痩せる食べ方や順番とは?ポイントを意識してダイエットの効率を上げよう!
同じものを食べいても、食べる「順番・時間・食べ方」で太りにくく、痩せやすくなる!? 知っておきたい「痩せる食べ方」のポイントをご紹介。朝、昼、晩の「時間別」とり方でもコツがあるんです。健康的に、美味しく食べてダイエット!
痩せる食べ方「5つのポイント」
【1】発酵食品をしっかりとる
「納豆、みそ、チーズなどの発酵食品には、アミノ酸やビタミンB群などの栄養素が豊富に含まれています。アミノ酸はたんぱく質を体内に吸収しやすくし、ビタミンB1と糖質、B2は脂質を分解する働きをもち代謝アップには欠かせません。また腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えることによって栄養吸収能力を高め、代謝を高めます」(森さん)
【2】基本は和食で「まごはやさしい」
「まず、肉、卵、魚などのたんぱく質をとること。そして『まごはやさしい』の食事を意識しましょう。大豆、海藻、種子を積極的にとることで、代謝に欠かせないマグネシウムや亜鉛、鉄などのミネラルや、水溶性食物繊維もバランス良く摂取できます」(森さん)
【3】お箸を使って早食いを防止
管理栄養士
前田あきこ先生
パーソナルコンディショニングコーチ、日本抗加齢医学会指導士。女性ライフクリニック銀座・新宿のダイエット外来にて認知行動療法を取り入れた栄養や運動、睡眠などの生活習慣改善を指導。
「気をつけたいのが早食い。食べる速度が速いと消化吸収も早くなり、同じ食事でも血糖値が上昇しやすいのです。おすすめは、箸を使って、時々箸置きに戻すこと。“持つ・とる・食べる”のステップごとに速度が落ちる上、咀嚼回数もアップ。早食いの人はぜひ実践を!」(前田先生)
やせ型より肥満型の人の方が、「食べるのが遅い人」が少なく、「食べるのが速い人」が多い傾向に。肥満型の人程、早食いの人が多いのを見ても、カロリーだけでなく、食べ方も重要なのがわかる。
(出典:平成21年国民健康・栄養調査結果の概要より)
【4】お皿は持って置くを繰り返す
「おにぎりやサンドイッチなど持って食べるメニューは、手で持ったまま食べ進めると咀嚼回数が減り、消化に悪影響を及ぼします。さらに紙などの軽い皿は持った感覚が薄く、食べていることに意識が回りにくいので、消化に影響をもたらす“ながら食い”をしやすい傾向に。食事は皿にのせ、皿を持つ、置くを繰り返すと咀嚼回数が増え、消費エネルギーが増します」(前田先生)
【5】よく噛む
噛むメリット
「大食いやカロリーオーバーをコントロールできる上、美容と健康のために欠かせない唾液量を増やすことができます」(宝田先生)
「誰にでもできるお手軽ダイエット法!」(美才治さん)
血糖値の上昇がゆっくりになるからやせやすい!
「咀嚼(そしゃく)中枢に神経興奮が伝わって、ヒスタミンという物質が活発に分泌されます。このヒスタミンが脳の満腹中枢を刺激します。ヒスタミンは、脳の交感神経を刺激してエネルギー代謝を促進し、内臓脂肪を燃焼させる働きもあり、ダイエットにつながるのです。また、よく噛むことで食事に時間がかかり、血糖値の変化が緩やかになると、食べる量が少なくなっても空腹になりにくいというメリットもあります」(美才治さん)
正しい噛み方
「正しく噛むのにプラスして、“飲み込んでから次の食事を口に入れる”ことも意識すると、満腹中枢への刺激が効率的です。」(美才治さん)
1.きちんと座って姿勢を正す
「姿勢が悪いと食事が飲み込みにくくなり、水分で流し込みたくなるので、姿勢を正しくしましょう」(宝田先生)
