朝、食べるといいもの|どう選ぶべき?【おすすめレシピ】
朝忙しくてついつい抜いてしまいがちな朝食。朝食を抜くと太りやすくなったり、体のリズムが整わないことも…。朝食に摂りたい栄養素とは?医師や専門家に訊いた、朝食を食べる「メリット」や「朝食に食べるといいもの」を紹介します。
- ダイエット中に朝食を食べない「デメリット」
- 朝食べるといいもの
・「動物性のたんぱく質」
・「抗酸化成分」を含む食材
・「クルミ、サバ、肉類、チーズ」
・「グラノーラ」「スライスチーズ」「水きりヨーグルト」「魚肉ソーセージ」「ゆで卵」
・「リンゴ」「アサイー」「小松菜」
・「全粒粉パン」
・体を温める「薬味・スパイス(しそ、しょうが、唐辛子、シナモン)」
・食欲がないときは「バナナ」
・“ばっかり食べ”はNG
- 理想の朝食メニュー
・和朝食がベスト
・焼きししゃも、しめじと舞茸の塩こしょう炒め、ひじきの煮物、ミニおにぎり2個、コンソメスープ
・玄米の卵かけごはん、ブロッコリー、スモークサーモン、グリークヨーグルト
・サバ塩焼き、オクラのおひたし、ひじきの煮物、茶碗蒸し
- 朝食におすすめのレシピ 5選
・【1】低糖質パンでつくるローストビーフサンドイッチ
・【2】オートミールとサラダチキンのやみつきカレーリゾット
・【3】サーモン・トマト・アボカドのパーフェクトサラダ
・【4】納豆キムチごはんwithオリーブオイル
・【5】鯖オムレツ
ダイエット中に朝食を食べない「デメリット」
ダイエッターにとって朝食を食べないことのデメリットは、
- 昼食で必要以上に食べてしまう
- 昼食後に余計なお菓子を食べる可能性が高くなる
要するに、食欲が乱れる可能性が高くなるのです。実際に、朝食習慣がない人に朝食を摂る生活に整えてもらうだけで、余計なお菓子を食べる頻度が減り、栄養バランスが整うケースが多いのです。
朝食べるといいもの
管理栄養士
高杉保美さん
業界最大手ジムにて2,000人以上に栄養指導をし、自身も半年間でマイナス15kgのダイエットに成功。著書『すぼら管理栄養士が教える ずるやせダイエット』(WAVE出版)も大好評!
「動物性のたんぱく質」
「人間の体は約5分の1がたんぱく質でできています。筋肉量を落とさないためにも、美しい肌や髪、爪などを育むためにもたんぱく質は必要不可欠。ビタミン・ミネラルが豊富な上に摂取エネルギーが体熱になりやすく、基礎代謝が上がりやすいので、やせたい人こそたんぱく質をしっかりとるべきです。
女性の1日の必要摂取量は50gと言われていますが、食品で換算すると、ゆで卵で7.7個、納豆では10パックにも! 簡単には食べきれない量なので、朝食からきちんと補ってあげましょう。
特におすすめは、『動物性』のたんぱく質。例えばL-カルニチンやビタミンBが豊富な赤身肉は脂肪燃焼をサポート。白身魚は高たんぱく低脂肪ですし、脂身の多い魚もオメガ3脂肪酸やEPA、DHAが多く含まれ、脂肪の生成を抑えたりメンタルの安定にも良いと言われています。」(高杉さん)
管理栄養士
前田あきこ先生
パーソナルコンディショニングコーチ、日本抗加齢医学会指導士。女性ライフクリニック銀座・新宿のダイエット外来にて認知行動療法を取り入れた栄養や運動、睡眠などの生活習慣改善を指導。
マストは胃を動かすカギとなるたんぱく質。25gはとって代謝を上げる
「ムダ太り対策はもちろん、筋肉や肌、髪を作る材料となるのがたんぱく質。朝に必ずとる理由は、胃を動かすため。というのも、胃はたんぱく質を胃壁に触れさせないと動き始めないから。たんぱく質ゼロの場合は、食べたものが胃に留まった状態になります。胃を動かして代謝や体温を上げるためにも、朝はしっかり摂取を。たんぱく質の1日の目標摂取量は約65g。朝は最低でも25gを。リモート時でも体を作るたんぱく質の量だけは減らさないのが鉄則です」(前田先生)
たんぱく質をとって筋力を上げることが大切
