食・レシピ
2025.8.5

夏バテ&夏老けから救う! 今の時季に不足しがちなマグネシウムやカリウム、亜鉛etcが摂れる食材とは?

過酷な夏の体は、大量の汗や紫外線ダメージで、ミネラルが不足しがち。これこそが、夏の悩み―疲れや冷え、肌あれなど夏ダメージにつながっています。そんなときに効くのが、金属系栄養素の補給です。話題の薬膳をヒントに、おいしくキレイ&元気になれるレシピをぜひ取り入れて!

料理研究家

井澤由美子さん

管理栄養士

清水沙穂理さん

マグネシウム、鉄、カリウム、カルシウム、亜鉛=金属系|夏ダメージをキャンセルする方法

体内で合成されない成分だから食事で摂取するのがベスト!

大量の汗をかく夏は、水分や塩分(ナトリウム)だけでなく、マグネシウムやカリウムなど体に必須な金属系栄養素が体外に排出されてしまいがち。金属系栄養素は体内では合成されないため、食事からの摂取が重要ですが、暑さで食欲が落ちると充分な摂取も困難に。実はそれが夏バテや夏老けの大きな原因なんです!

「ナトリウムは普段の食事で摂取しやすいので、『美的』世代が今の時期、特に注目すべきはマグネシウム・鉄・カリウム・カルシウム・亜鉛の5つ!」と話すのは、管理栄養士の清水沙穂理さん。

「金属系栄養素のとりすぎは臓器に負担をかけるから良くないと言われることもありますが、食事から摂取するだけなら心配ありません」とのこと。「5大金属系栄養素だけでなく、夏には薬膳的におすすめの赤や緑の食材、生薬=スパイスも賢く取り入れて」とアドバイスしてくれたのは、料理研究家の井澤由美子さん。

\今の時期、特に不足しがちになるのはこの5つの金属系栄養素!/

1.マグネシウム(Mg)

便秘解消や巡りアップ、血糖値の安定などをサポート!
骨や歯の形成や筋肉の収縮など、体のあらゆる生理機能の働きをサポート。不摂生な生活を続けると不足しがちに。不足すると疲労感や不眠、筋肉の痙攣、高血圧などのリスクも高まる。

2.鉄(Fe)

季節を問わず『美的』世代に最も不足しがちな成分!
血液内で全身に酸素を運ぶ赤血球を作り、貧血予防に効果的。エネルギー代謝や解毒作用を助ける働きも。不足すると疲労感や集中力の低下、免疫力の低下などを引き起こす可能性も!

3.カリウム(K)

体内の水分バランスを整えてむくみにくいBODYへ!
体内の細胞内外の浸透圧を調整し、神経伝達や筋肉の収縮・弛緩を助ける。ナトリウムの排出を促し、高血圧予防やむくみ改善にも役立つ。野菜や果物に多く含まれ、熱に弱いという特徴も。

4.カルシウム(Ca)

骨粗鬆症の予防だけでなく
骨や歯を形成するのに不可欠な成分。ほかにも筋肉の収縮、神経の安定、血液凝固など生命維持に不可欠な役割も担う。不足すると、骨粗鬆症や高血圧、動脈硬化などにつながってしまう。

5.亜鉛(Zn)

イライラや不眠にも効果あり! 女性ホルモンの合成や分泌、毛髪の発育にも必要不可欠!
たんぱく質・生殖ホルモン・DNAの合成など、体の成長と維持を担う。亜鉛を摂取することで、新陳代謝&免疫力アップ、抗酸化作用、味覚の正常化などの効果も期待できる。

今、積極的にとりたいのはこの金属系栄養素! 「5大金属系栄養素」

(左上から時計回りに)

特に多く含まれるのは海藻や果物、夏野菜!「カリウムグループ」

海藻
わかめやひじき、昆布などの海藻類は特にカリウム含有量が高いことで知られる。

バナナ
食物繊維も含まれ、腸内環境・便秘の改善に◎。バナナに含まれる糖質には疲労回復効果もあり!

動物性のヘム鉄と植物性の非ヘム鉄を両方とるのが重要「鉄グループ」

切り干し大根
生の大根よりも約15倍もの鉄(非ヘム鉄)を含む。ビタミンCやたんぱく質と一緒に摂取することで吸収率アップ!

じゃこ
ヘム鉄が多く含まれ、カルシウムやビタミンDも豊富。骨や歯を丈夫にする効果も期待できる。

黒きくらげ
レバーの約2.5倍もの鉄(非ヘム鉄)を含有。腸内環境を整えたり、骨の健康をサポートする働きも。

豆類や大豆製品、種実類、海藻やナッツ類にも !「マグネシウムグループ」

豆乳
無調整の方がマグネシウムの含有率が高い。カリウムやたんぱく質、イソフラボンも多く含む。

ごま
鉄やカルシウム、ビタミンEなども豊富。そのままだと消化されにくいため、すりごまや切りごまでとるのが効率的。

乳製品だけでなく大豆製品や緑黄色野菜にも豊富 !「カルシウムグループ」

納豆
ビタミンKやマグネシウム、鉄など骨を丈夫にするために必要な栄養素が豊富に含まれる。

小松菜
緑黄色野菜の中でも特にカルシウムを多く含む。ビタミンCやDと一緒に摂取すると吸収力がアップ。

オクラ
生でもゆでてもカルシウムの量は大きく変わらないため、手軽にカルシウムを摂取できて便利。これらの食材も一緒にとるとさらにGOOD!

食欲不振や免疫力アップにも効果的 !「亜鉛グループ」

レバー
鉄分が豊富なことで有名だけれど、実は亜鉛も豊富。臭みが少なく食べやすい鶏レバーがイチ推し!

牡蠣
旬は、一般的に冬〜春にかけての時期(11月頃〜4月頃)。夏場は缶詰を活用してもOK。

\これらの食材も一緒にとるとさらにGOOD!/

赤の食材

薬膳的には、夏に赤い食材をとるのが良いとされている。清熱(体内の余分な熱を冷ます)作用や血流改善効果などがあり、夏バテ・熱中症の予防にも役立つ。

トマト、ナツメ、クコ、サクランボ、赤唐辛子、梅干し

緑の食材

清熱作用の高い瓜系の野菜や緑茶、ピーマンなどの緑の食材も賢く活用して。炎症を鎮めたり、胃腸の調子を整えたり、水分やビタミン・ミネラルを補給する効果も!

緑茶、きゅうり、ピーマン、ゴーヤー

生薬・スパイス

生薬でもあるスパイス。夏は特に、疲れや冷え・むくみなどのケアに効果的なものをチョイスして。甘みは白砂糖ではなくハチミツを使うと、美肌効果まで狙える!

にんにく、にごり酢、山芋、生姜、クローブ、ターメリック、ハチミツ、コショウ、シナモン

『美的』2025年9月号掲載
撮影/川上輝明 スタイリスト/大島有華 料理/井澤由美子 イラスト/小迎裕美子 構成/内田淳子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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