健康・ヘルスケア
2022.1.2

若返りのカギは「抗酸化・抗糖化」と「毛細血管」!食べ物で体内からアンチエイジング

いくつになっても若くて美しい人って憧れますよね。今回は美しく年を重ねたい人なら知っておきたい、老化の原因「酸化・糖化」と「毛細血管の減少」について解説。さらに若返りの味方「抗酸化・抗糖化作用のある食べ物」と、「毛細血管の減少を防ぐ食べ物」、忙し女子でも簡単に出来るレシピを厳選してご紹介します!

老化の原因その1: 酸化と糖化

【1】体が酸化する原因

皮膚科専門医、医学博士 青山ヒフ科クリニック院長

亀山孝一郎先生

「原因は活性酸素。ストレスや紫外線、喫煙などの外的要因や加齢によって、活性酸素分解酵素の減少が重なり、体内に活性酸素が蓄積されて酸化ストレスとなります」
(亀山医師・以下「」内同)

活性酸素は非常に反応性の強い物質で、周りのいろいろな物質を錆びつかせて(=酸化させて)、その機能をおかしくしてしまう物質だそう。

【2】酸化が肌と体に与える影響

酸化が進むと、活性酸素を消去しようとするメラニンが増えてシミをつくってしまったり、肌荒れ、くすみ、シワ、たるみを引き起こし、老化を早めます。 また、体にも影響を与え、がんや動脈硬化、成人病リスクの増加にもつながります。全病気の90%は活性酸素が原因といわれているほどです!」

【3】酸化と糖化が引き起こす「老化スパイラル」

「若いころは、活性酸素分解酵素の働きで酸化ストレスを克服できた肌も、特に40代を過ぎると活性酸素分解酵素が急減します。すると、 酸化ストレスが蓄積されて糖化を引き起こし、 糖化によって活性酸素分解酵素が減少し、さらに活性酸素が発生して酸化ダメージが進行する、という 老化スパイラルが起きてしまう のです」

これを食い止めるには、 抗酸化と抗糖化を同時に行うことが必要。

 

抗酸化作用のある食べ物4選と簡単レシピ

【1】レモン

料理家

尾田衣子さん


切り口にフォークを数か所刺すと果汁をしぼりやすい。
このとき、切り口を上に向けてしぼると、皮に含まれている、 抗酸化作用やリラックス効果のあるフィトケミカル がつぶれて流れ出るので、果汁の栄養価もアップ。

 

★レモンを使った簡単レシピ

レモン甘酒

“飲む美容液”の甘酒はアンチエイジングにも♪ さっぱり味で、甘酒が苦手な人でも飲みやすい。温めて飲んでもおいしい。

◆材料(2杯分)◆
甘酒…500ml
レモン汁…大さじ2
レモンスライス…2枚
オリーブオイル…小さじ1

◆作り方◆

  1. 冷やした甘酒にレモン汁を加えてよく混ぜ、グラスに注ぐ。
  2. レモンスライスを浮かべ、オリーブオイルを垂らす。

 

【2】かぼちゃ

料理家

村山 由紀子さん

皮膚や粘膜を健康に保つβ-カロテン(ビタミンA)やビタミンB6、コラーゲンを生成するビタミンC、血流を促進したり、 強力な抗酸化作用のあるビタミンEや食物繊維など、美肌に効く栄養素がとにかく豊富。 種やワタの高い栄養価も注目されている。

★かぼちゃを使った簡単レシピ

かぼちゃのパン粉焼き

簡単なのにひと手間かけた感があるのはアンチョビパン粉のおかげ。揚げなくてもサクッとして、ボリュームも出ます。

◆材料(2〜3人分)◆
カボチャ…300g(中1/6個)
A[パン粉…40g(1カップ)、アンチョビ…10g(みじん切り)、下ろしにんにく…少量、粉チーズ…適量、オリーブオイル…小さじ4]

◆作り方◆

  1. カボチャは皮ごと5mm厚さの薄切りにする。耐熱皿に並べ、上からふわっとラップをし、電子レンジ(500W)で2分程加熱する。
  2. Aを混ぜ合わせ、1にかける。トースター(750W)で表面がこんがりするまで10分程焼く。

 

【3】トマト

フードスタイリスト

岡本 ゆかこさん

南米原産のナス科の果菜。 赤い色=リコピンにはビタミンEの100倍近い抗酸化力がある とされ、生活習慣病予防や疲労回復効果も。近年、日焼け防止効果も発表されている。βカロテンも豊富だが、品種によって差がある。

 

★トマトを使った簡単レシピ

赤いスープBOWL

トマトジュースやミックス野菜使用で、切る手間さえなし!

