ボディケア
2021.5.16

医師・栄養士に聞いた!ダイエット中の「食事」を見直し方【食生活マニュアル】

ダイエットの基本は食事と運動。今回は美的で活躍中の医師や栄養士の方に「食事」面からのダイエットのポイントを教えていただきますした!食べるタイミングやダイエット中におすすめの食べ物など、朝食・昼食・夕食・間食・飲み会それぞれのシーンに分けて徹底解説!

なぜ太ってしまうのか?基本知識

産婦人科専門医

吉形玲美先生

そもそも私たちが太ってしまうのは、 摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまうから。摂取カロリーを消費カロリーより抑えれば、太ることはありません。

「だからといって食事を全部抜いてしまったり、ひとつの食材のみを食べ続けたりするようなダイエットでは、栄養も偏りますし、リバウンドもしやすくなります。

不要なのは、むくみとなる水分と余計な脂肪です。痩せやすい体をつくりながらダイエットをするには、筋肉を減らさないようにすることが大事。たんぱく質をちゃんと摂って、筋肉を維持しましょう」(吉形先生)

 

食事の「タイミング」はこれが正解【7箇条】

【1】まずは食事の時間を統一すること

管理栄養士

前田あきこ先生

ハーバード大学 医学部客員教授

根来秀行先生

食べる時間がバラバラだと代謝を促す成長ホルモンが出ずどんどん脂肪をため込む体へ

「最大の原因は食事時間のバラつきです。朝食7時、昼食12~13時、夕食18~19時と食間は5~6時間空くことが理想。すると食後 3~4時間で消化され、1~2時間の空腹タイムが生まれます。この空腹時に代謝を促す成長ホルモンが分泌され、やせる準備が始まります。しかし、空腹になるために無理に食事を抜くのは逆効果。空腹が長く続くと体は飢餓状態になり、栄養を蓄えようと太りやすくなります。また、体内時計も狂い、成長ホルモンの力がダウン。成長ホルモンは免疫にも関わるので今は特に大切です」( 根来先生)

さらにテレワークも肥満の温床に。
「テレワークだと食事を抜きやすくなります。職場とは違い、床にじか座りしたり、ローテーブルでPC作業を長時間続けることで、お腹が圧迫され、空腹が感じにくくなるからです」(前田先生)


【2】朝ごはんのベストタイミング

Q.朝ごはんは10時前に食べれば太らない?
× 起床後1時間以内が理想。3食の食事リズムを守って、空腹タイムを作ることが大切です

「食事は5~6時間ごとに食べるのがポイント。この間隔なら次の食事までに消化が済み、空腹時間ができ、やせるために必要な成長ホルモンが分泌されます。朝食が遅いと昼食までに空腹にならずNG」(根来先生・以下「」内同)

 

【3】昼食のベストタイミング

朝食から5〜6時間後。毎日同じ時間の摂取がベスト!

「1日の食事は、3食が5〜6時間ごとの間隔が理想。朝食同様、昼食を抜くと体内時計が大きく狂い、体が飢餓状態にあると判断されて、脂肪をため込むモードへシフトします。同時に胃腸にかかる負担も大。さらに体内時計のリズムが乱れると、仕事の効率も下がるので、午後にしっかり働くためにも、いつもの時間にランチをとるようにしましょう」

 

【4】おやつのベストタイミング

Q.おやつは何時に食べても太る?
× 脂肪をためにくい12~15時に食ベれば大丈夫です

「糖分を脂肪に変えて体にため込む“BMAL1”というたんぱく質が12~15時は最も少なくなります。しかも午後は活動量が増え、エネルギーを消費します。もしおやつが食べたいなら、12~15時がべストです」

 

【5】夕食のベストタイミング

遅くても21時まで

「理想の摂取時間は18〜19時ですが、現実的には難しいので遅くとも21時までに摂取しましょう。18時を過ぎると血圧や中性脂肪が高まり始めます。一方、ストレスホルモンのコルチゾールの分泌が低下することで、夕方から夜は食事やお酒が一層おいしく感じられるようになる誘惑の時間帯。誘惑に負け、心行くまで食べてしまうと、脂肪をため込む要因となります」(根来先生)

