ボディケア
2020.10.22

なぜ、便秘で太るのか。原因、解消法を医師に聞くと?

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便秘でお悩みの女性、多いのでは?なかなかでない便秘のせいでお腹がぽっこり、そのまま放置しておくと太るだけでなく大変なことに!便秘を引き起こす原因からメカニズムをご紹介。毎日の生活に取り入れたい習慣から、食事ルール、マッサージ、ツボ押しなどたっぷりと解消法をお届け!どうしてもの時の頼れる市販の便秘薬も。腸内環境を整えてすっきりお腹を手に入れましょう♪

便秘の影響で太る「原因&メカニズム」

小林メディカルクリニック東京 院長

小林暁子先生

便が作られるメカニズム

私たちが食べたものは、胃酸や消化酵素によって栄養素に分解され、腸液に溶け込んだ状態で小腸へ運ばれます。腸液の大半は栄養素と共に小腸で吸収され、食物繊維が混ざった残りが大腸へ。その残りの腸液から水分や電解質が吸収され、食べ物のカスだけが集められて固まりとなったものが便です。

【大腸の仕事】
□水分の補給
□便の形成
小腸から流れてきた食べカスから水分を抜き取り、ぜん動運動によって形を作りながら肛門へと運びます。そこで脳からの指令で便意が生じると、外に排出。ただし便がたまりすぎていると、脳への信号がうまく届かず、便意を感じません。

【小腸の仕事】
□食べ物を消化・吸収
□免疫細胞を生成
□セロトニンを生成・分泌
小腸は全長6~7m。胃から運ばれてきたドロドロ状態の食べ物が消化酵素の働きで栄養素に分解されて、この長い小腸を進みながら体内に吸収されます。また、免疫細胞の7割、幸せホルモン“セロトニン”の9割もここで生成しています。

便秘になる要因

「便秘の原因の8割は、乱れた生活習慣にあります。個食や時短、ダイエットなどで食事が単一化すると、食物繊維が不足して充分な便が作られません。また、運動不足や睡眠不足は腸のぜん動運動を停滞させて、排便のリズムを狂わせる要因に。ストレスによる自律神経の乱れも、腸の働きを低下させます。

特に問題なのは、朝のバタバタ習慣。ギリギリまで寝て朝食をとらず、トイレタイムもゆっくりとらないまま仕事に行くと、便意を覚えるタイミングを失ってしまいます。 朝は、朝食をきちんととり、腸が本来の働きをするためのスイッチを入れることが大切なのです」(小林先生・以下「」内同)

「うんち」の状態から腸内環境をチェック

【健康的なうんち】
健康な人の便は80%が水分で、残り20%が食べカス(食物繊維)、腸内細菌、剥がれた腸粘膜。表面はなめらかで軟らかい。軽くて水に浮くのが、食物繊維の豊富な理想的な便。

(水分以外20%の内訳)
・食べカス 1/3
・生きた腸内細菌 1/3
・剥がれた腸粘膜 1/3

【やや硬い便】
表面にひび割れのある、ソーセージ状に固まった便。スッキリせず残便感があることも。

【硬い便】
ソーセージ状で量はあるが、カチカチに固まった便。水分不足やストレスが原因。

【コロコロ便】
硬くてコロコロした便は、水分と食物繊維が不足した状態。隠れ便秘タイプの便はこれ。

【やや軟らかい便】
半分固形の軟らかい便。一度に出切らず、小分けで出る場合も。悪玉菌が多い状態。

【泥状便】
ふにゃふにゃで形がはっきりしない軟便。お酒や肉のとりすぎに注意

【水様便】
下痢状態で、固形物を含まない液体状の便。食中毒やウイルス感染症などの疑いも。

便秘を放置していると美容や健康トラブルを招くことに!

