シチューの健康効果は?栄養素やダイエットにおすすめの作り方
シチューは煮込むだけで、手軽に食事バランスを整えられる料理です。カロリーが高くならないような食材を選べば、ダイエット中の食事にも役立ちます。この記事では、シチューのカロリーと栄養素の働き、ダイエットに効果的な具材と食べ方について紹介します。
温かいシチューは朝昼晩いつでもおすすめ
シチューに肉や魚などのたんぱく質源と、野菜やきのこなどを入れることで、一皿で栄養バランスが整います。忙しい朝食やランチタイムでも、手軽に準備できるメニューです。
特に朝は、シチューなどの温かい汁物を摂取することで体温が上がるため、1日を元気にスタートするのに役立ちます。
また、よく煮た温かい食べ物は消化に良いため、夕食にもおすすめです。
シチューのカロリーと栄養素
シチューには大きく分けて、ホワイトソースを使ったクリームシチューと、デミグラスソースを使ったビーフシチューの2種類があります。
シチューの栄養価は材料や分量により異なりますが、ここでは「日本標準食品成分表2020年版」の「チキンシチュー」と「ビーフシチュー」の値をみていきましょう。
100gあたりの主な栄養価
食品成分 | チキンシチュー | ビーフシチュー |
---|---|---|
エネルギー(kcal) | 124 | 153 |
たんぱく質(g) | 5.8 | 3.5 |
脂質(g) | 7.6 | 11.9 |
糖質(g) | 7.5 | 7.5 |
カルシウム(mg) | 38 | 11 | ビタミンA(μgRAE) | 53 | 58 | ビタミンB1(mg) | 0.04 | 0.03 | ビタミンB2(mg) | 0.10 | 0.06 | ナイアシン(mgNE) | 2.2 | 1.9 | ビタミンB6(mg) | 0.10 | 0.10 | ビタミンC(mg) | 7 | 4 |
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
チキンシチューのカロリーは100gあたり124kcal
チキンシチューは、鶏もも肉を使ったクリームシチューです。ビーフシチューよりカロリーが低く、たんぱく質が多いのが特徴です。鶏もも肉が低脂質であること、またクリームシチューに使われる牛乳にもたんぱく質が含まれていることなどが理由です。
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
ビーフシチューのカロリーは100gあたり153kcal
ビーフシチューはデミグラスソースをベースにしたシチューです。チキンシチューに比べてカロリーが高くなっています。ビーフシチューに使われる牛バラ肉や牛肩ロース肉は、鶏もも肉より脂質が多く、カロリーも高いためです。
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
パンやごはん│付け合わせのカロリーもチェック!
シチューのカロリーだけでなく、一緒に食べるパンやごはんの食べ過ぎもカロリーオーバーにつながります。100gあたり、食パンは248kcal、フランスパンなら289kcal、ご飯は156kcalのカロリーがあります。
適量は活動量や体格によって異なりますが、ご飯ならお茶碗1杯(150~180g)、パンなら6枚切り1枚半(90g)を1食の目安にすると良いでしょう。ご飯とおかず、それぞれの食べすぎに気をつけながら、バランスの良い食事をとり健康的なダイエットを心がけることが大切です。
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
ビーフシチューとクリームシチューの健康効果
ビーフシチューとクリームシチューは材料が異なるため、含まれる栄養素も異なります。ここでは、それぞれに特徴的な栄養素と、期待できる健康効果について解説します。
抗酸化作用による健康効果が期待できるビーフシチュー
ビーフシチューに使われるデミグラスソースは、牛肉からとるブイヨンにホールトマトや赤ワインを加えて作られます。トマトに含まれるリコペンや、赤ワインに含まれるポリフェノールは、抗酸化作用を持つ成分です。体をサビさせる活性酸素を取り除き、老化を防ぐ働きがあります。
