健康・ヘルスケア
2025.4.26

午前中にぼーっとしてしまうのは朝食のせいってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「朝食」について。午前中にぼーっとしてしまうのは朝食のせいってホント?真相を専門家に直撃! 理学博士・管理栄養士の古谷彰子さんにお話を伺いました。

Q:午前中にぼーっとしてしまうのは朝食のせいってホント?

午前中はなんだか頭がシャキッとしないという人はいませんか? それは前回お話した体内時計がうまくリセットされていないことが原因のひとつかもしれません。思い当たる人の中で朝食をとっていない、少ししか食べていないという人は、しっかり朝食をとると、その悩みを解決できる可能性があるのだとか…。本当なのでしょうか。この疑問について理学博士・管理栄養士の古谷彰子さんに聞いてみました。

A:ホント

「朝食をしっかり食べていないと、体内時計がリセットされず、日中の活動に向けてのスイッチが入りません。そのせいで、頭がぼーっとしてしまいます」(古谷彰子さん・以下「」内同

朝食を食べると体温が上がる

「寝起きの体温は低い状態にあり、脳も体も十分に活動できない状態です。そして、朝食をとれば体温が上がり、体内時計がリセットされて活動のスイッチが入ります。体温自体は、白湯など温かい飲み物を飲んだり、お風呂やシャワーを浴びることでも上げることはできるのですが、それだけでは体の全部は起きることができず、体内時計のリセットはできないのです。大切なのは、胃と腸が動き出すこと。バランスのよい朝食をよく噛んで、しっかり食べることが重要です。

さらに朝食は脳のエネルギー源になりますから、朝食をとっていないと、午前中の活動を栄養不足の脳でおこなわなければいけない状態に。朝食は記憶力や体力にも影響することがわかっているので、パフォーマンスを上げるためにも糖質とタンパク質を豊富に含んだ朝食は重要といえます」

朝食をとる習慣をつけるべし

「朝食の重要性がわかったところで、次に大事なのは朝ごはんを食べる習慣をつけることです。たまに食べるのではなく、習慣化することが体内時計にもよい影響を与えます。ヨーグルトでもバナナでもはじめは食べられるものからスタートすればOKです。」

「朝は食欲がわかない」のは当然

「朝と夜の食欲はまったく違うということが、ハーバード大学とオレゴンの研究者らによって、10年ほど前に発表されています。人間はそもそも朝は食欲がわかないリズムになっているそうです。しかし、食欲がわかないから食べないというのではなく朝食は“食べていると食べられるようになる”もの。高校生のころから朝食を食べていないという人でも、1週間ほどで朝食をとることが習慣になったというデータもあります。今は朝食が食べられない人も少しずつでもいいので、朝食をとるように頑張ってみてほしいです」

朝食をはじめる人におすすめなのは…

「朝食には炭水化物系とタンパク質を一緒に摂るとよいです。理由は朝のほうが筋肉がつくられやすい時間だから。夜に摂取した余剰のタンパク質は脂肪になるのに比べ、朝は筋肉をつくることに使われたり、体熱になりやすいのです。1日量のタンパク質の配分も朝を多めするほうがベター。

炭水化物とタンパク質を朝、一緒に食べることで体内時計をリセットする効果があることも明らかになっています。バナナは栄養豊富でヨーグルトや牛乳と合わせて摂れば、炭水化物とタンパク質を一度に摂れるので、朝食に取り入れるのはおすすめですよ。

あとは朝食のファーストステップの一例として“パチト”もよいです。“パチト”とはパンとトマトとチーズの頭文字をとった名称なのですが、エネルギーになるパンに体をつくるチーズ、体の調子を整えるトマトという組み合わせは朝のエネルギーに必要な栄養バランスをプラスできます。

とはいえ“パチト”はあくまでファーストステップ。朝食を食べる習慣がなかった人向けで、実際、これだけではタンパク質量をまかないきれません。朝食をとる習慣ができてきたら、お魚や納豆をプラスするのがよいですね。なぜならお魚に含まれるDHA、納豆に含まれるビタミンKも体内時計のリセット効果が高いためです。また、和食のほうが品数も増えやすいですし、そのなかでもお魚や納豆は取り入れやすいのではないでしょうか。

洋食であればヨーグルトや牛乳を足すのもよいです。ただし、これを食べなければいけない! というように、メニューや食べる量をギチギチに決めないというのも、朝食習慣をつけるうえでの大事なポイントなので覚えておいてください」

愛国学園短期大学 准教授/博士(理学)/管理栄養士
早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構招聘研究員 アスリートフードマイスター認定講師 発酵料理士協会特別講師

古谷彰子(ふるたに・あきこ)

文/土屋美緒

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