健康・ヘルスケア
2021.9.19

便秘への即効アプローチを狙った「マッサージ5選」&「レシピ8選」

腸を刺激して便秘を改善。薬に頼る前に、まずは自分でできる簡単便秘改善マッサージや便秘のツボを毎日続けてみては?マッサージだけでなく、生活改善も大切。便秘改善に効果的な食材を使ったレシピもあわせて紹介します。

便秘になる4つの「原因」

【1】腸内環境の悪化

松生クリニック 院長

松生恒夫先生

便秘や冷えなどは、腸内環境の乱れを示すサインであり、逆に腸内環境を乱す要因にも。また、腸内環境の悪化はてきめんに免疫力の低下を招くため、肌や体、精神など、全身のさまざまな不調につながります。

【2】運動不足


運動不足だと血の巡りが悪く、体が冷えて腸の働きも低下します。そんな「腸冷え」症状は女性に多く、便秘の原因に。運動しないと腸のぜん動運動が少なく、そのことからも便秘になりやすい。

 

【3】乱れた生活習慣

小林メディカルクリニック東京 院長

小林暁子先生


便秘の原因の8割は、乱れた生活習慣にあります。個食や時短、ダイエットなどで食事が単一化すると、食物繊維が不足して充分な便が作られません。また、運動不足や睡眠不足は腸のぜん動運動を停滞させて、排便のリズムを狂わせる要因に。ストレスによる自律神経の乱れも、腸の働きを低下させます。

特に問題なのは、朝のバタバタ習慣。ギリギリまで寝て朝食をとらず、トイレタイムもゆっくりとらないまま仕事に行くと、便意を覚えるタイミングを失ってしまいます。 朝は、朝食をきちんととり、腸が本来の働きをするためのスイッチを入れることが大切なのです」(小林先生)

 

【4】座りっぱなしと無理な姿勢

健康科学 アドバイザー

福田千晶先生

「座りっぱなしは腓腹筋などによるポンプ作用が機能せず、下半身に血液やリンパ液がたまり、むくみやだるさを引き起こします。腹斜筋群なども動かないので便秘になったり、血流の滞りで冷えや痔にも。胃の圧迫で逆流性食道炎のリスクもあります」(福田先生)

 

「隠れ便秘」に注意


「毎日出ていても、おなかの張りや残便感が続く人は“隠れ便秘”です。

便秘でも隠れ便秘でも、体に不要なものがたまって不調が生じやすくなるのは同じ。生活習慣を見直して、スッキリ体質に改善しましょう!」(小林先生)

 

「宿便」は存在しない

「宿便というと、長い間排泄されなかった便が腸壁にびっしりこびりついて固まっているイメージがあるかと思います。しかし腸粘膜の細胞は常にターンオーバしているため、腸壁にコンクリートのように硬い便がこびりついたまま…ということはありません。

たとえばひどい便秘症の人の場合、何日もお通じがこないと本来排出されるべき老廃物まで腸内に残って、そのまま体内に再吸収されることで肌荒れやむくみなどを引き起こします。その原因が宿便にあると考える人が多いようですが、それは通常の便が溜まっているだけです。そもそも宿便などというものはないのです」(小林先生)

 

下腹ポッコリ便秘に効果的な「マッサージ」5選

マッサージは痛みが強いほど効果がある?

一般社団法人 日本美腸協会 代理理事

小野 咲さん

「腸の動きが活発になるのはリラックスしている時で、効果的に腸を動かすには気持ち良いと感じるくらいがベストです。痛みを感じるほど強い刺激を与えると、痛みから体を守るために筋肉がぎゅっと緊張状態になり、かえって腸の動きを妨げてしまいます」(小野さん)

 

【1】腸のぜん動運動を促すマッサージ

【Step.1】右下腹部から時計回りになでる

おへその下に手のひらを添えて、右下腹部からおへその上に向けて時計回りに軽く押しながらなでる。または親指以外の4本の指をそろえ、時計回りに数か所に分けて押す。

【Step.2】おへその左下辺りを指で押す

おへその左下辺り(便のたまりやすい腸の曲がった部分)を指で押す。そのまま斜め下方向に移動し、足のつけ根まで来たら元の位置まで押しながら戻る。

【Step.3】腰部分を両方の手のひらで軽く上下になでる

背筋を伸ばし、腰部分を両方の手のひらで軽く上下になでるようにマッサージする。

 

【2】腸の動きを良くするマッサージ

エステティシャン

三谷麗奈さん

【Step.1】背中の中央に両手を当て、わき腹を通り、そけい部までリンパを押し流す(10回)

【Step.2】ウエストのくびれを作るイメージで、両手でわき腹からそけい部へ流す(左右各10回)

【Step.3】Step.2をもう一度。両手で背中の中央からそけい部まで脂肪を流す(10回)