特にリコペンは、LDL(悪玉)コレステロールを低下させ、動脈硬化を予防する働きも期待されている成分です。また、玉ねぎやにんにくと加熱調理することで抗酸化力が高まり、体内への吸収率もアップすることが知られています。シチューには玉ねぎも使われるため、トマトの抗酸化力を十分に取り入れられる食べ物といえるでしょう。
カルシウム豊富!骨が強くなるクリームシチュー
クリームシチューからは、牛乳に含まれるカルシウムが摂取できます。カルシウムは骨や歯を作る主な成分であるほか、血液や筋肉、神経などに存在し、体の働きを維持しています。カルシウムの摂取が不足すると、骨量や骨密度が低下し、将来の骨粗鬆症につながります。
カルシウムは、日本人が不足しやすい栄養素の一つです。牛乳や乳製品をそのままとるだけでなく、牛乳を使った料理を取り入れることで、無理なくカルシウムを補給できます。
シチューは栄養満点!定番食材の健康効果
シチューには肉などのタンパク質源だけでなく、野菜やきのこも多く使われるため、ビタミンやミネラル、食物繊維も摂取できるおかずです。ご飯やパンとシチューを組み合わせるだけで、主食・主菜・副菜が揃ったバランスの良い食事になります。
シチューの定番食材のうち、にんじんはβ-カロテンを多く含む野菜です。β-カロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変換され、薄暗いところで視力を保つ、のど・鼻などの粘膜の健康を維持するなどの働きがあります。またβ-カロテンにも抗酸化作用があり、肌では紫外線によるシワやたるみの発生を予防する作用が知られています。
ブロッコリーにはビタミンCが豊富に含まれます。ビタミンCは、肌のハリを保つコラーゲンを作るのに必要な栄養素です。また、シミやソバカスの元になるメラニン色素の生成を抑える働きや、免疫機能を高める働きもあります。
マッシュルームやしめじなどのきのこ類には、食物繊維の中でも不溶性食物繊維が豊富に含まれます。食物繊維は便のカサを増やし、腸を刺激することで便通を整える成分です。
ダイエットにシチューを取り入れる際の3つのポイント
1.ブロッコリーやマッシュルームをプラスする
シチューの中にブロッコリーやマッシュルームなど、カロリーが低く食べごたえのある野菜を入れるのがおすすめです。食事をボリュームアップしながらカロリーを抑えるのに役立ちます。
また、よく噛んでゆっくり食べると満腹感が高まるため、食べ過ぎを防ぐことができます。また、よく噛むことが食後のエネルギー消費を高めることも知られています。
噛む回数を増やせるよう、材料を大きく切って入れるとさらに効果的です。また、ブロッコリーは茎まで使うのがおすすめです。根元の皮をむき、乱切りにして煮込むと食べやすくなります。
2.高タンパク低脂質なとりむね肉を使う
シチューのメイン食材である肉は、脂質の量が種類によって異なります。鶏むね肉など、低脂質のものを使うと全体のカロリーオフにつながります。
たんぱく質は筋肉や内臓、肌や髪など、体の組織を作る栄養素です。特に、筋肉量を維持するためにはたんぱく質摂取が大切です。筋肉量が減ると基礎代謝が低下するため、カロリーを消費しにくい体になってしまいます。
ダイエット中であっても、たんぱく質はしっかりとりましょう。もし鶏むね肉に飽きたら、鮭などの白身魚を入れるのもおすすめです。
3.噛み応えのあるものと一緒に食べる
シチューをよく煮込むと、具材が柔らかくなるため、噛み応えがなくなり、食べるのがつい早くなってしまいます。ゆっくりよく噛んで食べるため、噛み応えのあるものを組み合わせましょう。
キャベツやきゅうりなどの野菜サラダ、全粒粉パンやライ麦パンなどがおすすめです。また、米に雑穀や麦などを混ぜて炊くのも良いでしょう。
シチューの効果を活かして美しく健康に
シチューは煮込むだけで手軽にバランスよく食事がとれる、忙しい人の強い味方です。低カロリー・低脂質の食材を選び、大きく切って入れることで、ダイエットにも役立つ料理になります。シチューをダイエット中の食事に取り入れ、美しく健康な体を目指しましょう。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
大学院修士課程修了。製薬会社にて勤務した後、特定保健指導に従事。食に迷う人の多さに気づき、自分に合った食事を自分で選べる人を増やすため起業。フリーのダイエットサポーター、Webライターとして活動している。