ボディケア
2023.5.6

6部位を効果的に狙う、リンパマッサージのやり方【まとめ】

自分でカンタンにできるリンパマッサージを厳選ピックアップ!デコルテや腕、お腹、足など各部位ごとに“効果的な”マッサージ方法をご紹介。

リンパとは?むくみのメカニズム

皮膚科医

津田攝子さん


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むくみ= 下水道の詰まり。放置すると汚肌スパイラルへ

都市の繁栄に上下水道の整備が欠かせないように、私たちの肌も上水道(動脈)によって栄養や酸素を受けとり、役目を終えた老廃物は下水道(静脈やリンパ管)に流す、というインフラによって支えられています。ちなみに、上水や下水のやりとりをする窓口は、血管の中でも特に細い「毛細血管」にあります。細く網のように広がる毛細血管はとても繊細。さまざまな理由で、流れが滞ったり、運搬能力が低下したりします。下水を排出できずに肌がパンパンになってしまうと、当然のことながら上水を受けとることができません。肌は栄養や酸素が不足した状態になり、くすみやエイジングなども加速してしまうのです。

排出ルートは、静脈9:リンパ管1 効率良く流したいなら、静脈流しがマスト

肌の下水、つまり老廃物を含んだ水分を排出するルートは、静脈とリンパ管とのふたつがあります。その水分の運搬能力の比は、静脈9:リンパ管1。圧倒的に、静脈がメインルートなのです。

「渋滞を解消しようと思うなら、幹線道路となる静脈を流した方が効率的。スキンケアの際には、静脈の流れる方向を意識してマッサージしましょう」(津田さん・以下「」内同)

またリンパ管は静脈のすぐ側を流れているので、静脈が流れればリンパ管も流れます。

「静脈の流れは緩やかなのが特徴。通常は周りの筋肉の動きがポンプの役割を果たしています。滞りを感じるときは、手で圧をかけることで流れを促すことができます」

 

美デコルテを作る、3つの「鎖骨リンパ」マッサージ

【1】リンパの流れを一気に改善!リンパケア

エイジングデザイナー

村木 宏衣さん

「顔のくすみや鎖骨の埋もれが気になるなら、斜角筋と胸鎖乳突筋をほぐせるケアを。リンパの流れが一気に改善するので、鎖骨もスッキリ。デコルテ部分の肌がトーンアップするからレフ板効果も狙えます」(村木さん)

【Step.1】鎖骨の内側のくぼみを指でほぐしていく


\8か所5回ずつ/
左の鎖骨の内側にあるくぼみを、人さし指と中指の2本指でやや強めに押す。そのまま左右に2cm程度指を5回スライドさせて、圧をしっかりかけてほぐす。外側に向かって4か所、右側も同様に行う。

【Step.2】Step.1でこっていた部分を指で押さえながら顔を縦と横に振って、さらにほぐす

2SET



Step.1のスライド時に、特に痛みやこりを感じた部分は、2本指で押さえながら首を縦と横に2回ずつ交互に小さく振るのを5回繰り返す。逆側部分も同様にほぐす。これを2セット行う。

 

【2】コリと詰まりをもみほぐす「鎖骨下」マッサージ

エステティシャン

瀬戸口めぐみさん


鎖骨下を、中心からわきに向かって握りこぶしでらせんを描くようにマッサージ。


仕上げにわきをつかんで、詰まりがちなリンパ節を刺激。反対側も同様に。

【3】鎖骨のリンパの流し方


顔の老廃物を鎖骨下のリンパ節に回収させるイメージで、首筋から鎖骨下までL字を描くように手のひらで流す。左右それぞれ3回ずつを目安に。

 

優雅なラインを作る、4つの「首リンパ」マッサージ

【1】「胸鎖乳突筋の外側」ほぐし

\あごを軽く上げた状態で…/

\後ろから見るとこう!/

4本指で首の後ろを優しくつかむ!

\親指の腹を当て、片方ずつ優しく/

片方の親指の腹を鎖骨に近い胸鎖乳突筋の少し外側のくぼみに軽く当て、残りの4指で首の後ろを支えるように優しくつかむ。あごを少し上げ、上下に「うん・うん・うん・うん・うん」、左右に「いや・いや・いや・いや・いや」と、小さく首を振る。片側10秒。反対側は手を替えて、同様に行って。

【2】「胸骨舌骨筋」ほぐし

\片側ずつ、下から上へ/


\親指の腹+首振りで計6か所ケア/

親指の腹を1の位置に当て、上下に「うん・うん・うん・うん・うん」、左右に「いや・いや・いや・いや・いや」と小さく首を振る。同様に2、3をほぐしたら、手を替えて4から6も同様に。ちょうど首の前側の奥にある胸骨舌骨筋をほぐすことで、あごのもたつきやフェースラインのたるみ解消につながる。

