PMSなの?更年期なの? 更年期に関する疑問を解決【語ろう!メノポ界隈】vol.1|美的GRAND

読者の生の声から更年期前後のリアルを読み解く短期集中連載がスタート!
PMSなの? 更年期なの? わからなけいけれど、生理前のイライラが止まらない!
アラフォー&アラフィフがほとんどの『GRAND』読者にとって、更年期はとても大きな関心事です。この新連載をスタートするにあたり、たくさんの読者の皆様にアンケートのご協力をいただきましたが、そこには更年期に対する不安や恐れなど、たくさんの声があふれていました。40代前半の方々は、来るべき更年期に不安を覚えつつ、現在進行形で深刻なPMSに苦悩していました。40代後半以降の方々は、既に更年期真っただ中、心身の不調に見舞われていました。この連載では、アンケートに書き込まれたリアルな声をぎゅっと凝縮して、読者の皆様と共有させていただきながら、ツラさを解決する方法を見つけていきたいと思います。
今回のアンケートで多くの方々が書いてくださったのが、「自分はもう更年期なのか? まだ更年期ではないのか? そこがわからない…」という疑問です。でも、コレわからなくて当然なんです。なぜなら、更年期がいつ始まるか、誰も事前に知ることはできないから。医学的な定義では、更年期は閉経の前後5年間の計10年間、とされています。閉経して初めてじつは5年前に更年期が始まっていたとわかるのです。日本人の閉経の平均は50歳前後といわれていますから、更年期はおよそ45~55歳と考えられます。どうです? 当てはまっていますか。この更年期には多くの女性がなんらかの心身の不調に見舞われる可能性があります。代表的なのが、ホットフラッシュですね。
もし、45歳より前であれば、まだ更年期に入っていないかもしれません。突入してはいないけれど、確実に近づいている、嵐の前といったところ。ところが、この嵐の前は全然静かじゃないんです。もう嵐に突入しているんじゃ⁉ というくらい荒れ狂っています。今回のアンケートでもたくさんの方々が訴えていたのが、「生理前のイライラ」。「PMSがひどい」「とにかくイライラが止まらない!」「キレやすくなる」、そう書いた人がものすごく多かった。たしかに、生理の3~10日前にイライラするのは、PMS(月経前症候群)の可能性が大です。それにしても、イライラって本当にツラいですよね。周りの人もですが本人もツラい。でも、あなたのせいじゃないんですよ、ホルモンのせいなんです。だから、婦人科で治療することで症状が軽くなる可能性があるんです。イライラなんかで病院に行くなんて…とひとりで我慢しないでください。原因がPMSの場合は、OCと呼ばれる低用量ピルによる治療で症状が軽くなる可能性があります。婦人科を探す場合は、出産がメインの産婦人科ではなく、更年期に理解の深い専門医が診察する「更年期外来」や、女性の全身症状をトータルで診察する「女性外来」がおすすめです。
婦人科では、さまざまな検査やカウンセリングによって、自分を知ることができます。血液検査などによって、ホルモンの状態などを調べ、閉経や更年期を予測することも可能です。今の自分の状態を知ることができれば、更年期に対しても心の準備がしやすくなりますよね。でも、PMSや更年期の症状で婦人科に相談する人は日本ではまだまだ少ないのが現状です。病気じゃないから…、若いときから症状があるから…、我慢しようと思えばできる…、どうせ治らないでしょ…、とひとりで抱え込んでいる人のなんと多いことか。サプリでやり過ごすくらいなら、クリニックに行くことをおすすめしたいです。
本当は、イライラでも、ホットフラッシュでも、頭痛でも、肩凝りでも、手足の冷えでも、関節の痛みでも、めまいでも、不眠でも、不安感でも。心と体のどこかがツラいのなら、婦人科に相談してOKなんです。女性のツラいは治療できる! これ本当です。次回は、更年期の症状について、読者の皆様からいただいたアンケートを基に、詳しくお伝えする予定です。今後も引き続きアンケートを実施しますので、ご協力をよろしくお願いいたします。
更年期やPMSで悩んだときに婦人科を探すには
日本女性医学学会のサイトhttps://www.jmwh.jpでは、近隣の専門医を探すことができます。更年期の治療に積極的な婦人科で、自宅や職場の近くで通いやすいところで、気が合いそうなドクターに相談できるクリニックを探して。
更年期とPMSの違い
更年期とは
閉経を挟んだ約10年間に心と体に起こるさまざまな不調のこと。日常生活に支障を来すほど症状が重い場合は更年期障害と診断されます。
更年期の症状(の一部)です
●顔のほてり ●滝汗 ●冷え ●不眠 ●イライラ ●憂鬱 ●不安感 ●頭痛 ●めまい ●肩こり ●手足のしびれ
更年期は治療できます
女性ホルモンの変動による心身の不調ならば、「HRT(ホルモン補充療法)」や「漢方薬」で、症状を軽くすることができます。更年期のようでいて別の病気が隠れている可能性もあるので、さまざまな検査もひと通り受け、体全体の状態を把握しましょう。
PMSとは
生理が始まる3~10日ぐらい前から心と体に起こる不調。生理が始まると消えてしまうのも特徴です。
PMSの症状(の一部)です
●イライラ ●怒りっぽくなる ●暴言 ●落ち込み ●食欲が増す ●頭痛 ●便秘 ●むくみ ●肌あれ ●眠くなる
PMSは治療できます
女性ホルモンの変動による心身の不調ならば、「HRT(ホルモン補充療法)」や「漢方薬」で、症状を軽くすることができます。更年期のようでいて別の病気が隠れている可能性もあるので、さまざまな検査もひと通り受け、体全体の状態を把握しましょう。
『美的GRAND』2025夏号掲載
イラスト/ten 構成/木更容子 (美容ライター・メノポーズカウンセラー)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。