血糖値を上げない食べ物って? 一緒に実践すべき「食べ方」と「レシピ6つ」
血糖値の上昇をゆるやかにするには、食べる順番やベジファーストなどが重要!健康的な食事の方法、食べ物や続けやすいレシピ、おやつまでまとめました。
血糖値を上げない「食べ方4つ」
【1】野菜から食べ始め「炭水化物は最後」に
「食事中、血糖値を急激に上げないことが太らないコツ」と竹下さん。血糖値が上がると、それを下げようとすい臓からインスリンが分泌され、脂肪を蓄積させます。インスリン分泌を抑えるために、1)野菜→2)汁もの→3)肉や魚→4)血糖値が上がりやすい炭水化物の順に食べることを習慣に。
【2】「ベジファースト」で食べる
管理栄養士
株式会社エビータ 代表取締役
栄養士大学 学長
一般社団法人 栄養士戦隊☆隊長
浅野まみこさん
総合病院、女性クリニック、企業カウンセリングにて1万8千人以上の栄養相談を実施。その経験を生かし、健康経営サポートや商品開発、人材育成、健康サービスコンサルティングを得意とする。コンビニや外食を使った実践型栄養アドバイスをフィールドワークとし、「コンビニ外食健康法」などの講演が人気を呼び、年間100時間以上の講演を行う。メディアや雑誌にも多数出演。新著に『血糖値は食べて下げる寝て下げる』(アスコム)『血糖値を下げる夜9時からの遅ごはん』(誠文堂新光社)『コンビニ食・外食で健康になる方法』(草思社)。夕刊フジで「きょうから実践 外食・コンビニ健康法」毎週水曜 連載中。
「ベジファーストとは、血糖値の急激な上昇を避ける食べ方のひとつです。空腹時に糖を入れてしまうと血糖値がボン!と上がってしまいます。それを1番簡単に防げるのが、最初に野菜を食べるというベジファーストというわけです。
ベジファーストには生野菜のサラダがいいということが一般化されていますが、別に生でなくても大丈夫です。食べる量としては、たとえば、居酒屋さんなどでお通しとして出てくるような小鉢1個分くらいでOK。野菜の小鉢やサラダなどのがない場合は、炒めものからでもいいですよ。
色の濃い緑黄色野菜は、脂溶性ビタミンのβカロテン、ビタミンEが豊富に入っているので、サラダであれば、油脂が入っているドレッシングなどを少しかけて食べることがおすすめ。油脂が少し入っている方が、炭水化物を摂る際も血糖値の上昇がよりゆるやかになるのでおすすめです」(浅野先生)
【3】「単品」は避ける
ハーバード大学・ソルボンヌ大学医学部客員教授
根来秀行先生
ねごろひでゆき/医師、医学博士。東京大学大学院医学系研究科内科学専攻博士過程修了。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など。最先端の臨床・研究・医学教育の分野で国際的に活躍。著書も多数で、近著に『超呼吸法』(KADOKAWA)。
栄養のバランスが悪く、血液の質が下がる
「朝食と同様、昼食も血液への栄養補給のためにしっかりととることが大事。ただし、外食の単品ランチは糖質過多になりやすく、栄養バランスが偏るので要注意です。血管内に糖が過剰になると内皮細胞がダメージを受けて、毛細血管に負担がかかります。おなかがすいていても、血糖値を急激に上げるごはんやパンをいきなり食べるのはNGです」(根来先生)
【4】「ヨーグルト」を先に食べるもおすすめ
料理研究家・編集者
柳澤英子さん
52歳のとき、1年で26kg減量。そのおいしくて楽しい「やせるおかず」の簡単作り置きレシピが評判を呼び、著書が大ヒット。最新刊『全部コルスタ! やせるおかず 作りおき』(小社刊)も話題に。
「食事前にヨーグルトを食べると消化が良くなり、カルシウムの吸収率もUP。血糖値の急上昇や、余分な脂肪の吸収を抑えるので、ダイエットにもおすすめ。香りのいいオリーブオイルをかけて食べています」(柳澤さん)
血糖値が「上がりにくい」種類
【1】「食物繊維」と「ネバネバ食材」は上がりにくい
松生クリニック 院長
松生恒夫先生
まついけつねお/医学博士。大腸内視鏡検査で4万件以上の実績をもつ・「便秘外来」では、地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを取り入れた診療で効果を上げている。著書も多数。
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を2:1の割合で!
