ダイエットに効果的なタンパク質の摂り方とは?おすすめ食材とレシピをまとめました
ダイエット中こそ必要なのがタンパク質! タンパク質が不足していると、痩せにくいばかりではなく、肌や髪の潤いがなくなってしまうことも……。今回は、ダイエットとタンパク質の関係を詳しく教えます。タンパク質を含む食材、おすすめレシピもご紹介します。
【目次】
・ダイエットとタンパク質の関係
・ダイエット中に摂りたいタンパク質を含む食材
・ダイエットにおすすめタンパク質が摂れるレシピ
・ダイエットで気を付けたいタンパク質の摂取量
ダイエットとタンパク質の関係
タンパク質が不足すると痩せにくくなる?
\松倉クリニック&メディカルスパ抗加齢医 田路めぐみ先生が教えてくれました!/
食事の量をカットしているにもかかわらず、なかなか痩せられないことがあります。その原因のひとつは活動量。せっかく食事を減らしても体を動かさなければ、消費カロリーは摂取カロリーを上回らず、痩せられません。
「また、小食になると、活動に必要な栄養素が絶対的に不足します。特にタンパク質・コレステロール、それらに含まれるミネラル・ビタミン類など、必要な栄養素が入ってこない状態が長く続くと、ホルモンバランスが悪くなったり、体が代謝を落として『省エネモード』に入ってしまったりするため、痩せにくくなります」と田路先生。
特に、女性は食事や生理の影響から、通常でもミネラル不足になりがち。ミネラルが不足すると、疲れやすく活動性が下がり、酵素自体の動きが鈍ってきて、代謝が上手くできなくなります。
「むくみやすい方と寒がりな方は要注意。そもそも日本は鉄分が少ない土壌のうえ、代謝自体が普段から低い“省エネ型”体質の人が多い国なんです。代謝が落ちると物質の移動が滞りやすくなり、むくみ(水分貯留)につながりますから、ミネラルやビタミンををしっかり摂って、体内の循環をよくしていきましょう」
ほかにも、ダイエット中は良質のタンパク質と脂質をしっかり摂る必要があると田路先生は言います。
「ダイエットというと、みなさん脂質をあまり摂りたがらないのですが、少量でいいので油を入れないと、細胞自体の元気がどんどん落ちてきますし、ホルモンもつくれなくなってきます。すると、結果的に代謝が落ちてきて、痩せにくくなってしまうんです」(田路先生)
適量のタンパク質で痩せやすい体に
\浜松町ハマサイトクリニック産婦人科専門医 吉形玲美先生が教えてくれました/
そもそも私たちが太ってしまうのは、 摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまうから。摂取カロリーを消費カロリーより抑えれば、太ることはありません。
「だからといって食事を全部抜いてしまったり、ひとつの食材のみを食べ続けたりするようなダイエットでは、栄養も偏りますし、リバウンドもしやすくなります。
不要なのは、むくみとなる水分と余計な脂肪です。痩せやすい体をつくりながらダイエットをするには、筋肉を減らさないようにすることが大事。タンパク質をちゃんと摂って、筋肉を維持しましょう」と吉形先生。
人間が1日に消費するエネルギー量は、大きく基礎代謝量(生命維持のために消費される必要最小限のエネルギー代謝量)、身体活動量(運動や家事などの日常生活活動によって消費するエネルギー量)、食事誘発性熱産生(食事をした後、安静にしていても代謝量が増大すること)の3つで構成されています。
このうち約60%を占める基礎代謝量は、通常10代をピークに加齢とともに低下します。また、基礎代謝量を臓器別に見ると、筋肉・心臓・脳がほぼ2割ずつを消費しており、筋肉の少ない人は基礎代謝量が低くなります。つまり、20代以降が太りにくく痩せやすい体を手に入れるには、食事や運動で筋肉量を増やし、少しでも基礎代謝を上げることが大切なのです。
ダイエットを効率よく!痩せやすい体を手に入れる食事のポイントは?|女医に訊く#47
タンパク質を摂って良質な睡眠を
\睡眠コンサルタント 友野なおさんが教えてくれました/