腸に便がたまると、血液の質も巡りも低下し老化が加速!
「大腸はおなかの中をぐるりと1周していますが、実は両端だけしか固定されていません。ブランコのようにぶら下がった状態のため、便秘が続いて便がたまると、腸がどんどん伸びて下がってしまいます(下がり腸)。そうすると、ほかの臓器も下に引っ張られてたるみ、スタイルがくずれる原因に。また、 便秘で老廃物が腸内にたまったままだと、有害物質が発生し、それを含んだドロドロの血液が体内を巡ります。こうした質の悪い血液は脂肪に蓄積されやすいため、太りやすく、やせにくい体にもなってしまいます。 血液の巡りも悪くなるので、冷えやむくみ、肌あれ、疲労、肩こり、腰痛、免疫力の低下など、さまざまな不調が止めどなく押し寄せ、外見も中身も老化を加速させます」

あなたはどれ?便秘の「4つの種類」をチェック!

便秘は大きく分けると、副交感神経の働きが低下した“ストレス性便秘”、腸のぜん動運動がうまく行かない“弛緩性便秘”、排便センサーが鈍感になった“直腸性便秘”の3タイプがあります。各項目でチェックが多いのは? 自分の便秘のタイプを知って、ケアにつなげましょう!

【種類1】ストレス性便秘

【チェック項目】
□ ストレスを感じることが多い
□ 便秘も下痢もしやすい
□ 入浴はシャワーだけのことが多い
□ 平均睡眠が6時間以下
□ 慢性的な肩こりに悩んでいる

ストレスの影響で副交感神経が低下して、便が出づらくなっているタイプ。副交感神経の働きが悪いと、腸のぜん動運動も鈍りがち。睡眠不足や不規則な生活も悪影響になります。便秘と下痢を繰り返すことも多い。

【種類2】弛緩性便秘

【チェック項目】
□ 朝食を抜きがち
□ 野菜や発酵食品をあまり食べない
□ ほとんど運動をしない
□ 空腹でもおなかが鳴らない
□ 便やおならが異常に臭い

食物繊維の摂取不足、運動不足などで、腸のぜん動運動がうまく働かない人に多い。腸に便がたまった状態が続くと、さらにぜん動運動が鈍くなります。慢性便秘の大半が、このタイプ。下剤が効きにくい。

【種類3】直腸性便秘

【チェック項目】
□ 排便のとき肛門に痛みを感じることが多い
□ 自宅以外では便意を我慢しがち
□ 排便は週2回以下
□ 排便してもスッキリしない
□ 腹筋運動を10回以上できない

便が直腸まで移動しているのに、排便指令が発信されず、排便できないタイプ。直腸に便がたまっています。便を我慢したり、座りっ放しが多いとなりやすい。腹筋や肛門周りの筋肉が低下して、便を押し出せなくなっている場合も。

【種類4】その他、器質性便秘

ここで紹介した3つの便秘タイプ意外に大腸がんや大腸ポリープなど腸に何かしら病気があるために便秘になる場合があります(器質性)。このタイプは、専門科での治療が必要。

 

便秘改善に導く「4つの習慣」

【1】朝の過ごし方が大切!バタバタをリセット

小林メディカルクリニック東京 院長

小林暁子先生

日本美腸協会 代表理事

小野 咲さん

起き抜けにコップ1杯の水を
「起き抜けにコップ1杯の水を飲むと、腸のぜん動運動が促され、腸が動き出します。温度は、人肌程度か常温がおすすめです。また、1日1.5~2Lを目安に、日中もこまめにとることが大切。カフェイン入り飲料や汁もの、食事の水分は含みません」(小野さん)

ストレッチで腸を刺激
「便秘状態の腸は、朝からガチガチに固くなっている上、便の重さで位置も下がり気味。体をひねったり、伸ばしたりするストレッチで腸を刺激し、腸の位置を整え、おなかを柔らかくして便通を促しましょう。その際、ゆっくりと深く呼吸をすることも大切。深い呼吸で血流が良くなって、腸が活性化します」(小野さん)

【胸式&腹式ストレッチ】
(1)足を肩幅に開いて立ち、鼻から5秒かけて息を吸いながら両腕を上げる。おなかから胸の順に膨らませるイメージで。
次に、口から10秒かけて息を吐きながら、両腕を下げる。腕の動きに合わせて、胸からおなかの順に、ゆっくり息を吐いていくように。