「腸活のために真っ先にとりたい栄養素といえば、食物繊維。大きくは不溶性と水溶性の種類に分けられます。不溶性食物繊維は、水分を吸収して膨らむため、腸を刺激してぜん動運動を活発にし、排便を促進。一方、水溶性食物繊維は、食べ物を包み込んで消化吸収を穏やかにするため、食後の血糖値の急上昇を抑えられます。また、どちらも善玉菌を増やして腸内環境を整える働きがあります。摂取バランスは、不溶性・水溶性2:1が理想。それを実践した多くの患者さんに、排便状況や腹部症状の改善が見られました」(松生先生)
【2】砂糖は使用せず「根菜類は糖質の高いもの」は避ける
野菜はおしなべて低糖質ですが、食後の血糖値を急上昇させないためには、野菜の中でも特に糖質が高い「じゃが芋、さつま芋、カボチャ、とうもろこし」の4種類を避けるのがルール。そのほかの野菜はまんべんなく、たっぷり好きなだけ食べる、が基本です。野菜はビタミン、ミネラル、食物繊維の補給源となるので、キレイにやせるためには欠かせません。
煮ものや金平など、和食は調理に砂糖をよく使いますが、砂糖は血糖値を上げる最たるものなので、「やせるおかず」では砂糖を使わないのが基本。どうしても甘みが欲しいときは、本みりんか砂糖代替品のアガベシロップなどを使います。アガベシロップはリュウゼツランからとれる甘味料で、血糖値を上げず、低カロリー。ダイエット中に甘みが欲しいときのお役立ち調味料です。
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血糖値を上げない「食べ物」と「レシピ6つ」
【1】ゴボウ
食物繊維による便秘解消や血糖値を下げる効果などに加え、代謝を促し美肌をサポートするアルギニンやむくみを和らげるカリウムなども含み、さりげなくキレイを引き上げてくれる食材です。
ゴボウとひじきのあっさりサラダ
◆材料◆
ごぼう…1/2
生ひじき(なければ乾燥ひじきでもOK)…好みの量
胡麻油…大さじ1
醤油…大さじ1弱
酢…大さじ1
きび砂糖…小さじ1/4弱
すり白胡麻…好みの量で
◆作り方◆
【STEP.1】
ゴボウは削ぎ切りに。
【STEP.2】
削ぎ切りにしたゴボウを水に10分ほど浸し、アクをぬく。
【STEP.3】
ゴボウを沸騰したお湯に入れ、サッと茹でる。
【STEP.4】
水気を切ったゴボウと、水で軽く洗った生ひじき、胡麻油、醤油、酢、きび砂糖、すり白胡麻をボウルに入れ、味を調える。
【STEP.5】
皿に盛ってできあがり!
