モデル・起業家 中林美和さんが語る「1stキャリアも2ndキャリアも大切」|作家LiLy対談連載「生きるセンス Season.3」第3話
「年齢を重ねるって、どういうことですか?」作家・LiLyさんが人生の先輩を訪ねて歩く人気連載『生きるセンス』がセカンドシーズンに突入。より楽しく、より自由に、より心地よく生きるべく、人生のヒントをさらに深掘りしていきます。第3回は、モデルで起業家の中林美和さんが登場。今、改めてモデル業に思うこととは?
第1話▶▶モデル、起業家としても活躍する中林美和さんにとっての「センス」とは?
第2話▶▶モデル・起業家 中林美和さんが語る「起業人生ってこんなに楽しい!」
第4話▶▶中林美和さんが語る「大人の恋愛について考えていること」
第5話▶▶中林美和さんが語る「旅が人生に与えてくれるもの」
ビジネスと子育ては似ている
大切に大切に育てること
――美和さん
LiLyさん(以下、L) 前回に引き続いて、お互いの起業家としての話をしていきたいんだけど、もう少しあの話を掘り下げてもいい?
美和さん(以下、M) 「ビジネスの立ち上げは恋の始まりに似ている。ローンチのあと走り出したら、恋から結婚になって、現実を見つめることになる」というあの話ね?
L そう! だってやっぱり私は「恋が好き」。付き合う前のドキドキや、両思いになって少しずつ仲を深めていく過程…そのときめきがとにかく好きで。ローンチ後の「結婚」が不安…(笑)
M うんうん、わかるよ。女の子はやっぱり恋が好きだよね。思いが募る一方で、めっちゃハラハラさせられたり、そのアップダウン含めて、愛おしい。
L だから小説でもビジネスでも「0→1」が大好き。ちなみに美和ちんは会社を立ち上げてどれぐらい経った?
M 今年で7年目に入ったかな。振り返ってみれば、すごく大変だったけど、でもあっという間でもあった。10年続くかなぁなんて思っていたけど、あと3年でもう10年だもんね。
L 本当にすごい。これは実際に自分がビジネスをスタートさせて、初めてそのすごさがわかる。「0→1」が好きなのはそうだけど、「1」を育てていくのが本番よね
M ビジネスって子育てと似たところがあって、当たり前だけど、やっぱり成長が前提。準備、行動、反省。三歩進んで二歩下がる。それの繰り返し、なんだよね。
L そうか、恋愛が結婚になって、家族を形成していく。その段階に似ているんだね。
M 私が表に出ている人間だということもあるけれど、プライベートや仕事で問題が発生したりすると、会社に傷がついたりするでしょう。その感覚も子育てと似ているよね。だから大事に育てていかないといけないなって思っているの。
L なるほど…。丁寧にしっかり手をかけてあげないといけないということだね。ふう、頑張るぞ!
エッセイ執筆はひと休み
小説執筆とビジネスに注力していく
――LiLy
M そうやって起業家として奮闘する一方で、久しぶりにモデルとして撮影現場に行くと、それはそれでこの上ない喜びを感じるんだよね。
L その感覚、ぜひ教えて!
M モデル業から少し遠ざかった日々があったとしても、「ああ、こちらもやっぱり自分の居場所だな」と思うの。ファーストキャリアとしてその道を邁進してきたことは無駄にはならないし、自分の幅を広げてくれる武器になるとも思う。
L すっごくいい話。実は私、ライフワークにしてきた連載エッセイを、一旦終わらせたところなの。子供たちのプライバシーを守りたいというのが理由のひとつだけど、ビジネスの成長と小説執筆、今はそこに力を注ぎたいという気持ちもあって。
M 少しシフトチェンジするんだね。
L だからといって、もう二度と書かないわけではなくて、しばしのお休みというイメージ。何年か経って、また違うステージに入ったら、あらためてイントロダクションから書こうかなって思ってる。
M そういう時期なんだね。まずはエッセイを手放すことに決めた、その決断をした自分を褒めてあげてほしいな。
L 子供ができたことで、責任感が増した一方で、もっといろんなことがやりたいという欲も強くて。自分とその周辺を包み隠さず書く、というのが私のカラーではあったけど、それが難しくなった最近は、少しずつ鍵を増やしたいとも思っているの。
M 鍵を増やす?
L 読者の方々ともっと親密な話ができる、鍵付きのSNSアカウントをつくったんだよね。
M なるほど。そこでは寛いだムードで、大切な話ができるようになるね。
L でもね、気がついたら鍵ばっかりが増えていて。家の鍵、事務所の鍵、会員制SNSの鍵、とエンドレス(笑)。子供の頃は、ひとつの鍵でゆったり生活することが夢だったから、ちょっと皮肉だなって。今はそれが最善策だとわかっているんだけどね。あーあ、未来ってわからないなぁ…!
M ほんと! これからどうなっちゃうんだろう。未来予想図、全然見えてない(笑)。あ、でもひとつだけなりたい理想像はある。
L 教えて、教えて!
M 自立した人間でありたい。自分の足で立っていたいの、私。
L おっしゃるとおり! 起業のきっかけも「自分の足で立てる場所が欲しい」と言っていたもんね。お互い、地盤を固めていくべく、粛々を前へ進もう!
1979年生まれ。16歳からファッション誌の専属モデルとして活躍。2018年ナチュラルスパブランド〝MAROA〟を立ち上げ、代表兼プロデューサーとして活動する。
Instagram:@miwanakabayashi
Instagram:@lilylilylilycom
次回は7月7日公開予定!
第4話「大人の恋愛について考えていること」
お楽しみに!
イラスト/ekore 構成・文/本庄真穂
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。