【2025最新】プレ更年期について医師が徹底解説!いつから?対処法は?

もしかして「プレ更年期」かも?とお悩みの方に!主な原因やセルフチェックの方法、知っておきたい対処法について、よしかた産婦人科院長・善方裕美先生に伺いました。また、作家・Lilyさんの人気連載『生きるセンス』から、モデルで起業家の中林美和さんとの対談を掲載。プレ更年期を感じる大人の恋愛観について興味深いお話を聞かせてくれました。
【2025最新】プレ更年期とは? 医師に教わる原因やチェック法
昨今、注目を集めているフェムテック(FemTech)とは、女性(Female)とテクノロジー(Technology)を掛け合わせた造語。フェムテックについて少しでも知識をもち、実践してみるだけで、もっと生きやすく、美しい日常を送れるはず。社会で活躍する女性の皆さんを応援するために、「わたしにもできるフェムテックBeauty」から、今回はプレ更年期について解説。
プレ更年期とは?時期はいつ?
一般的に更年期とされるのは、閉経前後5年の約10年間。日本人の平均閉経年齢はおよそ50歳なので、45〜55歳が更年期にあたります。とはいえ個人差があるので、あくまでも目安。「閉経は、生理が来ない状態が12か月続いてはじめて「1年前のあの時点で閉経していたんだ」とわかります。つまり閉経の5年前から〝今が更年期〟と判断するのは難しいです」と、産婦人科医の善方裕美先生。「中には閉経にはまだ早い30代後半あたりから更年期に似た症状に悩まされる人もいます。それがいわゆる「プレ更年期」なのかの判断も難しいところ。自律神経失調症やPMSなど原因がほかにあるケースも多いのです」
「女性ホルモンの減少」が更年期トラブルの主な原因
「閉経に向けて更年期症状が出てくるのは、卵巣機能の低下による女性ホルモンの減少が主な原因です。体のあらゆる部位にはエストロゲンのレセプター(受容体)があります。女性ホルモンの分泌量が減ると、それらのレセプターに “美容・健康ホルモン” と呼ばれるエストロゲンが行き渡らず、肌、脳、骨など、全身のさまざまな組織に不調が生じやすくなるのです。また、女性ホルモンの減少以外に、対人関係や社会的立場など環境的なストレスや、なりやすい性格なども、更年期症状の発現に影響します」(善方先生・以下「」内同)
プレ更年期・更年期の「セルフチェック」
女性ホルモンの分泌量のピークは20代後半で、そこから減少を辿るにしても、30代前半まではまだエストロゲン不足によってトラブルが生じる年代ではありません。更年期に似た症状があるとしたら、それがプレ更年期なのか、それともほかに原因があるのかを知ることで対策も変わってきます。
以下は、プレ更年期や更年期に現れる不調の例。当てはまるものはありますか?
- 顔がほてる。
- 汗をかきやすい。
- 手足や腰が冷えやすい。
- 息切れや動悸がする。
- 寝つきが悪い、眠りが浅い。
- 怒りやすく、イライラする。
- くよくよしたり、憂うつになることがある。
- 頭痛やめまい、吐き気がよくある。
- 疲れやすい。
- 肩こりや腰痛、手足の痛みがある。
当てはまる項目が多いほど、更年期のような症状が出始めた「プレ更年期」の可能性はあります。ただし、ほかに原因がある可能性も大! 「判断のポイントとなるのは、月経のコンディションです」
以下の項目から、自分に当てはまるものを選んでください。
- 【1】生理は毎月来ている。
- 【2】生理不順で生理が来ない月があったり、1か月に2回来ることもある。
- 【3】半年以上、生理が来ていない。
- 【4】生理が来ると症状が治まる。
【1】にチェックがついたあなたの不調は、環境や精神的な要因による自律神経の乱れが原因かも。
「月経が順調なら、女性ホルモンの分泌は乱れていないはず。それでもさまざまな不調が現れているとしたら、脳の受けたストレスや睡眠不足など生活習慣の乱れなどで自律神経のバランスが崩れていると考えられます」
【2】にチェックがついたあなたの不調は、卵巣機能の低下によるホルモンバランスの乱れが原因かも。
「過労やストレス、肥満、過度なダイエットなど、何らかの原因で卵巣機能が低下すると、脳から下される〝ホルモンを出せ!〟という指令に卵巣が応えられず、ホルモンバランスが乱れて、さまざまな不調が起こります」
【3】にチェックがついたあなたの不調は、エストロゲンの減少によるプレ更年期症状かも。
「半年以上、月経がないのであれば、女性ホルモンが十分に分泌されていないために更年期と同じような症状が生じている可能性があります」
【4】にチェックがついたあなたの不調は、PMS(月経前症候群)かも。
「月経前に症状が現れ、月経が来ると治まるのなら、さまざまなPMSの症状のうち、更年期と似た症状が出ている場合が多いです」
自分の不調の原因に合わせた、適切な対策でコンディションアップを目指しましょう!
