在宅勤務で7割以上の人が不調に!座りっぱなしのリスクとは?
2~3時間も座ったままなら要注意! 座りっぱなしは、さまざまな不調を引き起こす悪習慣です。さらに仕事に適してない自宅でのデスクワークは、体にとって過酷そのもの…。専門家と一緒に今すぐ対策しましょう!
在宅勤務をしている73.9%が体の不調を感じている!?
Q.座っていることで感じる不調は?
アンケート時は半数以上のメンバーが在宅勤務中。ダイニングテーブルにイス、ローテーブルにソファや床へのじか座りなど、仕事向きではない環境に座りっぱなしで体にコリや痛み、疲れが現れ、悲鳴を上げている人が多数!
座りっぱなしと無理な姿勢でさまざまなリスクが!
今、在宅勤務による肩コリや腰痛などに悩む人が急増中。
「立っているより座っている方が体に負担がかかります。前傾姿勢は骨盤が倒れ、腰椎に力が加わり、脊柱起立筋などが張ることに。首が前に出るので頭の重みが頸椎にかかり、僧帽筋なども緊張。悪い姿勢は肩コリや腰痛の入り口。しかも歩かないことで下半身の筋力も低下します」と足のクリニック 表参道 院長の桑原靖先生。
さらに、健康科学アドバイザーの福田千晶先生は「座りっぱなしは腓腹筋などによるポンプ作用が機能せず、下半身に血液やリンパ液がたまり、むくみやだるさを引き起こします。腹斜筋群なども動かないので便秘になったり、血流の滞りで冷えや痔にも。胃の圧迫で逆流性食道炎のリスクもあります」と言います。
フィジカルトレーナーの第一人者中野ジェームズ修一先生は通勤がなくなったことが大きな要因と指摘。
「通勤で歩くことは運動の役割を果たしていました。その通勤回数が減り、体を動かさなければ筋肉はこり固まります。2、3回の肩回し程度のストレッチは気休め。ストレッチは筋肉が疲れるぐらい刺激し、毎日続けることが大切です」
座りっぱなしはお尻に圧力がかかり、疲れや痛みに。さらに低いイスは猫背となり、高いイスは太もも裏を圧迫して血流を妨げる原因にも。座り方や習慣の見直しが急務です。
\座りっぱなしは全身のこの筋肉に悪影響が!/
健康科学 アドバイザー
福田千晶先生
ふくだちあき/医学博士。慶應義塾大学医学部卒業。クリニックで、また産業医として臨床につく一方、健康科学アドバイザーとして執筆や講演、テレビ出演など幅広く活躍。
フィジカルトレーナー
中野ジェームズ 修一先生
なかのじぇーむずしゅういち/米国スポーツ医学会認定運動生理学士。多くのオリンピック選手の個人トレーナーを務める。『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)など著書多数。
『美的』2021年6月号掲載
イラスト/別府麻衣 構成/金子由佳、有田智子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
くわはらやすし/埼玉医科大学医学部卒業。日本初の足専門クリニックで院長を務め、形成外科、整形外科、皮膚科、リハビリテーション科などで足に関する医療を行う。