ダイエットにも効果的な「朝に食べるといいもの」と朝食レシピ

太らない体を作る最大の予防こそが朝食!朝食べると健康と美容にいいものや、それらの食べ方を、管理栄養士や料理家など食のプロが徹底解説。ダイエットにも効果的な朝食レシピもあわせてまとめました。
朝食は起きたらすぐに食べたほうがいい!
みなさんは朝食を食べていますか? そもそも眠たくて睡眠を優先してそのまま出勤してしまい、就業時間中に小腹を満たすという人もいるかもしれませんね。また、「朝は食欲がわかない」からといった理由で、起床後、しばらく過ごし、休日などは10時ごろのブランチが常、という人もいるのではないでしょうか。しかし、「朝食を食べるなら朝起きてすぐのほうが体によい」というウワサが。本当なのでしょうか。この疑問について、理学博士・管理栄養士の古谷彰子さんに聞いてみました。

愛国学園短期大学 准教授/博士(理学)/管理栄養士 早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構招聘研究員 アスリートフードマイスター認定講師 発酵料理士協会特別講師
古谷彰子(ふるたに・あきこ)さん
「絶対に起き抜けに食べなければいけない、ということでもありませんが、せめて起床後、1~2時間以内を目安に朝食をとるのがおすすめです」(古谷彰子さん・以下「」内同)
朝食は起きてから1時間以内に食べたほうがいい理由
「朝は活動をはじめる前ですし、特に、夜遅くに食事をしてしまうと起きてすぐにはお腹が空いていない、という人もいますよね。しかし、朝食を食べることで1日をスムーズにスタートさせられることができますし、1日全体を通したメリットも多くあります。
ひとつは朝食には体内時計をリセットするはたらきがあること。ただし、朝食は起床から1時間程度で食べないと体内時計のリセットにはりません。さらに、たとえば10時ごろになって空腹を感じてから食べてしまうと、ついつい食べ過ぎてしまうというデメリットも。朝食と昼食の間は消化の時間を考えると3時間はあけたほうがいいので、12時にお昼という人は、逆算して朝食は遅くとも9時までには済ませるようにしましょう」
体内時計とは?
「体内時計というのは私たちの身体にある1日のリズムを刻む時計を指します。体内時計によって私たちは朝起きて、夜眠くなるというリズムを刻むだけでなく、ホルモンの分泌や栄養の代謝、免疫状態なども調整しています。そして体内時計は24時間よりも少し長いリズムを刻んでいるため、毎日リセットすることが必要です。
体内時計は脳に“親時計”があり、そのほかの脳の各細胞、胃、腸、肝臓、腎臓、そして血管や皮膚など末梢器官には“子時計”が存在します。身体の部位ごとに時計が異なるため、毎日調整しなければ、どんどんズレていってしまいます。そして体内時計をリセットさせるのに必要なのが、朝起きてすぐに朝食をとることなのです」
起きてすぐの朝食は、体内時計をリセットしてくれる
「朝食を食べれば、親時計の指令がなくても胃や腸などが活動するため子時計をリセットすることができます。運動でも朝食をとるのと同じリセット作用が行われますが、起きてすぐの運動はハードルが高いのではないでしょうか。
また、親時計を介して小時計に指令を伝えるものだと光の刺激があります。目を覚ますために太陽の光を浴びる、といった行為です。しかしこれも、紫外線のダメージが気になる昨今では習慣にしにくいのではないでしょうか。それらを考慮しても、起きてすぐに朝食をとるという行為は、もっとも確実で手っ取り早いといえます」
平日も休日も起床と朝食時間を揃えるのが〇
「それから、朝食は、毎日決まった時間に食べたほうが体内時計のリセットにも、腸内環境にもよいです。30分くらいは誤差はOKですが、1~2時間変わってしまうと、生活リズムの乱れによって生理的な体内時計と社会の動きのズレが生じます。規則的に朝食を食べていない人は、時差ボケのような症状が出る“社会的時差ボケ”になりやすいというデータもあるんですよ。平日も休日も、起床と朝食の時間は同じにするのがおすすめです。
そして、ふたつめのメリットは、“セカンドミール効果”を期待できることです」
セカンドミール効果とは?