(2)さらに上体を丸めて、おへそをのぞき込み、ひざ下まで手を伸ばして息を吐き切る。これを5回繰り返す。

【お辞儀ストレッチ】
(1)足を肩幅に開いて立ち、右手は骨盤上部にある腸骨の下、左手は肋骨の下に当てる。両方の手でわき腹をもみながら、上半身を前に倒す。その際、息をゆっくり吐きながら、左手だけ腸骨の位置までスライドさせる。
(2)さらに、前かがみになり、床と平行になるまで倒したら頭を上げる。これを10回繰り返す。

しっかりと朝食をとる
「朝食をとることは、スッキリ出すための大原則。その際、食物繊維と質のいい糖質は必ず取り入れましょう。腸を刺激するためには単品ではなく、穀類や野菜、フルーツ、発酵食品など種類豊富に。穀類は、雑穀米やグラノーラなど、繊維のしっかりしたものを」(小林先生)

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【2】有酸素運動で腸を刺激!

有酸素運動で腸を軽く刺激して、ぜん動運動をスムースに!
「適度に腸を刺激して、ぜん動運動を促すためにも、習慣的に体を動かすことが大切です。その際、筋トレなどの激しい運動よりも、ウォーキングやヨガなど、しっかり呼吸をしながらの有酸素運動が◎」(小林先生)

「デスクワークが続くときは、隙間時間に体をねじる、伸ばすなどのストレッチを行うなど、工夫をしましょう。その場で足踏みをするだけでも効果的。リズミカルな振動は下がり気味の腸にとって良い刺激になります」(小野さん)

日中の活動を意識してリズミカルに!
「あえて運動する時間をとれない人でも、通勤や買い物途中のウォーキングを弾むような足どりにする、駅の階段をリズミカルに上るなど、少しの心掛けで腸の停滞は防げます。1日20分程度のウォーキングを習慣にすれば、なお良しです」(小野さん)

寝る前の腰回し
「1日を過ごした腸は、重力で下がり気味。腸のぜん動運動が最も盛んな就寝中に備えて、位置を整えておきましょう。腰を回すことで、腸を支える骨盤周りの筋肉を刺激でき、腸が動きやすくなります。その際、便の詰まりやすい大腸のコーナーをつかんで刺激しながら行うと、より効果的です」(小野さん)

【How to】
(1)足を肩幅に開いて立ち、右手で骨盤上部にある腸骨の下、左手で肋ろっ骨の下をギュッとつかむ。そのまま腰をゆっくりと回して、骨盤周りの筋肉を刺激する。自然な呼吸を続けながら、同じ方向に5回程回して。

(2)上半身を前に倒して、おなかにぐっと圧をかけながら、(1)と同じ方向に腰を5回程回す。わき腹に力を入れて、肛門は締めて。次に、手の位置はそのままで、(1)→(2)と反対方向にも回す。

【3】ゆっくり入浴&腸もみで“出せる”環境を整える

「1日1回、湯船にきちんとつかって体を温めることは、副交感神経を優位にして腸の働きを促すためにも効果的。38〜40℃のぬるめの湯に15分程つかっていると、深部体温が上がるとされています。つかっている間、腸もみを行えば、腸の動きがさらにアップして一石二鳥。湯船の中であぐらをかいて座った状態で、大腸をマッサージするイメージです。もむ方に体を倒すと、おなかの筋肉を緩めることができます」(小野さん)

【How to】
(1)右の腸骨の上辺りを4本の指と親指でつかんでもみほぐす。上半身を右側に倒しながら、下から上へ指の位置をずらし、数回に分けてもんでいく。
(2)左の助骨の下辺りを4本の指と親指で押しながらもむ。さらに指を下に移動させ、上半身を左側に倒しながら、腸骨の下までマッサージする。

