【味噌汁】「栄養」と「効果」まとめ|ダイエット・美容への取り入れ方
日本人の食卓になじみ深い料理、味噌汁。味噌とだしがあれば簡単に作れて、どんな具材にもよく合う汁物です。この記事ではダイエットや糖質制限などを行っている方へ、味噌汁の糖質や栄養素を参照しながら、おすすめの食べ方を管理栄養士がお伝えします。
味噌汁の「糖質」と「カロリー」
味噌汁のエネルギーおよび糖質
味噌汁1杯(172g)
エネルギー:25kcal
糖質:2.5g
ほかの料理との比較
料理の種類 | エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
すまし汁(1杯166g) | 8 | 1.0 |
ミネストローネ(1杯169g) | 30 | 1.0 |
コーンクリームスープ(1杯170g) | 105 | 13.4 |
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
味噌汁はほかの汁物の料理に比べると、1杯あたりのエネルギーはあまり高いとはいえませんが、糖質はやや高めであることがわかります。
味噌汁に多く含まれる「栄養素」
味噌汁1杯(172g)に含まれる主な栄養素は、以下の通りです。
たんぱく質:2.0g
食物繊維:0.6g
モリブデン:7μg
ナイアシン:1.6mgNE
ビタミンB12:0.5μg
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
味噌の原料である大豆に由来するモリブデン、だし汁に由来するナイアシンとビタミンB12が豊富です。大豆に多く含まれるたんぱく質と食物繊維も、味噌汁に溶け込んでいます。
モリブデン
モリブデンはミネラルの一種であり、体内で起こる化学反応をスムーズにする働きをしています。糖質や脂質の分解に関わるほか、体の中に蓄えられている鉄を運び出し、鉄を利用しやすくして貧血を予防する効果が期待できる栄養素です。
ナイアシン
ビタミンB群の一種であり、食事から摂取した糖質や脂質をエネルギーへ換える働きをサポートする栄養素がナイアシンです。皮膚や目・鼻・のどなどの粘膜の健康維持にも関わるため、ナイアシンが不足すると口角炎や皮膚炎が起こる恐れがあります。
ビタミンB12
ビタミンB12は、血液中の赤血球を作る働きに関わるため「造血のビタミン」と呼ばれており、不足すると貧血になる可能性があります。ほぼ肉や魚のみに含まれる栄養素であるため、ダイエットで肉や魚を食べることを控えていると、ビタミンB12が不足するかもしれません。ダイエット中でも、栄養バランスのよい食事を心掛けましょう。
ダイエットに効果的な「摂取方法」
摂取量
味噌汁1杯に含まれる塩分の量は、約1.7gです(出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂))。1日の塩分摂取量の目標値は、成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満とされています(出典:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版))。塩分を摂り過ぎると、水分がたまって体がむくんでしまうだけでなく、高血圧を引き起こすかもしれません。味噌汁以外の食事からの塩分摂取も考慮して、味噌汁を飲むのは1日1〜2杯にしておきましょう。
摂取に適した時間帯
味噌汁を飲む時間帯は、朝がおすすめです。夜の眠っている間に人の体温は低下するため、朝に味噌汁を飲むと体の中から温まり、体温が上昇しやすくなります。体温が上がると基礎代謝も上がり、消費エネルギーが増えてやせやすい体になるでしょう。
たんぱく質を摂ると、体温は上がりやすいと言われています。味噌汁には大豆由来のたんぱく質が含まれており、さらに豆腐や油揚げといった具材を加えることで、より多くのたんぱく質を摂取することが可能です。たんぱく質を補給して体温を上げるためにも、朝食に味噌汁を飲むとよいでしょう。
味噌汁を食べる際の組み合わせ
味噌汁は、食物繊維を多く含む野菜や海藻と組み合わせて食べると、腸内環境を整える効果が期待できます。味噌は、腸内環境を整える善玉菌を含む食材です。食物繊維は味噌汁の水分を含んで膨らみ、腸を刺激して排便を促したり、腸内細菌のエサとなって善玉菌を増やしたりする働きがあります。腸内環境が整って排便がスムーズになると体重が減りやすくなるため、効率よくダイエットできるでしょう。
「美容」への作用・メリット
肌の美しさには、腸内環境が深く関わっています。腸内環境が乱れていると、悪玉菌が作った有害物質が腸から吸収されて肌へ届き、肌荒れの原因となる恐れがあるのです。発酵食品である味噌には、腸で善玉菌になる乳酸菌などの微生物が含まれています。味噌汁を飲むことで、腸内環境を整えて肌の調子を改善する効果が期待できるでしょう。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
アパレル企業を退職し、栄養士資格を取得。病院栄養士、食品メーカー品質管理、保育園栄養士などを経験する。現在はフリーランス管理栄養士として食・健康に関する記事を執筆する傍ら、日本ワインに合うおつまみレシピを発信している。