◆材料( 2人分)◆
玉ねぎ…1/4個
ミックスベジタブル…50g
ミックスビーンズ…50g
☆トマトジュース(無塩)…300ml
☆顆粒スープの素…小さじ1
☆赤唐辛子…1/2本
塩・こしょう…適量
粉末パセリ…適量

◆作り方◆

  1. 玉ねぎは薄切りに、赤唐辛子は小口切りにする
  2. 耐熱容器に玉ねぎとミックスベジタブル(冷凍のままでOK)、ミックスビーンズ、☆を加えてふんわりとラップをし、600Wのレンジで5分間加熱する
  3. 仕上げに塩・こしょうをし、パセリを散らす。※早ゆでマカロニ(10g)を加えてボリュームアップするのも◎。

 

豚肉とトマトの粒マスタード焼き

豚肉はトマトと一緒だと、さっぱりとおいしく食べられます。トマトの抗酸化力も加わり、疲れも老化もブロック!

◆材料(1人分)◆
トマト…1個
オリーブオイル…小さじ1
豚肉(しゃぶしゃぶ用の薄切り)…100g
A[みりん…大さじ1、粒マスタード・しょうゆ…各小さじ1、にんにく(みじん切り)…1/2片分]

◆作り方◆

  1. トマトは横1cm幅にスライスする。
  2. フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、1と豚肉を並べ入れる。
  3. 2の裏表を焼き、合わせたAを回しかけ汁気がなくなるまで焼く。

 

【4】鮭

門司紀子さん

食材の中でもトップレベルの抗酸化作用を誇るのが、鮭やイクラの赤い色素・アスタキサンチン 。紫外線を浴びて体内で発生する活性酸素を抑えるのをサポートしてくれます。

★鮭を使った簡単レシピ

スモークサーモンとアボカドのサラダ

美肌や疲労回復、抗酸化効果にもひと役買ってくれるアボカドとの組み合わせ。醤油ベースにワサビを効かせたドレッシングで、 あっさりといただけるサラダです。

◆材料◆
アボカド…1個
スモークサーモン…50g~
生いくら…お好みで
オリーブオイル…大さじ1
醤油…大さじ1
レモン汁…小さじ1程度
ワサビ…少量

◆作り方◆

(1)アボカドは縦半分にカットし、ナイフの根元を刺してクルッと回し、種を取り除く。

(2)(1)のアボカドにダイヤ型に切り込みを入れ、実をスプーンですくう。ボウルに入れ、レモン汁を振りかけておく。

(3)ドレッシング用に、オリーブオイル、醤油、ワサビを混ぜ合わせて。

(4)皿にアボカドとスモークサーモン、イクラを盛りつけ、3のドレッシングをかけてできあがり。

糖化を防ぐ食べ物2選と簡単レシピ

ファッション&ライフスタイルプロデューサー/野菜ソムリエ

Atsushiさん

たんぱく質と余分な糖がくっついてできるのがAGES(糖化最終生成物)。これが増えると肌も体も老化!「 糖化を阻害する最強食材がしょうがとクミン。 スープに入れて、こまめに糖化を防いで」(Atsushiさん)

【1】しょうが

★しょうがを使った簡単レシピ

アスパラと鶏肉の黒酢スープ

普通の酢よりアミノ酸やカリウムが多い黒酢。ハリ肌を作る鶏肉にスープが染みてジューシー!

◆材料(2人分)◆
アスパラガス…8本
新玉ねぎ…1/2個
鶏もも肉…150g
にんにく…2片
しょうが…40g
水…400ml
ごま油…大さじ1
A[昆布だし(顆粒)…8g 黒酢…大さじ4 酒…大さじ1 塩…少量 ブラックペッパー…少量]

◆作り方◆

  1. アスパラガスは根元のかたい部分を落とし、5mm厚さに斜め切りに、新玉ねぎは薄切りにする。鶏もも肉は一口大に切る。にんにくは粗みじんに切り、しょうがはせん切りにする。
  2. 鍋にごま油を中火で熱し、にんにくとしょうがを炒める。香りが立ってきたら、鶏肉を入れて炒める。
  3. 水を入れ、沸騰したら新玉ねぎを加えて3 分程煮る。アスパラガスを加え、さらに1 分程煮る。
  4. Aを入れて味を調える。

【2】クミン

★クミンを使った簡単レシピ

春キャベツとエビのカレースープ

ビタミンEの1,000 倍の抗酸化力といわれるエビのアスタキサンチンはとらなきゃ損!