残業の日は分食がおすすめ

「夜遅くまで夕食をとれない場合は、分食がおすすめ。朝食から夕食までの時間が14時間以上開くと、体内時計のリズムが乱れます。夕方にサラダとおにぎりなどの食物繊維、仕事終わりに汁ものとたんぱく質を摂取するスタイルで」

 

【6】夕食が遅くなった時は時間を分ける

Q.夕食が遅い。分けて食ベれば太らない?
○ 21時以降は、脂肪をためやすいので先に主食を食ベておくといいでしょう

「夕食が遅くなるなら18~19時にまずおにぎりやサンドイッチを食べ、後で消化に良いおかずのみを食べましょう。BMAL1が最も増える21~翌3時に食べると太ります」


【7】運動の後に食べると食べ過ぎない

立命館大学 スポーツ健康学部 教授

藤田 聡 先生

Q.「運動直後に食べると太る」ってホント?
A.ウソ

「実際に、運動の前と後で食事を摂ったときに、太るか逆に減量に影響するのか…という研究データがいくつかあります。その結果、基本的に差は見つかっておらず、前でも後でも関係ないという報告が多いのです。運動直後に食事をしたからといって太るとは考えにくいでしょう」(藤田教授・以下「」内同)

Q.運動と食事のベストタイミングは?
A.運動をしてから食べたほうが血糖値が上がりにくく、脂肪の吸収が緩やかになる。

「運動をしないで食べるのと、運動をしてから食べるのでは、運動をしてから食べたほうが血糖値が上がりにくく、脂肪の吸収が緩やかになります。運動によって、太りにくくなるのは間違いありません。

その点で言うと、一般の人の場合は、運動後の食事がおすすめ。まず運動をすると、交感神経が刺激され、食欲が抑制されます。そのため、運動をする前の状態で食べたい! という食事と、運動後の状態で同じ食事が目の前にあるとしたら、後者のほうが確実に食事量が減ります。

また、運動直後は消化器官に血液がいきにくいため、胃がもたれやすくなってしまうことも。30分~1時間ほど休憩してから食事をするのがベストです。カロリーの吸収も緩やかになると、いいこと尽くめ! ぜひ運動を取り入れてみて」

 

ダイエット中におすすめな「食べ物&栄養」【9選】

【1】食物繊維・発酵食品・良質な油

産婦人科専門医

吉形玲美先生

たんぱく質や食物繊維を多く含む食品のほか、植物性発酵食品(漬物・納豆・味噌など)を食べて、腸内環境を整えましょう。

オメガ3系脂肪酸やオメガ9系脂肪酸と呼ばれる、身体へ良い働きをする良質な油を摂ることも大切です。オメガ3系は体内でつくることができない必須脂肪酸のα‐リノレン酸が豊富なエゴマ油や、DHA・EPAを豊富に含む青魚に代表されます。それぞれ血液をサラサラにし脳を活性化する働きがあります。オメガ9系はオレイン酸を含むオリーブ油などでメタボや便秘改善に効果があります。

「ただし、エゴマ油は熱に弱く、炒めものなどの料理には不向きなので注意が必要です。1日小さじ1杯分を目安に、ドレッシングに混ぜるなど加熱せずにお使いください。私は加熱料理にはオリーブオイルを使用しています」(吉形先生・以下「」内同)

【2】スイーツは和菓子を選ぶ

「甘いものがどうしても食べたい場合には、和菓子にしてみては。和菓子は洋菓子に比べて、腸内環境を整える食材を多く含みます。とはいえ、2個も3個も食べれば、当然カロリーオーバーになるので注意しましょう」

和菓子は腸内環境に良いだけではありません。例えば、和菓子によく使われる小豆には、たんぱく質や食物繊維のほか、むくみを解消してくれるサポニンもたっぷり。きな粉の原料である大豆には、サポニンのほか、血中コレステロールを低下させるレシチン、善玉菌のエサとなるオリゴ糖、女性ホルモンに近い働きをするイソフラボンなどの成分が豊富に含まれています。また、米菓の原料であるお米は、調理後に冷めるとデンプン成分が変化して腸内細菌のエサになり、腸内環境を整える短鎖脂肪酸をつくり出します。