「セカンドミール効果とは、最初にとる食事(ファーストミール)の血糖値の影響が次にとる食事(セカンドミール)の血糖値にも影響を及ぼすという理論です。たとえば朝食をファーストミールとすると、次の昼食に与える影響のこと。この場合、朝食には血糖値の上昇を抑制するはたらきもあり、朝食を食べなかった人は昼食をとった際に血糖値が急上昇するのに対し、バランスのよい朝食をとった人は食後の血糖値の上昇が緩やかになります」
タンパク質摂取のゴールデンタイムは朝
「そして3つめのメリットとなるのが、朝食でとったタンパク質が最も効率よく筋肉をつくるため。これから活動する時間帯はエネルギー代謝が上がるのです。筋肉の衰えを防ぐにも有効なので、しっかりタンパク質を摂るように心がけましょう。
また、朝にタンパク質は、昼食のみならず、夕食の血糖値も上がりにくさせます。睡眠ホルモンといわれているメラトニンの材料となるトリプトファンがつくられるのもタンパク質から。夜の睡眠の材料となり、睡眠と覚醒のリズムが構築されやすくなりますよ」
太らないための「朝食のトリセツ」
「賢く食べて太らない」ためには朝食が重要。朝食べるものについて、おさえるべきポイントを教えてもらいました。

管理栄養士
前田あきこ先生
まえだあきこ/パーソナルコンディショニングコーチ、日本抗加齢医学会指導士。女性ライフクリニック銀座・新宿のダイエット外来にて認知行動療法を取り入れた栄養や運動、睡眠などの生活習慣改善を指導。

ハーバード大学 医学部客員教授
根来秀行先生
ねごろひでゆき/医師・医学博士。奈良県立医科 大学医学部客員教授、杏林大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授。著書は『病まないための細胞呼吸レッスン』(集英社)など。
太らない体を作る最大の予防こそが朝食
“太らないためには朝食のタイミングが重要”と話すのは、ハーバード大学医学部客員教授 根来秀行先生。
「1日は24時間ですが、実は人間の1日の体内時計は24時間11分。この分のズレをリセットするために、最も大切なのが“朝日を浴びること”と“朝食を食べること”です。朝食で胃腸を刺激することで体がしっかりと目覚め、活動モードにスイッチが入ります。逆に朝食を抜き続けると体が“飢餓になるシグナル”をキャッチして、夜のため込みモードがオンになって太りやすくなります。朝は必ず食べる習慣をつけましょう」(根来先生)
前日に食べすぎた日は「量」を調整して。食べないのはNG
夕食で過食した際、陥りがちなのが翌日の朝食抜き。
「この帳尻合わせは、体内時計を乱すもと。翌日の3食を全体的に軽くして、いつもと同じ時間に食事を。食事抜きは太るもとだと肝に銘じましょう」(根来先生)
起きたらすぐに1杯の水で血流を巡らせる
「睡眠中は汗や呼吸で大量の水分が失われるので、朝一番に水分補給を。起き抜けの水分補給は、胃腸に刺激を与えるので、排泄や排便を促すデトックス効果も。べストはコップ1杯の白湯か常温の水。また、コーヒーなどカフェインを含む水分は、すきっ腹に取り込むと胃に負担がかかり、疲れやすくなったり体内時計が乱れる可能性大。朝のコーヒータイムは朝食後が理想です」(根来先生)
「特に便秘に効果的なのが炭酸水。炭酸ガスが胃壁から吸収されることで胃の血流を促進するので、体内の老廃物の排出を早めてくれます」(前田先生)
Point
・白湯か常温の水がべスト・便秘なら、胃を調節して血流を促進する炭酸水も効果的
・ゆっくり少しずつ飲む
これはNG!
・コーヒー、紅茶、緑茶など、カフェインを含むものは胃の負担に
・一気飲みは胃液が薄まるので注意
朝食の量は?3食のバランスが4:2:4で昼を軽く!
「今までは朝3:昼3:夜4のバランスが良いとされていましたが、朝にしっかり食べてほしいので4:2:4のバランスが理想。朝食から昼食までの時間は短いので、昼は軽めでOKです」(前田先生)
「夜は血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンの分泌量が低下します。それに加え、睡眠中の飢餓状態に備え体がため込みモードになるので、血液中にコレステロールなどの脂質も増えて糖が分解されにくくなります。同じカロリーを摂取しても夕食の方が太りやすくなるため、夕食偏重スタイルは卒業しましょう」(根来先生)
朝食べるといいものは、胃を動かすカギとなるタンパク質がマスト
「ムダ太り対策はもちろん、筋肉や肌、髪を作る材料となるのがたんぱく質。朝に必ずとる理由は、胃を動かすため。というのも、胃はたんぱく質を胃壁に触れさせないと動き始めないから。たんぱく質ゼロの場合は、食べたものが胃に留まった状態になります。胃を動かして代謝や体温を上げるためにも、朝はしっかり摂取を。たんぱく質の1日の目標摂取量は約65g。朝は最低でも25gを。リモート時でも体を作るたんぱく質の量だけは減らさないのが鉄則です」(前田先生)
朝食べるのにおすすめの手軽なたんぱく質は?
グラノーラ:含有量はそれぞれ
大豆たんぱくを原料としたタイプのグラノーラは、1食につきたんぱく質の含有量が10g以上のものが豊富。太らないためには糖質の低いタイプを選んで。
スライスチーズ:3.0g 約30kcal
血糖値の上昇が緩やかな低GIのチーズは、血糖値が急上昇しやすい朝食にぴったり。カルシウムが豊富で、糖質や脂質の代謝を促すビタミンB2もとれる。
水きりヨーグルト:約8?10g 約100kcal
腸内環境を整えるヨーグルトは、水きりタイプを選ぶとたんぱく質量がアップ。1カップ約8?10gもの量がとれる優秀食材。
魚肉ソーセージ:約7g 約161kcal
100gで約7gのたんぱく質が摂取できる魚肉ソーセージは、なんといっても低カロリー。プロテイン入りや特定保健用食品タイプも登場し、健康食としても呼び声が高い。
ゆで卵:約7.8g 約90kcal
美肌のもとである必須アミノ酸のバランスが抜群。卵白に含まれる酵素のリゾチームは、免疫力を高めるといううれしい効果も。
たんぱく質をとるメリットはほかにも!