2.目安は一口30秒、1回1秒
4回程噛むと次の食材を口に入れる傾向にあるので、一口30回を目指して。
「一回に1秒かけるのが理想です」(宝田先生)
3.左右均等に噛んでいく
「噛みやすい方だけで噛んでいると顔のゆがみの要因に。左右均等に噛むことを心掛けましょう」(永富さん)
【朝・昼・夜】意識したい食べ方のコツ
【朝】高たんぱく×低糖質を取り入れる
管理栄養士
川島 尚子さん
料理教室運営会社で講師やメニュー開発に従事後、パティシエへ転向。現在は企業様向けのレシピ開発やコラム執筆、オンラインショップやオーダーメイド菓子の制作を行う。ヘルシーなものから子供向けまで幅広く対応。
朝に食事をきちんと摂ると体温が上昇し、エネルギーを消費しやすい状態になります。特にオムレツは低糖質でたんぱく質を豊富に含んでいるため、朝の空腹時に食べても血糖値が急には上がりにくく、一緒に糖質を取り入れた場合でも血糖値を上がりにくくしてくれる食品です。
また、たんぱく質は腹持ちがよく、朝食の食べすぎだけではなく、次の食事である昼食の食べすぎを防ぐことにもつながります。同時に、朝食を食べることで2番目の食事の血糖値も上がりにくくしてくれるセカンドミール効果も期待できるため、ダイエット中の朝食にはオムレツを取り入れるのがおすすめです。
【朝】朝食抜きはNG。簡単にみそ汁だけでも摂る
ダイエットコーチ
計太さん
1989 年、奈良県生まれ。大阪教育大学スポーツ科卒、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。専門は運動生理学。高校、大学はバスケの国体選手。「2か月後の減量より1年後の健康」を掲げ、痩身目的だけでなく心身の健康を重視した前向きでポジティブなダイエットを提案。論文の科学的データに自身の経験を組み合わせた、理論的かつ実践的なトレーニング&ダイエット情報を日々発信している。2018年より経営するパーソナルトレーニングジム「ボクノジム」は、現在白金高輪、中野、秋葉原の都内3 店舗と奈良の計4 店舗に加え、オンラインジムも展開中。趣味は登山。
食欲安定のためにも朝食は必須。おすすめは「ほぼ汁なしみそ汁」
朝食を食べる習慣がない人、そもそもお腹が空かない人っていますよね。皆さんはどうですか? 結論から言うと、朝食を含めて1日3食は食べるべきです。理由を解説します。ダイエッターにとって朝食を食べないことのデメリットは、【1】昼食で必要以上に食べてしまう、【2】昼食後に余計なお菓子を食べる可能性が高くなる、の2点。要するに、食欲が乱れる可能性が高くなるのです。
実際に、朝食習慣がない人に朝食を摂る生活に整えてもらうだけで、余計なお菓子を食べる頻度が減り、栄養バランスが整うケースが多いのです。朝食の習慣がない人は、お腹が空かないか、時間がないかのいずれかではないでしょうか。
朝食を準備する時間がないという方におすすめしたいのが、「ほぼ汁なしみそ汁」です。短時間で簡単に作れて、栄養価も高いメニューです。
計太流ほぼ汁なしみそ汁
<材料>
生姜は千切り、そのほかの野菜は食べやすい大きさに切る。全て適量
【A:かぼちゃ(orさつまいも)、玉ねぎ、切り干し大根、人参】
【B:ズッキーニ、きのこ】
生姜、みそ、水、塩
※好みで、だしパック、豚肉、豆腐など
<作り方>
- 鍋に【A】を入れ、少量の水(野菜が半身浴するくらい)と、塩少量でくたくたになるまで煮る。
- 千切りにした生姜、そのほかの野菜【B】を入れる。さらに好みでだしパック、豚肉、豆腐などを追加する。
- 火が通ったらみそを入れて、完成!
