健康・ヘルスケア
2021.9.15

デリケートゾーン専用ソープとボディソープはどう違う? デリケートゾーンの正しい洗い方を教えて!【女医に訊く#165】

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体もデリケートゾーンも同じボディソープでゴシゴシ洗ってはいませんか? デリケートゾーンは皮膚が薄く、思っている以上に繊細です。デリケートゾーンの正しい洗い方を、産婦人科専門医の吉形玲美先生に教えていただきました。

デリケートゾーンはボディソープで洗っちゃダメ?

デリケートゾーンを洗うとき、何を使っていますか? 腕や脚と同じようにボディ用の洗浄料を泡立てて洗ってはいないでしょうか?

産婦人科専門医の吉形玲美先生は、「デリケートゾーンは必ずデリケートゾーン専用の洗浄料を使って洗うべき。間違ってもボディソープを使わないでほしい」と話します。

「デリケートゾーンは半分粘膜。皮膚の厚みも体とは全然違います。髪はヘアシャンプーで、顔は洗顔フォームで洗うように、デリケートゾーンもパーツで分けて考えるといいでしょう」(吉形先生)

デリケートゾーン専用ソープとボディソープはどう違う?

「デリケートゾーン専用ソープと一般的なボディソープでは、pH(ペーハー/ピーエイチ)が違います」と吉形先生。

pHとは溶液の酸性・アルカリ性の程度を表す水素イオン指数のこと。溶液のpHが7.0より小さいときは酸性、7.0付近のときは中性、7.0より大きいときはアルカリ性となり、pH値が高くなればなるほど洗浄力は強くなります。

腟内は外から子宮に雑菌が入ってこないようpH3.8〜4.5、外陰部周辺もpH5.9前後の弱酸性で保たれているのに対し、デリケートゾーン専用ソープのpHは5.0〜7.5。一方、一般的なボディソープがpH9.0〜11.0のアルカリ性でつくられています。

「ボディソープは洗浄力が強すぎるため、デリケートゾーンが乾燥して敏感になったり、腟を守る常在菌まで奪われたりして、自浄作用が低下し、痛みやニオイの元となる細菌が繁殖しやすくなります。デリケートゾーンは専用ソープを使ってやさしく洗いましょう」(吉形先生)

デリケートゾーン専用ソープの選び方を教えて!

近年、ドラッグストアやバラエティショプで多くのデリケートゾーン専用ソープを見かけるようになりました。いったいどのように商品を選べばいいのでしょう?

「専用ソープといえども汚れを落とすという目的があるため、腟内と同じpHの酸性にもっていくことはできません。そこでおすすめなのが、デリケートゾーンを守る乳酸菌や保湿剤が配合された洗浄料。逆に、抗カビ剤や強い界面活性剤が配合されたものは、刺激になる可能性がありますから注意していただきたいですね」(吉形先生)

もしも、デリケートゾーン専用ソープや弱酸性の洗浄料を切らしてしまったときは、ボディソープを使わず、お湯だけで洗うのがおすすめ。ちなみに水道水のpHは6~8でボディソープよりも低いのです。一般的なボディソープは、それほどデリケートゾーンには刺激の強いものだということを覚えておきましょう。

デリケートゾーンは前から後ろへ、なでるように洗おう

ニオイが気になるからといって、腟の中にお湯や石鹸の泡を入れて洗ってはいませんか? ナイロンタオルでゴシゴシ洗うなんてもっての外! デリケートゾーンを洗うときは、たっぷりの泡をやさしく押し当て、指の腹を使ってクルクルとなでるように洗いましょう。

「恥丘から肛門へ向かって洗うのがポイント。ひだ状になっている小陰唇と大陰唇は、ニオイの元が溜まりやすいですから、特にていねいに。汚れのつきやすい肛門周辺もしっかり洗いましょう」(吉形先生)

産婦人科専門医

吉形 玲美先生

文/清瀧流美 撮影/黒石あみ(本誌)

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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