「短鎖脂肪酸はごはんが冷めた際につくられます。おにぎりやお寿司なども、熱々、ほかほかのご飯より太りにくく、腸内環境により良いですよ」

 

【3】ネバネバ食品&海産物

東京女子医科大学准教授 東洋医学研究所副所長

木村容子先生

「漢方では、海水などの塩辛い味が腎の働きを高めるとされています。海藻やエビ、貝類のほか、塩やみそ、しょうゆなど調味料も有効。また、山芋やなめこなどネバネバ食品も腎気を養います。逆に甘いもののとりすぎは腎にダメージを与えるので、酸味のある食品で還元させて」(木村先生)


【4】たんぱく質を積極的に

立命館大学 スポーツ健康学部 教授

藤田 聡 先生

Q. ダイエット中のおすすめの食材は?
A. たっぷりの緑黄色野菜と同時に、たんぱく質も積極的にとっていこう

「ヘルシーを誤って解釈している女性も多いかもしれません。スムージーやサラダなど野菜を摂ることも大切ですが、三大栄養素のひとつ、“たんぱく質”を積極的に摂るよう意識することも重要。鶏のささみやチーズ、卵、大豆、豆腐など上質なたんぱく質が多く含まれるものを選んでくださいね」(藤田先生・以下「」内同)

  • 鳥のささみ
  • チーズ
  • 大豆
  • 豆腐

Q. 運動後に食べちゃいけないNG食材はある?

「糖質でも脂肪でも、吸収自体は穏やかになっているので、1日で食べる量がトータルで同じであればOK。運動後だからといって、これは食べたらダメというのはないので安心して」

 

【5】朝は白湯&たんぱく質でスタート

管理栄養士

前田あきこ先生

ハーバード大学 医学部客員教授

根来秀行先生

Q.朝いちばんの水分補給は白湯
○ 朝食の前に白湯を飲むことで、内臓が温まり胃腸が動き始めます

「目覚めてすぐの水分補給は白湯が◎。眠っていた胃腸が刺激され、活動モードとなり、排泄、排便が促されます。空腹時にカフェインをとると胃に負担をかけ、体内時計が狂うことも。朝はコーヒー派という人は、朝食後に飲むようにしましょう」(根来先生)

Q.太らないためには朝ごはんをたっぷり食べる
○ 朝食で卵や納豆などたんぱく質を多めにとって食欲を抑えます

「朝食を抜くと昼前におなかがすいて、昼食量が増えます。すると、血糖値が乱れ、脂肪をため込みやすくなることに。朝食では不足しがちなたんぱく質を2種類組み合わせて、たっぷりとるといいですね」(前田先生)

Q.おなかがあまりすいていないときは、主食だけ食べればOK
× サラダだけ、菓子パンだけ、パスタのみなど単品のみの食事は代謝が落ちる原因に

「炭水化物は体のエネルギーを燃やす大切な材料ですが、とりすぎると脂肪になってしまいます。でもサラダだけもNG。ホルモンバランスが乱れ、免疫力が落ちることに。たんぱく質を少しでも足し、炭水化物はよくかむことがポイントです」(前田先生)


【6】朝食におすすめな食べ物

マストは胃を動かすカギとなるたんぱく質。25gはとって代謝を上げる!

「ムダ太り対策はもちろん、筋肉や肌、髪を作る材料となるのがたんぱく質。朝に必ずとる理由は、胃を動かすため。というのも、胃はたんぱく質を胃壁に触れさせないと動き始めないから。たんぱく質ゼロの場合は、食べたものが胃に留まった状態になります。胃を動かして代謝や体温を上げるためにも、朝はしっかり摂取を。たんぱく質の1日の目標摂取量は約65g。朝は最低でも25gを。リモート時でも体を作るたんぱく質の量だけは減らさないのが鉄則です」(前田先生)

たんぱく質をとるメリットはほかにも!