【3】「頭半棘筋」マッサージ

\首の後ろの骨をつかんだまま/


\首振りで首の後ろをほぐしたら終了/

両手で首の後ろの骨をつかんだまま、あごを上げて首を軽く後ろに反らせる。上下に「うん・うん・うん・うん・うん」、左右に「いや・いや・いや・いや・いや」と、ゆっくりと首を振り、首の後ろの「頭半棘筋」をほぐしたらお手入れ完了。血液やリンパの流れがさらに促され、小顔効果がもっと高まる!

 

すっきり小顔に導く、4つの「顔・耳リンパ」マッサージ

【1】顔全体のむくみを解消する「水分タンク流し」

「私は『水分タンク』と呼んでいますが、頬骨の下辺りにむくみをため込むポイントがあります。そこを刺激すれば、水分が効率良く流れて顔全体のむくみが取れるのです」(瀬戸口さん)

朝、美容液や乳液をつけるときに実践して。


頬骨下の半月形のエリアが「水分タンク」。ここを刺激すれば、効率良く顔全体のむくみを流すことができます。水分タンクを刺激することで、顔全体の血流や神経に関わる「けんりょう」というツボも刺激できます。

【Step.1】水分タンクの詰まりを取る



手のひらの肉厚な部分を頬骨の真下に押し込んで、さらに頬骨を持ち上げるように圧をかける。約5秒間静止。その後パッと手を離す。次に頬骨に沿って小鼻横、頬骨外側と3か所刺激したら、口角横とフェースラインも同様に3か所ずつ押し上げる。

【Step.2】水分の流れ道「水門」を開く


ほぐした詰まりの道を開くようなイメージで、鼻の横から頬骨に向かって親指で押し開く。目の下から法令線まで、少しずつ指をずらして繰り返す。逆側の手で頬を固定すると圧をかけやすい。両頬行う。

【仕上げ】流した水分を鎖骨まで落とす


「ヤッホー」と言うときのように左右の法令線に人さし指の側面を沿わせ、親指はあごにかける。そのまま耳に向かってさすり流す。


耳から首筋を通って鎖骨まで流す。


耳の後ろも、老廃物が詰まりやすい場所。人さし指をフック形にしてグリグリと押しもむと、詰まりが取れて顔から首へとむくみが流れやすくなる。

 

【2】頬のこりをほぐす

サロン・ド・スウィン オーナー &エステティシャン

田中 由佳さん


頬上部の耳横に位置する耳下腺は、首のこりが影響する部分。首がこるとリンパが詰まりやすく、老廃物がたまって、むくみを誘発します。肌の弾力も低下しやすい部分なので、しっかりむくみケアを行いましょう!

【Step.1】鼻の周りを人さし指でグッと押さえて、ゆがみを戻していく

\グッ!グッ/


\グッと入るポイントがある/


小鼻横に人さし指を置き、指がグッと入るポイントを探す。見つけたら軽く圧をかけてゆっくりと3秒キープ。こりがアッという間にほぐれ、鼻通りも良好に。

【Step.2】指をスライドしながら優しく頬のこりをほぐしていく




耳のつけ根に親指を固定してから、人さし指を小鼻横に置き、少しずつ指をずらしながらこめかみ部分に流していく。頬上部はむくみが顕著な部分なので、内から外に押しながら、ゆっくりとほぐすのが◎。

 

【3】綿棒マッサージで顔全体のむくみを解消!

美容アナリスト

奈部川貴子さん

むくみを解消するポイントは、頬骨辺りの胃の反射区以外に、髪の生え際やもみ上げ周辺なども。
「頬骨や頬骨下を押してみて凝っているようでは、なかなかむくみは解消できません。日頃から綿棒押しを習慣にして、ほぐしてくださいね」(奈部川さん)

\綿棒押しの前にやっておくとさらに効果アップ/


「ゆっくり10秒畳んでみて。リンパの流れが良くなって、むくみが改善します。血行も良くなり、くすみも一掃!」

顔マッピング

【ピンク】前髪の生え際から小指2本分後ろを刺激


頭頂からあご先を結ぶ中心線上で、前髪の生え際から小指幅2本分後ろのツボ。顔のむくみへの効果大。

【ブルー】小鼻の根元。炎症を防いでむくみを阻止


小鼻の膨らみの上端のツボは、鼻炎を改善するポイント。また、胃や消化器との関わりも密接。

【オレンジ】黒目中央真下と、鼻の下縁の交差点
法令線ケアにも出てきたツボ。小頬骨筋にひもづいていて、頬のリフトアップ効果を発揮。

【グリーン】目尻から真下に下げ、鼻の下縁の高さのツボ


咬筋に深く入り込める顔筋ポイント。フェースラインがスッキリ。

【パープル】もみ上げ下部で、耳たぶ下縁の高さのツボ


このツボは咬筋にダイレクトにアプローチするポイントで、刺激することで顔のリフトアップに。

 

