専門家に聞いた、正しい「ニキビケア」と「NG習慣」
ストレスや摩擦、食生活などさまざまな要因からできてしまう、ニキビ。本記事では、ニキビを誘発させてしまうNG習慣、反対にニキビを作らないための生活習慣、そしてニキビができてしまったときの正しいケア方法などをご紹介します。どうしても治りにくいときはクリニックを受診するのもひとつの方法ですよ。ご参考にしてみてくださいね。
ニキビができる原因と種類
ニキビができる原因はこれ!
「もともとの肌質がとても大きな要因になりますが、ストレスや寝不足によるホルモンバランスの乱れ、偏った食生活、スキンケア時の摩擦などにより、皮脂の過剰分泌や角質肥厚が起こることで毛穴が詰まります。そして、その詰まった毛穴に皮脂が溜まることで、ニキビは発生します。
さらに、毛穴に溜まった皮脂を栄養として、アクネ菌が増殖することで、ニキビの炎症を引き起こします」
- ストレスや睡眠不足によるホルモンバランスの乱れ
- 偏った食生活
- スキンケア時の摩擦
ニキビができるまでの過程とは
「ニキビができるまでの過程は、まず角質肥厚が起こることからはじまります。そのあと、毛穴が塞がり、毛穴に皮脂が溜まることで白ニキビができます。
白ニキビが酸化したものが黒ニキビ。白ニキビからアクネ菌が増殖して炎症を起こしたものが赤ニキビ。赤ニキビが進行して、膿が溜まったものが黃ニキビになります」
- 角質肥厚が起こる
- 毛穴が塞がる
- 毛穴に皮脂が溜まる(白ニキビ)
- アクネ菌が増殖して炎症が起こる(赤ニキビ)
- 膿が溜まる(黃ニキビ)
色で見分ける「ニキビの進行度」
■初期段階:白ニキビ
「ニキビの初期段階。肌のターンオーバーがうまく行かず、角質が肥厚し、毛穴が詰まることで中に皮脂が溜まったまま、膨らんだ状態のもの。赤く腫れるような炎症はなく、毛穴が閉じたままで、皮膚が盛り上がっているのが特徴で、痛みはありません」
■白ニキビが進行:黒ニキビ
「白ニキビが進行し、毛穴の入口が開くことで毛穴に詰まったコメド(角栓)が空気にさらされ、酸化して黒く変色したもの。白ニキビ同様、炎症や痛みはありません」
■炎症をおこしている:赤ニキビ
「毛穴に溜まった皮脂を栄養として、アクネ菌が増殖し、炎症を起こして硬く盛り上がっている状態。触れると少し、痛みを感じる場合もあります」
■赤ニキビが進行して痛み発症:黄ニキビ
「赤ニキビがさらに進行した状態。中心に白または黄色っぽい膿が見えます。皮膚が薄く、破れやすくなっています。ニキビがかなり悪化した状態なので、触ると痛みやかゆみを感じることもあります」
【種類別】ニキビができているときの正しいスキンケア
ニキビができているときの「基本」スキンケア
- クレンジングは1分以内、洗顔は30秒以内
- クレンジング剤はゲルやミルクタイプを選ぶ
- 洗顔はたっぷりの泡で洗い、こすらない
- たっぷりの化粧水+軽めの油分のゲルや乳液タイプの保護アイテムで保湿
「“落とすケアに時間をかけ過ぎない”、“水分多めで油分は少なめの保湿”というのがスキンケアの基本になります。
“落とすケアに時間をかけ過ぎない”については、ニキビができやすい人は落とすケアに時間をかけ過ぎる傾向にあります。そのため、クレンジングは1分以内、洗顔は30秒以内を目安に済ませるようにしましょう。
クレンジングは洗浄力が強すぎず、弾力のあるゲルグレンジングを使用するのがおすすめです。一般的にオイルクレンジングより、ゲルやミルクタイプのほうが、洗浄力がマイルドで、肌にやさしいと言われています。オイルクレンジングはよく落ちる反面、洗浄力や脱脂力が強いため、肌の乾燥を招き、より皮脂の分泌を増やしてしまう可能性があります。
さらにメイクオフの際に滑りが良いため、肌をこすり過ぎてしまう可能性もあるので、ニキビがある肌には不向きです。洗顔はたっぷりの泡でやさしく洗うようにしましょう。
“水分多め、油分少なめの保湿”については、化粧水はたっぷりとつけて水分を補い、油分が軽めのゲルや乳液タイプの保護アイテムで保湿するのがベストです。乾燥対策はしつつも、油分が毛穴を詰まらせる原因にもなるため、保護アイテムは油分が少ないものを選ぶのがルールです」
「ニキビの種類別」スキンケア方法