Point

・筋肉や皮膚・髪などの材料になる
・ストレス緩和
・免疫力を高める
・睡眠の質を高める
・脂肪になりにくい

「ストレスや睡眠、免疫力に関わるホルモンの材料にもなるのがたんぱく質。食事で摂取して体に材料を入れておかないと、起き抜けに朝日を浴びてもホルモンの分泌が正常に行われなくなるおそれも」(前田先生)

Q. 朝食におすすめの手軽なたんぱく質は?

(1)グラノーラ:含有量はそれぞれ
大豆たんぱくを原料としたタイプのグラノーラは、1食につきたんぱく質の含有量が10g以上のものが豊富。太らないためには糖質の低いタイプを選んで。

(2)スライスチーズ:3.0g 約30kcal
血糖値の上昇が緩やかな低GIのチーズは、血糖値が急上昇しやすい朝食にぴったり。カルシウムが豊富で、糖質や脂質の代謝を促すビタミンB2もとれる。

(3)水きりヨーグルト:約8~10g 約100kcal
腸内環境を整えるヨーグルトは、水きりタイプを選ぶとたんぱく質量がアップ。1カップ約8~10gもの量がとれる優秀食材。

(4)魚肉ソーセージ:約7g 約161kcal
100gで約7gのたんぱく質が摂取できる魚肉ソーセージは、なんといっても低カロリー。プロテイン入りや特定保健用食品タイプも登場し、健康食としても呼び声が高い。

(5)ゆで卵:約7.8g 約90kcal
美肌のもとである必須アミノ酸のバランスが抜群。卵白に含まれる酵素のリゾチームは、免疫力を高めるといううれしい効果も。

酵素のとれる果物や野菜をとれば、代謝をスムースに動かしてくれる!

「起床後の体は代謝が低く、インスリンが分泌されやすい状態。インスリンは血糖値を下げるホルモンでありながら、分泌量が増 えると体脂肪増加を促進させる一面も。そこで食べたいのが、生の果物や野菜。生きた酵素やビタミンがたっぷりで、果物に含まれる果糖にはインスリンの力を借りずに素早くエネルギーに変える効果もあるので、朝の栄養補給に最適です」(根来先生)

(1)リンゴ
水溶性と不溶性の食物繊維を含むので、お通じ改善にも◎。皮に含まれるリンゴポリフェノールには、抗酸化作用や内臓脂肪の蓄積を抑制する効果もあり。

(2)アサイー
高い抗酸化作用をもつアントシアニンやたんぱく質など多くの栄養素を含む果物。コレステロールの吸収を抑えてくれるフィトステロールも摂取できる。

(3)小松菜
糖質の代謝に欠かせないビタミンB群が豊富。さらに強力な抗酸化作用で代謝アップを促進するフィトケミカルのβ-カロテンや食物繊維もとれる万能野菜。

パンは全粒粉のもので血糖値上昇をできるだけ緩やかに!

「朝はたんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素を摂取するのが理想ですが、すべてを網羅するのは大変。そこでおすすめなのがパンを全粒粉タイプにすること。食物繊維やビタミン&ミネラルが豊富な炭水化物で、血糖値の上昇が緩やかな低GI食品。咀嚼回数も増すので満腹感も高まります。玄米も同様の効果が。それぞれ卵をのせて食べたら完全栄養食の完成」(前田先生)

全粒粉パン
腸内環境の改善や、美肌や血糖値コントロールにも効果を発揮する食物繊維が豊富。よけいな塩分を排泄してむくみを防ぐカリウムも含む高栄養価パン。

腸内細菌やたんぱく質はWで摂取すると同化しやすい!

「乳酸菌などの腸内細菌系の食品やたんぱく質は、同時に2種類以上摂取すると体の利用効率が良くなります。卵や肉などの動物性たんぱく質と、納豆や豆腐などの植物性たんぱく質を合わせるのはもちろん、動物×動物と同じタイプ同士でもOK。たんぱく質が定着して皮膚や髪など、体の組織が作られていくことを“同化”といい、この同化が進むのは、2種類以上のたんぱく質を同時にとったときといわれています」(前田先生)

 

【7】おやつやオンライン飲み会におすすめなもの

Q.シュークリームならおやつに食べても太らない
○ スポンジ生地の厚さと量で大きな差がでます

「スポンジにたっぷり砂糖を使ったケーキや生地にバターと砂糖を使ったクッキー。それに比べ、シュークリームは卵を使ったカスタード入りで皮も薄いので、栄養価もカロリーも優秀なおやつです」(根来先生)


【8】夕食におすすめな食べ物

基本はたんぱく質+ミネラル類+良質な脂質を中心に!

