たらこの「糖質」と「栄養」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方
たらこはスケトウダラの卵巣を塩漬けにしたものを指しており、たらの子どもであることから「たらこ」と呼ばれるようになったと言われています。おにぎりやパスタなど多くの料理に取り入れられ、子どもから大人まで人気の食材です。本来の旬は11月~1月ですが、現在流通しているものの多くは海外から冷凍して輸入されたものが多いため、通年出回っています。今回はそんなたらこにはどのような栄養素が含まれ、ダイエットや美容とどのような関わりがあるのか解説します。
たらこの「カロリー」と「糖質」
たらこや一般的によく食べられている他の魚卵に含まれているカロリーと、糖質の量について解説します。
たらこのカロリーと糖質(可食部100g)
たらこ(生)
エネルギー……131kcal
糖質…(0.4)g
たらこ(焼き)
エネルギー……158kcal
糖質…(0.5)g
1腹(小さめ) 可食部約50g
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
ほかの魚卵(可食部100g)との比較
魚卵の種類 | エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
たらこ(生) | 131 | (0.4) |
たらこ(焼き) | 158 | (0.5) |
いくら | 252 | (0.2) |
かずのこ(塩蔵水戻し) | 80 | (0.6) |
うに(生) | 109 | (3.3) |
キャビア(塩蔵) | 242 | (1.1) |
からすみ | 353 | (0.3) |
以上のようにたらこは他の魚卵と比較すると生のものも焼いたものもエネルギーは平均的、糖質は少ないことがわかります。一腹で50g程度であり、1回に食べる量も多くないことから糖質とエネルギーに注目するとダイエット中に制限しなければいけないほどではありません。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
たらこに含まれるそのほかの栄養素
カロリーや糖質以外でたらこに多く含まれる一般的な栄養素について紹介します。
可食部100gあたり
たらこ(生) | たらこ(焼き) | |
たんぱく質(g) | 24.0 | 28.3 |
脂質(g) | 4.7 | 6.1 |
炭水化物(g) | 0.4 | 0.5 |
食物繊維(mg) | (0) | (0) |
カリウム(mg) | 300 | 340 |
亜鉛(mg) | 3.1 | 3.8 |
ビタミンD(μg) | 1.7 | 1.6 |
ビタミンE(mg) | 7.1 | 8.1 |
ビタミンB1(mg) | 0.71 | 0.77 |
ビタミンB2(mg) | 0.43 | 0.53 |
ビタミンB12(μg) | 18.0 | 23.0 |
ナイアシン(mg) | 54.0 | (62.0) |
ビタミンC(mg) | 33 | 21 |
食塩相当量(g) | 4.6 | 5.3 |
EPA(mg) | 510.0 | 650.0 |
DHA(mg) | 600.0 | 780.0 |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
たらこに多く含まれる「栄養素」
たらこに含まれる栄養素のうち、代表的な働きを持つ栄養素について解説します。
ナイアシン
ナイアシンは水溶性のビタミンB群の一種で人の体のなかにあるビタミンの中で最も多い成分と言われています。食事から取り込んだ糖質や脂質をエネルギーとして使うときに必要になるほか、ビタミンEやCなどの抗酸化ビタミンが働く時にも関わる栄養素です。日本人の食生活では不足することはあまりありませんが、不足した場合は皮膚や粘膜、消化管、神経管への影響が出て、口角炎や食欲減退、軽い不安感などが起こります。
不飽和脂肪酸
たらこには脂質の中でも健康効果が高いとされるEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸が含まれています。
EPAは体の中で作ることができない必須脂肪酸の一種です。善玉コレステロールを増やして悪玉コレステロールや中性脂肪を減らすことで血液をサラサラにして血栓ができるのを防ぐ働きを持っています。生活習慣病の予防や改善に効果的なため、積極的に摂取するとよいでしょう。
DHAは食事から摂取する以外にも体の中でEPAからも作られる不飽和脂肪酸です。EPAと違って脳に入ることができるため、脳の栄養素とも呼ばれます。情報伝達をスムーズにして主に記憶や学習能力をよくする働きに関わるほかアルツハイマー認知症に効果があるとも言われ、同じく意識して取り入れたい栄養素です。
ダイエットに効率的な「摂取方法」
ダイエット中にたらこを食べる場合におすすめする量や時間帯、食べ方について解説します。
1日に食べるのにおすすめのたらこの量
たらこは塩分を多く含む食品のため、1日に1/2本(1/4腹)程度にするとよいでしょう。成人女性の食塩の摂取目標量は6.5g未満(出典:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版))とされ、日常的に上回りやすいとも言われます。食べる組み合わせによってはこの目標量を上回ってしまう可能性が高いため、献立を考える際は他に塩分量の多いメニューがある時には控えるか、量を少なくするなど注意が必要です。
たらこを食べるのに適した時間帯
たらこに含まれるEPAやDHAは朝に摂ると吸収されやすいため、朝食で取り入れるのがおすすめです。逆に夜は食べ過ぎると塩分の摂りすぎでむくむリスクが上がることと、ごはんが進んで糖質の摂りすぎにも繋がりやすいので、ダイエット中はあまり夜の食事には選ばない方がよいでしょう。
たらこの栄養を効率良くとる方法
たらこに含まれるEPAやDHAは熱に弱い性質を持つため、新鮮なものが手に入る場合、生食するのがおすすめです。同時にビタミンEを豊富に含む種実類や緑黄色野菜などを一緒に食べることで、酸化しやすい不飽和脂肪酸の酸化を防ぐこともできるため、組み合わせを工夫するとよいでしょう。
「美容」への作用・メリット
美肌・美髪効果
たらこに含まれるナイアシンは細胞の生まれ変わりをサポートするため、美肌作りに役立つ成分です。同じく亜鉛も肌や髪の生まれ変わりに関わる栄養素のため、新陳代謝が促され、肌や髪を常に若々しく保つことができます。また、肌を傷つける活性酸素を取り除く抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンEと、ビタミンCも含まれるため、肌の老化を予防する働きも期待でき、美容のためには食べすぎに気をつけて適度に取り入れるとよいでしょう。
ダイエット効果
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
料理教室運営会社で講師やメニュー開発に従事後、パティシエへ転向。現在は企業様向けのレシピ開発やコラム執筆、オンラインショップやオーダーメイド菓子の制作を行う。ヘルシーなものから子供向けまで幅広く対応。