健康・ヘルスケア
2020.12.1

疲れやすい、イライラする…これは「ウツ」?生理前だから? まずはセルフチェック

日照り時間が短くなり、コロナ疲れや不慣れな新生活様式も相まってメンタル落ちしていませんか? 今年は誰もがウツになる可能性があるからこそ、しっかりと症状・対策について知っておくことが重要です。ウツの原因から心の整え方まで、専門家に詳しく教えていただきました。まずはセルフチェックしてみて。

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心と体のセルフチェック

この2週間、次のような問題にどのくらい頻繁に悩まされていますか? 各項目に点数をつけ、集計してください。
全くない 0点 □数日 1点 □半分以上 2点 □ほとんど毎日 3点

1.物事に対してほとんど興味がない、または楽しめない。
2.気分が落ち込む、憂ウツになる、または絶望的な気持ちになる。
3.寝つきが悪い、途中で目が覚める、または逆に眠りすぎる。
4.疲れた感じがする、または気力がない。
5.あまり食欲がない、または食べすぎる。
6.自分はダメな人間だ、人生の敗北者だと気に病む、または自分自身あるいは家族に申し訳ないと感じる。
7.新聞を読む、またはテレビを見ることなどに集中することが難しい。
8.他人が気づくぐらいに動きや話し方が遅くなる、あるいはこれと反対に、そわそわしたり、落ち着かず、普段よりも動き回ることがある。
9.死んだ方がましだ、あるいは自分をなんらかの方法で傷つけようと思ったことがある。

上記の集計結果が10点以上の場合は、心と体が不調になっている可能性がありますので、まずは心療内科やメンタルクリニックにご相談いただくことをおすすめします。

※この表は上島国利先生(昭和大学名誉教授)、村松公美子先生(新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授)の監修したチェックリストを基に改変しています。Copyright (c) 2017 Pfizer Japan Inc.

専門家が緊急アドバイス! もしかしてウツ?な心の整え方

リモートワーク疲れなどが睡眠障害の引き金に…

心の不調を訴える人が急増しやすい今の季節。毎日の天気や気圧など気象要因(※1)が人体に与える影響は大きく、めまいや頭痛などの専門外来の受診者も増えています。産業医として働く人のそうした変化にも詳しい尾林誉史先生によると、今年はコロナ禍による急激な環境の変化が追い討ちをかけているとのこと。
「気象要因による心の不調は毎年恒例ですが、今年はリモートワーク疲れで心の不調を訴える人が出始めました。オンライン会議では過剰に相手の気持ちを読みとろうとして緊張してしまいます。また、いつでも連絡がとれるネット環境のせいで、常にONでいなければという強迫観念が働き、睡眠障害を引き起こす人も。睡眠は脳の疲労を取ってくれる大事な時間なので、熟眠感が少ないようなら睡眠導入剤を活用するのもアリ。心療内科や精神科でしたら適切に処方してもらえるので安心です。そもそも、ウツとウツ状態の区別は非常に難しいのですが、見極めポイントとして “興味・関心の喪失”があります。映画鑑賞や読書など、普段時間を忘れて取り組めることができていないなと思ったら、心の水位が下がっている証拠。こうしたウツっぽい症状が出やすい人はメランコリー親和型※2)の傾向にあって、几帳面で神経が細やかで、気配り上手。何事も先回りして考えるので、必要以上に心配をこじらせがちです。特にリモートワークで成果物に対する評価が得られにくく、自分は必要ないのでは…とウツっぽくなる方も。意識的に『ありがとう』『よくできているね』というポジティブなコミュニケーションを増やすことが、今後は大事なスキルになっていくのではと強く感じます」

※1 気象要因
気温の寒暖差や気圧の変動によって自律神経のバランスがくずれ、気分障害を発症する。自律神経にストレス反応が起こると交感神経が優位な状態のままになって、抑ウツやめまいなどを引き起こしてしまう。

※2 メランコリー親和型
うつ病の危険因子のひとつに上げられる性格のタイプ。生真面目で几帳面、そして責任感も強く、きちんと仕事をこなすため社会的評価を受けやすい。その反面、消耗状態に陥ったり、問題が起こると悲観的になる傾向がある。

ホルモンバランスの乱れで発症する女性特有の心の不調

産婦人科医の尾西芳子先生は、女性の場合、ウツ状態が発症するタイミングや期間で対処法が変わるといいます。
「ウツっぽい精神症状が起きても、月経が始まって2、3日で治るようならPMS※3)である可能性が非常に高いです。そのうち3〜5%の割合で強い不安感や抑ウツ感、さらには怒りや絶望感といった重い精神症状が現れるPMDD※3)を発症する方も。引っ越しや転職といった環境の変化が知らぬ間にストレスとなって排卵を止めることもあり、月経不順を招く原因に。そうすると排卵後に増えるはずのホルモンの周期が乱れて、心の不調も引き寄せます。その乱れを整えるには、毎日同じ時間に起きたり、就寝前にアロマの香りをかぐなど、自分がそれをすると心が落ち着くことをルーティンにすると自律神経を整えるので効果的。ホルモンバランスの乱れも予防できます。心の不調が月経によるものかなと思い当たれば、月経前は無理をしないと割り切ることも大切ですね」

※3 PMS・PMDD
PMS=月経前症候群は、月経の約2週間前頃に起きる排卵と共に、肌トラブル、頭痛、便秘など多様な症状が現れる。
PMDD=月経前不快気分障害は、PMSの中でも日常生活に支障を来す程の抑ウツ、不安、イライラ、情緒不安定などが現れる。

「ウツ」に関するトピック

1.うつ病の原因とされるウイルスの遺伝子を発見!

東京慈恵会医科大学の研究チームが「ヒトヘルペスウイルス」が唾液を介して口から鼻に逆流し、脳に感染すると特定のたんぱく質が作られることを発見。これをもつ人は、もたない人に比べて12倍以上もうつ病にかかりやすいと報告された。(2020年11月時点)

2.“メイベリン ニューヨーク”の支援プログラム

女性の内に秘めた可能性を最大限発揮できる社会の実現を目指し、世界最大の化粧品会社ロレアルグループの「メイベリン ニューヨーク」ではメンタルヘルス支援プログラム「BRAVE TOGETHER」を10月に発表し、NPO 法人 「BOND プロジェクト」と共に始動。

 

「VISION PARTNER メンタルクリニック四谷」院長

尾林誉史先生

おばやし たかふみ/東京大学理学部卒業後、「リクルート」に入社。その後、弘前大学医学部学士編入、東京都立松沢病院を経て、東京大学医学部附属病院精神神経科に所属。今年5月にカウンセリングをもっと気軽に受けてほしいとクリニックを開業。

「高輪台レディースクリニック」 院長

尾西芳子先生

おにし よしこ/神戸大学国際文化学部卒業後、山口大学医学部学士編入。東京慈恵会医科大学附属病院研修医、日本赤十字社医療センター産婦人科などで勤務。 妊娠・出産、婦人科がんの手術、不妊治療など幅広く学んだ後、2017年に夫婦で婦人科クリニックを開業。

『美的』2021年1月号掲載
イラスト/松元まり子 構成/宮田典子(HATSU)、有田智子

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