「基本はミネラル類を含む5大栄養素。中でも、たんぱく質と良質な脂質は体を作る柱、マストでとりたいです。たんぱく質量が多くてカロリー控えめの食材は、鶏胸肉や刺身、かまぼこなど。脂質はアマニ油やえごま油など、体内で作ることができない必須脂肪酸の不飽和脂肪酸がとれるものがべター。納豆やおひたしなどにひと垂らしして、加熱せずに体に取り込むと効果的です」(前田先生)

こんなメニューが理想!

ワカメサラダ、刺身盛り、小盛り玄米ごはん、豆腐と野菜のみそ汁。動物性たんぱく質をメインにしたメニューが理想。ここに植物性たんぱく質の納豆を加えて、さらにたんぱく質量をアップ。夜にみそ汁などだしが効いた温かい椀ものが1品あると、リラックス効果と食欲抑制作用もあって◎。


【9】オンライン飲み会中の正解メニュー

Q.オンライン飲み、太らないおつまみは野菜スティックとナッツ
○ ヘルシーでかみ応えのあるおつまみで満足感が得られます

「にんじんやきゅうりなどの野菜スティックやアーモンドやクルミなどのナッツは血糖値の急激な上昇を防ぎます。さらに咀嚼することで満腹感を与えるホルモン“レプチン”が分泌され、食欲をセーブ」(根来先生)

食物繊維の2トップ!蒸し豆&雑穀

(1)市販サラダに蒸し豆をトッピング

(2)もち麦、雑穀入りのおにぎりならオンライン飲みでも食べやすい

飲み後半にとるべきつまみは良質なたんぱく質

前半に食物繊維、炭水化物をとったら、後半はたんぱく質を。
「高たんぱく質で低カロリーな鶏肉や大豆製品が◎。たんぱく質は肝臓でアルコールが分解されるとき、肝細胞の修復、再生を担う役割があるのでつまみにぴったり。冷奴やうずらの薫製もおすすめ」(前田先生)

(1)酢とだしじょうゆで煮るだけ!手羽中のさっぱり煮
良質なたんぱく質やコラーゲンを含む手羽中。両面焼いたら、酢、だしじょうゆなどを入れて煮込めば出来上がり。食べ応えのあるおつまみに。

(2)枝豆はむいておく、ジャコ枝豆
からいりしたジャコに塩ゆでして皮をむいた枝豆を混ぜ、酒、砂糖、しょうゆを適量加え、炒める。好みでにんにくなども。ちなみにオンライン飲みでは音が気になるので枝豆だけをつまむときも皮をむいておくと◎。

(3)レンチンして和えるだけ!ブロッコリーのアンチョビ風味
たんぱく質の多いブロッコリー。小房に分けて水洗いしたブロッコリーを耐熱皿に入れ、レンジで温める。細かくほぐしたアンチョビを和えれば完成。映えるつまみに!

(4)チーズ
チーズはたんぱく質のほか、ビタミンB1やカルシウムもたっぷり。ビタミンB1は脂質や糖質の燃焼を促し、カルシウムは脂肪の吸収を防ぐ働きがある。

(5)オイルサーディン
小ぶりのイワシ類のオイル漬けは高たんぱくな上に、カルシウムやビタミンD、EPA、DHAなどが豊富。そのまま食べてもトマトやチーズと合わせてもGOOD。

 

