朝食に牛乳は控えたほうがいいってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「朝食」について。朝食に牛乳は控えたほうがいいってホント? 理学博士・管理栄養士の古谷彰子さんにお話を伺いました。
Q:朝食に牛乳は控えたほうがいいってホント?
昨今、カフェオレやカフェラテに使うミルクを牛乳から豆乳やココナツミルクなど、植物性のミルクに切り替えている人も多いですよね。そんなこともあり、朝食でも牛乳は控えたほうがよいというウワサが。本当なのでしょうか。この疑問について理学博士・管理栄養士の古谷彰子さんに聞いてみました。
A:ウソ
「牛乳の栄養バランスは素晴らしく、カルシウムのよい供給源です。アレルギーや宗教的な理由がなければ、ぜひ摂取してもらいたい食材のひとつですね」(古谷彰子さん・以下「」内同)
牛乳はバランスよく栄養素を摂取できる
「牛乳には体をつくり、エネルギーのもとになるタンパク質、脂質、炭水化物、体の調子を整えるミネラル、ビタミンといったいわゆる5大栄養素が豊富に含まれています。カルシウムは特に豊富で、不足しがちなタンパク質も気軽に摂ることができる食品です。健康な高齢者にお話を聞くと、毎日牛乳をいっぱい飲んでいるという人も多いです。
牛乳は摂らないけれど、同じ乳製品のヨーグルトやチーズは問題なく食べられるという人がいますが、そういった人はこれまで通り、特に控えなくても大丈夫だと思います。なぜならヨーグルトやチーズは乳糖不耐症でも特有の症状が出ないことも多いため。ヨーグルトは乳糖が乳酸菌により分解されていること、チーズは熟成によって乳糖をほとんど、または全く含まない状態になることが理由です。自分の体と相談して、無理せず取り入れられるとよいですね」
牛乳が苦手な人は…
「牛乳の摂取をおすすめしていますが、もちろん強制するものではありません。単純に苦手な人は無理して飲む必要はありませんし、嫌だな~という気持ちで飲むとメンタル面にもよくないので、不足しているカルシウムやタンパク質をほかで補うことを心がけましょう。牛乳は苦手だけどヨーグルトやチーズを食べられるのであればそれでOK。コーンスープを牛乳でつくってみるなどもよい案です。朝食は毎日のことですから、柔軟な考えをもつほうがいいですね」
牛乳を飲むおすすめのタイミングはある?
「飲むタイミングもそこまで気にする必要はないですが、血糖値を気にするのであれば、牛乳や豆乳などは胃の中に膜をつくるので、先に入れたほうが血糖値を上げにくくするというのはあります。野菜やタンパク質を先に食べることでも血糖値の上昇を緩やかにできるので、気になる人はこれらのどれかをはじめにとるといいかもしれません」

愛国学園短期大学 准教授/博士(理学)/管理栄養士
早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構招聘研究員 アスリートフードマイスター認定講師 発酵料理士協会特別講師
古谷彰子(ふるたに・あきこ)
文/土屋美緒
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「時間」という観点から、医学・栄養学・調理学の領域にアプローチすることを専門とし、科学的根拠を基にしたライフスタイルへのアドバイス、時間栄養学的栄養指導、実体験を基にした食育活動や講演活動、料理教室も開催中。現場を通じて得た問題点をもとに、ヒトを用いた臨床試験、官能評価、アンケート調査を行うことを得意とする。企業の商品開発や、マーケティングに役立たせることが出来ると好評を博している。メディア出演、連載、著書多数。