「睡眠が不足していると太りやすいという説は、実際、米コロンビア大学やスタンフォード大学など、多くの研究グループの調査で立証されてきました。その理由のひとつとして、睡眠不足は血中グレリン(食欲増進ホルモン)を増やし、血中レプチン(食欲抑制ホルモン)を減らすことが指摘されています。反対に、しっかり眠る習慣が身につけば、食欲の中枢が整って正しい食生活へ。引いては健康的で太りにくい体になれるわけです」(友野さん)
「しっかり眠るための食事については、トリプトファンを含むタンパク質を多くとるように心がけましょう」
「質の高い睡眠への準備は朝食から始まっています。体内時計をリセットする役割の朝食は、毎日定時にとるのが◎。しかも、昼間の元気と夜の快眠源となるタンパク質をしっかりとりましょう。タンパク質に含まれるトリプトファンという物質は、日中の活動をサポートする神経伝達物質セロトニンの原料となるもの。そのセロトニンは、夜になると睡眠ホルモンのメラトニンに変換されます。トリプトファンを含むタンパク質が豊富なのは、乳製品、卵、大豆製品、赤身魚などの魚介類、肉類、アボカド、バナナ、ナッツ類などです。さらに、セロトニン生成に必須の栄養素であるビタミンB6、炭水化物も欠かせません。朝は忙しくて、朝食に時間をかけられないという人は、これら3種類の成分をバランスよく含むバナナをとるだけでも違います」
「睡眠の質を高めるための昼食や夕食は、内容以前にとる時間帯が大事。昼食はなるべく13時まで、夕食は就寝時刻の3~4時間前までに食べ終えるようにしましょう。というのも、睡眠中に本来はお休みモードになるべき消化器官が活発に動いていると、スムーズな入眠を妨げてしまうからです」
ダイエット中に摂りたいタンパク質を含む食材
タンパク質食材と含まれる栄養素・成分
タンパク質食材に含まれているのは
■コラーゲン=細胞にハリを与える。
■ヒアルロン酸=細胞内の水分を保持する。
■イソフラボン=女性ホルモン・エストロゲンと似た働きがあり、コラーゲンの生成を助ける。
■ビタミンB6=細胞の代謝を助け、肌あれを防ぐ。
■ビタミンB2=脂質の代謝を助け、皮膚を健康に保つ。
■ビタミンA=粘膜を保護して皮膚や髪を丈夫にする。
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サラダはタンパク質と合わせて食べるのが◎
教えてくれたのは…管理栄養士の浅野まみこさん
Q:サラダだけのダイエットは痩せにくいってホント?
A:本当です
「消費するエネルギーが増えると、痩せやすい体になります。しかし、野菜は、消費エネルギーが少ないのです。
また、痩せるには脂肪燃焼が必要。そのためには体を温める必要があります。食事をすることで消費するエネルギーにも、体を温める作用がありますが、食べ物によって体温の上がり方が違います。そして、野菜はなかなか体温が上がりづらい食べ物のひとつなのです」
「逆に、もっとも体温が上がるのがタンパク質です。またタンパク質にはビタミンB群や鉄、亜鉛など、ビタミンやミネラルが多く含まれています。これらは代謝を高めるほか、筋肉や酵素を作る働きにも関与していますので、ダイエット中も積極的に摂取した方が良い食材です」
「卵や豆腐などは、脂質も少なく、ダイエット中におすすめのタンパク質です。野菜を食べる場合には肉、魚、卵、大豆製品などのタンパク質と合わせて食べるとよいでしょう。サラダに市販のハンバーグやゆで卵、豆腐をトッピングするだけでも大丈夫です。また、赤みの肉、レバー、魚の血合いの部分などには不足しがちな鉄分も豊富にふくまれるので、積極的に取り入れてください」(浅野さん)
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おすすめのおやつは茹で卵とミックスナッツ
教えてくれたのは…松倉クリニック&メディカルスパ抗加齢医 田路めぐみ先生
ダイエット中、もっともキツイのが甘い物の誘惑。仕事の合間にひと息入れたいときや小腹が空いたときは、どんなおやつを食べればいいのでしょう?