「欠食でたんぱく質が不足すると、それを補おうと筋肉が分解されます。朝が苦手な人は飲むヨーグルトなどでもいいので、なるべく朝食をとりましょう。」(細川さん)
「抗酸化成分」を含む食材
「肌を作るのも守るのも、食を抜きにしては語れません。朝は抗酸化成分を含む食材、を意識してとりましょう」(山本さん)
「朝にスイカやベリー類、トマトなどの抗酸化フルーツや野菜をとると、紫外線防御力が強化されます。和食派なら、抗酸化成分のアスタキサンチンがたっぷり入ったサケがおすすめです」(慶田先生)
スイカにはシトルリン、サケにはアスタキサンチン、ベリー類にはポリフェノール、トマトにはリコピンという抗酸化成分がたっぷり。朝食にはこれらの食材を。
「クルミ、サバ、肉類、チーズ」
「食事で熱を作るときに筋肉を使うので、筋肉のもととなるたんぱく質は積極的にとるべき栄養素。特に朝は熱を作り始める時間なので、朝食で取り入れるようにしてください。そのほかにとりたいのは、体を温める食材。「冬が旬のもの」、「根菜」、「色が濃いもの」と覚えておくと、食材選びが楽になるでしょう。また、体を温める薬味やスパイスは、味に深みを出すのにも役立つ便利アイテム。食事の基本は栄養バランスなので、食材が偏らないようにするのも冷え改善には欠かせません」(須磨さん)
「体内の熱を作るときに使う筋肉の栄養となるのがたんぱく質。豚や鶏肉、サバ、チーズなどの動物性のほか、クルミといった植物性もあります」(須磨さん)
「グラノーラ」「スライスチーズ」「水きりヨーグルト」「魚肉ソーセージ」「ゆで卵」
管理栄養士
前田あきこ先生
まえだあきこ/パーソナルコンディショニングコーチ、日本抗加齢医学会指導士。女性ライフクリニック銀座・新宿のダイエット外来にて認知行動療法を取り入れた栄養や運動、睡眠などの生活習慣改善を指導。
ハーバード大学 医学部客員教授
根来秀行先生
ねごろひでゆき/医師・医学博士。奈良県立医科 大学医学部客員教授、杏林大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授。著書は『病まないための細胞呼吸レッスン』(集英社)など。
朝食におすすめの手軽なたんぱく質
グラノーラ:含有量はそれぞれ
大豆たんぱくを原料としたタイプのグラノーラは、1食につきたんぱく質の含有量が10g以上のものが豊富。太らないためには糖質の低いタイプを選んで。
スライスチーズ:3.0g 約30kcal
血糖値の上昇が緩やかな低GIのチーズは、血糖値が急上昇しやすい朝食にぴったり。カルシウムが豊富で、糖質や脂質の代謝を促すビタミンB2もとれる。
水きりヨーグルト:約8~10g 約100kcal
腸内環境を整えるヨーグルトは、水きりタイプを選ぶとたんぱく質量がアップ。1カップ約8~10gもの量がとれる優秀食材。
魚肉ソーセージ:約7g 約161kcal
100gで約7gのたんぱく質が摂取できる魚肉ソーセージは、なんといっても低カロリー。プロテイン入りや特定保健用食品タイプも登場し、健康食としても呼び声が高い。
ゆで卵:約7.8g 約90kcal
美肌のもとである必須アミノ酸のバランスが抜群。卵白に含まれる酵素のリゾチームは、免疫力を高めるといううれしい効果も。
「リンゴ」「アサイー」「小松菜」
代謝をスムースに動かしてくれる果物や野菜
「起床後の体は代謝が低く、インスリンが分泌されやすい状態。インスリンは血糖値を下げるホルモンでありながら、分泌量が増 えると体脂肪増加を促進させる一面も。そこで食べたいのが、生の果物や野菜。生きた酵素やビタミンがたっぷりで、果物に含まれる果糖にはインスリンの力を借りずに素早くエネルギーに変える効果もあるので、朝の栄養補給に最適です」(根来先生)
リンゴ
水溶性と不溶性の食物繊維を含むので、お通じ改善にも◎。皮に含まれるリンゴポリフェノールには、抗酸化作用や内臓脂肪の蓄積を抑制する効果もあり。
アサイー
