眼精疲労からくる不調があるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「目」について。眼精疲労からくる不調があるってホント? 吉祥寺森岡眼科の院長、森岡清史先生にお話を伺いました。
Q:眼精疲労からくる不調があるってホント?
頭痛や肩こりなどの症状に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。パソコンやスマホなどと毎日にらめっこしている人は特に、それが眼精疲労からくる不調の可能性が高いというウワサが。さっそく、この疑問を森岡先生に聞いてみました!
A:ホント
「僕のクリニックに来る患者さんは眼精疲労がある人の8割が肩こり、首こりがひどく、頭痛があると言う人も半数以上です。眼精疲労がある人の頭痛には、肩こりからくるものだったり、目の奥からつながるような痛みがある人もあります。不調が続いて自律神経のバランスが崩れてくると、不眠になったり、お腹の調子が悪くなったりする人もいます。ひどい場合だと、軽度のうつになることもあるんです」(森岡清史先生・以下「」内同)
眼精疲労でなぜ目の奥が痛くなるの?
「眼精疲労というのは、目のまわりの眼球を動かす外眼筋という筋肉が疲労することで起きると考えています。外眼筋は6本の束状の筋肉で構成されていますが、その6本が目のまわりから、目の奥でまとまるような構造になっています。そのため、外眼筋の疲労がひどくなると、足や腕などで起こる筋肉痛と同じように、目の奥の痛みとして感じることがあります。先述した通り、外眼筋は目の奥で重なっているため、そこに痛みが集中することで、頭痛だと感じる人もいます。そして、目の奥というのは脳のすぐ近くなので、痛みが放散することで、頭痛も起きうるということです」
メガネやコンタクトレンズが眼精疲労の原因になることも
「メガネやコンタクトレンズが合っていないと、眼精疲労につながることがあります。過矯正だったり、逆に弱すぎたり、左右のバランスが悪い場合は目に負担をかけてしまいます。また、コンタクトレンズだと遠くにピントがバチッと合ってしまうので、そのぶん、近くを見るときに目への負担が大きくなり、眼精疲労になりやすいということがあります。しかし、視力の調整が不十分な場合は最適な視力に合わせることで、眼精疲労を軽減させることができる可能性があると思います。
基本的にはメガネやコンタクトレンズが、その人の目の使い方における、最適な視力になっているかどうかが大事になってきます」
姿勢が悪いと目も疲れやすくなる?
「単純に姿勢が悪いと良くないと言うより、パソコンやスマホを使用するときや、長時間座って作業するときに姿勢が悪いと良くないということになりますね。例えば、足を組んだり、椅子にちゃんと座っていなかったり、猫背もあまりよろしくないでしょうね。集中していると、どうしても猫背になってしまいがちですが、猫背になるということは画面に近づくことにもなります。それが目への負担を大きくするということも考えられます。足を組むといった、血流が悪くなるような姿勢も、目に影響するというのは間違いないと思います。姿勢が悪い状態が続くと、血流にも関わってきますし、単純にストレスも溜まりますよね。そうすると体も疲れやすくなりますから、目も疲れてしまします。
できるだけ、体がリラックスできる姿勢を維持することが、目にも良いかと思います」
文/土屋美緒
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浜松医科大学医学部卒業。東京大学大学院医学系研究科にて網膜色素上皮細胞の研究に従事し、同大学院を修了。医学博士授与、日本眼科学会眼科専門医認定。都内の眼科に勤務後、吉祥寺森岡眼科を開設。視覚身体障害者指定医・難病指定医でもある。著書は「目は10秒でもっとよくなる!—すぐできる目ヂカラの強化書」(自由国民社)、「見える力がよみがえる 立体 遠近トレーニング」(サンクチュアリ出版)。
吉祥寺森岡眼科