健康・ヘルスケア
2024.3.1

LDLコレステロールを下げるには?効果のある食べ物、レシピまとめ

LDLコレステロールとは、一般に悪玉コルステロールといわれているもの。増えすぎると動脈硬化や心筋梗塞が進む原因に…。青魚や食物繊維など、LDLコレステロールを減らす「栄養素」や「食べ物」をご紹介!専門家の解説、レシピつきでチェックを。

LDLコレステロールとは?増える「デメリット」

心筋梗塞の原因にも

管理栄養士

成松 由佳さん

血液中に中性脂肪やLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増えると、血管の壁にコレステロールが溜まりやすくなり、血管の壁がどんどん分厚く、血液が通れるところが狭くなっていきます。また血栓もできやすくなるため、血管が詰まりやすい状態になります。こうして、心臓の動脈が詰まると発症するのが心筋梗塞です。

LDLコレステロールの基準値

更年期以降は特に注意

常喜医院院長

常喜眞理先生

コレステロール値の傾向は遺伝が9割!20〜30代でも高い場合も
「コレステロール値は9割が遺伝的体質で決まるので、年齢にかかわらず高い人も。20〜30代は女性ホルモンがコレステロールを抑えるのであまり心配ありませんが、更年期以降にLDLが高くなると動脈硬化の原因に。今のうちから傾向を把握しておきましょう」(常喜先生)

LDLコレステロールを減らす「栄養素」

【1】リコピン(リコペン)

リコペンは、LDL(悪玉)コレステロールを低下させ、動脈硬化を予防する働きも期待されている成分です。また、玉ねぎやにんにくと加熱調理することで抗酸化力が高まり、体内への吸収率もアップすることが知られています。

【2】EPA、DHA

どちらも脂質の一種で、中性脂肪や悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす作用が期待できる栄養素です。体の中では作られないため、食事から摂取する必要があります。

【3】ビタミンE

高い抗酸化力を持ち、活性酸素を消去する働きのある脂溶性ビタミンです。また、血中のLDLコレステロールの酸化を抑え、動脈硬化を予防する働きもあります。

【4】アリシン

アリシンには血液をさらさらにする作用や、善玉コレステロールを増やして悪玉コレステロールを減らす作用があるため、動脈硬化を予防する効果が期待できます。

【5】不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸と呼ばれる健康によい油のオレイン酸とリノール酸。人の体の中では作ることができない油です。どちらも悪玉コレステロールの値を下げる働きを持ち、リノール酸は動脈硬化を防ぐ働きも持つため、ピスタチオを取り入れることで、生活習慣病のリスクを減らすことができます。

【6】タウリン

タウリンには悪玉コレステロール値を下げる効果も。

LDLコレステロールを減らす「食材」

【1】トマト

トマトに含まれるリコペン。リコペンは、LDL(悪玉)コレステロールを低下させ、動脈硬化を予防する働きも期待されている成分です。

【2】ブリ

ブリは脂質が豊富な魚であり、とくに冬に獲れる寒ブリは脂がのっていて高い人気があります。EPAやDHAを多く含んでいるのがブリの特徴です。

【3】たらこ

たらこには脂質の中でも健康効果が高いとされるEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸が含まれています。EPAは体の中で作ることができない必須脂肪酸の一種です。善玉コレステロールを増やして悪玉コレステロールや中性脂肪を減らすことで血液をサラサラにして血栓ができるのを防ぐ働きを持っています。生活習慣病の予防や改善に効果的なため、積極的に摂取するとよいでしょう。

【4】ピスタチオ

ピスタチオに含まれる脂質は不飽和脂肪酸と呼ばれる健康によい油のオレイン酸とリノール酸で、人の体の中では作ることができない油です。どちらも悪玉コレステロールの値を下げる働きを持ち、リノール酸は動脈硬化を防ぐ働きも持つため、ピスタチオを取り入れることで、生活習慣病のリスクを減らすことができます。

