ダイエット中こそ「朝食」をしっかりとるべき!おすすめ簡単レシピ7選

「ダイエットしているから」という理由で朝食を抜いていませんか? 実はダイエット中はむしろ朝ごはんをしっかり食べる方がいいという話を専門家が解説。ダイエット中におすすめの朝食レシピや簡単に作れるメニューも紹介!
【専門家が回答】ダイエットにも朝ごはんは食べたほうがいい?

愛国学園短期大学 准教授/博士(理学)/管理栄養士 早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構招聘研究員 アスリートフードマイスター認定講師 発酵料理士協会特別講師
古谷彰子(ふるたに・あきこ)さん
ダイエットには食事管理が必須。ですが、その流れで朝食をスキップしてしまうと逆に太りやすくなるというウワサが。本当なのでしょうか。この疑問について理学博士・管理栄養士の古谷彰子さんに聞いてみました。
ダイエットにも朝ごはんは食べたほうがいいってホント?
ホント
「食事のバランスを夜型ではなく朝型にしたほうが体重も減少しやすいというデータがあります」(古谷さん・以下「」内同)
\夜ではなく朝食をしっかりとる/
「朝は食欲がわかないという問題もあり、朝より夜のほうがしっかりごはんを食べているという人も多いと思います。しかし、ダイエットを考えているのであれば、がっつり食べている夜ごはんを減らし、その分を朝にまわすという方法がおすすめです。私の著書でも紹介しているのですが、この方法で1か月も経たないうちに体重がマイナス2kgという人も。
消化・吸収によって起こるエネルギー消費を食事誘発性熱産生(DIT)といいますが、DITも同じ摂取カロリーで比較したときに夜よりも朝のほうが圧倒的に多くなることがわかっています。
その点からも、夜ごはんより朝ごはんをしっかり食べるという食事習慣がおすすめです」
16時間ダイエットも朝食&昼食パターンが効果的
「静かなブームが続いているダイエット法のひとつ、16時間ダイエット。“16時間ダイエットを始めたから朝は食べられない”という人もいますよね。でも、16時間ダイエットは、朝の時間を空けるパターンと夜の時間を空けるパターンの2種類あります。
夜の時間を空けるパターンは6時~15時の間から食べる時間を8時間選び、朝昼にごはんを食べます。一方、朝の時間を空けるパターンは11時~20時の間から食べる時間を8時間選び、朝は抜いて昼夜のごはんを食べる。どちらがより効果が得られると思いますか?
この2パターンで16時間ダイエットを行った実験があるのですが、朝昼を食べた人たちのほうがインスリンの数値がよくなった、という結果が出ました。生活習慣から、朝を抜いたほうがやりやすい、という人もいるでしょうが、16時間ダイエットをやるのであれば、夜をあけて朝昼に食事をするパターンのほうが効果的です。
また、どちらのパターンでも1食減らすことでそもそもの摂取カロリーが減るため、その分が痩せるということはありますが、朝を抜くパターンの問題点はタンパク質不足になりやすく、必要な栄養素を摂取できていないところです。
加えて、16時間といわず、14時間や12時間でも効果は得られますから、夜ごはんを早めに済ませたほうがよい結果が得られると心得て。はじめは時間が短くても、続けることのほうが大事ですから、慣れてきたら朝昼食べて夜を抜くという16時間にしていけばよいと思います。例えば、どうしても朝昼だけではお腹が空いてしまう場合や昼夜の16時間ダイエットでも20時や21時になって夕飯を食べるのであれば、食事は軽めのスープなどにして寝ることを優先する。そして、夜食べなかった分を朝食と昼食にまわすシフトに変えていくほうがよいです。朝と夜のバランスをシフトチェンジすると、最初の数日は朝があまり食べられないかもしれませんが、それくらいでは死なないので(笑)、サイクルを変えることを重視しましょう」
朝食をとると病気の予防にもなる?