Point
・筋肉や皮膚・髪などの材料になる・ストレス緩和
・免疫力を高める
・睡眠の質を高める
・脂肪になりにくい
「ストレスや睡眠、免疫力に関わるホルモンの材料にもなるのがたんぱく質。食事で摂取して体に材料を入れておかないと、起き抜けに朝日を浴びてもホルモンの分泌が正常に行われなくなるおそれも」(前田先生)
酵素のとれる果物や野菜をとれば、代謝をスムースに動かしてくれる!
「起床後の体は代謝が低く、インスリンが分泌されやすい状態。インスリンは血糖値を下げるホルモンでありながら、分泌量が増 えると体脂肪増加を促進させる一面も。そこで食べたいのが、生の果物や野菜。生きた酵素やビタミンがたっぷりで、果物に含まれる果糖にはインスリンの力を借りずに素早くエネルギーに変える効果もあるので、朝の栄養補給に最適です」(根来先生)
リンゴ
水溶性と不溶性の食物繊維を含むので、お通じ改善にも◎。皮に含まれるリンゴポリフェノールには、抗酸化作用や内臓脂肪の蓄積を抑制する効果もあり。
アサイー
高い抗酸化作用をもつアントシアニンやたんぱく質など多くの栄養素を含む果物。コレステロールの吸収を抑えてくれるフィトステロールも摂取できる。
小松菜
糖質の代謝に欠かせないビタミンB群が豊富。さらに強力な抗酸化作用で代謝アップを促進するフィトケミカルのβ-カロテンや食物繊維もとれる万能野菜。
パンは全粒粉のもので血糖値上昇をできるだけ緩やかに!
「朝はたんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素を摂取するのが理想ですが、すべてを網羅するのは大変。そこでおすすめなのがパンを全粒粉タイプにすること。食物繊維やビタミン&ミネラルが豊富な炭水化物で、血糖値の上昇が緩やかな低GI食品。咀嚼回数も増すので満腹感も高まります。玄米も同様の効果が。それぞれ卵をのせて食べたら完全栄養食の完成」(前田先生)
全粒粉パン
腸内環境の改善や、美肌や血糖値コントロールにも効果を発揮する食物繊維が豊富。よけいな塩分を排泄してむくみを防ぐカリウムも含む高栄養価パン。
ダイエット中にもおすすめ!朝食べるといいもの
ここでは、美的.comに掲載された記事の中から、管理栄養士がダイエット中にも朝食べるのにおすすめした食べ物についてまとめました。食べ合わせのおすすめも参考に!
バナナ

管理栄養士/フードコーディネーター
渥美まゆ美さん
メニュー開発、商品開発、出版、メディア出演、イベント出演、食プロデュースやさまざまな企業の健康セミナーなどに関わり、“美味しい食事を楽しみながら元気でいること”をモットーに活動中。『世界一ラクチンな栄養ごはん』(西東社)など、出版実績も多数。

「忙しい人でも手軽に摂れて、そこにビタミンとミネラル、食物繊維も入っているのでダイエット中も朝食にバナナを食べるのは良いと思います。1本103kcalというのも覚えておけば目安にもなり、カロリーコントロールもしやすく、食べ過ぎ予防にも役立ちます。
朝は脳の栄養が不足しがちですが、バナナには脳の活動に必要な糖も含まれているため、糖が運ばれることで頭もすっきりします。血糖値もほどほどに上がらないと、満足感も満たされないため、腹持ちもよく、血糖値の急上昇は抑えられるバナナは朝食としておすすめです。
ただ、朝食で食べる場合はバナナだけではタンパク質が不足してしまうので、ヨーグルトと一緒に食べると良いです。定番のメニューですが乳酸菌もプラスされ、身体を整えることにもなるので、ダイエット中の人にはピッタリのメニューです」(渥美さん)
キウイ
管理栄養士・フードコーディネーター・調理師
後藤里帆さん
大学卒業後、飲食店へ勤務。その後、学生の頃からの夢であったフードコーディネーターの会社へ入社。現在はフリーランスのフードコーディネーターとして活動。主に企業へのレシピ提案や広告媒体のフードコーディネート、スタイリングをしている。
ダイエット中は、糖質・カロリーが共に、少ないグリーンキウイの方がオススメです。分量は1日1~2個を目安に食べると良いでしょう。カロリーが低いからといって、キウイばかり食べるのは良くありません。
オススメの時間帯は朝食です。朝が忙しかったり、食欲がわかなかったりして、朝食を抜いている方も多いのではないでしょうか。食事の間隔が開きすぎると、食後の血糖値が一気に上がり、太りやすくなると言われているため、少しでも摂るようにしましょう。また、しっかりと朝食を摂られている方は、朝ごはんの1品として取り入れてみてください。
キウイを食べる際の組み合わせ
キウイには食物繊維が含まれています。ヨーグルトと一緒に摂ることで腸内環境を整え、お通じが良くなり、ダイエットのサポートになるかと思います。また、小松菜やケールなどと一緒にスムージーにするのもオススメです。
納豆
管理栄養士
いしもとめぐみさん
アパレル企業を退職し、栄養士資格を取得。病院栄養士、食品メーカー品質管理、保育園栄養士などを経験する。現在はフリーランス管理栄養士として食・健康に関する記事を執筆する傍ら、日本ワインに合うおつまみレシピを発信している。