【5】玉ねぎ

生の玉ねぎを食べたときに感じる辛味や、玉ねぎを切るときに涙が出てくるのは、玉ねぎに含まれるアリシンが原因です。アリシンには血液をさらさらにする作用や、善玉コレステロールを増やして悪玉コレステロールを減らす作用があるため、動脈硬化を予防する効果が期待できます。

【6】オリーブオイル

オリーブオイルには、LDLコレステロール値を低下するはたらきがあるオレイン酸が多く含まれています。熱にも比較的強いため、揚げ物や炒め物などにも使いやすい油です。ただし、エキストラバージンオリーブオイルは、オリーブ独特の風味があります。それを生かしてほしいので、サラダや料理の仕上げに使うのがおすすめです。

【7】スーパー大麦

松生クリニック 院長 

松生恒夫先生

白米の約40倍の食物繊維を含有。

「オーストラリアで開発されたスーパー大麦は、100gに23gもの食物繊維を含んでいます。特に、悪玉コレステロールの減少や、食後血糖値の上昇抑制に働きかける大麦B-グルカンがたっぷり!ダイエットにも効果的です」(松生先生)

【8】ごぼう

コレステロールを減らす不溶性食物繊維のリグニンは切り口から発生する性質があるので、表面積が大きい切り方がおすすめ。

【9】キヌア

キヌアは南米原産で、古来から「母なる穀物」として珍重されてきたもの。良質なたんぱく源であり、食物繊維やカリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分などが豊富で栄養たっぷり。血糖値が上がりにくい低GI値食品なうえ、良質な脂質を含みコレステロール値を正常に保つ効果もあって、ヘルシーなボディづくりにもひと役買ってくれます。

【10】リンゴ

「1日1個のリンゴで医者いらず」といわれるように、高血圧予防、コレステロール降下、便秘解消、風邪予防などの効果がある。

【11】豆腐

豆腐の原料となる大豆は「畑の肉」ともいわれ、低カロリー高たんぱくなうえ、体内では作れない必須アミノ酸も豊富。また不飽和脂肪酸を多く含むので、コレステロールを減らす働きをしたり、動脈硬化や高血圧の予防、アレルギー症状の緩和やアトピー性皮膚炎の改善もサポート。

【12】梨

梨はほとんどが水分で、ビタミンなどの栄養は少量ですが…体内の水分調整を行うカリウムを含み、ソルビトールという成分がコレステロール値を下げ、便秘解消にもひと役買ってくれます。さらにアスパラギン酸による疲労回復効果も。

【13】マッシュルーム

脂質の代謝を高めるビタミンB2や、コレステロールを下げる食物繊維が豊富。ほかにもカリウムや亜鉛、葉酸などもバランス良く含む。高たんぱく・高ビタミンの食材で、ダイエットにもおすすめ。

【14】アボカド

10種類以上のビタミン、10種類以上のミネラルを含み、「世界一栄養価が高い果物」としてギネス認定されている。脂肪も多く含むが、そのほとんどがコレステロールバランスを改善するオレイン酸。抗酸化作用のビタミンE、ストレスケアに効くパントテン酸も豊富。

【15】アサリ

貧血に効く鉄、肝機能を高めるタウリン、髪や爪を健やかに保つ亜鉛、むくみを解消するカリウムなどが豊富。タウリンには悪玉コレステロール値を下げる効果も。

コレステロール値を下げる「おすすめレシピ」

【1】さつまいもと柿の秋サラダ(フムス風ドレッシング添え)

Point

大豆ヨーグルトは一般的なヨーグルトと比べて、低カロリー、低糖質、低脂質、ノンコレステロールなのでダイエットにも◎。植物性たんぱく質が豊富なので美ボディづくりをサポートするだけでなく、大豆イソフラボンの美肌効果も。さらに食物繊維や乳酸菌の効果で腸活も狙えてイイコトだらけ! 今回のドレッシングは中東諸国ではおなじみのひよこ豆のペースト「フムス」風のドレッシング。豆つながりで大豆ヨーグルトをベースに作ってみました(豆乳ヨーグルトでもOK)

