食・レシピ
2023.6.6

唐揚げの健康効果│タンパク質量や栄養素まとめ

揚げ物である唐揚げは、「健康に悪い」「太る」といったイメージが連想されやすい料理です。しかし、実際は健康に効果的な栄養素も豊富で、食べ方を工夫することで、ダイエット中でも楽しむことができます。今回は、唐揚げに含まれる栄養素に注目してその働きや健康効果について管理栄養士が解説します。

唐揚げのカロリーと糖質量

唐揚げのカロリーと糖質を鶏もも肉の皮つきと皮なしの場ごとに、以下の表で比較しました(100gは大きめの唐揚げ2~3個分)。

可食部100gあたり

唐揚げ(鶏もも肉皮あり) 唐揚げ(鶏もも肉皮なし)
エネルギー(kcal) 307 249
糖質(g) 12.5 11.8

このように、同じ唐揚げでも皮の有無によってカロリーには大きな差が出ます。これは、皮に脂質が多く含まれているためです。一方糖質も少し皮なしの方が少なくなってはいますが、そこまで大きな差はみられません。ダイエット中でカロリーを気にしている場合には、皮なしを選ぶとよいでしょう。

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

唐揚げに含まれる栄養素と健康効果

唐揚げの主な材料である鶏もも肉には、タンパク質と脂質が豊富に含まれます。タンパク質は筋肉の減少を防ぎ、コラーゲンの合成に関わる栄養素です。鶏もも肉の脂質は、エネルギー源になる以外にも、コレステロール値を下げるなどの働きも持ちます。ここでは、それぞれの栄養素とその健康効果について解説します。

タンパク質

唐揚げの主材料である鶏肉には、タンパク質が豊富に含まれています。

タンパク質は、アミノ酸から作られている栄養素です。人の体の中で作ることができないアミノ酸を必須アミノ酸と呼び、全部で20種類あります。この20種類のバランスが良いものはタンパク質の中でも良質なタンパク質と呼ばれ、積極的に取り入れたい成分です。

良質なタンパク質を取り入れることで、筋肉が減少することを防げます。タンパク質の不足によって筋肉量が減ってしまうと、基礎代謝と呼ばれる何もしなくても消費できるエネルギーの量も減り、痩せにくくなるため注意が必要です。

また、鶏肉に多く含まれるアミノ酸がつながったイミダゾールペプチドには、疲労回復効果や運動能力の向上、老化を予防する効果もあります。

肌や骨に多く含まれるコラーゲンの材料は、アミノ酸です。必須アミノ酸をしっかり摂ることによって、体の中でコラーゲンの合成がしっかり行われます。コラーゲンは肌のハリを保つだけでなく、丈夫な骨を作るためにも欠かせない成分です。体内でコラーゲンが正常に作られることによって、骨粗しょう症も防ぐことに繋がります。

脂質

鶏肉の脂質には、不飽和脂肪酸に分類されるリノール酸が多く含まれます。

不飽和脂肪酸とは、脂肪酸のうち魚やオリーブオイルなどに多く含まれる健康に良いとされる油です。それに対して飽和脂肪酸は牛や豚の脂肪、バター等に多く含まれ、エネルギー源やコレステロールの元になります。

必須脂肪酸の一つであるリノール酸は、人の体の中でつくることができない油です。悪玉コレステロールを減らし、血栓の予防効果も期待できるため、食品から摂取しましょう。鶏肉の皮の部分に多く含まれるリノール酸ですが、皮には飽和脂肪酸も含まれています。リノール酸は摂りすぎると逆に動脈硬化などのリスクが高まる恐れもあり、食べすぎには注意が必要です。

ダイエット効果がアップする唐揚げの食べ方

ダイエット効果を高める唐揚げの食べ方には、2つのポイントが挙げられます。

1. 鶏むね肉を使い、調理法を工夫する
2.唐揚げの前に野菜を摂取する

ダイエット中には我慢しがちな揚げ物である唐揚げも、食べ方を工夫することで、ダイエットの妨げにならずに食べることができます。ここではそれぞれの具体的な方法を解説します。

むね肉を使い、調理法を工夫する

ダイエット中に唐揚げを食べる場合には、むね肉を使うのがおすすめです。また、衣や揚げ油の使い方を工夫するとよいでしょう。

むね肉ともも肉の皮つきと皮なしのそれぞれのエネルギー・糖質・タンパク質・脂質の量を比較したものが、以下の表です。
可食部100gあたり

鶏もも肉

(皮つき)

鶏もも肉

(皮なし)

鶏むね肉

(皮つき)

鶏むね肉

(皮なし)

エネルギー(kcal) 190 113 133 105
糖質(g) 0.1 0.1
タンパク質(g) 16.6 19.0 21.3 23.3
脂質(g) 14.2 5.0 5.9 1.9

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

上記より、もも肉よりもむね肉を使用した方が、同じ皮つきの鶏肉でもカロリーを抑えられることがわかります。また、むね肉の方がタンパク質が多く含まれている点も特徴です。ダイエットの唐揚げには、皮なしの鶏むね肉を使うとよいでしょう。

また、一般的な唐揚げの衣には糖質が含まれます。大豆粉やおからパウダーなどを活用して、糖質を抑えた衣にするのもおすすめです。

他にも揚げ油を少なめにしたり、油を絡めてグリルやトースターで焼いたりと調理法を工夫すればす、ダイエット中でも罪悪感なく唐揚げを楽しむことができるでしょう。

唐揚げの前に野菜を摂取する

ダイエット中に唐揚げを食べる場合には、野菜を先に食べるようにするのがおすすめです。

野菜を先に食べることにより、食べすぎを防ぐ効果が期待できます。味付けがしっかりしている唐揚げは、ごはんなどの主食を一緒に食べる場合、ついつい食べ過ぎてしまいやすいおかずです。食物繊維を多く含みかみ応えがある野菜を先に食べることで、満腹感が得られやすくなり食べすぎを防げるでしょう。

また、食物繊維には血糖値の急上昇を抑える働きが期待できます。血糖値が急上昇するとインスリンが過剰に分泌されて、脂肪をため込みやすくなるため、注意が必要です。ダイエット中は、意識して食物繊維を含む野菜を組み合わせるとよいでしょう。

唐揚げの健康効果を上手にダイエットに活かそう

揚げ物である唐揚げは、ダイエット中には避けがちかもしれません。しかし、健康やダイエットに効果的な栄養素も豊富に含まれています。部位を選んで調理法や食べ方を工夫することで、唐揚げはダイエット中でも楽しむことができるメニューです。今まで唐揚げを我慢していた方も、上手に取り入れてダイエットに活かしてみてください。

管理栄養士

川島 尚子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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