【2】ゴーヤ
苦み成分のモモルデシンには血糖値を下げる効果や、健胃作用、食用増進作用も。
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牛しゃぶと塩もみゴーヤの梅和え
◆材料(1人分)◆
ゴーヤ…1/3本(80g)
塩…小さじ1/4
梅干し…中1個
牛肉(しゃぶしゃぶ用の薄切り)…80g
すりごま…小さじ2
しょうゆ…小さじ1
◆作り方◆
- ゴーヤは縦半分に切って、ワタと種を除き薄切りにする。塩をまぶして手でもみ、しんなりしたら水気を軽く絞る。梅干しは種を除いて包丁で果肉をたたく
- ざるに牛肉を広げて並べ、熱湯をかけて色が変わったら取り出して水気をきる
- ボウルに1、2、すりごま、しょうゆを入れ、全体を和える
◆POINT◆
牛肉は熱湯で火を通す
【3】オレンジ
甘みの果糖は血糖値を緩やかに上昇させるので、デザートにもおすすめ。
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ケールとオレンジ、ミニトマトのバルサミコサラダ
◆材料◆
カーリーケール…半束
オレンジ…1個
ミニトマト…5~7個
オリーブオイル…大さじ1~
バルサミコ酢…大さじ1~
塩・胡椒…少々
くるみ…好みで
◆作り方◆
【STEP.1】
ケールを細めに刻んでから、ざるに入れて水洗いする(切ってから洗うことで、ケールが少ししんなりして食べやすくなるため)
【STEP.2】
オレンジは上下をカットしてから、ナイフを滑らせるようにして皮をむく(リンゴの皮むきと同じような要領で。白いワタ部分は少々残ってしまってもとくに問題ナシ)。皮をむいたら縦半分に切り、さらに5mm幅でカット。ミニトマトは半分にカットして。
【STEP.3】
水気を切ったケールと、カットしたオレンジ&ミニトマトをボウルに入れ、オリーブオイル、バルサミコ酢、塩・胡椒を加えて全体に行き渡るように混ぜ(大き目のスプーンを使うと混ぜやすい)。味見をしてみて、味が足りなければ適宜調味料を足す。
【STEP.4】
お皿に盛って、くるみをトッピング(食感も、栄養価も、写真映えもよくなるひと手間!)。
【4】キヌア
血糖値が上がりにくい低GI値食品なうえ、良質な脂質を含みコレステロール値を正常に保つ効果もあって、ヘルシーなボディづくりにもひと役買ってくれます。
キヌア入りやみつきポテトサラダ
◆材料◆
キヌア…大さじ2~3
水…150~200cc程度
じゃがいも…2個
玉ねぎ…1/6~1/4個
きゅうり…1/2本
ツナ缶…1/2缶
オリーブオイル…大さじ1程度
マヨネーズ…大さじ1程度
クリームチーズ…大さじ1程度
塩・こしょう…適宜
◆作り方◆
【STEP.1】
鍋にキヌアと水を入れ、キヌアを炊く。中火にかけ、水気がなくなって白いヒゲのようなものが出てきたら炊き上がり。炊き上がったらフタをして10分ほど蒸らす。
【STEP.2】
鍋でじゃがいもを柔らかくなるまでゆでる。
【STEP.3】
玉ねぎとキュウリはそれぞれ薄切りにして(スライサーを使うと便利)、塩をふりかけて10分ほど置いてしんなりさせる。
【STEP.4】
じゃがいもは茹で上がったらザルに上げて水気を切り、温かいうちにフォークでマッシュする。
【STEP.5】
ボウルに4のじゃがいも、1のキヌア、手で絞って水気を切った3の玉ねぎ&キュウリ、塩こしょうを加えてざっくり混ぜる。
【STEP.6】
マヨネーズと、やわらかくしておいたクリームチーズを加えて混ぜる。味が足りなかったら適宜調味料を足して好みの味に。
【5】キウイフルーツ
キウイはGI値が低いので料理にも取り入れやすい。
キウイと豚団子の簡単酢豚
◆材料(1人分)◆
グリーンキウイ…1個
豚赤身肉(切り落とし)…100g
酒…小さじ2
片栗粉…適量
オリーブオイル…小さじ1
【黒酢の味付け】
黒酢…大さじ1と1/2
スイートチリソース…大さじ1
片栗粉…小さじ1
水…小さじ1
◆作り方◆