納豆そのもののエネルギーは、あまり高くありません。しかし、付属のタレやからしを加えると、エネルギーや糖質は増えてしまいます。肥満につながる恐れがあるため、納豆を1日に何パックも食べることのないようにしてください。また、タレには塩分が含まれるため、塩分を摂り過ぎてむくみが生じる可能性もあります。納豆を食べるのは、1日に1パックまでにするとよいでしょう。
納豆を効果的に食べるなら、朝食をおすすめします。朝は、1日の中でも体温が低くなる時間帯です。食事を摂ると、食べ物の消化吸収にエネルギーが使われて体温が上がります。栄養素のなかでも、消化吸収時により多くのエネルギーを消費するとされているのが、たんぱく質です。納豆からたんぱく質を摂取することで、エネルギー消費が促されて体温が上がり、基礎代謝の上昇が期待できます。
納豆を食べる際の組み合わせ
納豆とキムチは、腸内環境の改善におすすめの組み合わせです。納豆に含まれる納豆菌には、腸内の善玉菌を増やす働きがあります。発酵食品のキムチに含まれる乳酸菌も、腸内環境の改善をサポートしてくれる微生物です。加えて納豆とキムチにはどちらも食物繊維が含まれるため、腸内環境を整える相乗効果が期待できます。
魚
ツナ
管理栄養士
いしもとめぐみさん
アパレル企業を退職し、栄養士資格を取得。病院栄養士、食品メーカー品質管理、保育園栄養士などを経験する。現在はフリーランス管理栄養士として食・健康に関する記事を執筆する傍ら、日本ワインに合うおつまみレシピを発信している。
ツナは、ダイエット中でも摂取してほしいたんぱく質や鉄が豊富に含まれる食材です。しかし食べ過ぎればエネルギーの過剰摂取となり、肥満になるおそれがあります。特にダイエット中はエネルギーが高い油漬缶詰ではなく、水煮缶詰を利用して摂取エネルギーを抑えましょう。
たんぱく質が豊富なツナは、朝に食べることをおすすめします。ダイエット中はエネルギーをより燃焼させるために、筋肉量を増やすことが大切です。朝のたんぱく質摂取は、筋肉量を効率よく増やす効果が期待できることがわかっています。容器を開けるだけで食べられるツナの缶詰は、忙しい朝でも利用しやすい食材であるため、積極的に朝食に取り入れてください。
ツナを食べる際の組み合わせ
たんぱく質が多く含まれるツナは、ビタミンB6が豊富な食材と一緒に食べるとよいでしょう。ツナの原料であるマグロやカツオにも、ビタミンB6は含まれています。しかしたんぱく質の摂取が多いほど、ビタミンB6の必要量も多くなるため、ほかの食材からもビタミンB6を補いましょう。ビタミンB6が豊富な赤パプリカと一緒にサラダにしたり、献立に玄米ご飯を加えたりするのがおすすめです。
ブリ
管理栄養士
いしもとめぐみさん
アパレル企業を退職し、栄養士資格を取得。病院栄養士、食品メーカー品質管理、保育園栄養士などを経験する。現在はフリーランス管理栄養士として食・健康に関する記事を執筆する傍ら、日本ワインに合うおつまみレシピを発信している。
ブリは魚類の中でも脂質が多く、エネルギーも高いため、ダイエット中は食べ過ぎないように注意が必要です。しかし魚類の脂質には、中性脂肪を減らす効果が期待できるEPAやDHAといった成分が含まれています。ブリは適度に食事に取り入れつつ、1日100g程度までを目安に食べ過ぎないようにしましょう。
EPAとDHAが豊富なブリは、朝に食べることをおすすめします。EPAとDHAは、血液中の中性脂肪を減らす可能性がある栄養素です。EPAとDHAを朝に摂取すると、体に効率よく吸収されて、血液中の中性脂肪を減少させるより高い効果が期待できます。
ブリを食べる際の組み合わせ
ブリは、ビタミンB2やナイアシンを多く含む食品と組み合わせて摂取するとよいでしょう。ビタミンB2とナイアシンは、脂質をエネルギーへ変換する働きを助ける栄養素です。ブリと一緒に摂取することで、ブリに豊富な脂質をエネルギーに変えて燃焼しやすくする効果が期待できます。ビタミンB2とナイアシンは魚類に含まれるほか、きのこ類にも含まれます。きのこはもちろん、ブリ以外の魚とも組み合わせて食べてください。
カツオ
管理栄養士
いしもとめぐみさん
アパレル企業を退職し、栄養士資格を取得。病院栄養士、食品メーカー品質管理、保育園栄養士などを経験する。現在はフリーランス管理栄養士として食・健康に関する記事を執筆する傍ら、日本ワインに合うおつまみレシピを発信している。
秋に獲れるカツオは脂質が多いため、ダイエット中は食べ過ぎに注意が必要です。さらに、カツオにはプリン体が多く含まれる点にも気をつけてください。プリン体を摂り過ぎると、高尿酸血症や痛風を引き起こす恐れがあります。カツオを食べるのは多くても1日100g程度までにとどめて、連日食べ続けることのないようにしましょう。
EPAとDHAが豊富なカツオを食べる時間帯には、朝がおすすめです。朝に摂ったEPAとDHAは、体の中で効率よく作用することがわかっています。EPAとDHAには中性脂肪を低減させる作用があるため、肥満や動脈硬化を予防する効果が期待できるでしょう。
カツオを食べる際の組み合わせ
