モデル・起業家 中林美和さんが語る「旅が人生に与えてくれるもの」|作家LiLy対談連載「生きるセンス Season.3」第5話
「年齢を重ねるって、どういうことですか?」作家・LiLyさんが人生の先輩を訪ねて歩く人気連載『生きるセンス』がセカンドシーズンに突入。より楽しく、より自由に、より心地よく生きるべく、人生のヒントをさらに深掘りしていきます。第3回は、モデルで起業家の中林美和さんが登場。旅が自分の人生に与えてくれる刺激とは…?
第1話▶▶モデル、起業家としても活躍する中林美和さんにとっての「センス」とは?
第2話▶▶中林美和さんが語る「起業人生ってこんなに楽しい!」
第3話▶▶中林美和さんが語る「1stキャリアも2ndキャリアも大切」
第4話▶▶中林美和さんが語る「大人の恋愛について考えていること」
自立するほどに
人は美しくなると感じる
――LiLy
LiLyさん(以下、L) 美和ちんは、頻繁に旅に出ているイメージがあるの。またフランスに行っていたんだよね?
美和さん(以下、M) そう。旅が大好きなの!
L だから私はビジネスパートナーによく伝えているの。「美和ちんは社長業で忙しいけれど、その合間に旅に出ている。だから私たちも立ち上げ期を駆け抜ければ、少しは余裕が出るはずだから、頑張ろう」って。
M えっと、余裕はないよ(笑)。空港でもカフェでもササっと仕事したりしているよ。
L そうなの〜? なんだぁ、忙しいときにインスタ見て、未来の私もこのような余裕ができるはずだと勝手に期待してたのに(笑)。でもさ、美和ちんがここまで働くようになるとは少し意外だなぁ。若い頃は専業主婦に憧れていたこともあったよね。
M うん、若い頃は、車って買ってもらうものだと思っていたのに、気がついたら自分で買っている(笑)。人にしてもらいたいと思っていたことを、気がついたら今では全部、自分でやれてる。
L 私は、自分は働き続けるだろうなって思ってたんだ。お金持ちと結婚することに憧れがなくて、逆にそれをしてしまったら欲しいものを自力で手に入れていくゲームの邪魔になるって思ってた。今は、若いからそう思ったんだろうなって思う(笑)。でも、実際にもし今私の銀行口座に何十億ってあったら、起業してないと思うんだよな。
M うんうん。面白いよね、人生って。いろんな展開がある!(笑)。いずれにしろ理想は、パートナーがいてもお互いが経済的に自立していることだよね。最近、同じ立場の経営者の人々と話す機会がたくさんあるんだけど、女性男性問わず、人生の目標を明確に持っていて、すごく尊敬する。
L すごくわかる! 性別はもちつくろん年齢も関係なく、自分で仕事をつて突き進んでいる人は、みんな魅力的。
M 話をすることで世界が広がるし、経済の知識もついて、そのこと自体にワクワクしてしまう。
L 美和ちんは、独立して起業してからすごく強くなったね。かっこいいよ。
M 独立する前は事務所に所属していたから、ミスや状況を人のせいにしてしまったり、環境に甘えていたことがたくさんある。今はすべての責任が自分にあって。それは大変なことでもあるけれど、誰のせいにもできないっていうその重荷が気持ちの部分では逆に楽なの。
L 美和ちんと見ていると、自立はしすぎるということがないし、それが美しさに比例するって感じるよ。
パリでは呼吸がしやすい。
自然体の自分でいられる大切な場所
――美和さん
L 最初に戻って、旅の話だけど…。
M 年齢を重ねるにつれて欲望がよりシンプルになっている気がして、今はただ旅がしたい。その欲望だけすごく強いの。
L いつかは海外に住みたいという欲望もある?
M あるある! 私自身は海外は呼吸がしやすい感覚があって。東京は自由といえども、やっぱりキラキラしているよね。街も人も。そうでないとっていう空気感もある。大好きな場所だし、仕事のベースではあるけれど、東京と旅先とを行き来しながら、シフトチェンジをする感覚で人生を堪能したいの。
L なんて素敵な! 美和ちんのデニムに白T姿が私は大好きなんだ。すっごく似合ってる!
M ありがとう。大好きなパリは、人々の佇まいがナチュラルで「生きたいように生きている」という感じがするのね。ブランド物をわかりやすく持っている人もあまり見かけないし、よい物や伝統を受け継ぐ文化が私はすごく好きで。自然体の自分でいられるのが、すごく心地いいの。実際すっぴんの人も多いしね。
L 私も〝ベディン〟のキャンドルを携えて、海外に行きたいな。日本は少しずつフェムテックなどが浸透してきたけれど、「セクシャルウェルネス」と言ってもまだピンとこない人が多くて、もっと文化が成熟していて何よりロマンティックな街、パリで展開していきたいの。
M パリでまず驚いたのが、女性のデリケートゾーンアイテムの充実ぶり。普通の薬局のひと棚にずらりと更年期用のフェミニンソープ、フェミニンミルク、フェミニンシートが並んでいて、その下の段には0〜12歳までの同様のアイテムが並んでいるといった具合。ウェルネスの意識自体が違うんだよね。日本でもこれが浸透するといいなと思うし、そうなるべきだなって思った。
L 日本は、性に関する話がまだまだクローズだから、少しずつオープンにしていきたいよね。もっとカジュアルに話されるべきトピックスなのだから。
M 性欲は本能であってヘルシーなものだということを、私たち母親がもっと認識するべきなのだと思う。
L それを子供世代に伝えていくべきだし、実際に私たちはそれを我が子たちに、とてもいい意味でナチュラルにカジュアルに話しはじめた最初のママ世代かもしれないよね! まだまだ話し足りないけど、お互いにブラッシュアップして、またトークしよう!
1979年生まれ。16歳からファッション誌の専属モデルとして活躍。2018年ナチュラルスパブランド〝MAROA〟を立ち上げ、代表兼プロデューサーとして活動する。
Instagram:@miwanakabayashi
Instagram:@lilylilylilycom
第3回のゲストは、神崎恵さん!お楽しみに!
イラスト/ekore 構成・文/本庄真穂
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。