【4】睡眠も大切!腸のゴールデンタイムを有効活用

「副交感神経の働きがピークになる0時以降は“腸のゴールデンタイム”です。腸の働きを最大限に高めるためにも0時には眠っているのが理想的。しかもほかの臓器をゆっくり休ませるためにも、ぐっすりと、質の良い睡眠をとることが大切です。寝る直前までPCやスマホをいじったり、考え事をしすぎたりするのは、交感神経を優位にさせるのでNG。副交感神経の働きを高めるようにリラックスした状態でベッドに入るようにしましょう」(小林先生)

【相撲ストレッチ】
両脚を開いてしゃがみ、両腕はひざの内側に入れて拳を合わせる。左右に体をねじって、目線は遠くへ。ねじった反対側の上半身をぐいっと内側に入れるように意識。5回繰り返す。

【足上げゴロゴロ】
あお向けに寝て、両ひざを曲げてかかとをお尻に近づける。両手は骨盤をつかむように指を入れて、S字結腸(大腸の下コーナー)付近を押す。そのまま左右に体を揺らしながら指を強く押し込む。

腸内環境を整えるための「5つの食事ルール」

小林メディカルクリニック東京 院長

小林暁子先生

日本美腸協会 代表理事

小野 咲さん

腸内環境を整える食事内容で、腸を活性、便秘も解消!
「便秘解消のための食事は、すなわち腸内環境を整える食事にリンクします。まず上げられるのが、食物繊維。腸内細菌の善玉菌のエサになる上、その食べカスは便の材料でもあります。また、発酵食品もおすすめ。乳酸菌など善玉菌を豊富に含むため、腸内環境が整って便秘解消につながります」(小林先生)

「最初に温かいものを食べることも重要です。消化管が温まり、腸の働きが活発になります」(小野さん)

【1】食物繊維を積極的に摂取!

「食物繊維には、水に溶ける『水溶性』と水に溶けない『不溶性』があります。理想のバランスは、不溶性2:水溶性1です。便をしっかり出すには不溶性が大切ですが、現代人の食生活で不足気味なのは水溶性。便秘やコロコロ便の解消にも、水溶性が必要です」(小林先生)

「不溶性食物繊維」
「水分を吸収して数倍に膨れるため、便のカサを増やして腸のぜん動運動を活性化します。残便感の解消にも効果的。葉もの野菜、さつま芋やじゃが芋、きのこ類、豆類、玄米などに豊富。それだけではなく、水分も一緒にとることが大切です」(小野さん)

「水溶性食物繊維」
「水に溶けると粘度を増してゲル状になり、腸にこびりついた老廃物を落としてくれるのが、水溶性食物繊維。不溶性よりもとるのが難しいので、意識して積極的に摂取を。ワカメやヒジキなどの海藻類や、ネバネバ食品、アボカドなどに多く含まれています」(小野さん)

【2】善玉菌を増やすために発酵食品を!

「納豆や漬け物、甘酒など日本古来の発酵食品には、腸内の善玉菌を増やす植物性乳酸菌が豊富。動物性よりも菌の力が強く、腸に届きやすい特徴をもちます。ただし、動物性乳酸菌のヨーグルトは腸を活性化するので、積極的にとりたい食材です」(小野さん)

【3】良質なオイルを適量に

「オリーブオイルや亜麻仁油、えごま油など、良い油は腸の潤滑油になります。大さじ1杯をスープやサラダに回しかけるなど、生のままとることで便がつるんと出やすくなります。加熱料理には米油やオリーブオイル、ココナッツオイルが◎」(小野さん)

【4】添加物はなるべくとらないで

「排泄の能力を超える程の添加物をとっていると、老廃物として腸内にたまって、腸内細菌のバランスが乱れやすくなります。また、血液の質が悪くなる上、巡りも低下することに。食材は、なるべく添加物を含まないものを選びましょう」(小林先生)

【5】食事は就寝3時間前までに!

「便を作る腸のぜん動運動は、睡眠中に最も活発になります。ところが、就寝直前に食事をすると、睡眠中の胃腸の消化活動が盛んで、腸の動きは停滞。そんな事態を防ぐためにも、寝る3時間前までには食事を終えておくことが大切です」(小林先生)

 

「マッサージ&ツボ押し」で脱便秘!