カツオは、ビタミンB1やビタミンB2を多く含む食品と一緒に食べることをおすすめします。カツオに豊富なビタミンB6やナイアシンは、たんぱく質などの栄養素を分解して、エネルギーに変える働きをスムーズにする栄養素です。ビタミンB1とビタミンB2も栄養素をエネルギーに変換する働きを助けるため、カツオと合わせて摂取することで、疲労回復効果が期待できます。ダイエットのために運動したあとは、ビタミンB1とビタミンB2を含む食品とカツオを摂り、疲れがたまった体を労ってください。
マグロ

管理栄養士
川島 尚子さん
料理教室運営会社で講師やメニュー開発に従事後、パティシエへ転向。現在は企業様向けのレシピ開発やコラム執筆、オンラインショップやオーダーメイド菓子の制作を行う。ヘルシーなものから子供向けまで幅広く対応。
マグロに含まれる脂質は良質な油と言われ、成人女性の摂取目安量は1.6~1.9g(出典:「厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)」)とされています。これは養殖の赤身のマグロであれば100g(刺身12切れ)(「出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)」)食べれば補える量です。一方同じマグロでも天然のものは脂質が少ないため、それほど摂取効率は良くありません。油がのっているものを選ぶと効率が良いと言えるでしょう。
マグロは朝の時間帯に食べるのがおすすめです。カロリーや糖質の面から見ると夜遅い時間に食べても問題はありませんが、マグロなどに含まれる魚の脂は朝摂ると吸収が良いとされるため、朝食に取り入れるようにするとより効果的に良質な油を摂ることができます。
マグロの栄養を効率良くとる方法
加熱によって壊れやすくなる栄養素があるため、揚げ物や焼き物、煮物よりも刺身で食べるのがおすすめです。もし鍋ものや煮物などにした場合は栄養素が汁に溶け出ているため、汁ごと食べると良いでしょう。また、揚げ物は衣、煮物は砂糖によって糖質が加わることから、ダイエットをしたい方は特にそのまま刺身で食べると栄養素を無駄なく摂ることができるだけでなく、ヘルシーに楽しむことができるため、ダイエット中には効果的です。
アジ

管理栄養士
川島 尚子さん
料理教室運営会社で講師やメニュー開発に従事後、パティシエへ転向。現在は企業様向けのレシピ開発やコラム執筆、オンラインショップやオーダーメイド菓子の制作を行う。ヘルシーなものから子供向けまで幅広く対応。
アジは1日に1尾食べるだけで、さまざまな栄養素を摂取できます。1尾に含まれるDHAやEPAなどの良質な脂質は成人女性の摂取目安量の半分に相当する値です。
ほかにも、ビタミンB12も1尾で1日分を摂取できます。ただし、開きの場合は塩分を多く含むため、一緒に食べる料理との組み合わせに気をつけて塩分の摂りすぎに注意することが必要です。
アジは朝に食べるのがおすすめです。アジなどに含まれる良質な脂質であるDHAやEPAは朝の方が吸収されやすく、血液中に取り込まれやすい性質があるため、より効果的に摂取するためには朝食に取り入れるようにするとよいでしょう。また、朝摂取することで脂質代謝の改善も期待できます。
アジの栄養を効率良くとる方法
DHAやEPAは加熱によって失われやすいため、新鮮なものが手に入る場合はアジも刺身で食べるのがおすすめです。加熱する場合も揚げ物よりは塩焼きにし、もし蒸し料理や煮物などにした場合は栄養素が汁に溶け出ているため、汁ごと食べると良よいでしょう。
また、揚げ物は衣、煮物は砂糖によって糖質が加わることから、ダイエットをしたい方はそのまま刺身で食べると栄養素も無駄なくとれて、ヘルシーに楽しめます。
じゃがいも
管理栄養士
いしもとめぐみさん
アパレル企業を退職し、栄養士資格を取得。病院栄養士、食品メーカー品質管理、保育園栄養士などを経験する。現在はフリーランス管理栄養士として食・健康に関する記事を執筆する傍ら、日本ワインに合うおつまみレシピを発信している。
じゃがいもは、エネルギーと糖質が多く含まれる野菜です。ご飯120g(茶碗小盛り約1膳分)のエネルギーは187kcal、糖質は42.7g(出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂))となるため、じゃがいもを2?3個摂取すると、ご飯1膳分のエネルギーと糖質に匹敵してしまいます。ダイエット中にじゃがいもを食べる場合は、1日1個程度にとどめておくのがよいでしょう。
じゃがいもを食べる時間帯は、朝がおすすめです。体を休めている就寝中でも、脳は活動してエネルギーを消費しているため、起床時の脳はエネルギーが不足しています。じゃがいもに含まれるでんぷんは、体の中でブドウ糖に変換される成分です。ブドウ糖は脳のエネルギーに使われる栄養素であるため、じゃがいもを朝に食べると脳のエネルギー補給になり、朝から集中して勉強や仕事に取り組めます。
じゃがいもを食べる際の組み合わせ