「はい。体内時計も関係しているのですが、朝食を食べないと筋肉量の減少、肥満や糖尿病、高血圧、脳卒中などのリスクが高まることがわかっています。朝食を抜く習慣は、運動不足や喫煙などと同じように生活習慣病のリスク因子になります。朝は時間がない、食欲がないという人も、これからを元気に過ごすために朝食を食べる習慣をつけましょう」
食べすぎて絞りたいときに!朝ごはんで調整する「ダイエット方法」
\教えてくれたのは…/
(左)門司紀子さん
エディター陣随一のアクティブキャラ。美容をはじめ、食にも精通。「美的.com」では、「美容エディター・門司紀子のToday’s SALAD」を連載中。台湾好きが高じて、弾丸トラべライターとしての顔ももつ。台湾の食べ歩きの著書も多数。
(右)パーソナリティ むらなか さちこさん
今月は「美容大ピンチずかん」特集を担当。企画担当中、電車の遅延にあうこと7回。仕事場でトイレに財布を忘れてしまったり、オンライン会議中にWi-Fiが切れてしまったり…。人生なかなかのピンチの連続だなと痛感した1か月でした。
夏に向けて気になる体型について、今からでもできるダイエット方法が知りたい!!とお便りが届きました。
\お便り/
「夏に向けて、今からでもできるダイエット方法など載せてもらえたらうれしいです」(神奈川県在住のT・Sさんから)
(むらなか) 門司さんって、ずっとスレンダーなイメージだけれど、オススメのダイエットってありますか?
(門司) ダイエットって、健康の先にあるものだから、適度な運動とバランスよく食べるという健康法こそがダイエットにつながっていくんですよね。
(むらなか) ごもっとも。でもやせたい~!!! ちなみに、取材で元気でエイジレスな方に出会うと、16時間断食を取り入れている率が高くて。それからすごく気になっているんです。
(門司) それわかる! 年齢が高くなってくると消費量も減るから、食べすぎ防止として胃を空ける時間を作るのはいいのかも。私も食べすぎてちょっと絞りたいときは、プロテインを無調整豆乳と自家製甘酒で割って朝ごはんにして調整するようにしています。
\腸&肌に◎な食材を中心に/
門司さんお手製の甘酒。ヨーグルトメーカーに米麹と水を入れるだけで、簡単に無添加の甘酒が作れるのだそう。
とにかく簡単!ダイエット中におすすめの「朝食メニュー」2選
【1】体に優しくデトックス!超カンタン「朝の食物繊維スープ」
冷凍野菜や缶詰をフル活用、レンチン、切って混ぜるだけなど、超カンタンなのに肝臓に優しく、しかもおいしいレシピを厳選紹介!
【肝活食材…ブロッコリー】
食物繊維たっぷりで低糖質、朝食に最適なデトックススープ。野菜はゆでずにレンチンすることで、栄養素を丸ごととれます。
【材料(1人分)】
- 冷凍ブロッコリー…50g
- 冷凍ほうれん草…30g
- 冷凍枝豆…30g
- ミニトマト…5個
- ツナ缶…60g
- 塩…小さじ1/4
- オリーブオイル…適量
- 水…200ml
【作り方】
- すべての材料を耐熱容器に入れて、水を加える。
- 600Wのレンジで2~3分加熱する。
【2】5分で作れる「冷蔵庫のスタメン食材定食」
1年で12kg減の松田リエ流ならガマンなし、運動なしでOK♪ 朝昼晩の3食を欠かさず食べることで、体が自然とやせ体質にチェンジ♪ 大切なのは、「組み合わせ」と「続ける」こと!