■白ニキビ
- まずは「触らない」こと
- 場所によっては角質ケアを
- オイル・スクラブ・拭き取りコスメはNG
- 摩擦を与えないスキンケアを
「白ニキビの場合、刺激を加えると赤ニキビへと進行させてしまう可能性があるため、ニキビに触らないようにするというのが第一のケアです。顎や顎裏、こめかみに白ニキビが多発する場合は、ホルモンの影響が強いので、角質ケアを取り入れることもおすすめします。
また、オイルやクリームの使用、スクラブ、拭き取りコスメの使用でも悪化することがあるので、油分の多いスキンケアアイテムは避け、スキンケア時に摩擦を与えないように注意しましょう」
■黒ニキビ
- 肌のターンオーバーを促進する角質ケアを
- 摩擦を与えないスキンケアがおすすめ
「毛穴に余分なものが詰まっている状態なので、肌のターンオーバーを促進する角質ケアを取り入れましょう。角質ケアはスクラブやゴマージュなどの肌をこするタイプではなく、塗るだけなど、摩擦を与えずに使用できるタイプがおすすめです。
黒ニキビは毛穴が開いている状態のため、自然に排出され、治癒することもあります」
■赤ニキビ
- 敏感肌用化粧品のライン使いがおすすめ
- ビタミンC誘導体入りのニキビ用化粧水コットンパックも
- 改善されない場合はクリニック受診がおすすめ
「まずは大人ニキビ用化粧品、もしくは敏感肌用化粧品のライン使いをおすすめします。それらを1か月使用しても改善がなければ、クリニックで受診してみてください。
単発であれば、ビタミンC誘導体入りのニキビ用化粧水のコットンパックも試してみると良いでしょう。患部を刺激すると、炎症が悪化するので、なるべく触らないようにするのが得策です」
■黄ニキビ
- 悪化状態のため、クリニック受診がおすすめ
- 抗生物質の塗り薬や、飲み薬の服用が必要
「ニキビがかなり悪化した状態なので、抗生物質の塗り薬や飲み薬が必要となります。そのため、クリニックでの受診をおすすめします」
ニキビケアで気をつけたいNG習慣
要注意!やってしまいがち、ニキビ誘発「5つのNG習慣」
【NG1】ストレス
- ストレスがたまると自律神経が乱れ肌の血流が悪くなり、ターンオーバーが乱れて免疫力が低下しニキビに。
- ストレスホルモンが過剰分泌されると皮脂分泌が促されニキビが悪化することも。
【NG2】乾燥
- 水分を保持できる肌状態ではないため角質がたまりやすく、それが毛穴に詰まってニキビの原因に。
- また乾燥しているため、肌が不必要に皮脂分泌を促してしまいニキビができる場合も。
【NG3】寝不足
- 寝ているときに上昇するホルモンが上昇せず、体に不調をきたしストレスとなり悪循環に。
- また長時間メイクをしたままだと肌への負担や、メイクが毛穴に詰まってニキビになることも。
【NG4】食生活の乱れ
- 高糖質、高脂質食の過剰摂取や、ビタミンB・C、たんぱく質の不足はニキビの原因に。
- また食物繊維や発酵食品の不足などにより腸内環境が悪化すると、ニキビの発生につながります。
【NG5】摩擦
- 洗顔やメイクブラシなどで過度に摩擦を与えると、守るべき角質層にダメージを与え悪影響を及ぼすことも。
- 摩擦により角質層が固くなり皮脂が詰まってニキビに。
改善!ニキビを作らないために心がけたい基本習慣
美容皮膚科医
美容皮膚科タカミクリニック 副院長
山屋雅美先生
2004年に埼玉医科大学卒業後、東邦大学医療センター大橋病院皮膚科にて従事。三井記念病院皮膚科、都内美容皮膚科にて勤務したのち、2011年タカミクリニックに勤務開始。2021年タカミクリニック副院長に就任。シミ、しわ、たるみなどのアンチエイジング治療だけでなく、ニキビなどの皮膚疾患まで精通し肌質改善治療まで一貫して行っている。女性ならではの視点でのアドバイスにも好評を得ている。
■美容皮膚科タカミクリニック
- 糖分や脂質は少なめに、野菜やタンパク質を多めに摂る
- サプリメントはビタミンC、ビタミンB2、ビタミンB6がおすすめ
- 1日6時間程度の質の良い睡眠を取る
「食事のバランスや睡眠などの生活習慣も、ニキビを作らないために大事なケアです。食事に関しては、糖分や脂質の過剰摂取は皮脂の分泌量を多くするなど、影響があるので、注意が必要です。