高い抗酸化作用をもつアントシアニンやたんぱく質など多くの栄養素を含む果物。コレステロールの吸収を抑えてくれるフィトステロールも摂取できる。
小松菜
糖質の代謝に欠かせないビタミンB群が豊富。さらに強力な抗酸化作用で代謝アップを促進するフィトケミカルのβ-カロテンや食物繊維もとれる万能野菜。
「全粒粉パン」
血糖値上昇をできるだけ緩やかに
「朝はたんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素を摂取するのが理想ですが、すべてを網羅するのは大変。そこでおすすめなのがパンを全粒粉タイプにすること。食物繊維やビタミン&ミネラルが豊富な炭水化物で、血糖値の上昇が緩やかな低GI食品。咀嚼回数も増すので満腹感も高まります。玄米も同様の効果が。それぞれ卵をのせて食べたら完全栄養食の完成」(前田先生)
腸内環境の改善や、美肌や血糖値コントロールにも効果を発揮する食物繊維が豊富。よけいな塩分を排泄してむくみを防ぐカリウムも含む高栄養価パン。
体を温める「薬味・スパイス(しそ、しょうが、唐辛子、シナモン)」
「薬味やスパイスは、体を温める作用のほか、食欲増進効果も期待できます。朝食が進まない人は、朝から取り入れてみてください」(須磨さん)
食欲がないときは「バナナ」
食欲がなければ、バナナ1本でも、とにかく朝食をとる習慣が大事です。
“ばっかり食べ”はNG
「健康に良いと聞くとそればかりをたくさん食べる人がいますが、どんな食材もとりすぎは良くありません。肝臓はさまざまな栄養素を体に必要な物質に変える代謝の働きをしています。いろいろな食材をバランス良く、適量食べて、材料となる栄養素の偏りを防ぐことが大切です。“●●ずくめ”の食事は避けましょう」(堀江院長)
理想の朝食メニュー
和朝食がベスト
みそ汁、卵や魚 などのたんぱく質、ごはん、漬け物などの和朝食がベスト。
焼きししゃも、しめじと舞茸の塩こしょう炒め、ひじきの煮物、ミニおにぎり2個、コンソメスープ
ボディメイカー
JUNさん
「3Days糖質オフダイエット」を考案。3か月で体重マイナス17kg、体脂肪マイナス16%を達成し、ベストボディジャパン横浜大会及びUSA大会でグランプリに輝く。現在は自身のボディメイク経験を生かし、トレーナーとしてダイエットに悩む多くの人を指導。著書『ダイエットに失敗してきた私がやせた3Days糖質オフダイエット』(学研プラス)も好評。
たんぱく質+海藻・きのこで糖質が入る隙間をなくして
「食事制限をするダイエット法とは異なり、『3Days糖質オフダイエット』では、糖質の代わりに何を食べるかがとても大事。肉や魚などのたんぱく質に加え、海藻やきのこ類もしっかりとって、ビタミン・食物繊維をカバーしましょう!」(JUNさん・以下「」内同)
玄米の卵かけごはん、ブロッコリー、スモークサーモン、グリークヨーグルト
寝かせ玄米&ブロッコリーは低糖質なのに食べ応え◎
「寝かせ玄米は、スーパーやコンビニなどで購入可能。モチモチの食感で満足感大です。ブロッコリーは低糖質・食べ応え・美肌力の三拍子そろった美容食材。ヨーグルトは無脂肪のグリークヨーグルトがおすすめです!」
サバ塩焼き、オクラのおひたし、ひじきの煮物、茶碗蒸し
作る手間も時間もかかる茶碗蒸しはコンビニで購入するのが賢い選択
「なるべく温かくておなかと心が満たされるものを取り入れて。その点、茶碗蒸しは高たんぱく低脂質で、満腹感もあるので◎。自分で作るのは大変ですが、コンビニやスーパーで購入できるので、冷蔵庫にストックしておくと、とても便利です!」
朝食におすすめのレシピ 5選
【1】低糖質パンでつくるローストビーフサンドイッチ
ローストビーフは赤身肉を使用しているため、たんぱく質だけでなく、L-カルニチンやビタミンB群、鉄分など、健康や美容に必要不可欠な栄養素がたっぷり。
【材料 ひとり分】
- 低糖質パン…2枚
- 市販のローストビーフ…80g