【朝】起きてから1時間以内
ハーバード大学 医学部客員教授
根来秀行先生
医師・医学博士。奈良県立医科 大学医学部客員教授、杏林大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授。著書は『病まないための細胞呼吸レッスン』(集英社)など。
管理栄養士
前田あきこ先生
パーソナルコンディショニングコーチ、日本抗加齢医学会指導士。女性ライフクリニック銀座・新宿のダイエット外来にて認知行動療法を取り入れた栄養や運動、睡眠などの生活習慣改善を指導。
「朝食は起きてから必ず1時間以内にとりましょう。そうすることで体内時計がリセットされて、体のリズムが整うようになります。さらに毎日同じ時間に起床して朝食をとると、より効果的です」(根来先生)
「起床して1時間以内に朝食をとると、1時間半以内に肝臓に栄養素が届き始めます。すると、起床時と体の内部が起きたときの時差ボケがなくなり、夜のバイオリズムまで整います。下手に寝る何時間前までに夕食をとろうと思わずに、とにかく朝に食べることに集中した方が、自然と夜の食欲も落ち着きます」(前田先生)
【朝】生の果物や野菜を食べて、代謝をスムースに
「起床後の体は代謝が低く、インスリンが分泌されやすい状態。インスリンは血糖値を下げるホルモンでありながら、分泌量が増えると体脂肪増加を促進させる一面も。
そこで食べたいのが、生の果物や野菜。生きた酵素やビタミンがたっぷりで、果物に含まれる果糖にはインスリンの力を借りずに素早くエネルギーに変える効果もあるので、朝の栄養補給に最適です」(根来先生)
【昼】朝食から5~6時間後。毎日同じ時間に食べる
「1日の食事は、3食が5~6時間ごとの間隔が理想。朝食同様、昼食を抜くと体内時計が大きく狂い、体が飢餓状態にあると判断されて、脂肪をため込むモードへシフトします。同時に胃腸にかかる負担も大。さらに体内時計のリズムが乱れると、仕事の効率も下がるので、午後にしっかり働くためにも、いつもの時間にランチをとるようにしましょう」(根来先生)
【昼】自由に食べてOK
「日中は消化酵素がしっかり出て、消化吸収が進みやすいため、好きなものを食べてOK。」(前田先生)
【夜】野菜や卵・魚を摂り、寝る3時間前までは食べない
美容・アンチエイジング専門医
黒田愛美先生
Zetith Beauty Clinic銀座院副院長。美容皮膚科とアンチエイジング内科を担当。また、トライアスリートとして年に3〜5回国内外の大会に出場。紫外線や活性酸素の害に負けずに、若々しく高いパフォーマンスを生む体質作りを追求している。
満腹で寝ると夜間の細胞修復やホルモン分泌を妨げてしまうので食事は3時間前までにすませておく。消化に時間のかからない野菜や卵・魚を中心とした献立に。
【夜】夜の糖質はいらない
糖質は多くの食材に含まれていて、野菜や豆類、乳製品をとっているだけでも、それなりの量が摂取できてしまいます。だから、どうしても食べたい日以外は、夜は主食抜きをデフォルトに。1日を振り返って、「まごわやさしい」食材の中からとれていないものを補う献立を。
【運動後】30分~1時間ほど休憩してから
立命館大学 スポーツ健康学部 教授
藤田 聡 先生
2002年南カリフォルニア大学大学院博士課程修了。博士(運動生理学)。専門は運動生理学で、特に運動や栄養摂取による筋肉の代謝応答。
「一般の人の場合は、運動後の食事がおすすめ。まず運動をすると、交感神経が刺激され、食欲が抑制されます。そのため、運動をする前の状態で食べたい!という食事と、運動後の状態で同じ食事が目の前にあるとしたら、後者のほうが確実に食事量が減ります。
また、運動直後は消化器官に血液がいきにくいため、胃がもたれやすくなってしまうことも。30分~1時間ほど休憩してから食事をするのがベストです」(藤田先生)
痩せ体質を作る食べ方の【順番】
【食事】野菜→汁→タンパク質→炭水化物
パーソナルトレーナー
竹下雄真さん
『デポルターレクラブ』代表。スポーツ選手や著名人のパーソナルトレーナーとして活躍。『「1日1分」を続けなさい!一生太らない”神”習慣』(世界文化社)など著書多数。
「食事中、血糖値を急激に上げないことが太らないコツ」(竹下さん)
血糖値が上がると、それを下げようとすい臓からインスリンが分泌され、脂肪を蓄積させます。
インスリン分泌を抑えるために、
【1】野菜→【2】汁もの→【3】肉や魚→【4】炭水化物の順に食べることを習慣に。
太りにくくヤセやすい体になるためには、たんぱく質を積極的にとることが大切です。肪分の少ない鶏胸肉やささ身、ローストビーフなどの牛もも肉はおすすめ。
【飲酒時】野菜→炭水化物→タンパク質
ハーバード大学 医学部客員教授
根来秀行先生
医師・医学博士。奈良県立医科 大学医学部客員教授、杏林大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授。著書は『病まないための細胞呼吸レッスン』(集英社)など。
「22時以降まで続く長い飲み会の場合、前半に食物繊維の多い枝豆やオクラなどの野菜を食べ、続けてごはんなどの炭水化物をとり、血糖値の急激な上昇を抑えます。後半は肉、魚、チーズなどのたんぱく質をとれば太りにくいです」(根来先生)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
トレーニングから姿勢矯正、食事指導まで行うパーソナルトレーニングジム「rinato」主宰。近著に『きれいな人の老けない食べ方』(SBクリエイティブ刊)。