5人の美容のプロや識者に聞く「睡眠の質」を高める方法・チェックリストと4つのNG行動
健康のために大切な「睡眠」、ただとるだけでなく「質」が重要なんです。今回はプロが薦める「睡眠の質」アップの実践術や方法、NG行動をまとめてみました。睡眠チェックリストで自分のタイプを知って、出来ることから始めてみましょう。
睡眠の質チェックリストと基本の対策
あなたは何タイプ?
多く当てはまったあなたは… 【日中眠くて仕方ないふくろうタイプ】
- 午前中から眠気がある
- 慢性的な睡眠不足
- 朝すっきり起きられない
- イビキを指摘されたことがある
- 昼間の活動量が低下気味
【対策】
- 昼寝で午後のパフォーマンスを高める
- カフェインのラストオーダーは、就寝5時間前までに
- スマホ・PCから離れる時間を作る
「“1日24時間じゃ足りない”が口ぐせな程、仕事に遊びにアクティブ!ミーハーで夜な夜な話題のドラマ鑑賞やSNSパトロールを欠かさず、日々寝不足気味。そのつけで日中睡魔に襲われることが定番に…。このタイプはついつい睡眠時間を削ってしまいがちなので、まずは生活にメリハリをつけて睡眠時間を確保する努力から始めてください」(友野さん・以下「」内同)
多く当てはまったあなたは… 【なかなか寝つけないうさぎタイプ】
- ベッドに入っても30分以上眠れない
- 寝る前に、ひとり反省会をしてしまう
- 起床時間がバラバラ
- 朝ごはんを食べない
- 寝る直前のSNSチェックで一喜一憂しがち
【対策】
- 朝日を15秒間浴びる
- たんぱく質がとれる朝食をとる
- ネガティブ感情の感染源を断つ
「“モヤモヤと考え事をしてしまい眠れない…”睡眠とストレスは密接に関係するので、睡眠不足⇔ネガティブ思考という負のループに陥りがち。そこから脱出するには、ベッドに入ったら自然と眠くなるシステム作りが重要です。体内時計をリセットする健康的な朝時間を過ごすため、まずはいつもより5~10分でいいので、早起きを心掛けてみてください」
多く当てはまったあなたは… 【夜中に何度も目が覚めてしまうキリンタイプ】
- 一度起きると1時間以上眠れない
- 冷え症である
- 寝具やカーテンが原色
- パジャマ以外の衣服で寝ている
- 基本、シャワーのみですませる
【対策】
- 38~40℃の湯船に20分つかる
- 寝室の温度や湿度を適切に調整
- 】寝具・カーテン・寝巻きからの刺激を完全排除!
「“睡眠が細切れになってしまい、眠った気がしない”“寝起き直後から腰や肩が痛い”という人は、寝具や寝巻き、寝室環境に問題があるのかも。睡眠環境を安易に考えていると睡眠負債が知らぬ間に積み重なり、体・肌・心にさまざまな不調が起こりがちに。このタイプは、夜の過ごし方に重点を置き、眠りの質を高める努力が必要です」
5人の美容のプロと識者おすすめ「睡眠の質」を高める方法
【1】美容家・モデル有村実樹さんの「睡眠の質」アップ方法
Point
照明を落として睡眠モードへ「寝る少し前から照明を温かな光に変えて、オレンジやラベンダーで作ったアロマスプレーで空間を整え、睡眠の質UPを目指しています」(有村さん・以下「」内同)
Point
毎晩その日の気分に合わせたハーブティーをブレンド「鎮静・緊張緩和効果のあるカモミールをベースに、ダンディライオンやローズをブレンドしたオリジナルハーブティーを飲むように。体が内側から温まり、呼吸も自然と深くなるので、ぐっすり眠れます」
【2】睡眠コンサルタント友野なおさんの「睡眠の質」アップ方法
Point
寝る直前にお気に入りのパジャマに着替える「就寝前に着替えると“眠るためのスイッチ”が自動的に押され、スムースに入眠しやすく。綿100%で吸水性・通気性・保温性に優れたものが◎」(友野さん)
UCHINO TOUCH マシュマロガーゼ レディスパジャマ シャツ
同 パンツ
価格 | 色 |
---|---|
(右)¥10,000・(左)¥8,000 | ピンク5 |
【3】皮膚科医 山﨑まいこ先生の「睡眠の質」アップ方法
Point
寝る前にCBDオイルを摂取「美肌には睡眠の質を高めることも大事なので、夜は好みのアロマオイルやバスソルトを入れた湯船につかって心身ともにリラックス。眠る前にはCBDオイルを1滴摂取すると、緊張がほぐれてよく眠れます」(山﨑先生)
麻から抽出される成分CBD(カンナビジオール)を含有した食用オイルエッセンス。ミントの爽快なフレーバー。
エリクシノール シナミントドロップス 1000
価格 | 容量 | 色 |
---|---|---|
¥21,500 | 100ml |
【4】管理栄養士前田あきこさんの「睡眠の質」アップ方法
管理栄養士
前田あきこさん