 

【3】寝たまま「腸もみマッサージ」

松生クリニック 院長

松生恒夫先生


「腹部の張りや便秘が気になるときは、おなかをマッサージするとラクになります。体の右側を下にして横になり、へそを中心に時計まわりに円を描くようにマッサージ。力は入れずにゆっくりと30回程繰り返しましょう」(松生先生)

 

【4】おへそ周りに集まる小腸のツボ押し

「夜ベッドに入って、あお向けの状態で腸もみをすると、眠りも深まります。もちろん翌朝のお通じも快調」(小野さん)

【Step.1】へその左右、指2本分の位置にあるツボを、息を吸いながら、人さし指、中指、薬指の3本を使って押す。

【Step.2】へその上指1本分の位置にあるツボと、下指2本分の位置にあるツボを、Step.1と同じ3本指を使って同時に押す。

 

【5】胃腸をすっきり!「足裏マッサージ」

ホリスティック美容家

岸 紅子さん


「お風呂上がりはマッサージをして、胃腸を活性化。おなかを押して腸を動かしたり、足裏の胃と腸の反射区を押したり。スッキリします」(岸さん)

 

便秘に効く2つの「ツボ」

神門

1日10回×2~3回

手のひら側の手首中央の骨と、小指側の筋の間のくぼみの部分を反対側の親指で押して。

合谷


親指と人さし指のつけ根の部分。反対の手の親指と人さし指で挟むようにプッシュして。

 

食べ物で便秘を解消!「レシピ」 8選

食物繊維をたっぷりとりましょう

大腸肛門病専門医

山口トキコ先生

便秘を予防するには、日頃から繊維質の多い食品を食べるなど、バランスのとれた食事をすることが大切。食物繊維は腸内で水分を吸収して膨らみ、便の量を増やして軟らかくし、腸の蠕動(ぜんどう)運動を高めてくれるのです。

繊維質を多く含む食品には、野菜類、果物、いも類、きのこ類、豆類、穀物、海藻類などがあります。また、乳製品(牛乳、ヨーグルト)、オリーブ油、えごま油、はちみつ、アメ類、イチジク、寒天、コンニャクなども便秘によい食品です。

 

【1】白菜とハムの中華風サラダ

フリーランスエディター&ライター

門司紀子さん


白菜は栄養が豊富とは言えませんが、ビタミンCや鉄、マグネシウム、カリウムなどを含み、食物繊維も。便秘や肌のくすみが気になる時にはぜひ、たっぷり作ってたっぷり食べて、悩みにアプローチしてみてくださいね!

【材料】
白菜…1/10株程度
ハム…2~3枚
ごま油…大さじ1
しょうゆ…大さじ1/2
黒酢…大さじ1/2
きび砂糖…小さじ1/4弱
白すりごま…大さじ1

【作り方】

  1. 白菜は長さ4cmくらいの、粗めの千切りに。
  2. ハムは長さを半分にカットし、5mm幅くらいにカット。
  3. ボウルに白菜とハムを入れ、ごま油をざっくり全体に和えてから、しょうゆ、黒酢、きび砂糖、すりごまを加えて味を調える。

【2】パイナップルとトマト、きゅうりのヨーグルトサラダ


食物繊維も豊富なので便秘の予防にも。また、消化をサポートし、胃腸の働きを整える酵素も多く含んでいるので、胃腸のお掃除にも◎。キレイな肌はキレイな胃腸から!

【材料】
パイナップル…1/8個
トマト…1/2個~
きゅうり…1/2本
オリーブオイル…大さじ1/2程度
ヨーグルト…大さじ2
ハチミツ…小さじ1/2程度
塩・こしょう…適宜
クミン(ホール)…適宜

【作り方】

  1. パイナップルは皮をむき、縦1/8にカットしてから食べやすい大きさにカット。
  2. キュウリはヘタをとり、乱切りに。
  3. トマトもヘタととり、乱切りに。
  4. ボウルにパイナップル、きゅうり、トマトを入れ、オリーブオイルをからませたあと、ヨーグルト、ハチミツ、塩・こしょう、クミン(ホール)を加えて味を調えて。

【3】イチジクとアボカド、グレープフルーツのサラダ


「不老不死の果物」として知られるイチジクは、ポリフェノールが豊富でアンチエイジング効果があり、たっぷりの食物繊維で便秘解消にも◎。

【材料】
イチジク…1個
アボカド…1個
グレープフルーツ…1/3個
オリーブオイル…大さじ1弱
レモン汁…大さじ1/2程度
白ワインビネガー…大さじ1/2程度
塩こしょう…適宜

【作り方】

  1. アボカドは縦半分にナイフを入れ、くるっと回して半分に割り、種を取り除く。その後、さいの目に切れ込みを入れ、スプーンですくってボウルに入れる。
  2. イチジクは食べやすい大きさにカット(皮が気になる人は皮もむいて)。
  3. グレープフルーツは皮をむき、食べやすい大きさにちぎって。
  4. ボウルに具材を入れ、オリーブオイル、レモン汁、白ワインビネガー、塩こしょうを加えて味を調える。
  5. 皿に盛り、できあがり!

