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2023.7.18

カニの「栄養」と「糖質」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方

冬の味覚の中でも高級食材として人気の高いカニ。ズワイガニやタラバガニ、毛ガニなど種類によって様々な楽しみ方があります。そのおいしさはもちろんですが、含んでいる栄養成分が体に嬉しい効果も持っています。今回はそんなカニにはどのような栄養素が含まれ、ダイエットや美容へどのような効果があるのか解説します。

カニの「カロリー」と「糖質」

一般的な品種のカニやよく食べられている魚に含まれているカロリーと、糖質の量について紹介します。

カニのカロリーと糖質(可食部100g)

ズワイガニ
エネルギー……59kcal
糖質…(0.1)g

足1本 約80g

タラバガニ
エネルギー……56kcal
糖質…(0.2)g

足1本 約130g

毛ガニ
エネルギー……67kcal
糖質…(0.2)g

1匹 約400g

ズワイガニ(水煮缶)
エネルギー……69kcal
糖質…(0.2)g

タラバガニ(水煮缶)
エネルギー……85kcal
糖質…(0.1)g
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

ほかの魚類(可食部100g)との比較

魚の種類 エネルギー(kcal) 糖質(g)
ズワイガニ 59 (0.1)
タラバガニ 56 (0.2)
毛ガニ 67 (0.2)
ズワイガニ(水煮缶) 69 (0.2)
タラバガニ(水煮缶) 85 (0.1)
マグロ(養殖) 153 0.3
アジ 112 0.1
タイ(養殖) 160 0.1
サケ(白鮭) 124 0.1

以上のようにカニは種類によって多少差はありますが、どの魚と比較してもエネルギーが少ない食品であることがわかります。魚類は基本的に糖質が少なく、ダイエット向きな食品ですが、その中でもカニは低カロリー、低糖質のため、ダイエット中には積極的に取り入れるのがおすすめです。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

カニに含まれるそのほかの栄養素

カロリーや糖質以外でカニに多く含まれる一般的な栄養素について紹介します。
可食部100gあたり

ズワイガニ タラバガニ 毛ガニ ズワイガニ

(水煮缶)

タラバガニ

(水煮缶)

たんぱく質(g) 13.9 13.0 15.8 16.3 20.6
脂質(g) 0.4 0.9 0.5 0.4 0.3
炭水化物(g) 0.1 0.2 0.2 0.2 0.1
食物繊維(mg) (0) (0) (0) (0) (0)
カルシウム(mg) 90 51 61 68 52
マグネシウム(mg) 42 41 38 29 34
亜鉛(mg) 2.6 3.2 3.3 4.7 6.3
銅(mg) 0.35 0.43 0.47 0.35 0.58
ビタミンE(mg) 2.1 1.9 2.2 2.0 2.9
ビタミンB2(mg) 0.60 0.07 0.23 0.03 0.10
ビタミンB12(μg) 4.3 5.8 1.9 0.2 6.1
食塩相当量(g) 0.8 0.9 0.6 1.7 1.5

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

カニに多く含まれる「栄養素」

カニに含まれる栄養素のうち、代表的な働きを持つ栄養素について解説します。

アスタキサンチン

アスタキサンチンは、カニをはじめエビ、サケ、イクラなどに含まれる天然の赤い色素を指します。脂溶性で、人の体内では作ることができない成分です。眼精疲労や眼疾患の予防に効果があるとされています。強い抗酸化作用を持つことでも知られ、その抗酸化力は抗酸化ビタミンであるビタミンEをはるかに超えると言われる成分です。その強い抗酸化作用によって動脈硬化や肝炎、肝硬変等の生活習慣病の予防も期待できます。

不飽和脂肪酸

ビタミンB12は水溶性のビタミンで赤血球を作る時に必要とされ、造血のビタミンとも呼ばれる栄養素です。肝臓に貯蔵することができ、腸内でも作られるため、あまり不足することはないと言われていますが、不足すると悪性貧血と呼ばれる貧血や肩こりや腰痛などが起こります。
また、眼精疲労の回復や睡眠を促す効果もあることから、普段から目を酷使する仕事をしている方や、不眠に悩んでいる方は意識して取り入れたい成分の一つです。

ダイエットに効率的な「摂取方法」

ダイエット中にカニを食べる場合におすすめする量や時間帯、食べ方について解説します。

1日に食べるのにおすすめのカニの量

カニは低糖質、低カロリー、低脂質な食品のため、ダイエット中は特に制限をする必要はありません。豊富に含まれるビタミンB12は100gあたりの含有量が一番少ない(缶詰を除く)毛ガニであっても1/2匹食べるだけで1日分を摂取できます。ただし、缶詰の場合は塩分が多めであるため、食べ過ぎると塩分の摂りすぎになる恐れがあるので注意しましょう。

カニを食べるに適した時間帯

カニはカロリーも糖質も脂質も少なく、たんぱく質が豊富な食材のため、特に避けるべき時間帯はありません。しかし、天ぷらやフライなど、衣の糖質や油が付加されるような調理法のものの場合、夜遅い時間帯に食べてしまうと摂取した分のエネルギーが体脂肪として蓄積しやすくなるため、注意するようにしましょう。

カニの栄養を効率良くとる方法

カニに含まれるビタミンB12やB2は水溶性のビタミンであり、多く摂取した分は尿として排泄されてしまうため、こまめに摂取することが必要な栄養素です。茹でるより焼く方が損失が少なく、しゃぶしゃぶなどのように湯がく場合はサッと短時間にし、鍋や汁物の場合は溶け出した汁まで食べるようにすると効率よく摂取できます。
また、亜鉛はビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が上がるため、レモンやかぼすなどの柑橘の果汁を絞って食べるのもおすすめです。

「美容」への作用・メリット

美肌・美髪効果

カニに含まれる亜鉛は皮膚や髪の生まれ変わりを助ける栄養素であり、新陳代謝を高めて若々しく保つのに役立つ成分です。またアスタキサンチンやビタミンEには強い抗酸化作用があり、肌の老化を防ぐ働きが期待できます。特に紫外線によって肌のコラーゲンなどがダメージを受けてできるシミやシワを光老化と言いますが、アスタキサンチンは特にその光老化を防ぐのに効果的とされるため意識して取り入れるとよいでしょう。

ダイエット効果

たんぱく質が豊富に含まれるカニはダイエットに向いた食材です。ダイエット中はじっとしていても消費するエネルギーの量である基礎代謝を高めることで効率がよくなりますが、基礎代謝は筋肉の量に比例するため、偏った食事制限などでたんぱく質が不足すると筋肉量が減り、結果的にダイエットの効率は悪くなります。
その点カニは糖質も脂質も少ないのに対し、たんぱく質が豊富でダイエット中のたんぱく質補給に向いているため、積極的に取り入れるとよいでしょう。

管理栄養士

川島 尚子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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