糖分や脂質は控え、野菜やタンパク質を多く摂取するように心がけましょう。外食が多い、偏食しがちな人は、サプリメントで栄養素を補い、バランスを取るというのも良いでしょう。
なかでも皮脂の分泌量をコントロールしたり、脂質代謝を促すはたらきをするビタミンC、ビタミンB2、ビタミンB6の摂取がおすすめです。
そして睡眠は肌状態に大きな影響を与えます。睡眠不足は免疫力を低下させ、ニキビのできやすい状態や、ニキビの悪化を招きます。そのため、1日6時間程度の質の良い睡眠を取ることで、肌再生を促すようにしましょう」
市販のニキビ用塗り薬や飲み薬の選び方
表参道美容皮膚科・副院長
三宅 真紀先生
レーザー治療・アンチエイジング治療のエキスパート。患者様の立場にたった、優しく丁寧できめ細やかなカウンセリングから、ひとりひとりに最適な治療を提案し、高い治療技術により確実に結果を出す。美容・スキンケア全般に豊富な知識を持ち、数多くの有名化粧品開発にも携わる。テレビ・雑誌などのメディアにも多数出演。
■塗り薬の選び方
「殺菌作用や抗炎症作用のあるものを選ぶとよいでしょう。塗るタイミングは、洗顔後に気になる部分にだけに塗ります。合わない薬の場合、かゆみや赤みが出てしまうことがあるため、最初の1~2日は部分的に使用して様子を見るのがベスト。万が一、かゆみや赤みが出てしまった場合は、すぐに使用を中止してください。
市販のものは、効き方がマイルドなので、使用しても症状が改善しないこともあります。その場合は、できるだけ早く皮膚科を受診することをおすすめします」
■飲み薬の選び方
「市販されている飲み薬の成分は、ビタミン剤が中心になっています。ストレスでビタミンが消費されてしまうため、ビタミンはしっかり摂るようにしましょう。ビタミンB2やB6、ビタミンC配合のものを目安に選ぶのがよいですね」
市販のニキビ用塗り薬や飲み薬おすすめ6選
資生堂薬品 イハダ|アクネキュアクリーム[第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥880 | 16g |
- 炎症を抑えて殺菌しつつ肌に優しい。
- 素肌と同じ弱酸性、ノンアルコールと安心のノンステロイド治療薬。
- ベタつかないジェルクリームタイプ。
ライオン|ペアアクネクリームW[第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥950 | 14g |
- 有効成分が赤ニキビの炎症を抑える。
- 抗炎症&殺菌力を発揮しつつ、弱酸性で肌を守る。
- クリームを塗り広げると透明になるので、メイクも重ねられる。
ジョンソン・エンド・ジョンソン|テラ・コートリル(R)軟膏a[第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥1,100 | 6g |
- 膿んでいるひどいニキビに◎
- 抗炎症作用の“ヒドロコルチゾン(副腎皮質ステロイド)”と抗生剤“オキシテトラサイクリン塩酸塩”が膿を抑える。
- 長期使用で赤みが出ることも。
ロート製薬 メンソレータム|アクネス25メディカルクリームC[第2類医薬品](左)
価格 | 容量 |
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¥1,320 | 16g |
- 赤ニキビの炎症を鎮静
- アクネ菌を殺菌し赤ニキビの炎症を鎮める
エーザイ|チョコラBB(R)プラス[第3類医薬品]
価格 | 容量 |
---|---|
¥1,408/¥2,618/¥3,718/¥4,928 | 60錠/120錠/180錠/250錠 |
- 肌荒れやニキビなどの肌悩みを内側からケアしてくれるのが、サプリメント「チョコラBB(R)プラス」。
- 体の中で直接働く主成分“活性型ビタミンB2”が肌のターンオーバーの正常化を助け、トラブルに負けない肌を目指す。
- 肌ケアと疲れケアに効果的なB群(B6やB1など)を配合し、栄養不足をコントロール。
- 1日2回飲むだけなので、「忙しくてスキンケアに時間をかけられない」という人も続けられそう!