【2025最新】まずはこれを意識!不調を乗り越える「セルフケア」

よしかた産婦人科院長/横浜市立大学産婦人科客員准教授
善方裕美先生
よしかたひろみ/医学博士。日本産婦人科学会専門医・女性ヘルスケア専門医・日本骨粗鬆症学会認定医。約30年来、更年期障害について、カウンセリング、ホルモン補充療法、漢方薬、食事、運動、代替医療など多角的なアプローチで治療を行う。著書に『女医が教える閉経の教科書』(秀和システム)、『「更年期の不安」をなくす』(永岡書店)など。
「プレ更年期かも?」と疑ってしまうような不調を予防・改善するセルフケアについて産婦人科医・善方裕美先生が伝授します。ただし、あれもこれもと意気込むとストレスになってかえって良くないので、実践しやすいことからひとつずつでも始めるのが正解です。
\自律神経の乱れによる不調は、まず「生活習慣」を見直して!/
「自律神経は、活動的な日中は交感神経が優位、リラックスモードの夜は副交感神経が優位と、1日のうちでバランスよくコントロールされていることが理想です。ところが忙しい現代人は、強いストレス、睡眠不足、食生活の乱れ、運動不足などの影響で、交感神経が優位の時間が長くなりがち。予防するには、そういった環境因子を減らしていくことに尽きます」
【自律神経の乱れやPMSによる不調を改善するセルフケア】
「自律神経の乱れはPMSの原因のひとつでもあります。そのため、以下の自律神経のバランスを整えるケアを実践することで、PMSによる不調の改善も期待できます」
- 仕事と家以外のサードプレイスを作って、好きなことをする。
「仕事や家事から離れて、自分の好きなことに没頭できる第3の居場所を作りましょう。例えば映画、マッサージやエステ、習い事など、自分の心や体が喜ぶことをしてストレスの発散を!」
- 仕事をコントロールしてリラックスする時間を増やし、睡眠の質を上げる。
「仕事中は交感神経が優位の状態になるため、それが遅くまで続くと自律神経のバランスは乱れます。夜は仕事をコントロールして、リラックスタイムを増やすように意識しましょう。また、質の良い睡眠を確保することも重要です。1日の理想的な睡眠時間はおよそ7時間とされています」
\良質な睡眠をとるためのコツ/
- 夜は照明を暖色系に切り替えて、脳への光の刺激を弱める。
- 就寝の2時間程前に入浴(湯船に浸かる)。
- 就寝前にスマホやPCなどのブルーライトを見ない。
- 寝室の温度は夏が25~26℃、冬は15~18℃、湿度は通年50~60%が理想的。
- 寝るときはゆったりとしたパジャマに着替える。
- 布団は軽くて通気性の良いものに。
- 就寝時、音はなるべく遮断。ヒーリングミュージックなどはOK。
- ウォーキングやストレッチなど、体を動かす習慣をつける。
「ウォーキングなどの有酸素運動は気分転換になる上、代謝を促すこともできて、自律神経のバランスアップにつながります。日常的に運動の時間が取れなければ、呼吸を深める(呼吸法)だけでも効果的。また、ストレッチで体のこりをほぐすことで、イライラや抑うつなど心のこわばりもほぐせます」
- 朝食をきちんととる。
「朝、決まった時間に朝食をきちんととることは、自律神経を整えるためにとても重要です。また、セロトニンを増やすビタミンB6(赤身の魚、ささみ、ひれ肉、バナナ、ナッツなどに多く含まれる)や、カルシウムの多い食事はPMSを軽くすると言われています。理想は、玄米と味噌汁、納豆などの和朝食ですが、時間がなければ、ビタミン・ミネラルを豊富に含むグラノーラ+フルーツなどでもOK」