「タンパク質やミネラル・ビタミンが多い茹で卵がおすすめ! 一個の卵には、ヒヨコができてしまうくらいの細胞に必要な成分がギュッと詰まっているんです。糖質も少ない(白身はタンパク質、黄身はコレステロール)ので、腹持ちがよく、食べた後に血糖変動しにくい点もポイントです」(田路先生)
ほかにも、ミックスナッツや昆布などのおつまみ系も、ダイエット中のおやつにはぴったり。ただし、塩分やカロリーを摂り過ぎないよう量は控えて。逆に、糖質の多いおせんべいや、チョコ・ケーキ・あんこなどは避けましょう。
罪悪感なく食べられるおやつ
越後有希子さんオススメ!
■ビオクラ食養本社 甘栗みたいな大豆 50g ¥200
【このアイテムのポイント】
・ダイエット中に必要なタンパク質がとれる。
・大豆イソフラボン含有量が一般的な大豆の約1.5倍ある北海道十勝産の大豆を使用。
・1パックで106kcalとヘルシー。
「ダイエット中は代謝が落ちないようにタンパク質を意識してとっています。これはタンパク質の多い大豆を塩ゆでしてあり、ほくほくしていて甘みがあっておいしい! 秋になると食べたくなる甘栗の味がするのにヘルシー」
ダイエットにおすすめタンパク質が摂れるレシピ
バランス◎ワンプレートごはん
今回使った食材にはこれが豊富!
■ビタミンB群…豚ヒレ肉、タラコ、鶏ささ身
■亜鉛…タラコ、卵黄
■タンパク質…豚ヒレ肉、鶏ささ身
■ビタミンC…キウイ、ピーマン、さや隠元
卵黄のっけごはん
主食。亜鉛を含む卵黄をのっけて。柴漬けと青じそをかわいく添えればちょっとよそ行きに。
【材料(1人分)】
ごはん…150g
卵黄…1個分
柴漬け…小さじ 2程度
青じそ…1枚
【作り方】
ごはんを器に盛る。中央をへこませて卵黄をのせ、刻んだ柴漬け、ちぎった青じそをのせる。
豚ヒレ肉のキウイみそづけ焼き
主菜。豚肉はビタミンB群の宝庫。キウイみそにつければ豚肉がやわらかくなり、さっぱり味に。
【材料(1人分)】
豚ヒレ肉(とんかつ用)… 2切れ(60g)
キウイフルーツ…1/4個
オリーブオイル…小さじ1/2
A[みそ…小さじ2、はちみつ…小さじ1] ミニトマト…お好みで
【作り方】
1.キウイフルーツはすり下ろし、Aと合わせる。
2.ラップに1の半量を薄く塗り、上に豚肉を並べ、肉に残りの1を塗る。ぴったり包み、冷蔵庫でひと晩置く。
3.2のみそ床をキッチンペーパーなどで拭き取る。グリルパン(またはフライパン)にオリーブオイルを引いて豚肉を並べ、中火で両面を焼く。 器に盛り、好みでミニトマトを添える。
時間がなければ、肉をたたいて薄くしてみそを塗れば、つけ時間は30分程度でOK。
ピーマンのタラコ炒め
副菜。ビタミンB群・C、亜鉛がとれる組み合わせ。さっと炒めるだけ。お弁当のおかずにも。
【材料(1人分)】
ピーマン…2個(60g)
タラコ… 小1/4腹(20g)
ごま油 … 小さじ1/3
【作り方】
1.ピーマンはヘタと種を取って細切りにする。タラコは縦に包丁を入れて身をしごき出す。
2.フライパンにごま油を引いてピーマンを入れ、中火で炒める。しんなりしてきたらタラコ(皮も)を加えてさらに炒める。タラコがほぐれてピーマン全体に絡まったら出来上がり。
鶏ささ身と秋なす、さや隠元のサラダ
主菜&副菜。材料をレンチンして合わせるだけ。火を使わないお手軽レシピ。
【材料(1人分)】
鶏ささ身…1/2本(25g)
なす…1/2本(40g)
さや隠元…4本(30g)
A[柚子こしょう…小さじ1/4、しょうゆ…小さじ1/4、米酢…小さじ1/2]
【作り方】
1.鶏ささ身、ヘタを取ったなす、さや隠元をそれぞれラップで包み、電子レンジ(600W)で様子を見ながら1~1分半程加熱する。
2.1の粗熱が取れたら、ささ身は繊維に沿ってほぐし、なすは縦に3~4つに裂く。さや隠元は3等分に切る。すべてをAと和える。
食べてやせるの最新キーワードはサーフ&ターフ
魚介(海のもの)と肉(陸のもの)をひと皿に盛り合わせた「サーフ&ターフ」は、代謝を上げるために必要なタンパク質がしっかりとれるのが魅力です。ただし、タンパク質のみでは便秘を招くこともあるため、食物繊維が豊富な食材と一緒にとるとGOOD!