【4】いちじくとトマトとカッテージチーズのアペタイザー風

【材料】
いちじく…2個
トマト…1個
カッテージチーズ…大さじ2程度
オリーブオイル…大さじ1
バルサミコ酢…大さじ1
塩・黒こしょう…少々

【作り方】

  1. いちじくは1/8くらいにカット。皮は気にならなければポリフェノールのアンチエイジング効果を狙えるのでそのままで。気になる人は皮をむいても。
  2. トマトはへたをとり1/8くらいの食べやすい大きさに切る。
  3. ボウルにいちじくとトマト、カッテージッチーズを入れ、オリーブオイル、バルサミコ酢、塩・黒こしょうで味を調える。

【5】アボカドとキウイのサラダ


キウイはビタミンC・ビタミンEをはじめ、食物繊維もたっぷり。

【材料】
アボカド…1個
キウイ…1個
オリーブオイル…大さじ1/2
レモン汁…小さじ1
塩・こしょう…適宜
くるみ…適宜

【作り方】

  1. アボカドは縦半分にナイフを入れ、くるっと回して半分に割り、種を取り除く。その後、さいの目に切れ込みを入れ、スプーンですくってボウルに入れる。
  2. キウイは皮をむき、縦半分に切ってから5~7mm幅にカット。
  3. ボウルにアボカドとキウイ、砕いたクルミを入れ、オリーブオイル、レモン汁、塩・こしょうで味を調える。
  4. 3を皿に取り、ミントの葉を散らす。

【6】押し麦とパセリのタブレ風サラダ


低カロリーの押し麦は不溶性・水溶性両方の食物繊維をバランス良く含むので、腸活にも打ってつけ。

【材料】(2人分)
押し麦…40g
パセリ…1~2本(10g)
新玉ねぎ…1/4個(20g)
スライスハム…3枚程度(約50g)
基本のドレッシング(レシピは下)…大さじ3

【作り方】

  1. 押し麦はたっぷりの湯で10~15分ゆでる。ざるに上げ、水気をきる。パセリの葉はみじん切りにする。新玉ねぎとハムは3mm角程度のみじん切りにする。
  2. すべての材料をボウルで和える。

「基本のドレッシング」の作り方

【材料】(作りやすい分量)
塩…小さじ1
辛子…小さじ1/2
酢…大さじ3
オリーブオイル…170ml

【作り方】

  1. 塩、辛子、酢を泡立て器で混ぜ合わせたら、オリーブオイルを加えて軽く混ぜ合わせる。

【7】しょうゆ仕立ての和風きのこ美腸スープ

料理研究家・ 管理栄養士

浜内千波先生


えのきには、ビタミンDをはじめ、鉄分や食物繊維など、普段の食生活で不足しがちな栄養がぎっしり!スープだけでも腸内環境の改善にパワーを発揮する内容に。

【材料】(6食分)
★キャベツ…400g
★にんじん…100g
★長ねぎ…100g
★ブロッコリー…200g
鶏胸肉(皮なし)…600g
しょうが…20g
水…1L
塩…小さじ2強(14g)
黒こしょう…適宜

【作り方】

  1. ★の材料をすべて1cm前後に切る。鶏肉も同様に1cm角に切り、皮ごとすり下ろしたしょうがをもみ込んでおく。
  2. 鍋ににんじん、キャベツ、長ねぎを入れ、フタをして中火弱で蒸すように炒める。野菜から水分が出てきたら水を入れ、ひと煮立ちさせる。さらに、鶏肉、ブロッコリーの順番で加え、具材に火が通ったら塩で味を調える。好みで黒こしょうを振る。保存は冷蔵庫で。
  3. 作り置きの美やせスープ1食分と石突きを切り落としてほぐしたしめじ(100g)を鍋に入れ、中火にかけてひと煮立ちする。きのこに火が通れば、しょうゆ(小さじ1)を加え、味を調える。

【8】豆腐入りみそキムチのピリ辛スープ


伝統的な日本の発酵食品“みそ”には、腸内環境を整える効果も。キムチの乳酸菌は腸内の善玉菌のエサにもなりますが、熱を加えると減るので、トッピングのまま食べるようにしましょう。

【作り方】

  1. 作り置きの美やせスープ(【7】のレシピ)1食分と豆腐(100g程)を鍋に入れ、中火でひと煮立ちさせる。具材が温まったら、みそ(小さじ1)を溶き入れ、器に盛ってキムチをのせる。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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