- カフェインやアルコール、喫煙を控える。
「コーヒーや紅茶、緑茶など、カフェインを多く含む飲み物には神経を興奮させる作用があるため、PMSを悪化させると考えられています。睡眠の妨げにもなるので、夕方以降は摂取しないのが賢明です。また、アルコールやタバコも、交感神経を優位にさせて自律神経のバランスを乱します」
上記のような規則正しい食事、運動、睡眠で生活のリズムが整えば、自律神経の乱れやPMSによる不調の緩和につながります。
プレ更年期?と感じることも。大人の恋愛観を中村美和さん×LiLyさんが語る

モデル・起業家
中林美和さん
1979年生まれ。16歳からファッション誌の専属モデルとして活躍。2018年ナチュラルスパブランド「MAROA」を立ち上げ、代表兼プロデューサーとして活動する。
Instagram:@miwanakabayashi

作家
LiLyさん
1981年生まれ。N.Y.、フロリダでの海外生活を経て、25歳で作家デビュー。女性心理と時代を鋭く描き出す作風に定評がある。7月12日に最新刊『オトナの子守唄』(宝島社)が発売。2024年セクシャルウェルネスブランド「Bedin」をローンチ。
Instagram:@lilylilylilycom
「年齢を重ねるって、どういうことですか?」作家・LiLyさんが人生の先輩を訪ねて歩く人気連載『生きるセンス』がセカンドシーズンに突入。より楽しく、より自由に、より心地よく生きるべく、人生のヒントをさらに深掘りしていきます。今回は、モデルで起業家の中林美和さんが登場。現在の恋愛観について、語り合います。
\好きなこと、優先すべきこと。今はそれがどちらも「仕事」――美和さん/
LiLyさん(以下、L):さてさて、美和ちんの今の恋愛観を聞いてみたいな。
美和さん(以下、M):今はすごく精神的に安定している状態。凪のような状況で、それをすごく幸せだと感じているの。
L:ズバリ、再婚願望はある?
M:パートナーとして共に人生を歩んでいくというのは考えるけど、婚姻という形を取るかどうかは、今のところわからないかな。
L:私は根っからの恋愛体質だから、まず自分が恋をしている状態が好きだし、それを望んでもいる。ただ、親でいるのか女でいるのか、そのジレンマもすごくあって…。
M:LiLyはいつでも乙女だよね。かわいらしい! うーん、恋かぁ…。今の私はジェットコースターのような気持ちの浮き沈みもないし、それがすごく満たされているのだと思う。精神的な“安定”がこんなに幸せなんだって感じているの。
L:ちなみに、私自身のことをあらためて語ると、まず一番好きなのは、何かを生むことなんだよね。作品、子供、そして会社。そして2番目に好きなのは、それらを手放すこと。連載エッセイを終わらせたこともそうだし、子供が巣立つのもすごく楽しみ。子が親離れすることをさみしいという人も多いけれど、私の場合は子供が成人するまでガチで向き合ったら、その後はしっかり独立してほしいかな。親はいつからか子供のお荷物になるってのは事実だし、ドライさとはつまり優しさなの。
M:生むだけではなくて、手放すことで、次の扉が開くことはあるもんね。LiLyはそのあたりが、スパッと潔いと思うよ。
L:美和ちんにとって「好きなこと」と「優先すべきこと」って同じ? それとも違う? 私の場合は「好きなこと=恋愛」。体験型の小説のようで、もう夢中になってしまうの。ただ、それは第一優先にはできないこと。今の私が「優先すべきこと=子供と仕事」。
そのあたり、美和ちんはどう?
