コハダの「栄養」と「糖質」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方
江戸前寿司の光りものとして人気が高い魚、コハダ。小さくてもうまみが強く、酢で締めて食べられることが多い食材です。この記事ではダイエットや糖質制限などを行っている方へ、コハダの糖質や栄養素を見ながら、おすすめの食べ方を管理栄養士がご紹介します。
コハダの「糖質」と「カロリー」
コハダ(可食部)40gのエネルギーおよび糖質
コノシロ(生)
エネルギー:58kcal
糖質:0.2g
※コハダの成魚コノシロの栄養価を参照する
※コハダ1尾の可食部は約40gであるため、上記ではこの数値を基準に算出
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
ほかの食べ物(可食部)40gとの比較
食べ物の種類 | エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
マダラ(生) | 29 | 0 |
カワハギ(生) | 31 | 0 |
スズキ(生) | 45 | 0 |
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
コハダはほかの魚類に比べると、40gあたりのエネルギーがやや高いことがわかります。魚類は全般的に、糖質をほとんど含んでいません。
コハダに多く含まれる「栄養素」
コハダ40gに含まれる主な栄養素は、以下のとおりです。
たんぱく質:7.6g
脂質:3.3g
セレン:12μg
ビタミンD:3.6μg
ビタミンB12:4.0μg
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
コハダは成長にともなってシンコ、コハダ、ナカズミ、コノシロと名前が変わる出世魚です。コハダには、ビタミンDやビタミンB12が豊富に含まれています。
ビタミンD
小腸でカルシウムの吸収を促し、骨にカルシウムが沈着するのをサポートして、骨や歯を丈夫に保つのを助ける栄養素です。カルシウムをしっかり摂取していても、ビタミンDが不足しているとカルシウムを十分に吸収できず、骨がもろくなるおそれがあります。骨の健康のために、カルシウムとともに意識して摂りたいビタミンです。
ビタミンB12
全身へ酸素を運んでいる、血液中の赤血球の合成をサポートしているのがビタミンB12です。魚介類や肉類に多く、野菜にはほとんど含まれていないため、野菜中心の食事をしていると不足するおそれがあります。
セレン
セレンはミネラルのひとつであり、体の中にはごくわずかしか含まれていません。しかし体をサビつきから守り、体の老化や動脈硬化を予防する効果が期待できる大切な栄養素です。
ダイエットに効果的な「摂取方法」
摂取量
コハダはほかの魚に比べるとエネルギーがやや高めで、甘酢で締めて食べることが多い魚です。コハダを含む魚類は糖質をほとんど含んでいませんが、甘酢で締めるとその分糖質が高くなります。コハダを食べる場合は1日2尾、80gを目安にして、甘酢漬けのコハダを食べ過ぎないようにしましょう。
摂取に適した時間帯
エネルギーがやや高いコハダを食べるのは、朝や昼の時間帯がおすすめです。夜に摂り過ぎたエネルギーは脂肪に変わり、体に蓄えられてしまいます。エネルギーを多く含む食べ物は朝食や昼食に摂り、日中にしっかり運動して消費するようにしましょう。
コハダを食べる際の組み合わせ
コハダは、葉酸を多く含む食材と組み合わせて食べるとよいでしょう。コハダに豊富なビタミンB12は、葉酸とともに赤血球の合成に働きます。ビタミンB12だけではなく、葉酸も合わせて摂取することで貧血の予防効果を高められるでしょう。葉酸が豊富な枝豆やブロッコリー、ほうれん草といった食材を献立に取り入れてください。
「美容」への作用・メリット
鉄が不足すると貧血になることは知られていますが、ビタミンB12が不足しても貧血になるおそれがあります。ビタミンB12は赤血球の合成をサポートする働きがあるため、ビタミンB12が不足すると赤血球が十分に作られなくなってしまうのです。赤血球が足りないと肌へ酸素を運べなくなり、肌のターンオーバーが乱れてシミができやすくなります。適量のコハダを食べて、ビタミンB12を摂るようにしてください。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
アパレル企業を退職し、栄養士資格を取得。病院栄養士、食品メーカー品質管理、保育園栄養士などを経験する。現在はフリーランス管理栄養士として食・健康に関する記事を執筆する傍ら、日本ワインに合うおつまみレシピを発信している。