健康・ヘルスケア
2025.5.7

朝食に乳製品を摂り過ぎると体を冷やすってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「朝食」について。朝食に乳製品を摂り過ぎると体を冷やすってホント? 理学博士・管理栄養士の古谷彰子さんにお話を伺いました。

Q:朝食で乳製品を摂り過ぎると体を冷やすってホント?

「乳製品は体を冷やしやすい」という説があります。そのため、そもそも寝起きで体温の低い朝に乳製品を摂ると体が冷えるというウワサが。本当なのでしょうか。この疑問について理学博士・管理栄養士の古谷彰子さんに聞いてみました。

A:ウソ

「科学的な研究において、乳製品の摂取が体を冷やすという具体的な証拠は確認されていないのが現状です」(古谷彰子さん・以下「」内同

乳製品が体を冷やす?

「これは東洋医学や伝統的な食文化における概念に由来しています。しかし、現在の科学的研究においては乳製品の摂取が体温を低下させる、あるいは体を冷やすということは確認されていません。乳製品の健康影響に関する研究でも、冷え性の人が好んだ食材に乳製品があったというものはありましたが、特定の食品が直接的に体温に影響を与えるという可能性は低いと思います。気になる人は温めて摂取するとよいでしょう」

朝食で乳製品を取り入れるときのポイント

「乳製品はタンパク質なので、分解されるときに熱を生み出すことで体を温めます。ただ、冷たい状態で食べることも多いので、冷えの原因になることもあるかもしれませんね。先ほどの東洋医学や伝統的な食文化における概念による陰性の食べ物だから、という説でも牛乳よりもチーズ、ヨーグルトなどの発酵させた食べ物のほうが体を冷やしにくいという話もあります。とはいえ、牛乳も冷えることが気になるのであれば温めればOK。温かい飲み物は体も温まるので、冷えが気になる人にはよいですよ。

生野菜はバランスのよい食事には必要ですが、乳製品より冷えの原因になります。

温かいものを入れても冷たいものを入れれば、胃の中でぬるくなってしまいます。ひとつの食べ物で冷えることを気にするよりも、温める要素があるものを取り入れたり、温かいものを食べるようにしましょう。

あまりあれこれ考え過ぎると、食べることがストレスになってしまうので、楽しく食べられることが大事。これはスピリチュアルな話でもなんでもなくて、体によい、おいしいなと思いながら食べることは体にとってもすごくよいことなのです。みなさん気持ちを穏やかに、朝食を楽しんでくださいね」

愛国学園短期大学 准教授/博士(理学)/管理栄養士
早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構招聘研究員 アスリートフードマイスター認定講師 発酵料理士協会特別講師

古谷彰子(ふるたに・あきこ)

文/土屋美緒

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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