朝昼晩・間食・お酒など食事ダイエットの「シーン別」ポイント

【朝食】ムダ太りを防ぐキーとなる朝ごはん

管理栄養士

前田あきこ先生

ハーバード大学 医学部客員教授

根来秀行先生

太らない体を作る最大の予防こそが朝食

「1日は24時間ですが、実は人間の1日の体内時計は24時間11分。この分のズレをリセットするために、最も大切なのが“朝日を浴びること”と“朝食を食べること”です。朝食で胃腸を刺激することで体がしっかりと目覚め、活動モードにスイッチが入ります。逆に朝食を抜き続けると体が“飢餓になるシグナル”をキャッチして、夜のため込みモードがオンになって太りやすくなります。朝は必ず食べる習慣をつけましょう」(根来先生)

前日に食べすぎた日は「量」を調整して。食べないのはNG

夕食で過食した際、陥りがちなのが翌日の朝食抜き。
「この帳尻合わせは、体内時計を乱すもと。翌日の3食を全体的に軽くして、いつもと同じ時間に食事を。食事抜きは太るもとだと肝に銘じましょう」(根来先生)

朝食前にすべきことは、起きたらすぐに1杯の水で血流を巡らせる

「睡眠中は汗や呼吸で大量の水分が失われるので、朝一番に水分補給を。起き抜けの水分補給は、胃腸に刺激を与えるので、排泄や排便を促すデトックス効果も。べストはコップ1杯の白湯か常温の水。また、コーヒーなどカフェインを含む水分は、すきっ腹に取り込むと胃に負担がかかり、疲れやすくなったり体内時計が乱れる可能性大。朝のコーヒータイムは朝食後が理想です」(根来先生)

「特に便秘に効果的なのが炭酸水。炭酸ガスが胃壁から吸収されることで胃の血流を促進するので、体内の老廃物の排出を早めてくれます」(前田先生)

Point

これはOK!
・白湯か常温の水がべスト
・便秘なら、胃を調節して血流を促進する炭酸水も効果的
・ゆっくり少しずつ飲む

これはNG!
・コーヒー、紅茶、緑茶など、カフェインを含むものは胃の負担に
・一気飲みは胃液が薄まるので注意

朝食の量は?3食のバランスが4:2:4で昼を軽く!

「今までは朝3:昼3:夜4のバランスが良いとされていましたが、朝にしっかり食べてほしいので4:2:4のバランスが理想。朝食から昼食までの時間は短いので、昼は軽めでOKです」(前田先生)

「夜は血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンの分泌量が低下します。それに加え、睡眠中の飢餓状態に備え体がため込みモードになるので、血液中にコレステロールなどの脂質も増えて糖が分解されにくくなります。同じカロリーを摂取しても夕食の方が太りやすくなるため、夕食偏重スタイルは卒業しましょう」(根来先生)

1日の摂取カロリーを1,800kcalとした場合の目安。活動量の少ないリモートワークの日は、食事量を腹8分目に抑えて。生活の変化に合わせて食事量も変化させるのが、新生活様式で食とうまく付き合うコツ。

太るNGメニューを知っておこう!

「太りにくい体作りには、血糖コントロールも大切。気をつけるべきは、たんぱく質量が少なく過剰な糖質を含む、パンケーキや菓子パンなど。一度に大量の糖質が体内に入ることで血液中の血糖が急増するため、肝臓と筋肉に貯蔵し切れずに体脂肪に変換されます。これが肥満の原因。パンケーキや菓子パンを食べる前に低GIの野菜や果物、たんぱく質を食べておいたり、低GI食材をトッピングして一緒に食べたりすると、血糖値の乱高下が防げます」(前田先生)

NG!パンケーキ
自粛中に作る人が続出したパンケーキも要注意のメニュー。生地だけでなく、ジャムやシロップなどトッピングで糖質量がさらに増して脂肪をため込む要因に。

NG!菓子パン
ウインナーやチーズなどのたんぱく質が入ったおかずパンはOK。気をつけるべきは甘い菓子パン。特に揚げパンなど、生地の糖に加え、油×糖のコンビが危険。

 

【昼食】ランチは食べ忘れずしっかりとること

テレワークで食べ損ねが頻発。少量でもいいので時間はずらさないこと

出社時は楽しみだったはずのランチタイムも、テレワークになると、用意や片づけが面倒でつい手軽さを重視しがちに。さらに多いのは食べ損ね。

「動かないのでおなかがすかず食べない人も多かったというデータがあります。でも結局、小腹がすくので、おやつはちょこちょこつまむんですよね。それこそが太る原因。軽めでも即席麺に卵ひとつのせるだけでもいいので、いつもの時間にランチをとって体内時計を整えましょう」(前田先生)