- ベビーリーフ…適量
- マスタード…適量
- ローストビーフの付属ソース…適量
【作り方】
- 低糖質パンをトースターなどで、こんがりするまで焼く。
- パンにベビーリーフ、ローストビーフと付属のソース、マスタードを適量のせてサンドイッチに。付属のソースがない場合は、塩・コショウで味つけを。
【2】オートミールとサラダチキンのやみつきカレーリゾット
食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富なオートミールはダイエット中の主食におすすめ。
【材料 ひとり分】
- オートミール…30g
- サラダチキン…80g
- 豆乳または牛乳…150ml
- カレー粉…小さじ1
- 粉末コンソメ…小さじ1
- パセリ…少々
【作り方】
- 耐熱容器にオートミール、豆乳または牛乳、カレー粉、粉末コンソメを入れてしっかりと混ぜ合わせてから、電子レンジ(600W)で約2分、加熱する。
- ほぐしたサラダチキンをトッピングして、その上からパセリをふりかける。
【3】サーモン・トマト・アボカドのパーフェクトサラダ
サーモン、トマト、アボカドは栄養価が高く、抗酸化作用が高い成分を多く含む食材。
【材料 ひとり分】
- サーモン(刺身用)…100g
- トマト…1個
- アボカド…1/2個
- フリルレタス…適量
- オリーブオイル…大さじ1
- レモン汁…小さじ1
- 塩・コショウ…適量
【作り方】
- トマト、アボカド、フリルレタスは食べやすい大きさにカットしておく。
- オリーブオイル、レモン汁、塩・コショウをよく混ぜ、ドレッシングを作る。
- お皿に材料を盛り付けて、ドレッシングをかける。
【4】納豆キムチごはんwithオリーブオイル
納豆とキムチは植物性の乳酸菌が含まれ、継続的に摂取することで腸内環境が整う。オリーブオイルのオレイン酸、玄米やもち麦の食物繊維が合わさることで、より高い効果が期待できる。
【材料 ひとり分】
- 納豆…1パック
- キムチ…50g
- ごはん…120g
- オリーブオイル…小さじ1
【作り方】
- ごはんは事前に、白米:玄米:もち麦を1:1:1の比率で炊く(通常の水分量でOK)。
- 納豆、キムチ、オリーブオイルを混ぜ合わせてから、ごはんの上にかける。
【5】鯖オムレツ
鯖や卵はビタミン・ミネラルがバランス良く含まれ、栄養も満点。鯖は良質な脂質を補えるだけでなく満腹感も高く、やせホルモンと言われるGLP-1も活性化してくれるので、食欲抑制効果も。
【材料 ひとり分】
- 鯖水煮缶…1/2個
- 卵…2個
- スライスチーズ…1枚
- オリーブオイル…小さじ1
- ケチャップ…適量
- ブロッコリー、トマト…適量
- 塩…少々
【作り方】
- 鯖水煮はあらかじめほぐし、よく溶いた卵と合わせる。
- フライパンにオリーブオイルを入れて熱したら(1)を流し込み、半分に切ったスライスチーズを加え、火を通しながら形を整える。スライスチーズはとろけるタイプでもOK。
- お皿に盛り、お好みでケチャップをかける。ブロッコリーは食べやすい大きさにカットし、塩をふってから大さじ1の水を回しかけ、ラップをして電子レンジ(600W)で約3分加熱する。トマトは食べやすい大きさにカットして添える。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
1989 年、奈良県生まれ。大阪教育大学スポーツ科卒、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。専門は運動生理学。高校、大学はバスケの国体選手。「2か月後の減量より1年後の健康」を掲げ、痩身目的だけでなく心身の健康を重視した前向きでポジティブなダイエットを提案。論文の科学的データに自身の経験を組み合わせた、理論的かつ実践的なトレーニング&ダイエット情報を日々発信している。