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2024.7.7

モデル・起業家 中林美和さんが語る「大人の恋愛について考えていること」|作家LiLy対談連載「生きるセンス Season.3」第4話

「年齢を重ねるって、どういうことですか?」作家・LiLyさんが人生の先輩を訪ねて歩く人気連載『生きるセンス』がセカンドシーズンに突入。より楽しく、より自由に、より心地よく生きるべく、人生のヒントをさらに深掘りしていきます。第3回は、モデルで起業家の中林美和さんが登場。現在の恋愛観について、語り合います。

第1話▶▶モデル、起業家としても活躍する中林美和さんにとっての「センス」とは?
第2話▶▶中林美和さんが語る「起業人生ってこんなに楽しい!」
第3話▶▶中林美和さんが語る「1stキャリアも2ndキャリアも大切」
第5話▶▶中林美和さんが語る「旅が人生に与えてくれるもの」

好きなこと、優先すべきこと。
今はそれがどちらも「仕事」
――美和さん

LiLyさん(以下、L) さてさて、美和ちんの今の恋愛観を聞いてみたいな。

美和さん(以下、M) 今はすごく精神的に安定している状態。凪のような状況で、それをすごく幸せだと感じているの。

L ズバリ、再婚願望はある?

M パートナーとして共に人生を歩んでいくというのは考えるけど、婚姻という形を取るかどうかは、今のところわからないかな。

L 私は根っからの恋愛体質だから、まず自分が恋をしている状態が好きだし、それを望んでもいる。ただ、親でいるのか女でいるのか、そのジレンマもすごくあって…。

M LiLyはいつでも乙女だよね。かわいらしい! うーん、恋かぁ…。今の私はジェットコースターのような気持ちの浮き沈みもないし、それがすごく満たされているのだと思う。精神的な“安定”がこんなに幸せなんだって感じているの。

L ちなみに、私自身のことをあらためて語ると、まず一番好きなのは、何かを生むことなんだよね。作品、子供、そして会社。そして2番目に好きなのは、それらを手放すこと。連載エッセイを終わらせたこともそうだし、子供が巣立つのもすごく楽しみ。子が親離れすることをさみしいという人も多いけれど、私の場合は子供が成人するまでガチで向き合ったら、その後はしっかり独立してほしいかな。親はいつからか子供のお荷物になるってのは事実だし、ドライさとはつまり優しさなの。

M 生むだけではなくて、手放すことで、次の扉が開くことはあるもんね。LiLyはそのあたりが、スパッと潔いと思うよ。

L 美和ちんにとって「好きなこと」と「優先すべきこと」って同じ? それとも違う? 私の場合は「好きなこと=恋愛」。体験型の小説のようで、もう夢中になってしまうの。ただ、それは第一優先にはできないこと。今の私が「優先すべきこと=子供と仕事」。
そのあたり、美和ちんはどう?

M 私は今、子供も大きくなったから「好きなこと」と「優先すべきこと」、その両方が仕事になるのかもしれない。仕事は頑張ったらその分結果が出るし、もちろん出ないこともあるけれど、そこに向き合うこと自体がすごく楽しい。一方で恋愛は、夢中になると言うより、安定した気持ちで穏やかな時間の流れを感じていたい。恋は感情を丸ごともっていかれるというイメージがあって、その感情の波を味わうことが楽しいときもあったけど、今は大人になってしまったのか、そういうのは求めていないかも。

L 好きなことと優先すべきことが一致しているなんて、最高! 仕事に専念できる環境が整っているんだね。

離婚を経て、永遠という
言葉の定義を書き換えた
――LiLyさん

M でも、いつでも恋愛を大切にできるLiLyがうらやましくもあるよ。恋愛のドキドキとか…もちろん楽しいだろうけど、そんな自分が少し恥ずかしくもある。

L それ、謎すぎ!(笑)

M 40代前半に離婚をして、子供たちも全員大きくなったし、意識して精神的にもっと自立しようと思っていた時期があったのね。ある意味それは成功したんだけど、仕事を頑張るうちに、どんどん逞しくなっていっちゃって…。私の中の男性性のようなものが着実に育っていき、今ではもう女性性が見つからない(笑)。とはいえ、なんだかプレ更年期を迎えているのか、心身ともに女性のメカニズムを感じるようにもなって。クリニックで「更年期の入り口にいますね」と診断されたこともあって、次のライフステージに進んでいる感覚がすごくあるの。

L すごく興味深い話! 恋愛のことでいうと、私は離婚を経て、「自分の中の乙女が一度死んだ」という感覚があるんだよね。永遠が信じられなくなったという意味での深い絶望も経験した。

M なるほどね。私は、20年の結婚生活を終わりにしたときは、一度ゆっくり土に還るような、そんな時間は必要だったかな。気持ち的にも環境的にも新しい自分になるための時間というか。

L うんうん。絶望という言葉を使ったけど、それは私が幼いながらに描いていた「永遠」という言葉の理想が消え失せたという意味であって、あらためてポジティブな意味で「永遠」を捉え直したりもしているの。

M それはどういうこと?

L かのジャニス・ジョップリンにまつわるエピソードなんだけど、彼女の死後、元彼や元夫などが10名以上集まって、ジャニスがどれだけ魅力的な人間だったかを語り合うテレビショーがあったの。ひとりと添い遂げることだけがゴールではないし、ジャニスの例だって人生大成功だなと思って。まだ幼かった私はそんな選択肢があることを想像もできなかったから、ただただひとりと添い遂げるシンデレラストーリーを信じていただけで。そう思うと、絶望なんてする必要はゼロだよね。経験と知識を経て、幸せの選択肢は増える一方ってことだから。

M それ、素敵。すごくいいね!

L 大人の恋愛トーク、もっと深掘りしたいね!

中林美和
1979年生まれ。16歳からファッション誌の専属モデルとして活躍。2018年ナチュラルスパブランド「MAROA」を立ち上げ、代表兼プロデューサーとして活動する。
Instagram:@miwanakabayashi
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LiLy
1981年生まれ。N.Y.、フロリダでの海外生活を経て、25歳で作家デビュー。女性心理と時代を鋭く描き出す作風に定評がある。7月12日に最新刊『オトナの子守唄』(宝島社)が発売。2024年セクシャルウェルネスブランド「Bedin」をローンチ。
Instagram:@lilylilylilycom

次回は7月10日公開予定!
第5話「旅が人生に与えてくれるもの」
お楽しみに!

イラスト/ekore 構成・文/本庄真穂

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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