消化酵素が豊富に出ているので、自由に食べてOK

日中は消化酵素がしっかり出て、消化吸収が進みやすいため、好きなものを食べてOK。手軽な即席麺にはスプラウトやカニカマなど加えるのもおすすめ。ちなみに麺類などの炭水化物は、唾液と合わさることで分解されていくのが特徴。胃液だけでは分解されないので、食べるときはよくかんで唾液を含ませることで、消化がスムースに行われます」(前田先生)

 

【間食】時間と内容を気をつければ食べてOK!

おやつはリフレッシュにも◎。時間と内容を重視しよう

職場だと人目があるから食べなかったお菓子も、テレワークなら食べ放題。
「実はテレワークこそ、究極のセルフマネジメント。間食はご褒美や気分転換に食べるものとして、毎日の習慣にしないのがいちばんです。そして糖が脂肪になりにくい時間帯を選んで食べましょう。後は、一緒にとる飲み物も重要。特に甘い炭酸飲料は糖分の量が多い上に、体への吸収が早いです。飲み物では糖分をとらないようにすることが大切です」(根来先生)

脂肪の蓄積度合いは時間で変わる

脂肪細胞に脂肪をため込む働きのあるBMAL1は、時間帯によって増減するのも特徴。12~15時が最も少なく、21時~翌3時に最も増えることが判明。寝ている間に増えるので、寝る前に食べないことが脂肪を蓄積させない最大のコツといえる。

6~7時に起床した場合の時間帯ですが、脂肪の合成を促進して体脂肪を作るたんぱく質の“BMAL1”が最も少ない時間帯が12~15時。この時間の甘いものは太りにくいので、甘いものを食べたいときはこの時間帯に。けれども、毎日食べるのはNG。仕事の関係で朝晩逆転している人は、だいたい起きてから7時間後を目安にすればいいでしょう」(根来先生)

粉ものは血糖値が上がりやすいので注意!おすすめは寒天ゼリー

「お菓子は干し芋など、加工工程の少ないものや食物繊維やたんぱく質がとれるものを選ぶとGOOD。中でもおすすめなのが食物繊維が豊富な寒天を使ったお菓子。食物繊維は糖の吸収を遅らせるので、血糖値を下げる効果も。逆に避けたいのが小麦粉やバターをたっぷり使ったクッキーやケーキなどの粉もの。和菓子なら、たんぱく質のとれる豆大福をセレクトしましょう」(前田先生)


【夕食】太りやすい夜のための賢い食べ方

同じものを食べても夜が太りやすい。だからこそ賢く食べるテクが重要

外食がめっきり減り、テイクアウトやデリバリーに頼ることも増えつつある新生活。
「テレワークは仕事の合間に家事もするので、なかなか気が休まりません。リフレッシュという意味でも、デリバリーなどは賢く利用したいですね」(前田先生)

「夜はBMAL1の働きで、体が脂肪を貯蓄するモードになるので、なるべくカロリーは控えめに。ベジファースト(野菜から食べる)を取り入れて、血糖値をコントロールしてください」(根来先生)

気をつけたいメニュー

(1)サラダのドレッシングはトッピングの味つけで低カロリー&高栄養に!
市販のドレッシングは高カロリーなものが多いので、サラダはトッピングで味つけを。シラスなどのたんぱく質と黒こしょうのコンビは、うまみと塩気の感度を増してくれて栄養価もぐんとアップ!

(2)たこ焼きなどの粉ものはカツオぶしや桜エビをたっぷりのせて
人気のテイクアウトメニュー・たこ焼きは、たんぱく質が不足しがち。食べる際はカツオぶしや桜エビなど、たんぱく質をたっぷりのせて。ソースではなくポン酢で食べればカロリーダウン。

(3)揚げものは衣の量と具の内容で質が変わる
ダイエットの敵・揚げものですが、薄い衣でたんぱく質がしっかりとれる唐揚げは実はOK。気をつけるべきは糖質×糖質のコロッケ。衣が厚い上、具も糖質が高めなので要注意。


【オンライン飲み会】空腹はダメ!お酒の量は?

