お悩み別ケア
2018.7.22

皮膚科医に聞く!“肌の酸化”が老けを促す…その原因や防止策、糖化との関係は?

老化だけでなく、あらゆる体の不調にもつながる“肌の酸化”。その原因や防止策はどのようなものなのでしょうか。今回は、年齢を重ねるとともに進行しやすくなる肌の酸化について、青山ヒフ科クリニック院長の亀山孝一郎先生に質問を投げかけてみました。

【目次】
Q. 肌が酸化する原因って?酸化するとどうなる?
Q. 皮脂は肌の酸化を促す?
Q. 肌の酸化を防ぐ食べ物や化粧品は?
Q. 酸化と糖化の関係は?

<お話を伺ったのは…>

235248_02-300x270

亀山孝一郎・・・表参道にある『青山ヒフ科クリニック』院長、皮膚科専門医、医学博士。北里大学医学部卒業。米国立保健衛生研究所(NIH)に招へいされ、メラニン生成の研究に従事。帰国後に発表した論文が話題となり、ビタミンC療法の第一人者と呼ばれるようになる。1999年、『青山ヒフ科クリニック』開業。2002年にオリジナル化粧品『ドクターケイ』を発表。肌トラブルから美容まで様々な悩みにトータルケアで応えている。

Q. 肌が酸化する原因って?酸化するとどうなる?

肌の酸化とは、金属のように体が錆びることです。

「原因は活性酸素。ストレスや紫外線、喫煙などの外的要因や加齢によって、活性酸素分解酵素の減少が重なり、体内に活性酸素が蓄積されて酸化ストレスとなります」(亀山医師・以下「」内同)

活性酸素は非常に反応性の強い物質で、周りのいろいろな物質を錆びつかせて(=酸化させて)、その機能をおかしくしてしまう物質だそう。

「活性酸素が増加する原因は、大気汚染、ダイオキシン、排気ガスなどの環境汚染物質の吸引や、加工食品の添加物、過剰な紫外線、放射線、過度なストレス、タバコ、激しい運動、パソコンや電子レンジなどの電磁波などさまざまです」

では、酸化が肌に与える影響にはどのようなものがあるのでしょう。

「酸化が進むと、活性酸素を消去しようとするメラニンが増えてシミをつくってしまったり、肌荒れ、くすみ、シワ、たるみを引き起こし、老化を早めます。また、体にも影響を与え、がんや動脈硬化、成人病リスクの増加にもつながります。全病気の90%は活性酸素が原因といわれているほどです!」

Q. 皮脂は肌の酸化を促す?

皮脂が過剰に分泌されると、分解されるときに遊離脂肪酸が発生します。遊離脂肪酸は皮膚にとって刺激物なのですが、それが酸化するとさらに刺激性を増し、皮膚に炎症を起こすそうです。

「炎症が激しくなると、皮膚の組織も酸化しやすくなり、さらにまた炎症が進み……という悪循環が生じてしまいます」

朝晩の正しい洗顔と、ビタミンの摂取、食生活や生活リズムの見直しなどで、過剰な皮脂分泌が起こらないようにしましょう。

Q. 肌の酸化を防ぐ食べ物や化粧品は?

体の内外から、活性酸素の消去作用を持つ物質を取り入れてあげることが大切です。

「ビタミンA、C、Eや、ビタミンCの作用を強化するビタミンP、酸化したビタミンCを還元するビタミンBなどを含む食材やサプリが有効でしょう。化粧品も、サプリと同様の成分がおすすめです」

Q. 酸化と糖化の関係は?

肌の糖化は老化の元凶!“肌焦げ”が起こる原因や予防策を皮膚科医が解説」でご紹介した肌の“糖化”は、肌の酸化と切っても切れない関係で、これら2つが肌老化の負のスパイラルを引き起こします。

%e8%b2%a0%e3%81%ae%e3%82%b9%e3%83%8f%e3%82%9a%e3%82%a4%e3%83%a9%e3%83%ab

「若いころは、活性酸素分解酵素の働きで酸化ストレスを克服できた肌も、特に40代を過ぎると活性酸素分解酵素が急減します。すると、酸化ストレスが蓄積されて糖化を引き起こし、糖化によって活性酸素分解酵素が減少し、さらに活性酸素が発生して酸化ダメージが進行する、という老化スパイラルが起きてしまうのです」

これを食い止めるには、抗酸化と抗糖化を同時に行うことが必要。

「ビタミンCは活性酸素消去と糖化阻害に、セイヨウオオバコ種子エキスは糖化阻害に有効な成分。これらの成分が入った化粧品などを意識して使うとよいでしょう」

 

普段から、紫外線やタバコなど、活性酸素が増える要因を避けつつ、食べ物やスキンケアで酸化と糖化を予防することが、老化防止につながるということです。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

この記事をシェアする

facebook Pinterest twitter

関連記事を読む

あなたにおすすめの記事