ライオン|ペアA錠[第3類医薬品]
価格 | 容量 |
---|---|
¥1,440/¥2,700 | 60錠(30日分)/120錠(60日分) |
- “新陳代謝”に着目したのが「ペアA錠」。
- “グルクロノラクトン”“L-システイン”“生薬ヨクイニン”“ビタミンB2&ビタミンB6”の5つの有効成分が新陳代謝を促し、体の内側から肌状態にアプローチ。
- 「いつも同じところにニキビができる!」「食生活が乱れたり、疲れたりすると、すぐニキビができる!」という人におすすめ。
ニキビケアにおすすめの皮膚科
美容エディター
中島麻純さん
丁寧なカウンセリングと研究熱心さが決め手
ニキビの悪化を防ぐため、ポツンとできた段階で受診するのがおすすめ。研究熱心なドクターなら、よりよい治療法を教えてくれるはずです。カウンセリングで悩みを相談しやすいかも重要なポイント!
\自己判断は禁物!早めの治療が悪化を防ぐ/
美的世代に多いのが炎症を起こした 赤ニキビ 。つい市販薬やセルフケアですませたいと思いますが、こじらせると悪化し 黄ニキビ へ。よけいに痕が残りやすくなってしまうそうです。
「早めに適切な治療が大切」と、かくた皮膚科クリニックの角田美英院長はアドバイス。「クリニックなら赤ニキビの前の白ニキビも、塗り薬(外用薬)の処方ができます。赤ニキビにはより治りを早くするために 飲み薬(内服薬)の併用を。治療によっては保険診療も可能です」(角田美英院長)
ニキビ治療のスペシャリストが在籍|かくた皮膚科クリニック
■保険診療を基本に、エビデンスの確かな治療を
基本的に保険診療のみで完治を目指す方針。ニキビの状態に合わせて外用薬を処方し、漢方薬をはじめとした内側からのケアにも力を注いでいる皮膚科です。治りにくいニキビの場合にはケミカルピーリングやレーザー治療など自費診療メニューも提案。いずれもエビデンスが確かな治療のみ取り扱っています。
■【保険治療】面ぽう治療薬
過酸化ベンゾイルやアダパレン、抗菌剤など軽症から重症までニキビの状態に合わせた外用剤を処方。自宅で患部に塗り、通常3か月くらいで治癒。
■【自費】レーザー
治りにくい赤ニキビや内部に膿がたまる嚢腫(のうしゅ)におすすめ。波長755nmのアレキサンドライトレーザーの熱作用によって、1か月ごとに5回の治療で治癒。
■詳細情報
【住所】東京都世田谷区成城6-4-15 モアイ成城ビル 3F
【電話番号】03・5429・2255
【診療日】平日10:00~13:00・14:45~18:00 土10:00~14:00
【定休日】木・日・祝
【料金】外用剤・面皰治療薬による保険治療 1回 ¥3,300~・レーザー治療 両頬1回 ¥11,000・全顔1回 ¥22,000・初診料 ¥3,300
専門外来ならではのオリジナル治療|美容皮膚科タカミクリニック
22年間の臨床経験から開発された「タカミクリニック式ニキビ治療」。イオン導入や医療用LEDによる施術、オリジナル治療薬、院内処方コスメの3つのアプローチで、ニキビを治すだけでなく“痕を残さず、繰り返さない”治療にこだわっています。女優やモデルへの治療実績も多数。一刻も早くニキビを治したい人に。
■タカミクリニック式イオン導入
抗男性ホルモン薬やビタミンCE誘導体などを組み合わせたオリジナル導入液を使用。さらに独自開発の機器で、肌に負担をかけない治療を目指す。
■オリジナル治療薬プラン
34万人もの治療実績から作られたオリジナル治療薬。約25種類の外用薬から、肌状態に合わせて処方。自宅でクリニック並みの治療が行える。
■詳細情報
【住所】東京都港区南青山3-18-20 松本ビル3・4・5F
【電話番号】03・5414・6000
【診療日】10:00~19:00
【定休日】水曜日
【料金】タカミクリニック式イオン導入(ビタミンCE) 顔全体と首 1回 ¥11,000・初診料 ¥3,300・オリジナル治療薬プラン ¥16,000前後(初診料込み)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
2004年に埼玉医科大学卒業後、東邦大学医療センター大橋病院皮膚科にて従事。三井記念病院皮膚科、都内美容皮膚科にて勤務したのち、2011年タカミクリニックに勤務開始。2021年タカミクリニック副院長に就任。シミ、しわ、たるみなどのアンチエイジング治療だけでなく、ニキビなどの皮膚疾患まで精通し肌質改善治療まで一貫して行っている。女性ならではの視点でのアドバイスにも好評を得ている。
■美容皮膚科タカミクリニック