◆材料(2人分)◆
春キャベツ…3枚
新玉ねぎ…1/2
ミニトマト…6個
無頭エビ…8尾
にんにく…2片
しょうが…40g
水…400ml
固形コンソメ…2個
ごま油…大さじ1
A[カレー粉…大さじ1 クミンシード…小さじ2 白すりごま…大さじ2 酒…大さじ1 塩…少量]

◆作り方◆

  1. 春キャベツはせん切りに、新玉ねぎは薄切りにする。ミニトマトはヘタを取る。エビは殻をむいて背ワタを取る。にんにくは粗みじんに切り、しょうがはせん切りにする。
  2. 鍋にごま油を中火で熱し、にんにくとしょうがを炒める。香りが立ってきたら、水を加える。
  3. 沸騰したら、新玉ねぎ、エビを加え、3分程煮る
  4. 春キャベツとミニトマト、固形コンソメを加えて1分程煮たら、Aを入れて味を調える。

 

糖化・酸化のもとになる「老け食べ」に注意!

管理栄養士

麻生れいみさん

上白糖はミネラルがほぼなく、マーガリンはトランス脂肪酸が悪玉コレステロールを増加させます。糖質の塊のスイーツや糖度の高いフルーツは量に気をつけて。ハムやカップラーメン、精白米や精製パンなど加工度の高い加工品は栄養が少ないため避けましょう。

 

老化の原因その2: 毛細血管の減少

【1】毛細血管が減少する原因

金沢医科大学 総合内科学 准教授

赤澤純代先生

「毛細血管は加齢と共に減りますが、食事の偏り、睡眠不足、運動不足、ストレスによる自律神経の乱れなどの影響も大きいです。 毛細血管がダメージを受けるとねじれたり、濁ったりし、しなやかさが失われ、血液をスムースに流せなくなり、血行不良に。 それが冷えにつながります」(赤澤先生)

【2】毛細血管の減少が肌と体に与える影響

「全身の血管の約90%は毛細血管です。毛細血管は太い血管から枝分かれし、体中にびっしり張り巡らされています。そして、血液を通して体に必要な栄養素などと不要な老廃物などの交換を行う微小循環を担っています。この毛細血管が体の末端までキレイな列で伸びていれば、血液がしっかり届き、手足の指先も冷えにくいのです。同時に新陳代謝も整うので、肌は血色良く、ツヤツヤに。免疫機能も高まります。逆に 血行不良だと、栄養素などは届かず、冷えたまま。肩こりや頭痛、生理痛なども現れ、風邪もひきやすくなります。肌もくすみ、目の下にくまが出て、疲れた印象を与えます 」(赤澤先生)

 

毛細血管を増やす食べ物3選と簡単レシピ

料理家・管理栄養士

美才治真澄さん

青魚やアマニ油などに含まれるDHAやEPAなどのn‐3系脂肪酸 には血管を拡張して血流を良くし、血栓を防いで、 美肌に導く毛細血管を増やす効果があります。

【1】サバ

★サバを使った簡単レシピ

サバとオリーブのレモン煮

秋が旬のサバはDHA&EPAが豊富。オリーブのビタミンE、レモンのビタミンCで血管力UP。サバ缶を使っても。

◆材料(1人分)◆
サバ(3枚下ろし)…1/2枚(50g)
玉ねぎ…1/4個(50g)
オリーブ(水煮)…4粒
レモン(輪切り)…2枚
塩…小さじ1/4
A[白ワイン…大さじ1、水…1/3カップ、こしょう…適量]

◆作り方◆

  1. サバは2等分にし、塩の半量とこしょう(分量外)を振り、10分程置く。玉ねぎは薄切りにする。
  2. 鍋に玉ねぎを敷いて、サバ、オリーブ、レモンをのせ、残りの塩とAを合わせて回しかける。蓋をして中火で10分、蓋を取って5分程、汁がなくなるまで煮詰める。

Point:サバは水煮缶でもOK。その場合は、蓋をせずに10分煮ます。

 

【2】アマニ油

★アマニ油を使った簡単レシピ

豆腐とごまのきなりドレッシング


豆腐のたんぱく質が肌を作る。イソフラボンは保湿効果大。豆腐のイソフラボン、ごまのセサミンには女性ホルモンに似た働きが。ダブルの効果で美肌を導き、優しい味で上品な一皿に!

