食・レシピ
2023.7.20

エビの「栄養」と「糖質」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方

ぷりぷりとした食感が特徴でフライやグラタン、パスタなどの洋食からエビチリやシュウマイなどの中華まで幅広く活用でき、和食でも天ぷらや寿司、お節料理など昔から親しまれてきました。今は冷凍のものも増え、スーパーで通年手軽に買うこともできるため、普段の食事に取り入れやすい食材です。今回はそんなエビにはどのような栄養素が含まれ、ダイエットや美容へどのような効果があるのか解説します。

エビの「カロリー」と「糖質」

エビや一般的によく食べられている魚に含まれているカロリーと、糖質の量について紹介します。

エビのカロリーと糖質(可食部100g)

バナメイエビ
エネルギー……82kcal
糖質…(0.7)g

ブラックタイガー
エネルギー……77kcal
糖質…(0.3)g

1尾 約20~40g

伊勢エビ
エネルギー……86kcal
糖質…Tr

1尾 約250g

甘エビ
エネルギー……85kcal
糖質…(0.1)g

1尾 約10g

桜エビ(素干し)
エネルギー……286kcal
糖質…(0.1)g

大さじ1 約6g

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

ほかの魚類(可食部100g)との比較

魚の種類 エネルギー(kcal) 糖質(g)
バナメイエビ 59 (0.7)
ブラックタイガー 77 (0.3)
伊勢エビ 86 Tr
甘エビ 85 (0.1)
桜エビ(素干し) 286 (0.1)
マグロ(養殖) 153 0.3
アジ 112 0.1
タイ(養殖) 160 0.1
サケ(白鮭) 124 0.1

以上のようにエビは種類によって多少差はありますが、桜エビを除いてどの魚と比較してもエネルギーが少ない食品であることがわかります。桜エビも一見エネルギーが高いように見えますが、1食分当たりに食べる量が少ない物のため、実際にはそれほど高カロリーにはなりません。いずれもダイエット中に向いている食品であると言えます。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

エビに含まれるそのほかの栄養素

カロリーや糖質以外でエビに多く含まれる一般的な栄養素について紹介します。
可食部100gあたり

バナメイエビ ブラックタイガー 伊勢エビ 甘エビ 桜エビ
たんぱく質(g) 13.9 13.0 15.8 16.3 20.6
脂質(g) 0.4 0.9 0.5 0.4 0.3
炭水化物(g) 0.1 0.2 0.2 0.2 0.1
食物繊維(mg) (0) (0) (0) (0) (0)
カルシウム(mg) 90 51 61 68 52
亜鉛(mg) 2.6 3.2 3.3 4.7 6.3
銅(mg) 0.35 0.43 0.47 0.35 0.58
ビタミンE(mg) 2.1 1.9 2.2 2.0 2.9
ビタミンB12(μg) 4.3 5.8 1.9 0.2 6.1
食塩相当量(g) 0.8 0.9 0.6 1.7 1.5

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

エビに多く含まれる「栄養素」

エビに含まれる栄養素のうち、代表的な働きを持つ栄養素について解説します。

アスタキサンチン

アスタキサンチンは、海のカロテノイドとも呼ばれる天然の赤い色素を指し、エビやカニ、サケ、イクラなどに含まれる成分です。人の体内では作ることができない成分で、眼精疲労や眼疾患の予防に効果があるとされています。抗酸化作用を持つことでも知られ、その抗酸化力はビタミンEを大幅に上回るとも言われるほど強いのが特徴です。それにより、動脈硬化や肝炎、肝硬変等の生活習慣病の予防にも効果的であると言われています。

キチン

キチンはエビやカニなど甲殻類の殻をはじめ、昆虫や貝殻、キノコにも含まれる天然の素材を指します。動物性の食物繊維のことで、エビの場合、多く含まれているのは殻や尾の部分です。人の体内では消化されず、コレステロールの排出を促す働きを持つため、血液中のコレステロールを下げる働きが期待できます。

ダイエットに効率的な「摂取方法」

ダイエット中にエビを食べる場合におすすめする量や時間帯、食べ方について解説します。

1日に食べるのにおすすめのエビの量

エビは特に明確に上限が決められている食品ではありません。しかし、プリン体を含む食品であるため、尿酸値が高めの方は食べ過ぎないように注意が必要です。不足しがちなミネラルである亜鉛は甘エビであれば10尾食べると成人女性が1日に必要な量の半分以上を摂取することができるため、目安にするとよいでしょう。

エビを食べるに適した時間帯

エビはカロリーも糖質も少なく、たんぱく質が豊富な食材のため、特に避けるべき時間帯はありません。ただし、フライや天ぷら、中華など、衣の糖質や油が付加されるような調理法のものも多く、それらの料理を夜遅い時間帯に食べると、過剰なエネルギーが体脂肪として蓄積しやすいため、ダイエット中は食べる時間帯と調理法に注意しましょう。

エビの栄養を効率良くとる方法

エビの殻や尾の部分にはキチンやアスタキサンチン、カルシウムが含まれるため、よく焼く、揚げるなどして殻ごと食べるようにすると無駄なく摂取することができます。また、ビタミンB12は水溶性の栄養素であるため、溶け出した栄養素が失われてしまう茹でる調理法よりは鍋やスープなど溶け出した水分も一緒に食べられるものがおすすめです。

「美容」への作用・メリット

美肌・美髪効果

エビに含まれるアスタキサンチンやビタミンEは強い抗酸化作用を持っており、肌の老化を防ぐ働きが期待できます。特に紫外線によって肌のコラーゲンなどがダメージを受けてできるシミやシワを光老化と言い、アスタキサンチンは特にその光老化を防ぐのに効果的とされる成分です。
美肌を目指す人はアスタキサンチンの摂取できるエビを食事に上手に取り入れるとよいでしょう。

ダイエット効果

エビには良質なたんぱく質が豊富に含まれるため、ダイエット中の筋肉の減少を防ぐことに役立ちます。また、キチン、タウリンの働きによってコレステロールの排泄を促す相乗効果も期待できるため、ダイエット中におすすめの食材です。他にもエビに含まれる甘味や旨味のもとであるアミノ酸の一種が脂肪の排泄を促す働きも持つことから脂肪肝を防ぐことにも繋がります。

管理栄養士

川島 尚子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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