健康・ヘルスケア
2022.1.2

専門家に訊いた! 不安で眠れない時の対処法

最近なぜか寝付きがわるい、仕事や家族、恋愛のことなど、いろいろ考え過ぎて眠れない…そんなときって誰でもありますよね? 不安で眠れないときの原因と対処法、眠りの質を高めるためのアイテムを専門家にお訊きしました。

不安で眠れない4つの主な原因

まずは眠れなくなる原因を知って、不安を少しでも和らげましょう。

【1】ストレス

『東京疲労・睡眠クリニック』院長

梶本修身先生

「起きている間にストレスをずっと感じていたら、交感神経が優位な状態がずっと続いてしまうので、とても疲れてしまいます。そのストレスや疲労により自律神経がダメージを受けて行くと、自律神経自体が睡眠を誘発することや睡眠のリズムをうまく作り出せなくなるように。結果、なかなか寝つけなかったり、熟睡できなくて朝起きた時に熟睡感がないということが発生します。」(梶本先生)

 

【2】ホルモンバランスの乱れ

成城松村クリニック

院長 松村圭子先生

「女性の体や心は女性ホルモンに翻弄されている、と言っても過言ではありません。肌あれ、ニキビ、冷え、むくみ、疲れ、だるさ、生理トラブル、イライラ、不安、不眠など、普段なんとなく感じているその不調は、いずれもホルモンバランスの乱れを知らせるサインかも」(松村先生)

 

【3】生活リズムの乱れ

地球が1日24時間で1周するのに対して、わたしたちの体内時計は少し長くて25時間程度。このためわたしたちは地球の24時間に合わせて体内時計を毎日リセットしています。この体内時計のリセットに失敗すると、よいタイミングで睡眠・覚醒ができなくなります。

 

【4】こころの病気

精神科医

織戸 宜子先生

「憂うつな気分や何をやっても楽しくないという症状が2週間以上続く場合は、専門医の診察を受けてみましょう。他にも疲れやすい、気力や意欲がわかない、眠れない、食欲がない、肩こり、頭痛、めまいなどの身体症状が続くこともうつのサインかもしれません。」(織戸先生)

 

ストレスを解消して眠りやすい状態を作る5つの方法

眠るためには、リラックスをつかさどる「副交感神経」を優位にすることが先決。人は強いストレスを受けると「副交感神経」よりも、刺激を伝達する「交感神経」の方が多く働きます。睡眠の敵・ストレスを解消し、眠りやすい状態を作りましょう。

【1】初心者でもかんたん!「深呼吸瞑想」

精神科医・産業医

奥田弘美先生

おなかに手を当て、目を閉じたら、腹式深呼吸。手のひらでおなかが膨らんだり、へこんだりするのを意識しながら行ってみましょう!


「瞑想中、気になることが頭に浮かんだら、手のひらに意識を戻して。 1日1分でも瞑想をすると、過緊張予防に 」(奥田先生)

 

【2】音楽を聴きながらウォーキング

美容家

深澤 亜季さん


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好きな音楽とウォーキングで心も体もスッキリ

「毎日夕方18時頃、約40分間好きな音楽を聞きながら歩くのを日課に。嫌なことや気が重くなることがあっても体を動かすことで気分もリフレッシュでき、前向きに。代謝も上がり、むくみなども取れるのでいいことずくめです!」(深澤さん)

 

【3】SNSを遮断してデジタルデトックス

医師

工藤孝文先生

SNSの情報は人と比べて落ち込んだり、不安をあおるものが多く、心の負担に。歴史や宇宙といった非日常の世界を楽しめる本を読むなど、デジタルデトックスの時間を設けて。

 

【4】あえて笑う&泣く時間を作る

笑うとナチュラルキラー細胞が活性化して、イライラが解消。また、泣くことで副交感神経が優位になり、リラックスモードに。あえて笑う&あえて泣く時間を作って。

 