- キウイは皮をむいて一口大に切る
- 豚肉は酒を振ってもみ、3cm大に丸めて片栗粉をまぶす
- フライパンにオリーブオイルを引き、2を時々転がしながら中火焼く
- 焼き色がついたら、黒酢の味付けの材料を混ぜ合わせて回しかける。とろみがついたら1を加え、全体をさっと混ぜ合わせる
【6】そば
医師・イシハラクリニック副院長
石原新菜先生
1980年生まれ。帝京大学医学部卒業。漢方医学、自然療法に詳しく、著書は『病気にならない蒸し生姜健康法』をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』『らくらく18Kgやせた!がん・糖尿病が治った!3日間 酵素断食』など30冊を超える。テレビ出演や講演などでも活躍。
「いちばんおすすめなのは、そば(かけそば、ざるそば)です。消化がよく、8種類の必須アミノ酸、動脈硬化を防ぐ植物性脂肪、適度な糖分、ビタミンとミネラルを含んでいます。中でもバナジウムというミネラルの一種は、血糖を下げ、糖尿病の予防や改善に役立ちます。ネギや七味唐辛子を入れて食べると、体を温める効果があるので加えるといいでしょう。そばが食べられない人は、具だくさんのうどんや、タバスコをかけたパスタ、ごはんを少なめにした定食などもいいですよ。よくかんで食べ、量を摂りすぎないように意識してください」(石原先生)
刻み枝豆とアボカドのサラダそば
◆材料(1人分)◆
枝豆(むき身)…カップ1/2
青じそ…4枚
アボカド…1/2個
【たれ】
卵黄…1個分
ゆずこしょう …小さじ1
レモン汁 …小さじ1
ごま油 …小さじ1/2
塩…ひとつまみ
そば(乾)…70g
生ハム…3枚
ルッコラ…5本
トレビス…1枚
◆作り方◆
- 枝豆はゆでてさやから身を取り出し、青じそと共に粗めのみじん切りにする
- アボカドは種を除いてボウルに入れ、フォークなどでつぶす。たれを加え、なめらかになるまでよく混ぜる
- そばは沸騰した湯で袋の表示に従ってゆで、氷水で締めて水気をよくきる
- 器に3を盛り、2をかける。1を散らし、生ハム、ルッコラ、トレビスをトッピングする
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血糖値を上げないおすすめおやつ
【1】低糖質のナッツや卵・チョコレート
低糖質のナッツ、卵、チョコを少量食べて空腹を紛らわせて。空腹感はしばらくすると消えるものですが、我慢できない場合は食べてOK。ただし、糖質が少ないことを基本に、歯応えのあるもの、少量でも栄養価の高いものを選びましょう。
【2】和菓子の小豆やきな粉は血中のコレステロール値を下げる役割も
産婦人科専門医
吉形玲美先生
浜松町ハマサイトクリニック 婦人科医。医学博士、日本産科婦人科学会 産婦人科専門医、日本女性栄養代謝学会幹事。東京女子医科大学医学部卒業後、同大学産婦人科学教室入局、准講師を経て、現在非常勤講師に。2010年7月より浜松町ハマサイトクリニックに院長として着任。現在は同院婦人科診療のほか、多施設で女性予防医療研究に従事している。更年期、妊活、生理不順など、ゆらぎやすい女性の身体のホルモンマネージメントを得意とする。
和菓子によく使われる小豆には、たんぱく質や食物繊維のほか、むくみを解消してくれるサポニンもたっぷり。きな粉の原料である大豆には、サポニンのほか、血中コレステロールを低下させるレシチン、善玉菌のエサとなるオリゴ糖、女性ホルモンに近い働きをするイソフラボンなどの成分が豊富に含まれています。また、米菓の原料であるお米は、調理後に冷めるとデンプン成分が変化して腸内細菌のエサになり、腸内環境を整える短鎖脂肪酸をつくり出します。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
『デポルターレクラブ』代表。スポーツ選手や著名人のパーソナルトレーナーとして活躍。『「1日1分」を続けなさい!一生太らない”神”習慣』(世界文化社)など著書多数。