スルメイカの「栄養」と「糖質」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方
しっかりした歯ごたえと甘みが特徴的な、スルメイカ。漁獲量が多いため、イカのなかでも比較的手頃な価格で購入できる身近な食材です。この記事ではダイエットや糖質制限などを行っている方へ、スルメイカの糖質や栄養素を見ながら、おすすめの食べ方を管理栄養士がご紹介します。
スルメイカの「糖質」と「カロリー」
スルメイカ(可食部)60gのエネルギーおよび糖質
スルメイカ(生)
エネルギー:46kcal
糖質:0.1g
※イカの刺身1人前は約60gであるため、上記ではこの数値を基準に算出
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
ほかの食べ物(可食部)60gとの比較
食べ物の種類 | エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
カキ(養殖/生) | 35 | 2.9 |
マダコ(生) | 42 | 0.1 |
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
スルメイカはほかの魚介類に比べると、60gあたりのエネルギーがやや高いことがわかります。イカは全般的に、糖質をほとんど含んでいません。
スルメイカに多く含まれる「栄養素」
スルメイカ60gに含まれる主な栄養素は、以下のとおりです。
たんぱく質:10.7g
脂質:0.5g
カリウム:180mg
ビタミンE:1.3mg
ビタミンB12:2.9μg
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
細長い胴を持つスルメイカは肝臓が大きく、肝臓の濃厚なうまみを活かして塩辛や炒め物にすることがあります。スルメイカの肝臓は、タウリンやビタミンB群などの栄養素が豊富です。タウリンは肝臓だけではなく、イカの身にも多く含まれています。
たんぱく質
肌や筋肉、内臓などを作る成分であり、体の機能を調整するホルモンや酵素の材料にもなる栄養素です。肉や魚にはたんぱく質が多く含まれますが、脂質の摂取量も多くなってしまうデメリットがあります。しかしスルメイカは脂質が少ないため、健康的にたんぱく質を摂取できるでしょう。
ビタミンB12
血液に含まれる赤血球の合成をサポートしたり、神経が正常に機能するのを助けたりしている栄養素です。そのためビタミンB12が不足すると、貧血や手足のしびれといった症状が現れるおそれがあります。
タウリン
肝臓は、栄養素を使いやすい形に変える、有毒な物質を無毒化するといった、さまざまな役割を担っている臓器です。タウリンには肝臓の働きを助ける作用があるため、肝臓の負担を軽減する効果が期待できます。
ダイエットに効果的な「摂取方法」
摂取量
スルメイカは脂質や糖質が少なく、たんぱく質が豊富であるため、ダイエット中に摂取したい食材です。しかしプリン体の量がやや多めであるため、食べ過ぎると高尿酸血症や痛風を引き起こすおそれがある点に注意してください。スルメイカを食べるのは、1日60g程度を目安にしましょう。
摂取に適した時間帯
スルメイカは魚介類の中ではエネルギーがやや高めですが、脂質や糖質が少なく、食品全体で見るとヘルシーな食材です。そのため、夜遅い時間に摂る食事におすすめします。低エネルギーなスルメイカであれば、夜遅い時間に食べても肥満になるリスクを抑えられるでしょう。歯ごたえのあるスルメイカをよく噛んで食べることで満腹感を得られ、内臓脂肪が燃焼されやすくなるメリットも期待できます。
スルメイカを食べる際の組み合わせ
ビタミンB12が豊富なスルメイカは、葉酸を含む食品と組み合わせて食べてください。ビタミンB12は葉酸とともに赤血球を作る働きを助けるため、これらの栄養素を一緒に摂取することで貧血の予防効果がアップします。貧血になると、体中で酸素が不足して基礎代謝が低下するため、痩せにくい体になってしまうでしょう。貧血の予防には鉄だけではなく、ビタミンB12や葉酸の摂取も心掛けてください。
「美容」への作用・メリット
スルメイカを食べてビタミンB12を摂取し、貧血を予防することは美容にも役立ちます。赤血球によって肌に十分な酸素が届けられるため、肌のターンオーバーが整い、白く美しい肌を保てるでしょう。髪の毛にも酸素が行き渡り、コシのある美しい髪を作る効果が期待できます。貧血を防いで、健やかな肌や髪の毛を維持してください。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
アパレル企業を退職し、栄養士資格を取得。病院栄養士、食品メーカー品質管理、保育園栄養士などを経験する。現在はフリーランス管理栄養士として食・健康に関する記事を執筆する傍ら、日本ワインに合うおつまみレシピを発信している。