運転中に眠くなってしまったときなどは仮眠を取るようにしましょう。安全のためにも必要なことなので、昼寝と同じように15〜20分程度の仮眠を取って様子を見ましょう」
文/土屋美緒
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
2020年Emma Sleep Japan合同会社(エマ・スリープ)へ入社。日本進出プロジェクトを推進、2020年12月より自社D2Cサイトを立ち上げ。ドイツ発のスリープテック企業として本社の睡眠研究をもとに日本の睡眠改善に取り組んでいる。スリープテック・ブランドの専門家としてマットレスや睡眠の知見を発信。
■Emma Sleep Japan