じゃがいもは、ニラや小松菜、ほうれん草と一緒に食べることをおすすめします。じゃがいもは、体内の余分な塩分を排出してむくみを予防する、カリウムという栄養素が豊富です。しかしむくみ予防を目的にじゃがいもを多く摂取すると、エネルギー過多から肥満につながってしまいます。
ニラや小松菜、ほうれん草といった野菜もカリウムが豊富に含まれるため、じゃがいもと組み合わせて食べることでエネルギーの過剰摂取を防ぎながら、むくみを予防できるのです。
オムレツ

管理栄養士
川島 尚子さん
料理教室運営会社で講師やメニュー開発に従事後、パティシエへ転向。現在は企業様向けのレシピ開発やコラム執筆、オンラインショップやオーダーメイド菓子の制作を行う。ヘルシーなものから子供向けまで幅広く対応。
朝食のメニューにオムレツを取り入れるとダイエットに効果的です。
朝に食事をきちんと摂ると体温が上昇し、エネルギーを消費しやすい状態になります。特にオムレツは低糖質でたんぱく質を豊富に含んでいるため、朝の空腹時に食べても血糖値が急には上がりにくく、一緒に糖質を取り入れた場合でも血糖値を上がりにくくしてくれる食品です。
また、たんぱく質は腹持ちがよく、朝食の食べすぎだけではなく、次の食事である昼食の食べすぎを防ぐことにもつながります。同時に、朝食を食べることで2番目の食事の血糖値も上がりにくくしてくれるセカンドミール効果も期待できるため、ダイエット中の朝食にはオムレツを取り入れるのがおすすめです。
野菜と組み合わせる
オムレツのダイエット効果を上げるには、野菜と組み合わせるのがおすすめです。卵には食物繊維とビタミンCが含まれていないため、野菜と組み合わせることで、それらの不足している栄養素を補えます。
食物繊維は第6の栄養素とも呼ばれ、ダイエットの効果をアップさせるだけではなく、生活習慣病の予防にも効果的な栄養素です。腸内環境を整えてくれるため便秘の改善に役立つほか、糖や脂質などを吸着して排出してくれる働きも持ちます。腹持ちも良く、血糖値の急上昇を抑えることからもダイエット中にはおすすめです。
また、ビタミンCは卵のたんぱく質と組み合わさると体の中でコラーゲンを作り出し、美肌を作るのに役立ちます。ほかにも鉄の吸収を助ける働きを持つため、ダイエット中に食事が偏って貧血になるのを防ぐためにも卵と一緒に取り入れると効果的です。
以上のことから、ダイエット中には野菜をたっぷり使ったオムレツにするとよいでしょう。
味噌汁
管理栄養士
いしもとめぐみさん
アパレル企業を退職し、栄養士資格を取得。病院栄養士、食品メーカー品質管理、保育園栄養士などを経験する。現在はフリーランス管理栄養士として食・健康に関する記事を執筆する傍ら、日本ワインに合うおつまみレシピを発信している。
味噌汁1杯に含まれる塩分の量は、約1.7gです(出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂))。1日の塩分摂取量の目標値は、成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満とされています(出典:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版))。塩分を摂り過ぎると、水分がたまって体がむくんでしまうだけでなく、高血圧を引き起こすかもしれません。味噌汁以外の食事からの塩分摂取も考慮して、味噌汁を飲むのは1日1~2杯にしておきましょう。
味噌汁を飲む時間帯は、朝がおすすめです。夜の眠っている間に人の体温は低下するため、朝に味噌汁を飲むと体の中から温まり、体温が上昇しやすくなります。体温が上がると基礎代謝も上がり、消費エネルギーが増えてやせやすい体になるでしょう。
たんぱく質を摂ると、体温は上がりやすいと言われています。味噌汁には大豆由来のたんぱく質が含まれており、さらに豆腐や油揚げといった具材を加えることで、より多くのたんぱく質を摂取することが可能です。たんぱく質を補給して体温を上げるためにも、朝食に味噌汁を飲むとよいでしょう。
味噌汁を食べる際の組み合わせ
味噌汁は、食物繊維を多く含む野菜や海藻と組み合わせて食べると、腸内環境を整える効果が期待できます。味噌は、腸内環境を整える善玉菌を含む食材です。食物繊維は味噌汁の水分を含んで膨らみ、腸を刺激して排便を促したり、腸内細菌のエサとなって善玉菌を増やしたりする働きがあります。腸内環境が整って排便がスムーズになると体重が減りやすくなるため、効率よくダイエットできるでしょう。
管理栄養士が教える平日5日間の「ずるやせ朝食」レシピ
不足しがち&脂肪燃焼に欠かせないたんぱく質を朝からしっかりとれば、自然とやせ体質に!パンを低糖質パンに、白米には玄米・もち麦をプラスする基本ルールから具体的なレシピを管理栄養士の高杉保美さんに教えてもらいました。たんぱく質たっぷりな平日5日間の「ずるやせ朝食」レシピをご紹介!

管理栄養士
高杉保美さん
たかすぎ ほみ/業界最大手ジムにて2,000人以上に栄養指導をし、自身も半年間で?15kgのダイエットに成功。著書『すぼら管理栄養士が教える ずるやせダイエット』(WAVE出版)も大好評!