◆材料(作りやすい分量)◆
絹ごし豆腐…1/2丁
白練りごま…大さじ1
塩…小さじ1
薄口しょうゆ…小さじ1
亜麻仁油…大さじ1

◆作り方◆

  1. 豆腐は水きりする。
  2. 1を手でほぐし、白練りごまとホイッパーでよく混ぜ合わせたら、そのほかの材料を加えてよく和える。

★きなりドレッシングを使ったレシピ

枝豆とアスパラとカニのサラダ

素材の味や食感を引き立てる白和え風。カニに含まれる亜鉛も美肌のマスト。枝豆などたんぱく質豊富な食材ととると吸収率アップ。

◆材料(2人分)◆
冷凍枝豆(さやつき)…150g
グリーンアスパラガス…3本
きゅうり…1/2本
カニ缶(ほぐし身)…100g
きなりドレッシング…好みの量

◆作り方◆

  1. 冷凍枝豆は流水で戻し、さやから外す。アスパラガスはゆでて5cm長さに切る。きゅうりは皮をむいて角切りにする。カニはほぐす。
  2. 1をドレッシングで和える。

 

【3】桂皮

★桂皮を使った簡単レシピ

コーヒー+シナモン

体を冷やすといわれるコーヒーも、温め食材・シナモンと組み合わせればバッチリ。 シナモンに含まれる〝桂皮エキス〟は、毛細血管を修復&拡張させ、血流をアップしてくれます。

 

厚切りベーコンのステーキアップルソース

下ろしリンゴがベーコンのジューシーなうまみを爽やかにまとめてくれる。サラダやポークソテーのソースにも。

◆材料(2〜3人分)◆
リンゴ…1個
A[塩…小さじ1、粒マスタード…小さじ1]
厚切りベーコン…200g(1.5cm厚さのもの2枚)
オリーブオイル…少量
シナモンパウダー…適量

◆作り方◆

  1. リンゴは皮をむいて鬼下ろし(またはプラスチックの下ろし金)ですり下ろし、Aと混ぜ合わせる。
  2. フライパンにオリーブオイルをなじませ、中火で熱する。厚切りベーコンを入れ、全体に焼き色がつくまで焼き、器に盛る。1をかけ、シナモンパウダーを振る。

 

毛細血管に負担をかける食べ方に注意!

ハーバード大学・ソルボンヌ大学医学部客員教授

根来秀行先生

食生活の乱れが、知らず知らずのうちに毛細血管に負担をかけています。
次の【1】〜【3】にあてはまる人は、食事のとり方にも注意してみて!

【1】朝食をとらない


体内時計が乱れる上、血液が栄養不足に
「朝食は脳や体を覚醒させ、全身が地球に合ったリズムで動きだすようにするスイッチ役。そのため 朝食を抜くと、体内リズムが乱れて自律神経のバランスもくずれ、それが血液の滞りにもつながります。 また、そもそも朝何も食べないと、血流のもととなる血液自体に栄養が不足してしまうことに。血液の質が低下すると、当然血流も悪くなります」(根来先生・以下「」内同)

【2】ランチは単品になりがち


栄養のバランスが悪く、血液の質が下がる
「朝食と同様、昼食も血液への栄養補給のためにしっかりととることが大事。ただし、外食の単品ランチは糖質過多になりやすく、栄養バランスが偏るので要注意です。 血管内に糖が過剰になると内皮細胞がダメージを受けて、毛細血管に負担がかかります。 おなかがすいていても、血糖値を急激に上げるごはんやパンをいきなり食べるのはNGです」

【3】遅い時間におなかいっぱい食べちゃう

体内時計やホルモンの乱れにダメージが!
「本来は副交感神経が優位であるべき時間帯、 21時以降の食事は、体内時計を狂わせて、毛細血管の劣化につながります。 睡眠の質を下げ、不眠や肥満の要因にも。また、食べすぎる習慣も、アディポサイトカインという悪玉ホルモンを増やして、血圧を上げたり、インスリンの働きを阻害したり…、毛細血管にダメージを与えてしまいます」

 

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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