洗眼はウイルス予防になるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「目」について。洗眼はウイルス予防になるってホント? 吉祥寺森岡眼科の院長、森岡清史先生にお話を伺いました。
Q:洗眼はウイルス予防になるってホント?
コロナ禍で、飛沫感染の防止にも気を使う今日このごろ。目にも飛沫が入っていたら、手洗いと同じように洗眼をしたほうが良い気がしますが、洗眼でウイルス予防はできるのでしょうか? 新習慣として取り入れるべきか否か、この疑問を森岡先生に聞いてみました!
A:ウソ
「洗眼薬を使った洗眼はウイルスなども洗い流す効果があるとされていますから、予防効果が0とは言えません。しかし、逆に洗いすぎで涙の抗菌作用物質を減らしてしまう可能性が高いので、僕はおすすめしません」(森岡清史先生・以下「」内同)
洗眼のしすぎは良くない
「涙の中にも抗菌作用物質が含まれていて、洗眼をしすぎるとその成分が薄まってしまったり、なくなってしまうこともあります。抗ウイルス作用が涙にあるとは言い切れませんが、洗眼をしすぎるのは良くないと思います。外から帰ってきて、花粉や飛沫なんかが入っているとしたら、そういったものを1度洗い流すという意味はあるかもしれません。しかし、我々の目はまばたきをすることで、どんどん汚れを流しています。そのため、特に洗眼薬を使って目を洗う必要はないと思います」
なぜ洗眼薬が生まれた?
「昔の眼科医というのは目洗い目医者でした。と言うのも、トラコーマなどの細菌性の結膜炎などに対しては、ホウ酸などで洗眼をして、目薬を処方するというのが定番の処置でした。しかし、目薬の種類もそんなに多くなかったため、結局、目医者に毎日通って洗眼するということもしばしば。洗眼をするとスッキリしますから、その爽快感がちょっとクセになるようなこともあったようです。
洗眼は一時的にすっきりしますから、洗眼薬というのは、そういったところに注目して商品化されたのではないかと思います。しかし、洗い過ぎに利点はないので、必要なときは使用上の注意を確認しつつ、正しく使うことを心がけましょう」
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文/土屋美緒
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浜松医科大学医学部卒業。東京大学大学院医学系研究科にて網膜色素上皮細胞の研究に従事し、同大学院を修了。医学博士授与、日本眼科学会眼科専門医認定。都内の眼科に勤務後、吉祥寺森岡眼科を開設。視覚身体障害者指定医・難病指定医でもある。著書は「目は10秒でもっとよくなる!—すぐできる目ヂカラの強化書」(自由国民社)、「見える力がよみがえる 立体 遠近トレーニング」(サンクチュアリ出版)。
吉祥寺森岡眼科