朝からたんぱく質をとることが太りにくい体を作るカギ

太りにくい体を作るためには、三大栄養素の中でも特に「たんぱく質」が重要なカギを握ると話す管理栄養士の高杉保美さん。その理由とは?
「人間の体は約5分の1がたんぱく質でできています。筋肉量を落とさないためにも、美しい肌や髪、爪などを育むためにもたんぱく質は必要不可欠。ビタミン・ミネラルが豊富な上に摂取エネルギーが体熱になりやすく、基礎代謝が上がりやすいので、やせたい人こそたんぱく質をしっかりとるべきです。
女性の1日の必要摂取量は50gと言われていますが、食品で換算すると、ゆで卵で7.7個、納豆では10パックにも!簡単には食べきれない量なので、朝食からきちんと補ってあげましょう。
特におすすめは、『動物性』のたんぱく質。例えばL-カルニチンやビタミンBが豊富な赤身肉は脂肪燃焼をサポート。白身魚は高たんぱく低脂肪ですし、脂身の多い魚もオメガ3脂肪酸やEPA、DHAが多く含まれ、脂肪の生成を抑えたりメンタルの安定にも良いと言われています。また朝食をとること自体に日中のパフォーマンスを上げたり、昼・夜のドカ食いを防ぐというメリットも。レシピも簡単なものばかりなので、ぜひ続けてみてくださいね!」(高杉さん)
【月曜日】低糖質パンとローストビーフの代謝UPサンドイッチ
L-カルニチンやビタミンB群、鉄分もたっぷり♪
ローストビーフは赤身肉を使用しているため、たんぱく質だけでなく、L-カルニチンやビタミンB群、鉄分など、健康や美容に必要不可欠な栄養素がたっぷり。パンは低糖質パンに置き換えることで、食物繊維も補うことができる。
材料(ひとり分)
- 低糖質パン…2枚
- 市販のローストビーフ…80g
- ベビーリーフ…適量
- マスタード…適量
- ローストビーフの付属ソース…適量
作り方
(1)低糖質パンをトースターなどで、こんがりするまで焼く。
(2)パンにベビーリーフ、ローストビーフと付属のソース、マスタードを適量のせてサンドイッチに。付属のソースがない場合は、塩・コショウで味つけを。
【火曜日】オートミールとサラダチキンのやみつきカレーリゾット
食物繊維やビタミン、ミネラルもチャージ!
食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富なオートミールはダイエット中の主食におすすめ。鶏肉は脂質が少なく消化が良いだけでなく、ビタミンB群、ビタミンAが豊富なのでダイエット&美肌効果も。さらにカレー粉に含まれるスパイスが交感神経の働きを活発にしてくれるので、日中のパフォーマンスがさらにUP!
材料(ひとり分)
- オートミール…30g
- サラダチキン…80g
- 豆乳または牛乳…150ml
- カレー粉…小さじ1
- 粉末コンソメ…小さじ1
- パセリ…少々
作り方
(1)耐熱容器にオートミール、豆乳または牛乳、カレー粉、粉末コンソメを入れてしっかりと混ぜ合わせてから、電子レンジ(600W)で約2分、加熱する。
(2)ほぐしたサラダチキンをトッピングして、その上からパセリをふりかける。
【水曜日】サーモン・トマト・アボカドのパーフェクトサラダ
栄養をバランスよく補える最強の組み合わせ
フリルレタスは別の葉物野菜に替えてもOK。サーモン、トマト、アボカドは栄養価が高く、抗酸化作用が高い成分を多く含む食材。またサーモンはオメガ3脂肪酸やアスタキサンチン、トマトはリコピンやビタミンC、アボカドはオレイン酸やコエンザイムQ10、ビタミンEが豊富。リコピンや脂溶性ビタミンのビタミンEは、オリーブオイルなどの良質な油と一緒にとることで、さらに吸収が良くなる。
材料(ひとり分)
- サーモン(刺身用)…100g
- トマト…1個
- アボカド…1/2個
- フリルレタス…適量
- オリーブオイル…大さじ1
- レモン汁…小さじ1
- 塩・コショウ…適量
作り方
(1)トマト、アボカド、フリルレタスは食べやすい大きさにカットしておく。
(2)オリーブオイル、レモン汁、塩・コショウをよく混ぜ、ドレッシングを作る。
(3)お皿に材料を盛り付けて、ドレッシングをかける。
【木曜日】納豆キムチごはんwithオリーブオイル
相乗効果で腸内環境まで整う!
納豆とキムチは植物性の乳酸菌が含まれ、継続的に摂取することで腸内環境が整う。オリーブオイルのオレイン酸、玄米やもち麦の食物繊維が合わさることで、より高い効果が期待できる。
材料(ひとり分)
- 納豆…1パック
- キムチ…50g
- ごはん…120g
- オリーブオイル…小さじ1
作り方
(1)ごはんは事前に、白米:玄米:もち麦を1:1:1の比率で炊く(通常の水分量でOK)。
(2)納豆、キムチ、オリーブオイルを混ぜ合わせてから、ごはんの上にかける。
【金曜日】食べ応え満点鯖オムレツ
“やせホルモン”活性化&食欲抑制効果も!