- 卵
- サラダ
- 納豆
- ごはん
- ヨーグルト
特にしっかり食べたいのが欠食しがちな朝食。食べることで体温が上がり(=食事誘導性熱産生と呼ばれる代謝)、脂肪が燃えやすい状態を1日キープ。忙しい朝は、基本的に冷蔵庫から取り出すだけで食べられる献立でOK。太る朝ごはんの例は、菓子パンとカフェオレ(糖質と脂質過多)、スムージーだけ(体温を下げる)など。
【POINT】
葉もの野菜にかけるドレッシングや納豆のたれには、代謝の低下につながる添加物や人工甘味料が使われている場合があるため、「私は納豆やサラダにエゴマ油をトッピング。オメガ3が代謝を高め、さらにホルモンの材料となって美肌効果や腸活にも◎」(ダイエット講師・松田リエ先生)
管理栄養士・高杉保美さん発!平日5日間の「ずるやせ朝食レシピ」

管理栄養士
高杉保美さん
たかすぎ ほみ/業界最大手ジムにて2,000人以上に栄養指導をし、自身も半年間で−15kgのダイエットに成功。著書『すぼら管理栄養士が教える ずるやせダイエット』(WAVE出版)も大好評!
\たんぱく質多めの食事で燃焼しやすい体に/
太りにくい体を作るためには、三大栄養素の中でも特に「たんぱく質」が重要なカギを握ると話す管理栄養士の高杉保美さん。その理由とは?
「人間の体は約5分の1がたんぱく質でできています。筋肉量を落とさないためにも、美しい肌や髪、爪などを育むためにもたんぱく質は必要不可欠。ビタミン・ミネラルが豊富な上に摂取エネルギーが体熱になりやすく、基礎代謝が上がりやすいので、やせたい人こそたんぱく質をしっかりとるべきです。
女性の1日の必要摂取量は50gと言われていますが、食品で換算すると、ゆで卵で7.7個、納豆では10パックにも! 簡単には食べきれない量なので、朝食からきちんと補ってあげましょう。
特におすすめは、『動物性』のたんぱく質。例えばL-カルニチンやビタミンBが豊富な赤身肉は脂肪燃焼をサポート。白身魚は高たんぱく低脂肪ですし、脂身の多い魚もオメガ3脂肪酸やEPA、DHAが多く含まれ、脂肪の生成を抑えたりメンタルの安定にも良いと言われています。また朝食をとること自体に日中のパフォーマンスを上げたり、昼・夜のドカ食いを防ぐというメリットも。レシピも簡単なものばかりなので、ぜひ続けてみてくださいね!」(高杉さん)
【月曜日】低糖質パンとローストビーフの代謝UPサンドイッチ(約420kcal)
L-カルニチンやビタミンB群、鉄分もたっぷり♪
ローストビーフは赤身肉を使用しているため、たんぱく質だけでなく、L-カルニチンやビタミンB群、鉄分など、健康や美容に必要不可欠な栄養素がたっぷり。パンは低糖質パンに置き換えることで、食物繊維も補うことができる。
【材料(ひとり分)】
- 低糖質パン…2枚
- 市販のローストビーフ…80g
- ベビーリーフ…適量
- マスタード…適量
- ローストビーフの付属ソース…適量
【作り方】
- 低糖質パンをトースターなどで、こんがりするまで焼く。
- パンにベビーリーフ、ローストビーフと付属のソース、マスタードを適量のせてサンドイッチに。付属のソースがない場合は、塩・コショウで味つけを。
【火曜日】オートミールとサラダチキンのやみつきカレーリゾット(約300kcal)
食物繊維やビタミン、ミネラルもチャージ!
食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富なオートミールはダイエット中の主食におすすめ。鶏肉は脂質が少なく消化が良いだけでなく、ビタミンB群、ビタミンAが豊富なのでダイエット&美肌効果も。さらにカレー粉に含まれるスパイスが交感神経の働きを活発にしてくれるので、日中のパフォーマンスがさらにUP!
