アジの「栄養」と「糖質」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方
アジは魚の中でもクセがなく、シンプルな和食から洋食、生食からフライまでさまざまな料理にアレンジできるため、人気の魚の一つです。アジにはさまざまな栄養素が豊富に含まれており、ヘルシーなイメージを持っている方も多いかと思いますが、実際のところどのような栄養素が含まれ、ダイエットや美容へはどういった効果があるのか紹介します。
アジの「カロリー」と「糖質」
アジや、ほかの代表的な魚に含まれているカロリーや糖質を紹介します。
アジのカロリーと糖質(可食部100g)
アジ(生)
エネルギー……112kcal
糖質……0.1g
中1尾 約200g(可食部約100g)
アジ(開き 干し)
エネルギー……150kcal
糖質……0.1g
中1尾 約100g(可食部約70g)
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
ほかの魚類(可食部100g)との比較
魚の種類 | エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
アジ(生) | 112 | 0.1 |
アジ(開き 干し) | 150 | 0.1 |
マグロ(養殖) | 153 | 0.3 |
タイ(養殖) | 160 | 0.1 |
サケ | 124 | 0.1 |
以上のように、基本的に魚には糖質は少ないものが多く、たんぱく質や脂質の量によってエネルギーが変わってきます。アジは開きにすると水分がなくなっている分、ほかの魚に近いカロリーとなっています。
しかし、生のアジはほかの魚と比較するとカロリーが低めな魚であるため、ダイエット中でも安心して取り入れられ、おすすめです。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
アジに含まれるそのほかの栄養素
生と開きの2種のアジに含まれている、代表的な栄養素について紹介します。
可食部100gあたり
アジ(生) | アジ(開き 干し) | |
たんぱく質(g) | 19.7 | 20.2 |
脂質(g) | 4.5 | 8.8 |
炭水化物(g) | 0.1 | 0.1 |
食物繊維(g) | (0) | (0) |
カリウム(mg) | 360 | 310 |
リン(mg) | 230 | 220 |
亜鉛(mg) | 1.1 | 0.7 |
ビタミンD(μg) | 8.9 | 3.0 |
ビタミンB6(mg) | 0.30mg | 0.31 |
ビタミンB12(μg) | 7.1μg | 6.3 |
食塩相当量(g) | 0.3g | 1.7 |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
アジに多く含まれる「栄養素」
アジに含まれる脂肪酸は不飽和脂肪酸といい、不飽和脂肪酸は体内で合成できないものが多いことから必須脂肪酸と呼ばれています。この不飽和脂肪酸のうち、オメガ3と呼ばれるものがエゴマに含まれる油や魚油に含まれる油です。
DHA
青魚に多く含まれる油のことで、正式名称はドコサヘキサエン酸です。青魚を食べると頭が良くなるといわれる理由でもある、神経細胞を修復して記憶力を良くする働きを持ちます。
また、中性脂肪を減らして善玉コレステロールを増やすことで血液をサラサラにする効果もあるため、生活習慣病の予防にも効果的です。ほかにも視力の回復、アレルギーの予防、ストレスの緩和にも役立つとされています。
EPA
同じく青魚に多く含まれ、正式名称はエイコサペンタエン酸です。体の中で、DHAに作り替えられて使われる油でもあります。代表的な働きは炎症を抑えたり、免疫機能を高めたりする働きです。
また赤血球をしなやかにすることで血栓をできにくくし、脳梗塞や心筋梗塞などの予防にもつながるため、生活習慣病のリスクが高い方は積極的に取り入れるようにしましょう。
タウリン
イカやタコに多く含まれるイメージの強いタウリンは、アジにも含まれています。有名な働きとしては肝機能を高める効果がありますが、ほかにもコレステロール値を下げる、動脈硬化を予防する、高血圧を予防するなど、生活習慣病を防ぐ上でも大切な栄養素です。
ダイエットに効率的な「摂取方法」
ダイエット中にアジを食べる場合、量や時間、食べ方、どのような方法が効果的なのかを紹介します。
1日に食べるのにおすすめのアジの量
アジは1日に1尾食べるだけで、さまざまな栄養素を摂取できます。1尾に含まれるDHAやEPAなどの良質な脂質は成人女性の摂取目安量の半分に相当する値です。
ほかにも、ビタミンB12も1尾で1日分を摂取できます。ただし、開きの場合は塩分を多く含むため、一緒に食べる料理との組み合わせに気をつけて塩分の摂りすぎに注意することが必要です。
アジを食べるのに適した時間帯
アジは朝に食べるのがおすすめです。アジなどに含まれる良質な脂質であるDHAやEPAは朝の方が吸収されやすく、血液中に取り込まれやすい性質があるため、より効果的に摂取するためには朝食に取り入れるようにするとよいでしょう。また、朝摂取することで脂質代謝の改善も期待できます。
アジの栄養を効率良くとる方法
DHAやEPAは加熱によって失われやすいため、新鮮なものが手に入る場合はアジも刺身で食べるのがおすすめです。加熱する場合も揚げ物よりは塩焼きにし、もし蒸し料理や煮物などにした場合は栄養素が汁に溶け出ているため、汁ごと食べると良よいでしょう。
また、揚げ物は衣、煮物は砂糖によって糖質が加わることから、ダイエットをしたい方はそのまま刺身で食べると栄養素も無駄なくとれて、ヘルシーに楽しめます。
「美容」への作用・メリット
最後に、アジには美容へ具体的にどのようなメリットがあるのか紹介します。
美肌効果
肌や髪を作り出すコラーゲンも、たんぱく質から作られています。新陳代謝を高めて新しい皮膚や髪を作るのと同時に、DHAやEPAによるしわやたるみの予防で美肌効果が期待できます。
また、アジに豊富に含まれるビタミンB12には睡眠のリズムを整える働きがありますが、質のよい睡眠をとることで、成長ホルモンの分泌が正常に行われ、美肌を作るのに効果的です。
ダイエット効果
アジに豊富に含まれるたんぱく質は筋肉を作ることに役立ち、筋肉が減って基礎代謝が落ちるのを防ぎます。基礎代謝とはじっとしていても消費するエネルギーの量を指し、筋肉の量に比例していて、これが高いと痩せやすいといわれる値のことです。
また、タウリンには運動時の脂肪燃焼を高めてくれる効果もあるため、ダイエット中に取り入れると効率がよくなるでしょう。ほかにもインスリンの分泌促進も行うため、血糖値を正常に保つことにも役立ちます。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
料理教室運営会社で講師やメニュー開発に従事後、パティシエへ転向。現在は企業様向けのレシピ開発やコラム執筆、オンラインショップやオーダーメイド菓子の制作を行う。ヘルシーなものから子供向けまで幅広く対応。