M:私は今、子供も大きくなったから「好きなこと」と「優先すべきこと」、その両方が仕事になるのかもしれない。仕事は頑張ったらその分結果が出るし、もちろん出ないこともあるけれど、そこに向き合うこと自体がすごく楽しい。一方で恋愛は、夢中になると言うより、安定した気持ちで穏やかな時間の流れを感じていたい。恋は感情を丸ごともっていかれるというイメージがあって、その感情の波を味わうことが楽しいときもあったけど、今は大人になってしまったのか、そういうのは求めていないかも。
L:好きなことと優先すべきことが一致しているなんて、最高! 仕事に専念できる環境が整っているんだね。
\離婚を経て、永遠という言葉の定義を書き換えた――LiLyさん/
M:でも、いつでも恋愛を大切にできるLiLyがうらやましくもあるよ。恋愛のドキドキとか…もちろん楽しいだろうけど、そんな自分が少し恥ずかしくもある。
L:それ、謎すぎ!(笑)
M:40代前半に離婚をして、子供たちも全員大きくなったし、意識して精神的にもっと自立しようと思っていた時期があったのね。ある意味それは成功したんだけど、仕事を頑張るうちに、どんどん逞しくなっていっちゃって…。私の中の男性性のようなものが着実に育っていき、今ではもう女性性が見つからない(笑)。とはいえ、なんだかプレ更年期を迎えているのか、心身ともに女性のメカニズムを感じるようにもなって。クリニックで「更年期の入り口にいますね」と診断されたこともあって、次のライフステージに進んでいる感覚がすごくあるの。
L:すごく興味深い話! 恋愛のことでいうと、私は離婚を経て、「自分の中の乙女が一度死んだ」という感覚があるんだよね。永遠が信じられなくなったという意味での深い絶望も経験した。
M:なるほどね。私は、20年の結婚生活を終わりにしたときは、一度ゆっくり土に還るような、そんな時間は必要だったかな。気持ち的にも環境的にも新しい自分になるための時間というか。
L:うんうん。絶望という言葉を使ったけど、それは私が幼いながらに描いていた「永遠」という言葉の理想が消え失せたという意味であって、あらためてポジティブな意味で「永遠」を捉え直したりもしているの。
M:それはどういうこと?
L:かのジャニス・ジョップリンにまつわるエピソードなんだけど、彼女の死後、元彼や元夫などが10名以上集まって、ジャニスがどれだけ魅力的な人間だったかを語り合うテレビショーがあったの。ひとりと添い遂げることだけがゴールではないし、ジャニスの例だって人生大成功だなと思って。まだ幼かった私はそんな選択肢があることを想像もできなかったから、ただただひとりと添い遂げるシンデレラストーリーを信じていただけで。そう思うと、絶望なんてする必要はゼロだよね。経験と知識を経て、幸せの選択肢は増える一方ってことだから。
M:それ、素敵。すごくいいね!
L:大人の恋愛トーク、もっと深掘りしたいね!
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
よしかたひろみ/医学博士。日本産婦人科学会専門医・女性ヘルスケア専門医・日本骨粗鬆症学会認定医。約30年来、更年期障害について、カウンセリング、ホルモン補充療法、漢方薬、食事、運動、代替医療など多角的なアプローチで治療を行う。著書に『女医が教える閉経の教科書』(秀和システム)、『「更年期の不安」をなくす』(永岡書店)など。