【材料(ひとり分)】
- オートミール…30g
- サラダチキン…80g
- 豆乳または牛乳…150ml
- カレー粉…小さじ1
- 粉末コンソメ…小さじ1
- パセリ…少々
【作り方】
- 耐熱容器にオートミール、豆乳または牛乳、カレー粉、粉末コンソメを入れてしっかりと混ぜ合わせてから、電子レンジ(600W)で約2分、加熱する。
- ほぐしたサラダチキンをトッピングして、その上からパセリをふりかける。
【水曜日】サーモン・トマト・アボカドのパーフェクトサラダ(約380kcal)
栄養をバランスよく補える最強の組み合わせ。
フリルレタスは別の葉物野菜に替えてもOK。サーモン、トマト、アボカドは栄養価が高く、抗酸化作用が高い成分を多く含む食材。またサーモンはオメガ3脂肪酸やアスタキサンチン、トマトはリコピンやビタミンC、アボカドはオレイン酸やコエンザイムQ10、ビタミンEが豊富。リコピンや脂溶性ビタミンのビタミンEは、オリーブオイルなどの良質な油と一緒にとることで、さらに吸収が良くなる。
【材料(ひとり分)】
- サーモン(刺身用)…100g
- トマト…1個
- アボカド…1/2個
- フリルレタス…適量
- オリーブオイル…大さじ1
- レモン汁…小さじ1
- 塩・コショウ…適量
【作り方】
- トマト、アボカド、フリルレタスは食べやすい大きさにカットしておく。
- オリーブオイル、レモン汁、塩・コショウをよく混ぜ、ドレッシングを作る。
- お皿に材料を盛り付けて、ドレッシングをかける。
【木曜日】納豆キムチごはんwithオリーブオイル(約350kcal)
相乗効果で腸内環境まで整う!
納豆とキムチは植物性の乳酸菌が含まれ、継続的に摂取することで腸内環境が整う。オリーブオイルのオレイン酸、玄米やもち麦の食物繊維が合わさることで、より高い効果が期待できる。
【材料(ひとり分)】
- 納豆…1パック
- キムチ…50g
- ごはん…120g
- オリーブオイル…小さじ1
【作り方】
- ごはんは事前に、白米:玄米:もち麦を1:1:1の比率で炊く(通常の水分量でOK)。
- 納豆、キムチ、オリーブオイルを混ぜ合わせてから、ごはんの上にかける。
【金曜日】食べ応え満点鯖オムレツ(約420kcal)
“やせホルモン”活性化&食欲抑制効果も!
鯖や卵はビタミン・ミネラルがバランス良く含まれ、栄養も満点。鯖は良質な脂質を補えるだけでなく満腹感も高く、やせホルモンと言われるGLP-1も活性化してくれるので、食欲抑制効果も。付け合わせに食物繊維やビタミンCが豊富なブロッコリーやトマトを添えると、栄養バランスがさらに◎!
【材料(ひとり分)】
- 鯖水煮缶…1/2個
- 卵…2個
- スライスチーズ…1枚
- オリーブオイル…小さじ1
- ケチャップ…適量
- ブロッコリー、トマト…適量
- 塩…少々
【作り方】
- 鯖水煮はあらかじめほぐし、よく溶いた卵と合わせる。
- フライパンにオリーブオイルを入れて熱したら(1)を流し込み、半分に切ったスライスチーズを加え、火を通しながら形を整える。スライスチーズはとろけるタイプでもOK。
- お皿に盛り、お好みでケチャップをかける。ブロッコリーは食べやすい大きさにカットし、塩をふってから大さじ1の水を回しかけ、ラップをして電子レンジ(600W)で約3分加熱する。トマトは食べやすい大きさにカットして添える。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
「時間」という観点から、医学・栄養学・調理学の領域にアプローチすることを専門とし、科学的根拠を基にしたライフスタイルへのアドバイス、時間栄養学的栄養指導、実体験を基にした食育活動や講演活動、料理教室も開催中。現場を通じて得た問題点をもとに、ヒトを用いた臨床試験、官能評価、アンケート調査を行うことを得意とする。企業の商品開発や、マーケティングに役立たせることが出来ると好評を博している。メディア出演、連載、著書多数。