【4】耳下腺リンパを刺激する「耳ほぐし」

美容家

小林ひろ美さん


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「耳たぶを親指と人差し指でつまんでぐるぐる回したり、もみほぐしたり。そうすると耳下腺リンパ節が刺激されて老廃物が流れ、血流もアップ。顔のむくみが取れて、顔全体がシャープな印象になれるだけでなく、顔色も良くなります」(小林さん)

 

「二の腕リンパ」のすっきり見せ!マッサージ

二の腕をスッキリさせる「ひじの曲げ伸ばし」

「ひじを曲げた姿勢を続けると二の腕がこります。腕を曲げ伸ばしする筋肉を動かすことで、脂肪燃焼にも。ひじを曲げて反対側の手で二の腕を強くつかみ、腕の曲げ伸ばしを各10回繰り返しましょう」(村木さん)


二の腕をつかむ手は、親指はひじの延長の3点を起点に、残りの指は腕の外側に当てる。

 

脂肪を流す、2つの「お腹リンパ」マッサージ

【1】エステティシャン直伝のマッサージ

エステティシャン

三谷麗奈さん

【Step.1】おなかに両手を重ねて当て、おへその周りを反時計回りにくるくると10回さする。

【Step.2】背中の中央に両手を当て、わき腹を通り、そけい部までリンパを押し流す。10回行う。

【Step.3】ウエストのくびれを作るイメージで、両手でわき腹からそけい部へ流す。左右各10回。

【Step.4】Step.2をもう一度。両手で背中の中央からそけい部まで脂肪を流すのを10回行って。

 

【2】お腹をほぐすボール押し

「意外とおなかも筋肉がこってむくんでいる人が多く、深層部にある大腰筋や、リンパ節が集中するそけい部をほぐすだけでも変化が。テニスボールに乗って刺激することで、ラクな力で深く刺激できます」(村木さん)



うつぶせになり、そけい部、骨盤内の腰骨沿い、肋骨の下側にボールを当て、ひざの曲げ伸ばしを10回行う。痛ければ、脚を伸ばしたまま深呼吸。

 

美脚を目指す、4つの「足リンパ」マッサージ

【1】鼠蹊部リンパ節マッサージ

脚のつけ根に当たる鼠蹊部はリンパ節だけではなく、大きな血管も集中

指先で鼠蹊部を押しながら、ひざ上をつかんで、ひざまで動かす。

【2】膝窩リンパ節マッサージ

ひざを立てふくらはぎをつかみ、爪先を上げ下げする。


これで筋肉のこりが取れて、弾力が復活して血流が良くなる。つかむ位置をずらしながら、ふくらはぎの数か所で行う。

\つかみ方/

 

【3】足首のリンパの詰まりを流すマッサージ

ダイエット美容家

本島 彩帆里さん


手を軽く握って“猫の手”状にし、第1関節を使ってひざのお皿の周りの内側と外側のラインをそれぞれ押し流す。痛気持ちいいくらいの力で圧をかけて。

 

【4】老廃物を流す「内くるぶし押し」

美容コンサルタント

余慶尚美さん


右手で右足の内くるぶしをほぐしながら左手で右足首を回す。反対側も同様に、各30秒間行って。内くるぶしには老廃物を流すツボが集中しているので、押さえる位置をずらしながら行うのがコツ。

 

リンパマッサージの効果をアップさせる、3つの「ポイント」

【1】毎日行うことが大事

毎日継続して行うことでリンパの流れを作り、むくみにくく。短時間でも続けて老廃物を溜めこまないすっきりボディに!

【2】入浴後に行う

美容家

深澤 亜季さん


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入浴後のリンパマッサージで、冷えや疲れもスッキリ!


「体を芯から温めてくれるお気に入りの入浴剤を入れた湯船に10~20分ほどつかった後、ボディオイルで全身をリンパマッサージ。わきの下や鼠蹊部などを中心に揉みほぐすことで 血行が促され、冷えやむくみ、疲れも吹き飛びます! 」(深澤さん)

 

【3】マッサージオイルやクリームでむくみを流しやすく


「むくみ解消効果のあるジェルやクリームを塗って、脚全体をマッサージするのがおすすめ」(深澤さん)

 

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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