腸のぜん動運動を促す「マッサージ」

医学博士・マリーゴールド クリニック院長

山口トキコ先生

【How to】1日10回×2~3度行う
(1)おへその下に手のひらを添えて、右下腹部からおへその上に向けて時計回りに軽く押しながらなでる。または親指以外の4本の指をそろえ、時計回りに数か所に分けて押す。

(2)おへその左下辺り(便のたまりやすい腸の曲がった部分)を指で押す。そのまま斜め下方向に移動し、足のつけ根まで来たら元の位置まで押しながら戻る。

(3)背筋を伸ばし、腰部分を両方の手のひらで軽く上下になでるようにマッサージする。

手にある便秘に効く「ツボ」

【How to】1日10回×2~3度、気持ちいいと感じる強さで押す
手のひら側の手首中央の骨と、小指側の筋の間のくぼみの部分を反対側の親指で押して。

親指と人さし指のつけ根の部分。反対の手の親指と人さし指で挟むようにプッシュして。

 

寝る前に!おへそ周りのツボ押しを

日本美腸協会 代表理事

小野 咲さん

「夜ベッドに入って、あお向けの状態で腸もみをすると、眠りも深まります。もちろん翌朝のお通じも快調。いろんな方法があるけれど、今続けているのは、おへそ周りに集まる小腸のツボ押しです」(小野さん)

【How to】
(1)へその左右、指2本分の位置にあるツボを、息を吸いながら、人さし指、中指、薬指の3本を使って押す。

(2)へその上指1本分の位置にあるツボと、下指2本分の位置にあるツボを、(1)と同じ3本指を使って同時に押す。

便秘に関する「3つの疑問」に専門家がお答え!

一般社団法人 日本美腸協会 代理理事

小野 咲さん

Q1:腸もみマッサージは痛みを感じるぐらいが効果的?

A:ウソ
「腸もみとはお腹の上から腸をもみほぐすマッサージ法のこと。腸の動きが活発になるのはリラックスしている時で、 効果的に腸を動かすには気持ち良いと感じるくらいがベスト です。痛みを感じるほど強い刺激を与えると、痛みから体を守るために筋肉がぎゅっと緊張状態になり、かえって腸の動きを妨げてしまいます」(小野さん·以下「」内同)

やさしくなでるだけでもマッサージ効果は得られる
「腸もみは腸の位置を捉えながらマッサージするので、気持ち良い程度の圧をかけていても便が溜まっている部分はやや痛みを感じることがあります。基本的にはゆっくり深い呼吸をしながら痛くない程度にもむようにしていただきたいのですが、チクチクと刺すような痛みを感じたり、お腹に疾患や傷があるならばマッサージは行わないでください。

力加減がよく分からないという方は無理に腸もみマッサージをしなくとも、お腹が張っている時にやさしくなでるだけでも腸を動かす効果は得られますよ」

 

Q2:朝にコーヒーを飲めば便秘が解消される?

A:半分ウソ、半分ホント
「コーヒーを飲むという行為と香りによるリラックス感で腸が活発に動くことで排泄効果が得られ、便通が良くなるという話は何年も前からあります。起床後は体が排泄傾向にあるので、胃と連動して腸が動くことで便が出るのは理に適っているとは思います。しかし、それなら コーヒーよりも白湯や常温の水を飲むほうが腸にとっては良い です。

寝ている間に汗をかき、起床後に尿を排出することから、朝は体が乾いた状態です。コーヒーに含まれるカフェインには利尿作用があるため、水分補給としてはおすすめできません。コーヒーはあくまで嗜好品。なので、腸のために起きてすぐに飲むのではなく、朝食後の一服にしてみてはいかがでしょうか」(小野さん·以下「」内同)

コーヒーに頼りすぎると逆に便秘を招く?
「便を出そうと何杯もコーヒーを飲んでしまう方もいらっしゃいます。でも、カフェインによって体内の水分が排出されてしまい、腸内が水分不足になって便が硬くなることもあります。

また、便秘でお悩みの人の多くは“これがなくては便が出ない”と考えてしまう傾向が強いのです。便秘薬に頼りきっていると自然な排泄ができなくなるように、コーヒーがなくては…と思い込むのはストレス性便秘の原因に。コーヒーは気分をリラックスさせるための手段と捉え、普段の食事や軽い運動などで腸を動かしていくことが健康的に便秘を解消させる上では大切なのです」

Q3:乳酸菌入りのお菓子で便秘解消効果は得られる?