【5】 気持ちを言葉に出してみる


心身医療内科専門医

牧野真理子先生

不安やモヤモヤが心の中に溜まってしまったとき、最も良いのは「今、抱えている気持ちを言葉にして話すことです。」(牧野先生)

自分がどういう状態にあって、どんなことで苦しいのか。言葉にして話すこと。そしてそれを、理解してくれる相手がいるとベストです。

 

ホルモンバランスが乱れないように気をつけるべき3つのこと

生理前に不安で眠れなくなる人は、ホルモンバランスの乱れを起こさないよう3つのことに気をつけて。

東京大学医学部附属病院 女性診療科・産科助教

泉 玄太郎先生

【1】過激なダイエットをしない

無理なダイエットは、脳が妊娠できる体ではないと判断して、女性ホルモンの分泌を抑制するため、無排卵や無月経になりやすい。

【2】ストレスをため込まない


女性ホルモンは脳の指令で卵巣から分泌されるが、ストレスがかかると、その信号がうまく届かず分泌が乱れ、結果、生理不順に。

【3】激しいスポーツを避ける


女性ホルモンはコレステロールから作られているため、ハードなスポーツでBMI18以下に体を絞っている人は、女性ホルモンのバランスが乱れがち。

 

体をほぐして寝付きを良くする簡単マッサージ&ストレッチ

体が固まり血流が悪いと、寝付きが悪くなってしまいます。寝る前の数分間で簡単にできるマッサージとストレッチで、自然な眠気を誘いましょう。

お風呂上がりにヘッドマッサージ

皮膚科医

山崎まいこ先生

快眠を誘うマッサージのおすすめは、脳の疲れを取りリラックスさせるヘッドマッサージの実践。顔への血流を高める効果もあります。

(1)手を熊手のようにして、耳の上から頭頂に向けてさすり流します。

(2)次に、頭部で最もコリのたまりやすい側頭部に手のひらを押し当て、ゆっくりと回しもみます。

(3)仕上げに、首に近い部分のコリを指圧。

 

入眠を促す寝る前ストレッチ

股関節は日常的に歩いたり、走ったりと酷使されがち。今回は、股関節まわりの筋肉をほぐすストレッチをご紹介します。

常に大きな呼吸を繰り返しながら、 それぞれのポーズで15秒ほどキープしましょう。


(1)仰向けになり、右膝を両手で抱え込みます。


(2)右膝を抱え込んだまま、左胸に近づけます。


(3)左手で左足を持ち、右手で右膝を持ち、ふくらはぎを胸に近づけます。

(4)左手で右膝を持ち、左側へパタンと倒します。右手は右側に伸ばしておきます。

(5)右手で右膝を持ち、右側へパタンと倒します。

(6)タオルを右足の裏にかけて、脚を上に持ち上げて脚裏を伸ばします。

(7)左も同様に行ったあと、足を開いたり閉じたり、ゆらゆら動かします。

 

心も体もほぐれたら、生活習慣を見直そう!

不眠を根本的に解決するには、生活習慣の見直しが必要。無理のない範囲で、出来ることから一つでも取りれてみましょう。

【1】睡眠時間は7時間を目指そう

アヴェニューウィメンズクリニック 院長

福山千代子先生

「睡眠不足や睡眠の質の低下は、ホルモン分泌の司令塔である脳の休息時間を削ってしまうことに。
理想は7時間の熟睡。 夜にぐっすり眠れば、 日中の疲れが取れ、免疫力が高まり、自律神経のバランスも整います。」(福山先生)

 

【2】朝の光を浴び、朝食を食べる

快眠セラピスト
睡眠環境プランナー

三橋 美穂

「太陽光は、全身にある体内時計の親元であり、脳の奥深くに存在するマスターロックをリセットしてくれるんです。体内時計が整うと、睡眠や自律神経、ホルモン分泌などのリズムも整ってきますよ。」(三橋さん)