【材料】
さつまいも…小1本
柿…1個
大豆ヨーグルト(豆乳ヨーグルトでも可)…100g
オリーブオイル…大さじ1
レモン汁…大さじ1
練りごま…小さじ2
塩…小さじ1/4
クミンシード…少々
チリパウダー…少々

【作り方】

(1)さつまいもは幅1cm弱のひと口大に切り、程よい硬さになるまでゆでる。

(2)柿は皮をむき、食べやすい大きさに切る。

(3)フムス風ドレッシングを作る。ボウルや深さのある皿に、大豆ヨーグルト、オリーブオイル、レモン汁、練りごま、塩を入れ、よく混ぜる。

(4)皿にさつまいもと柿を盛りつけ、フムス風ドレッシングを添える。上に好みでクミンシード&チリパウダーをふりかける。

【2】アボカドの辣油ポン酢ドレッシングかけ

Point

「森のバター」との異名をもつアボカドは、果物イチ栄養価が高いといっても過言ではないほど。アボカドの20%は脂肪分といわれていますが、そのほとんどがリノール酸やオレイン酸といわれる不飽和脂肪酸のため悪玉コレステロールの心配は少なく、カロリーはやや高めではありますがとってもヘルシー。若返り効果のあるビタミンE、抗酸化作用の高いビタミンA、疲労回復のビタミンB1に、健康増副作用のあるビタミンBa・B6、そして美肌を育むビタミンCなどビタミンがとにかく豊富!

【材料】
アボカド…1個
ブロッコリースプラウト…適宜
ポン酢…大さじ1
めんつゆ…大さじ1
辣油…適宜

【作り方】

(1)アボカドは縦半分にカットして種を取り除き、斜めに切り込みを入れる。大き目のスプーンですくって実を取り出し、皿に並べる。

(2)皿に並べたアボカドの上にブロッコリースプラウトをのせ、ポン酢とめんつゆを混ぜたドレッシングをかける。さらに辣油を好みの量でトッピング(今回は「食べるラー油」を使用)。

【3】豆腐×梅×カツオぶしのTKG

Point

豆腐の脂質には血管に付着するコレステロールを除去するリノール酸が含まれるほか、レシチンの乳化作用で脂肪代謝を促すなどの働きも。また、梅干しのクエン酸は骨や歯を作るミネラルの吸収率を高める効果もあります。

【材料】(1人分)
豆腐(絹ごし・くずす)
梅干し…(1個・種を取り包丁でたたく)
カツオぶし…3g
スプラウト…少量

【作り方】

  1. 温かいごはん(茶碗1杯分)を器に盛り、それぞれの具を彩り良く並べる。
  2. 卵(1個、お好みで卵黄だけでも)を割り入れ、よく混ぜて味を見て、必要であればしょうゆ(適宜)をかける。

コレステロール値を下げる「お菓子」はある?

きな粉には血中コレステロールを低下させる効果が◎

産婦人科専門医

吉形玲美先生

「甘いものがどうしても食べたい場合には、和菓子にしてみては。和菓子は洋菓子に比べて、腸内環境を整える食材を多く含みます。とはいえ、2個も3個も食べれば、当然カロリーオーバーになるので注意しましょう」(吉形先生)

きな粉の原料である大豆には、サポニンのほか、血中コレステロールを低下させるレシチン、善玉菌のエサとなるオリゴ糖、女性ホルモンに近い働きをするイソフラボンなどの成分が豊富に含まれています。また、米菓の原料であるお米は、調理後に冷めるとデンプン成分が変化して腸内細菌のエサになり、腸内環境を整える短鎖脂肪酸をつくり出します。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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