健康・ヘルスケア
2019.11.9

「便秘」が肌あれ、むくみ、冷えに影響!? 便秘の原因や行く末を医師が解説

おなかのポッコリ・疲れやすい・肌荒れ・冷え…などの原因は「便秘」にあった!便秘の原因や放置の行く末を小林メディカルクリニック東京 院長の小林暁子先生に伺いました。

便はこうして作られる!

私たちが食べたものは、胃酸や消化酵素によって栄養素に分解され、腸液に溶け込んだ状態で小腸へ運ばれます。腸液の大半は栄養素と共に小腸で吸収され、食物繊維が混ざった残りが大腸へ。その残りの腸液から水分や電解質が吸収され、食べ物のカスだけが集められて固まりとなったものが便です。

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【大腸の仕事】

◆水分の補給
◆便の形成
小腸から流れてきた食べカスから水分を抜き取り、ぜん動運動によって形を作りながら肛門へと運びます。そこで脳からの指令で便意が生じると、外に排出。ただし便がたまりすぎていると、脳への信号がうまく届かず、便意を感じません。

【小腸の仕事】

◆食べ物を消化・吸収
◆免疫細胞を生成
◆セロトニンを生成・分泌
小腸は全長6~7m。胃から運ばれてきたドロドロ状態の食べ物が消化酵素の働きで栄養素に分解されて、この長い小腸を進みながら体内に吸収されます。また、免疫細胞の7割、幸せホルモン「セロトニン」の9割もここで生成しています。

便秘になるのはなぜ?

偏食、運動や睡眠不足、ストレスで腸の動きが停滞!

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「便秘の原因の8割は、乱れた生活習慣にあります。個食や時短、ダイエットなどで食事が単一化すると、食物繊維が不足して充分な便が作られません。また、運動不足睡眠不足は腸のぜん動運動を停滞させて、排便のリズムを狂わせる要因に。ストレスによる自律神経の乱れも、腸の働きを低下させます。

特に問題なのは、朝のバタバタ習慣。ギリギリまで寝て朝食をとらず、トイレタイムもゆっくりとらないまま仕事に行くと、便意を覚えるタイミングを失ってしまいます。朝は、朝食をきちんととり、腸が本来の働きをするためのスイッチを入れることが大切なのです」(小林先生)

便秘は腸内環境が乱れているサインのひとつ。「うんち」の状態も目安に!

・健康的なうんち

健康な人の便は80%が水分で、残り20%が食べカス(食物繊維)、腸内細菌、剥がれた腸粘膜。表面はなめらかで軟らかい。軽くて水に浮くのが、食物繊維の豊富な理想的な便。

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水分以外20%の内訳
・食べカス 1/3
・生きた腸内細菌 1/3
・剥がれた腸粘膜 1/3
◆ やや硬い便
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表面にひび割れのある、ソーセージ状に固まった便。スッキリせず残便感があることも。

 

◆ 硬い便
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ソーセージ状で量はあるが、カチカチに固まった便。水分不足やストレスが原因。

 

◆ コロコロ便
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硬くてコロコロした便は、水分と食物繊維が不足した状態。隠れ便秘タイプの便はこれ。

 

◆ やや軟らかい便
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半分固形の軟らかい便。一度に出切らず、小分けで出る場合も。悪玉菌が多い状態。

 

◆ 泥状便
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ふにゃふにゃで形がはっきりしない軟便。お酒や肉のとりすぎに注意

 

◆ 水様便
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下痢状態で、固形物を含まない液体状の便。食中毒やウイルス感染症などの疑いも。

大腸の機能低下で起こる便秘は3種類!

便秘は大きく分けると、副交感神経の働きが低下した「ストレス性便秘」、腸のぜん動運動がうまく行かない「弛緩性便秘」、排便センサーが鈍感になった「直腸性便秘」の3タイプがあります。各項目でチェックが多いのは? 自分の便秘のタイプを知って、ケアにつなげましょう!

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1.ストレス性便秘

ストレスの影響で副交感神経が低下して、便が出づらくなっているタイプ。副交感神経の働きが悪いと、腸のぜん動運動も鈍りがち。睡眠不足や不規則な生活も悪影響になります。便秘と下痢を繰り返すことも多い。

CHECK!
□ ストレスを感じることが多い
□ 便秘も下痢もしやすい
□ 入浴はシャワーだけのことが多い
□ 平均睡眠が6時間以下
□ 慢性的な肩こりに悩んでいる

 

2.弛緩性便秘

食物繊維の摂取不足、運動不足などで、腸のぜん動運動がうまく働かない人に多い。腸に便がたまった状態が続くと、さらにぜん動運動が鈍くなります。慢性便秘の大半が、このタイプ。下剤が効きにくい。

CHECK!
□ 朝食を抜きがち
□ 野菜や発酵食品をあまり食べない
□ ほとんど運動をしない
□ 空腹でもおなかが鳴らない
□ 便やおならが異常に臭い

 

3.直腸性便秘

便が直腸まで移動しているのに、排便指令が発信されず、排便できないタイプ。直腸に便がたまっています。便を我慢したり、座りっ放しが多いとなりやすい。腹筋や肛門周りの筋肉が低下して、便を押し出せなくなっている場合も。

CHECK
□ 排便のとき肛門に痛みを感じることが多い
□ 自宅以外では便意を我慢しがち
□ 排便は週2回以下
□ 排便してもスッキリしない
□ 腹筋運動を10回以上できない

 

その他.器質性便秘

ここで紹介した3つの便秘タイプ意外に大腸がんや大腸ポリープなど腸に何かしら病気があるために便秘になる場合があります(器質性)。このタイプは、専門科での治療が必要。

便秘をそのままにしていると…

\美容や健康トラブルのスパイラルに!/
肌荒れ、肥満、冷え、むくみ、疲れ、イライラ、免疫力の低下…etc.

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腸に便がたまると、血液の質も巡りも低下し老化が加速!
「大腸はおなかの中をぐるりと1周していますが、実は両端だけしか固定されていません。ブランコのようにぶら下がった状態のため、便秘が続いて便がたまると、腸がどんどん伸びて下がってしまいます(下がり腸)。そうすると、ほかの臓器も下に引っ張られてたるみ、スタイルがくずれる原因に。また、便秘で老廃物が腸内にたまったままだと、有害物質が発生し、それを含んだドロドロの血液が体内を巡ります。こうした質の悪い血液は脂肪に蓄積されやすいため、太りやすく、やせにくい体にもなってしまいます。血液の巡りも悪くなるので、冷えやむくみ、肌あれ、疲労、肩こり、腰痛、免疫力の低下など、さまざまな不調が止めどなく押し寄せ、外見も中身も老化を加速させます」(小林先生)

 

教えてくれたのは…
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小林メディカルクリニック東京 院長 小林暁子先生
こばやしあきこ/医学博士。順天堂大学総合診療科を経て2005年にクリニックを開業。内科、皮膚科のほか、便秘外来や女性専門外来を併設し、治療に当たる。

 

『美的』12月号掲載
イラスト/サトウヨーコ 構成/つつみゆかり

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