良質な睡眠に「耳温活」が良いってホント?真相を医師に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日々の生活で生まれる美容や健康の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は“耳と睡眠の関係”について。良質な睡眠に「耳温活」が良いって…ホント? 伝統医学や統合医療の観点を踏まえて根本からの治療を提案する、きたにし耳鼻咽喉科の院長・北西 剛先生にお話を伺いました。
Q:良質な睡眠に「耳温活」が良いってホント?
現代社会を生きる忙しい人々にとって睡眠は体を休めるための大切な時間。ところが夜になってもなかなか眠くならず、布団に入ってから寝つくまでに時間がかかる…そんなお悩みを抱えていませんか?
実は最近、耳を温めると寝つきが良くなるというウワサがあるのです。実際のところはどうなのでしょうか? さっそく、この疑問を北西先生にぶつけてみました。果たしてその答えは?
A:ホント
「人間が眠気を感じるのは、皮膚温度と深部体温の差が小さくなる時です。夜の入浴後、深部まで温まった体は約90分かけて熱を放散し、深部温度が徐々に下がることで眠気が高まっていきます。つまり睡眠前に温めることが重要。もし入浴する時間がとれなくても、寝る前に耳や手足といった末梢部位を温めるだけでも寝つきが良くなる効果があります」(北西先生・以下「」内同)
耳を温めるのが良い理由は?
「耳をはじめとする末梢部位を温めると良い理由は、常に外部にさらされているため冷えやすい反面、温めることで素早く全身に血が巡るという特性があるからです。
その中でも耳は手足に比べて範囲が小さいため即効性が高く、手軽に温めることができます。またツボが多く集中している部位でもあり、マッサージをすれば全身に良い影響を与えられます。
体感的な話にはなりますが、人間や動物の赤ちゃんは寝るときに耳が温かくなったり、耳を触ってあげると寝きやすくなったりします。動物の本能として、耳に触れて温めることで眠りやすくなることを知っているのかもしれませんね」
寝つきが良くなれば、睡眠の質も良くなる?
「睡眠は入眠、長さ、リズムの3つに分けて捉えられ、寝つきは入眠のパートに分類されます。睡眠時間の短さやリズムの乱れの対策については、朝日を浴びる、寝る前にスマホを見ないといったものがよく挙げられていますよね。
これらも睡眠の質を良くするためには大事なことですが、近年の研究では、入眠直後の90分ほどの睡眠(ノンレム睡眠)がひと晩の睡眠の質を大きく左右すると言われています。つまり人間にとって、入眠をスムーズにすることはとても重要なこと。寝る前に耳を温める“耳温活”を習慣にすれば、睡眠の質の向上に大きく期待できると言えるでしょう」
寝る前に耳を温めるおすすめの方法は?
「耳を手のひら全体で包み込んだり、親指と人差し指でつまんで軽くもみほぐしたり、とにかく触れることで簡単に温めることができます。より手軽さを求めるならば、耳を温めるグッズを使ってみるのも良いと思います。適度な温かさを持続させ、その後ゆるやかに温度が下がることで眠りを誘ってくれますよ」
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文/井上ハナエ
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
日本耳鼻咽喉科学会の専門医であるほか、アーユルヴェーダやアロマテラピー、ホメオパシーといった様々な医療分野に精通。根本からの治療に役立てるために数々の資格を保有し、医師の診断や薬で病気を治すことだけでなく、患者自身の体が自ら治ることが大切という考えを元にあらゆる角度から治療を提案。著書に『慢性副鼻腔炎を自分で治す!』(マキノ出版)、『図解 自力で治す!慢性副鼻腔炎 アレルギー性鼻炎』(河出書房新社)などがある。
■きたにし耳鼻咽喉科