ヨーグルトは朝食より夕食に食べたほうがいいってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「朝食」について。ヨーグルトは朝食より夕食に食べたほうがいいってホント? 理学博士・管理栄養士の古谷彰子さんにお話を伺いました。
Q:ヨーグルトは朝食より夕食に食べたほうがいいってホント?
「ヨーグルトを食べるなら朝食!」という人も多いのではないでしょうか。しかし「腸のゴールデンタイムは夜」と言われているため、SNSなどでは「ヨーグルトは夕食に食べたほうがよい」という情報もちらほら。本当なのでしょうか。この疑問について理学博士・管理栄養士の古谷彰子さんに聞いてみました。
A:ウソ
「朝、夜それぞれの時間帯でヨーグルトを食べるメリットがあるため、朝食より夕食に食べたほうがよいとは言い切れません」(古谷彰子さん・以下「」内同)
夜にヨーグルトを食べたほうがよいという話もあるが…
「今のところ、ヨーグルトは朝より夜に食べたほうがよいという根拠はないのです。夜間に腸内が活発化することで老廃物や悪玉菌を減らしてくれるという話もありますが、乳酸菌が腸に到達するまでの時間は人によって違いますし、一緒に食べたものによっても変わります。そして、乳酸菌が脂肪の吸収を抑え、体内の脂肪燃焼を助けるはたらきをする短鎖脂肪酸にどのタイミングで変化するかも確定できないため、一概に夜食べたほうがよいとはいえませんね」
ヨーグルトは朝食べても夜食べても◎
「では、はじめの回答の部分でもお話しした、夜と朝、それぞれの時間帯でヨーグルトを食べることでどんな効果が期待できるかを紹介します。
ヨーグルトは夜に食べるほうがカルシウムの吸収率が高いという報告がありますからカルシウムの観点から考えると、ヨーグルトは夜向き。しかし、甘く糖質が多く含まれているものは血糖値を上げ過ぎるので、夜にヨーグルトを食べるときは無糖タイプを選ぶとよいでしょう。
一方、ヨーグルトを朝に食べると腸内環境が改善しやすいといわれています。ヨーグルトには食物繊維が少ないため、食事で食物繊維を摂る場合は血糖値の上昇を緩やかにしてくれる効果も期待できます。タンパク質の観点からも朝が◎。朝食でとることでエネルギーの生成にも役立ちますから、タンパク質が多く入っているタイプのヨーグルトを選ぶのもよいでしょう」

愛国学園短期大学 准教授/博士(理学)/管理栄養士
早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構招聘研究員 アスリートフードマイスター認定講師 発酵料理士協会特別講師
古谷彰子(ふるたに・あきこ)
文/土屋美緒
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
「時間」という観点から、医学・栄養学・調理学の領域にアプローチすることを専門とし、科学的根拠を基にしたライフスタイルへのアドバイス、時間栄養学的栄養指導、実体験を基にした食育活動や講演活動、料理教室も開催中。現場を通じて得た問題点をもとに、ヒトを用いた臨床試験、官能評価、アンケート調査を行うことを得意とする。企業の商品開発や、マーケティングに役立たせることが出来ると好評を博している。メディア出演、連載、著書多数。