ダイエットにも朝ごはんは食べたほうがいいってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「朝食」について。ダイエットにも朝ごはんは食べたほうがいいってホント? 理学博士・管理栄養士の古谷彰子さんにお話を伺いました。
Q:ダイエットにも朝ごはんは食べたほうがいいってホント?
ダイエットには食事管理が必須。ですが、その流れで朝食をスキップしてしまうと逆に太りやすくなるというウワサが。本当なのでしょうか。この疑問について理学博士・管理栄養士の古谷彰子さんに聞いてみました。
A:ホント
「食事のバランスを夜型ではなく朝型にしたほうが体重も減少しやすいというデータがあります」(古谷彰子さん・以下「」内同)
夜ではなく朝ごはんをしっかり食べる
「朝は食欲がわかないという問題もあり、朝より夜のほうがしっかりごはんを食べているという人も多いと思います。しかし、ダイエットを考えているのであれば、がっつり食べている夜ごはんを減らし、その分を朝にまわすという方法がおすすめです。私の著書でも紹介しているのですが、この方法で1か月も経たないうちに体重がマイナス2kgという人も。
消化・吸収によって起こるエネルギー消費を食事誘発性熱産生(DIT)といいますが、DITも同じ摂取カロリーで比較したときに夜よりも朝のほうが圧倒的に多くなることがわかっています。
その点からも、夜ごはんより朝ごはんをしっかり食べるという食事習慣がおすすめです」
16時間ダイエットも朝食でしたほうが効果アリ!
「静かなブームが続いているダイエット法のひとつ、16時間ダイエット。“16時間ダイエットを始めたから朝は食べられない”という人もいますよね。でも、16時間ダイエットは、朝の時間を空けるパターンと夜の時間を空けるパターンの2種類あります。
夜の時間を空けるパターンは6時~15時の間から食べる時間を8時間選び、朝昼にごはんを食べます。一方、朝の時間を空けるパターンは11時~20時の間から食べる時間を8時間選び、朝は抜いて昼夜のごはんを食べる。どちらがより効果が得られると思いますか?
この2パターンで16時間ダイエットを行った実験があるのですが、朝昼を食べた人たちのほうがインスリンの数値がよくなった、という結果が出ました。生活習慣から、朝を抜いたほうがやりやすい、という人もいるでしょうが、16時間ダイエットをやるのであれば、夜をあけて朝昼に食事をするパターンのほうが効果的です。
また、どちらのパターンでも1食減らすことでそもそもの摂取カロリーが減るため、その分が痩せるということはありますが、朝を抜くパターンの問題点はタンパク質不足になりやすく、必要な栄養素を摂取できていないところです。
加えて、16時間といわず、14時間や12時間でも効果は得られますから、夜ごはんを早めに済ませたほうがよい結果が得られると心得て。はじめは時間が短くても、続けることのほうが大事ですから、慣れてきたら朝昼食べて夜を抜くという16時間にしていけばよいと思います。例えば、どうしても朝昼だけではお腹が空いてしまう場合や昼夜の16時間ダイエットでも20時や21時になって夕飯を食べるのであれば、食事は軽めのスープなどにして寝ることを優先する。そして、夜食べなかった分を朝食と昼食にまわすシフトに変えていくほうがよいです。朝と夜のバランスをシフトチェンジすると、最初の数日は朝があまり食べられないかもしれませんが、それくらいでは死なないので(笑)、サイクルを変えることを重視しましょう」
朝食は病気の予防にもなる?
「はい。体内時計も関係しているのですが、朝食を食べないと筋肉量の減少、肥満や糖尿病、高血圧、脳卒中などのリスクが高まることがわかっています。朝食を抜く習慣は、運動不足や喫煙などと同じように生活習慣病のリスク因子になります。朝は時間がない、食欲がないという人も、これからを元気に過ごすために朝食を食べる習慣をつけましょう」

愛国学園短期大学 准教授/博士(理学)/管理栄養士
早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構招聘研究員 アスリートフードマイスター認定講師 発酵料理士協会特別講師
古谷彰子(ふるたに・あきこ)
文/土屋美緒
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
「時間」という観点から、医学・栄養学・調理学の領域にアプローチすることを専門とし、科学的根拠を基にしたライフスタイルへのアドバイス、時間栄養学的栄養指導、実体験を基にした食育活動や講演活動、料理教室も開催中。現場を通じて得た問題点をもとに、ヒトを用いた臨床試験、官能評価、アンケート調査を行うことを得意とする。企業の商品開発や、マーケティングに役立たせることが出来ると好評を博している。メディア出演、連載、著書多数。