元気な「うんこ」ってどんなの?アラサー世代の半分はどっさり出せていない!
「便」は腸や体のコンディションを映し出す鏡。毎日出ていたとしても、少ない、細い、固い、コロコロ…など、すっきり感のない便は、もはや便秘と同様、腸内環境が乱れているサインです。健康的なうんこを、毎日たっぷり出すには?
アラサー女性の半分は、うんこをどっさり出せていない!
\美的クラブにアンケート/
(2021年6月実施、N=123)
Q. 毎日すっきりうんこが出ていますか?
読者の半数は、うんこの排泄力に問題あり。毎日出ない、あるいは出ても残便感があってすっきりしない悩みを抱えている。
Q. 1回のうんこの量は?
理想とされるバナナ2本分の量を出せている人は2割にも満たない。ウインナーやうさぎのフンの量など明らかに少ない人が1/4程度。
Q. どんなうんこが出ますか?
うんこの形状や質についても、細い、短い、固い、コロコロ、ドロドロなど、コンディションの良くない人が過半数。
他にもこんな声が…
「回数は多いけれど、コロコロうんこが少しずつなので、全然すっきりしない!」(受付・29歳)
「在宅勤務になって、すっきり出ないことが増えました」(会社事務・33歳)
「細いウインナーくらいのうんちしか出なくて、常に残便感が…」(広報・34歳)
「うんこが固くて、出すときにちょっと痛い。長時間トイレにこもることも…」(会社員・34歳)
「とてつもなくクサイことがあるんですよね…」(事務職・30歳)
まずは自分のうんこに関心をもつことから!
「私はよく、便についていろいろな世代の女性に聞き取り調査をしますが、最近の20〜30代は“前にいつ、うんこをしたかなんて気にしていない”という人が多いんです。毎日出ていたとしても、ウインナー1本やうさぎのフン程度など量が少ない。それこそ、健康的な排泄について誰からも教わってこなかったので、それが当たり前だと思っているようです」と、女性の便事情に詳しいナースキュアの胃腸良子さん。腸内環境を研究する京都府立医科大学教授の内藤裕二先生も、「現代の若い女性は、明らかに排便力が低下しています。おなかが痛いなどの支障がない限り、“便は出ない方がラク”と思っている人が多いのも気になります。便が腸内に残って出し切れない状態が続くのは、腸内環境を乱す大きな要因です」と警鐘を鳴らします。あなたのうんこは大丈夫?早速、観察してみましょう!
うんこで、食生活や腸の健康状態が浮き彫りに!
「通常、食べた物は胃で消化、小腸で分子レベルに分解され、栄養素として体に吸収されます。翌日うんことなって出るのは、その残りカスと腸内細菌、剥がれ落ちた腸粘膜の混合物。全体の70〜80%は、大腸で再吸収された後に残った水分です。つまり、多く食べたからといって、元気なうんこが大量に出るわけでなく、食べた物の内容や経由する腸の働き次第で、量も質も変わります」(胃腸さん)
元気なうんこって、どんなの?
量 理想はバナナ2本分
1日平均200〜300gで、バナナ2本分くらいの量が理想。食事でとった食物繊維の量の影響が大。排便回数は1日に1〜3回が正常範囲。
色 黄色っぽい茶色
黄色寄りの茶色が◎。赤ちゃんのうんこのようにビフィズス菌(善玉菌)が多いと黄色く、反対に悪玉菌の多いうんこは黒っぽくなる。
固さ 練り歯みがきのように軟らかくて弾力あり
うんこの固さは含まれる水分の量によって異なり、70〜80%の適度な水分量だと、歯みがきペースト程度の軟らかさと弾力がある。
質 水分が70〜80%で水に浮く
健康なうんこの中身は70〜80%が水分。残りの1/3ずつを食べカス、腸内細菌とその死骸、剥がれた腸粘膜が占める。食べカスは大半が食物繊維。腸内細菌と腸粘膜が多いと腸の代謝が活発なサイン。
形 太くて長いバナナ状
バナナくらいの太さや長さがあり、表面がツルンとなめらか。直径2cm以上の太いうんこを出せるのは、腸や肛門が元気な証拠。
ニオイ 酸味のあるニオイで、悪臭ではない
善玉菌が多い腸は酸性のため、うんこもやや酸味のあるニオイがするが、不快なニオイではない。一方、アルカリ性に偏った悪玉菌の多い腸から出るうんこはクサくなる。肉食が多いと腐敗臭に。
こんなうんこだと、出ていてもすっきりしないはず!
細くて短いウインナー状
直径1cm程度の細いうんこがウインナー1〜2本では、量が少なすぎ。残りは腸内に溜まるので便秘と同じ。
うさぎのフンのようにコロコロ
水分量が少なく、うさぎのフンのようにコロコロとした粒状のうんこは、色も黒っぽく、悪玉菌が多い状態。
カチカチで表面にひび割れ
表面がひび割れた、あるいはコロコロ便が連なったようなうんこは固くて出しづらく、残便感がある。
水分過多でドロドロ
泥状のうんこは、水分量が9割を超え、大腸がほとんど水分を吸収していない状態。高じて下痢や腹痛も。
食べたものがそのまま混在
食べた食材がそのままうんこに混ざって出てくるのは、消化の働きが弱っているサイン。咀嚼不足も一因。
ナースキュア代表 看護師・内視鏡検査技師
胃腸良子さん
いちょうよしこ/15年間で延べ13,000人の胃腸を看てきた知識と経験を活かし、2015年11月起業。NRサプリメントアドバイザーの資格も取得。腸内フローラからのエイジングケアを指導している。
『美的』2021年9月号掲載
イラスト/スケラッコ 構成/つつみゆかり、有田智子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
ないとうゆうじ/医学博士。消化器内科専門医として診療に当たる一方、最新医学に精通。消化器病学や消化器内視鏡学、生活習慣病のほか、腸内フローラや脳腸相関についても長年研究を続けている。