A:ウソ
「あくまで個人的な見解ですが、乳酸菌入りのお菓子を毎日食べても便秘は解消されないと思います。乳酸菌には善玉菌のエサとなり腸内環境を整える作用がありますが、お菓子に含まれている甘味料や食品添加物は腸に悪影響を与えるもの。せっかく乳酸菌が入っていても十分な効果は得られないのでは…と。ただ、普通のお菓子よりも機能性表示食品の方が間食に対する罪悪感が軽減されて、 ストレスを感じることなく食べられるのは気持ちの面では良いかも しれませんね」(小野さん·以下「」内同)

乳酸菌を摂るなら食事やサプリメントから
「便秘を解消したいならば乳酸菌入りの食品に頼るより、日頃の食事から摂取するのがベストです。なかなか時間が取れず食事から満足に摂取できないという人はサプリメントを取り入れてもOK。

また最近は乳酸菌入りのほかに、“難消化性デキストリン”入りの食品も人気ですよね。水溶性食物繊維の1つで、食後の急激な血糖値上昇を抑えるほか、糖や脂肪の吸収抑制、整腸作用などがあります。ちょっとした間食や気分転換として取り入れる分には、普通のお菓子や食品を選ぶよりは体に良いと思いますよ」

 

市販の「便秘薬」に頼るのも◎

便秘薬の選び方

小林メディカルクリニック東京 院長

小林暁子先生

市販の便秘薬については、「刺激の強い下剤を安易に使用するのは危険。腸を刺激して便を無理に排出させると、腸の炎症が慢性化して、粘膜が黒ずんでしまったりも。自力で便を出せなくなるおそれもあります。薬は、医師の監督の下で服用することをおすすめします」(小林先生・以下「」内同)

それでも自己判断でとりあえず使いたい人は、「便を軟らかくするマグネシウム系や、腸内環境を整える乳酸菌系に。ただし、長期使用や乱用は避けましょう」

便を軟らかくする「マグネシウム系」市販薬のおすすめ

ロート製薬|スラーリア便秘薬 (第3類医薬品)

【このアイテムのおすすめポイント】
・水で飲むと素早くくずれる速崩錠タイプ。
・ミネラルの力で水を集めてたまった便を洗い流す。大
・量の水と一緒に飲むとより効果的。

価格容量
¥950 30錠

大正製薬|コーラックMg(第3類医薬品)

【このアイテムのおすすめポイント】
・非刺激性成分の酸化マグネシウムが腸に水を集めて便を軟らかくし、自然に近い排便を促進。
・口に入れるとすぐ錠剤が溶け出すためのどを通りやすい。

価格容量
¥680 40錠

腸内フローラに働きかける「乳酸菌系」市販薬のおすすめ

シオノギヘルスケア|ポポンVL整腸薬 (第3類医薬品)

【このアイテムのおすすめポイント】
・ビフィズス菌と2種類のラクトミンが悪玉菌の増加を抑制。
・腸内環境を整えて、おなかの調子を改善。水なしで飲めるチュアブル錠。

価格容量
¥934 90錠

武田コンシューマーヘルスケア|ビオスリーHi錠(指定医薬部外品)

【このアイテムのおすすめポイント】
・乳酸菌、糖化菌、酪酸菌が生きたまま腸まで届き、腸内フローラを改善して腸を整える。

価格容量
¥2,280 180錠

ビオフェルミン製薬|ビオフェルミン便秘薬(第2類医薬品)

【このアイテムのおすすめポイント】
・ビフィズス菌やラクトミン(乳酸菌)配合。
・就寝前に飲むことで、翌朝心地いいお通じが。
・便秘に伴う肌あれの緩和にも。

価格容量
¥1,000 60錠

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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