健康・ヘルスケア
2020.12.2

便秘や痔を防ぐための正しい排便方法や食事、生活習慣とは?【女医に訊く#136】

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便秘になると、硬い便を出そうとして強くいきむため、肛門付近の血管がうっ血したり切れたりして痔の原因となります。では、便秘を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか? 女性大腸肛門病専門医のさきがけとして知られる山口トキコ先生に、便秘や痔を防ぐための正しい生活習慣について教えていただきました。

トイレはなるべく短時間で済ませましょう

便意を感じたときに、すぐにトイレへ行っていますか? 忙しいから、公衆トイレに入りたくないからと、がまんしてはいませんか? 便は腸に留まると、中の水分を取られて硬くなってしまいます。便意のがまんは、便秘を招きます。便意を感じたら、すぐにトイレへ。できれば規則正しい排便習慣を身につけましょう。

「便意がないのに無理矢理トイレへ行くのもよくないですね。排便時間は長くて3分以内! トイレで長くいきむと、肛門に負担がかかってしまいます。完全に出し切ろうと必要以上にいきむのは避けましょう」と語るのは、大腸肛門病専門医の山口トキコ先生。

また、肛門を汚れたままにしていると、その刺激で痔が悪化してしまいます。排便後は洗うなどして、肛門を清潔に保ちましょう。

「ただし、シャワートイレは使い過ぎないでください。シャワートイレを強く長く当てることで排便を促している方もいるようですが、皮膚を刺激してしまうためよくないと思います」(山口先生)

食物繊維をたっぷりとりましょう

「便の硬さや出やすさは、上記のような排便の仕方だけでなく、食事や水分の量によっても決まります。排便の仕方は自分で改善できますし、20代、30代は腸の動きが悪いとも考えにくい。若い方が便秘になるのは、ほとんど食事でしょう」と山口先生。

便秘を予防するには、日頃から繊維質の多い食品を食べるなど、バランスのとれた食事をすることが大切。食物繊維は腸内で水分を吸収して膨らみ、便の量を増やして軟らかくし、腸の蠕動(ぜんどう)運動を高めてくれるのです。

「最近、炭水化物抜きダイエットをしている方が多いようですが、穀類には食物繊維がたくさん入っているため便秘になりがちです。体重が気になるのであれば、よく噛んで食べてください。いわゆる少量のものでも、よく噛んで食べれば腸の動きもよくなるし、食べ過ぎを減らすことにもなると思います」(山口先生)

繊維質を多く含む食品には、野菜類、果物、いも類、きのこ類、豆類、穀物、海藻類などがあります。また、乳製品(牛乳、ヨーグルト)、オリーブ油、えごま油、はちみつ、アメ類、イチジク、寒天、コンニャクなども便秘によい食品です。痔を防ぐためにも、食生活を見直しましょう。

朝食抜きはNG! 水分もしっかりとりましょう

便秘や痔を防ぐには、水分をたっぷりとることと、朝食をしっかりとることも重要です。

「食物が胃に入ると大腸が動き始める蠕動反射を胃結腸反射とよぶのですが、胃が空っぽの朝は、それを使って便意を起こすことができるのです」(山口先生)

冷たい水や牛乳だけでも同様の効果は期待できるといわれています。毎朝コップ一杯の水を飲むなど、習慣づけましょう。

体を冷やさないように注意しましょう

冷えは血行が悪くなるばかりではなく、下痢の原因にもなることがあります。痔を悪化させないためには、毎日入浴するほか、カイロでおしりを温めるのもおすすめです。

「切れ痔は血流が悪いところに傷ができやすいといわれているので、お風呂で温めるのはいいですよね。特に肛門の後方は血流が悪く、虚血になりやすいといわれています。お風呂で温めてもらえば、切れにくくなり、傷も治りやすくなると思います」

ほかにも、腸の動きを活発にし、排便をスムーズにするため適度な運動を心がけて。デスクワークの方は、肛門がうっ血しないように、ときどき立ったり歩いたりしましょう。

大腸肛門病専門医

山口トキコ先生

マリーゴールドクリニック 院長。医学博士。1988年、東京女子医科大学卒業。1992年、同大大学院修了。東京女子医科大学付属病院一般外科で研修後、社会保険中央総合病院・大腸肛門病センター勤務を経て、2000年2月、マリーゴールドクリニックを開業。日本大腸肛門病学会専門医・指導医・評議員。日本臨床肛門病学会技能指導医・評議員。日本外科学会専門医。
文/清瀧流美 撮影/フカヤマノリユキ

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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