女子は1日20gまで、週2の休肝日でスタイルキープ!

ビールや発泡酒ならロング缶1本、ワインならグラス2杯が1日の上限です。飲みすぎると肝臓がアルコール分解にかかりっ切りになり、脂肪が分解されずに蓄積されます。オンライン飲みならロング缶は避け、2杯目以降は焼酎や蒸留酒を水やお湯で薄めに割るか、チェイサーを用意してゆっくり飲むことです」(前田先生)

1日にOKな飲酒量は、ビール350ml、缶なら1.5本、ハイボール350ml、缶なら1本

空腹で飲まない、食べ順&食べ方の工夫はリアルと同じ

「オンライン飲みも週1回、19時までに始め、6時間以内に終えれば問題なし。空腹で飲み始めないよう食物繊維、炭水化物、たんぱく質の順に食べればOK。空腹だとアルコールの吸収が早まり、酔いが早く回る上、血糖値が乱高下し、脂肪をため込みやすくなります」(根来先生)

「オンラインなら自分好みのつまみで◎。ただ大人数はストレスになり消化に×。仲の良い4人程度がおすすめ」(前田先生)

 

食事中にもコツがあった!太らない「食べ方」4つのポイント

【1】よく噛んでたべること

東京女子医科大学准教授 東洋医学研究所副所長

木村容子先生

早食いをすると、脳の満腹中枢に指令が届く前に食べすぎてしまい、太る危険性が大。食事はゆっくりとよくかんで食べることが大切です。さらに、ごはんなどの炭水化物はおかずの合間か最後に食べること。先に食べるとおなかがいっぱいになってほかの栄養素をバランス良くとれなくなります」(木村先生)


【2】麺類は特によく噛むべき

麺類はよくかみ消化をスムースに!

炭水化物は食べた形状のまま、胃でふやけ腸で消化される。だから満腹感がないのに、胃が重だるい状態に。解決法はよくかむこと。消化も進み、満腹感を得られる上、フェースラインもシャープに。


【3】お箸を使って早食いをSTOP

できるだけ箸を使って早食いをストップ

「食物繊維のとれる野菜から食べ、血糖値の上昇を緩やかにするベジファーストに加え、気をつけたいのが早食い。食べる速度が速いと消化吸収も早くなり、同じ食事でも血糖値が上昇しやすいのです。おすすめは、箸を使って、時々箸置きに戻すこと。“持つ・とる・食べる”のステップごとに速度が落ちる上、咀嚼回数もアップ。早食いの人はぜひ実践を!」(前田先生)

早食いはBMI値が高い!

やせ型より肥満型の人の方が、「食べるのが遅い人」が少なく、「食べるのが速い人」が多い傾向に。肥満型の人程、早食いの人が多いのを見ても、カロリーだけでなく、食べ方も重要なのがわかる。

(出典:平成21年国民健康・栄養調査結果の概要より)

お皿は持って置くを繰り返すと咀嚼回数がアップ

「おにぎりやサンドイッチなど持って食べるメニューは、手で持ったまま食べ進めると咀嚼回数が減り、消化に悪影響を及ぼします。さらに紙などの軽い皿は持った感覚が薄く、食べていることに意識が回りにくいので、消化に影響をもたらす“ながら食い”をしやすい傾向に。食事は皿にのせ、皿を持つ、置くを繰り返すと咀嚼回数が増え、消費エネルギーが増します」(前田先生)

 

【4】テレビを見ながら食べる時の注意点

Q.テレビを見ながら食事をしても、別に太らない
△ ラブコメなど、笑えるものならOK!でも、ワイドショーやサスぺンスなど“考えるもの”は消化に悪影響を与えます

「“ながら食べ”はお笑い系ならOK。でもニュースや医療系ドラマなど、意識が集中して考え込んでしまうものはNG。血液が内臓ではなく脳に集まり、消化に良くありません。同じくゲームもダメ」(前田先生)

 

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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