鯖や卵はビタミン・ミネラルがバランス良く含まれ、栄養も満点。鯖は良質な脂質を補えるだけでなく満腹感も高く、やせホルモンと言われるGLP-1も活性化してくれるので、食欲抑制効果も。付け合わせに食物繊維やビタミンCが豊富なブロッコリーやトマトを添えると、栄養バランスがさらに◎!
材料(ひとり分)
- 鯖水煮缶…1/2個
- 卵…2個
- スライスチーズ…1枚
- オリーブオイル…小さじ1
- ケチャップ…適量
- ブロッコリー、トマト…適量
- 塩…少々
作り方
(1)鯖水煮はあらかじめほぐし、よく溶いた卵と合わせる。
(2)フライパンにオリーブオイルを入れて熱したら(1)を流し込み、半分に切ったスライスチーズを加え、火を通しながら形を整える。スライスチーズはとろけるタイプでもOK。
(3)お皿に盛り、お好みでケチャップをかける。ブロッコリーは食べやすい大きさにカットし、塩をふってから大さじ1の水を回しかけ、ラップをして電子レンジ(600W)で約3分加熱する。トマトは食べやすい大きさにカットして添える。
料理家が教える!おいしく食べて冷えを解消する朝ごはんレシピ
体を温めるために積極的に食べたい料理をご紹介。キーワードは“たんぱく質”と“温め食材”! 朝ごはんにおすすめのレシピを料理家の須磨映理子さんに教えてもらいました。
「食事をすると、吸収した栄養素の消化が始まり、その一部が熱として消費され、代謝が上がります。食べたものの7割以上が熱になるので、冷え解消には食事が欠かせないのです」と、須磨映理子さん。
「食事で熱を作るときに筋肉を使うので、筋肉のもととなるたんぱく質は積極的にとるべき栄養素。特に朝は熱を作り始める時間なので、朝食で取り入れるようにしてください。そのほかにとりたいのは、体を温める食材。「冬が旬のもの」、「根菜」、「色が濃いもの」と覚えておくと、食材選びが楽になるでしょう。また、体を温める薬味やスパイスは、味に深みを出すのにも役立つ便利アイテム。食事の基本は栄養バランスなので、食材が偏らないようにするのも冷え改善には欠かせません」(須磨さん・以下「」内同)
熱を作る筋肉の材料(クルミ、サバ、肉類、チーズ)
「体内の熱を作るときに使う筋肉の栄養となるのがたんぱく質。豚や鶏肉、サバ、チーズなどの動物性のほか、クルミといった植物性もあります」
体を温める薬味・スパイス(しそ、しょうが、唐辛子、シナモン)
「薬味やスパイスは、体を温める作用のほか、食欲増進効果も期待できます。朝食が進まない人は、朝から取り入れてみてください」
パルメザンチーズとクリのもち麦リゾット
「炭水化物好きさんにおすすめなのが、たんぱく源のチーズを加えたひと品。ごはんをもち麦にすれば、血糖値の上昇が緩やかです」
材料(1人分)
- もち麦ごはんのレトルト…1パック(160g)
- クリの甘露煮…3個
- パルメザンチーズ…大さじ2
- バター…大さじ1
- オリーブオイル…大さじ1
- 水…50cc
- 塩…少量
- ブラックペッパー…適量
作り方
(1)中火で熱したフライパンにバターとオリーブオイルを入れ、パックのもち麦ごはんと水を入れ、ほぐすように炒める。
(2)(1)にパルメザンチーズと小さくカットしたクリを入れてなじませる。
(3)塩で味を調える。
(4)器に盛り、ブラックペッパーを振る。
ささ身と根菜のジンジャーティースープ
「ささ身も根菜もジンジャーも温め食材。さらに、温かいものを食べれば体は温まるので、このスープは最強の温めメニューです」
材料(1~2人分)
- ささ身…2本
- かぶ…1個
- 玉ねぎ…1/2個
- にんじん…1/2本
- れんこん…100g
- ごぼう…約30cm
- コンソメ…1個
- レモンジンジャーティー…2パック
- イタリアンパセリ…適量
- オリーブオイル…適量
- 塩…適量
- 水…適量
作り方
(1)中火で熱したフライパンにオリーブオイルをなじませ、ささ身の表面に焼き色をつける。
(2)鍋にオリーブオイルと一口大に切った野菜をすべて入れて軽く炒める。
(3)一口大に切った(1)を(2)に入れてなじませたら、水をひたひたに入れる。
(4)(3)が沸騰したらアクを取り、コンソメとレモンジンジャーのティーバッグを入れて鍋に蓋をし、野菜がやわらかくなるまで煮る。
(5)塩で味を調えたら器に盛りつけ、仕上げに刻んだイタリアンパセリを散らす。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
「時間」という観点から、医学・栄養学・調理学の領域にアプローチすることを専門とし、科学的根拠を基にしたライフスタイルへのアドバイス、時間栄養学的栄養指導、実体験を基にした食育活動や講演活動、料理教室も開催中。現場を通じて得た問題点をもとに、ヒトを用いた臨床試験、官能評価、アンケート調査を行うことを得意とする。企業の商品開発や、マーケティングに役立たせることが出来ると好評を博している。メディア出演、連載、著書多数。