起床したら、1時間以内に朝食をとり、 体内時計のリズムを合わせましょう。」(三橋さん)

 

【3】お風呂は寝る1時間前、湯船につかる

ヘルスプロモーション研究所所長 睡眠コンサルタント

左藤桂子先生

就寝1時間前の入浴 で体が温まると、表面から熱が放散されて深部体温(内臓器の体温)が徐々に下がります。これでスッと楽に入眠できます。 38~40℃の湯に15分以上つかって。 」(左藤先生)

 

【4】安眠をサポートする食材をとる

睡眠コンサルタント

友野なおさん

「バナナに含まれるトリプトファンは、意欲的な活動を後押しするセロトニンになり、快眠を誘うメラトニンのもとに。また、納豆のナットウキナーゼには、睡眠中にドロドロになりやすい血液をサラサラに保って血流を良くする働きがあるので、夜ごはんにぜひ」(友野さん)

 

【5】寝る前にお酒やカフェインは飲まない

眠れないからと就寝前にお酒を飲んではいませんか?アルコールは寝つきをよくしますが、入眠してからの睡眠は浅くさせます。

「眠るためのお酒は完全にNG。睡眠薬を使うと止められなくなるのでは?と心配する方もおられますが、現在は依存性がほぼないとされる睡眠薬もあり、認知行動療法など薬を使わない不眠症治療も始まっています。寝つきが悪い=すぐに不眠症というわけではありませんが、もし困っている場合には一人で頑張らずに睡眠医療機関を受診してください。眠れない原因や解決を一緒に探しましょう」(柳原先生)

また、カフェイン摂取もNG。
「交感神経を刺激して眠りを遠ざけてしまいます」(柳原先生)

 

さらに眠りの質を高めたい時にオススメのアイテム

アロマの力でリラックス

東京疲労・睡眠クリニック院長

梶本修身先生

睡眠研究家

西川ユカコさん

ラベンダーなど鎮静作用のある香りは、大脳に直接届くため睡眠に有効。

 

自分に合う枕で寝心地アップ

睡眠コンサルタント

友野なおさん

適度な高さ&重さで寝返りが打てる横幅があるものを選んで
枕の役割は首を安定させ、自然な寝姿勢をキープすること。首を支えてくれる形と高さのほか、寝返りをしても位置がずれないよう適度な重さがあるのが理想です。素材は、通気性や弾力性に優れたそば殻やパイプがおすすめ。体に合わない枕は、首や肩がこりやすく、イビキの原因にもなるので定期的に見直すのが◎。

 

快眠をサポートするアイテムを使う

価格容量発売日
¥1,5406錠入2021-09-23

クナイプ|グーテナハト スパークリングタブレット ホップ&バレリアンの香り
至福のバスタイムを演出。美肌効果や血行促進効果をもつ、重炭酸Na配合の入浴料。穏やかな睡眠へと誘ってくれる“ホップ&バレリアン”。

 

グーテナハト スパークリングタブレット ホップ&バレリアンの香りの詳細はこちら
価格容量
¥7,700 20g×30包

再春館製薬所|養生薬湯[医薬部外品]
生薬100%の入浴剤を入れるだけで体の芯から温まり、ぐっすりと眠れるように。翌朝、体のこりや疲れがかなり軽減されます。冷えの改善や美肌にも効果的。

 

価格容量
¥3,080 60ml

ザ パブリック オーガニック|スーパーディープナイト ホリスティック精油ピローミスト クオリティスリープ
もち運びしやすいファブリックミストは、長距離のフライトなどでも大活躍。フローラル系のアロマの香りで心が穏やかに整い、長時間続けて寝られるように。

 

価格容量
¥6,600 15ml

SHIGETA|ボディー・マインド・スピリット
心の緊張をほぐす、ゼラニウムやカモミールをブレンドしたオイル。眠る前に手首につけて深呼吸をすると、呼吸のリズムが整い安眠できます。

 

 

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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