カジキマグロのステーキ ワカメマリネ添え&牛ももステーキ マッシュルームクリーム
【材料(1人分)】
[カジキマグロ分]
カジキマグロ…1切
塩・こしょう…各少量
オリーブオイル…小さじ1
デュカ…適量(砕いたナッツなどで代用可)
生ワカメ…30g
紫玉ねぎ…少量
A[オリーブオイル…小さじ1 レモン汁…小さじ1/2 塩…少量]
[牛ももステーキ分]
ステーキ用牛もも肉…1枚
塩・こしょう…各少量
オリーブオイル…小さじ1
マッシュルーム…3個
オリーブオイル…小さじ2
野菜ブイヨン…50ml
塩・こしょう…各少量
生クリーム…大さじ2
粒マスタード…小さじ1
【作り方】
1.カジキマグロのグリルを作る。カジキマグロに塩・こしょうを振り、フライパンにオリーブオイルを引き中火で焼く。両面がこんがり焼けたら火を止め、ミックススパイスのデュカを振りかける。
2.ワカメは3cm幅に切り、薄切りにした玉ねぎと共にAで和える。
3. ステーキを作る。フライパンにオリーブオイルを引き、室温にして塩・こしょうを振った牛もも肉を入れ、中火で両面を2分ずつ焼く。火を止めて取り出してアルミ箔で包み、布巾をかけて10分程休ませる。
4.マッシュルームを薄切りにする。フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、マッシュルームを加え、しんなりするまで炒める。ブイヨンを注ぎ、塩・こしょうを振り4分煮る。生クリームを加え、ひと煮立ちしたら火を止めて粒マスタードを加え混ぜる。
5.器に1~4を盛る。好みでクレソン、オリーブオイル、レモン(すべて分量外)を。
ダイエットで気を付けたいタンパク質の摂取量
タンパク質の摂り過ぎにも注意!
\消化器内科医 古川真依子先生が教えてくれました!/
ダイエットのために、ささみなど良質なタンパク質を意識して摂るようにしていませんか? 古川先生によると、最近、プロテインの過剰摂取で体調を崩す方も多いようです。
「食事でタンパク質を摂る分には問題ありません。しかし、それに加えて積極的にプロテインを飲み、それで肝機能を悪くして検診で引っかかって来院される患者さんもけっこういるんです」(古川先生)
プロテインの過剰摂取をやめれば正しい肝機能も復活するので大事には至らないそうですが、肝臓で代謝しきれないほどのタンパク質を摂るのはNG。サプリメントの場合、過剰摂取になることもあるので注意が必要だと古川先生は言います。
「日本の薬局で売られているものを飲む分には過剰にはならないと思います。しかし、個人輸入されたものや筋肉増量などのためにアレンジされたプロテインを飲む場合は、過剰摂取に注意してください」(古川先生)
ダイエット中に顔や足がむくむ…腎臓・肝臓の働きに関係あるの?|女医に訊く#50
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。