管理栄養士、パーソナルコンディショニングコーチ、日本抗加齢医学会指導士。認知行動療法を取り入れた栄養・運動・睡眠・生活指導で2万人以上の女性の体質を改善。トップアスリートの栄養指導や俳優のボディメイクを手がけた経験も持つ。現在は『女性ライフクリニック銀座・新宿』にて減量・増量・エイジングケアのためのダイエット外来を担当。
Point
睡眠の質を上げるメラトニンをつくる食べ物を食べる「睡眠の質を上げるためには、メラトニンと呼ばれるホルモンをしっかり分泌させる必要があります。メラトニンは、自律神経を整えて寝つきを良くして長く眠れるようにする役割のほか、免疫力や美肌にも関わるホルモンです。そして、人間に必要なホルモンは、体内に材料をしっかり入れないと作ることはできません。それが食べ物というわけです。
メラトニンなどのホルモンや体を構成するのは、たんぱく質と脂質。これらが交互につながって細胞ができています。さらに、脳からの指の神経伝達には、たんぱく質や脂質に加えて、ビタミンやミネラルも重要となります。そのため、炭水化物メインの食生活をしている人はメラトニンがつくれません。
朝ごはんを食べない人も、メラトニンを作りにくい人と言えます。朝起きて夜に寝る生活スタイルの人の例で話しますが、メラトニンが分泌されはじめるのは主に夕方から。朝食を食べて、それが消化吸収されて目を覚ましてくれるセロトニンとなり、そのセロトニンが15時間ぐらいかけてメラトニンとなります。ということは、しっかり夜に分泌させるためには、朝食で材料となる栄養素をしっかり摂取しないとならないのです。朝食を抜いて夜の眠りの質を上げるために、メラトニンの材料となる“ホットミルクを飲もう!”と言っても、時すでに遅し。それだけ朝に摂ることが重要なのです」(前田さん)
【5】婦人科医福山千代子先生の「睡眠の質」アップ方法
アヴェニューウィメンズクリニック 院長
福山千代子先生
ふくやまちよこ/金沢医科大学卒。日本産科婦人科学会専門医。東京大学医学部附属病院勤務などを経て、’09年から現職。女性ホルモンの影響を受けて、さまざまな悩みを抱える女性たちに親身に寄り添う診療が評判。
Point
“睡眠五感”が整った環境作りを!暗い(視覚)、静か(聴覚)、いい香り(嗅覚)、寝床内の温度32±1℃・相対湿度 は50±5%(温熱感覚)、肌触りのいい 寝具(触覚)。睡眠五感を整えれば、ストンと眠って朝までぐっすり!
Point
就寝1時間前に入浴。湯船にしっかりつかって!「良質な睡眠をとるためには、就寝1時間前の入浴がおすすめです。湯船 にしっかりつかることで上がった深部体温が、ちょうどベッドに入る頃に 下がって、入眠しやすくなります。また、湯船にお気に入りの入浴剤を入 れれば、リラックス効果が高まって、より快適な眠りにつながります」(福山先生)
今すぐやめるべき!「睡眠の質」を下げる4つのNG行動
【1】靴下を履いて寝る
『東京疲労・睡眠クリニック』院長
梶本修身先生
大阪大学医学博士。大阪市立大学大学院医学研究科 疲労医学-特任教授などを歴任。国立研究開発法人)理化学研究所生命機能科学センターでは疲労と睡眠の研究を行う。産学官連携「疲労定量化および抗疲労食薬開発プロジェクト」統括責任者に就任。ニンテンドーDS「アタマスキャン」をプログラムして「脳年齢」ブームを起こす。メディアにも多く出演し、『すべての疲労は脳が原因』など、著書も多数。
「人は眠っているときに深部体温を下げて、細胞の活動を落とすことで体を癒し、体力を回復させているのです。そして、深部体温を下げるときに熱を放って温度を下げているパーツこそが、手と足の裏。
例えば、手袋をしていると寝にくいですよね? それと同じで、靴下で足の裏を覆ってしまうと体の熱が放出できないため、深部体温が下がらず、細胞の回復が図れなくなってしまいます。
実は眠っている間の体温調整がうまくいかないと、日中の体温も上がらない状態が続き、よけい寒さを感じてしまうんです。冷え防止のためにやっているつもりが、かえって冷えを招いている……という状況といえます」(梶本・以下「」内同)
【2】ストレスをためすぎない
「ストレスは、脳の自律神経を疲弊させます。特に、慢性的なストレスに晒されると、自律神経機能の低下により睡眠の質が悪化し、夜中起きてしまって眠れなくなったり、眠ったはずなのに朝に疲れが取れていないといった現象が生じます。また、睡眠のリズムを作っているのも自律神経。自律神経が疲れると直ぐに寝落ちはするけれど、飲酒して寝落ちするのと同様、脳の疲労回復を図る深い睡眠を確保できません。長期的にストレスを溜め込んでしまうことが、やはり睡眠の質を落とす大きな原因になるのです」
【3】寝る前にブルーライトを浴びたり、激しい運動をしない
「寝る前にスマホ鑑賞でブルーライトを浴びたり、激しい運動をするなど、交感神経を優位にする行為も睡眠の質を下げる要因」
【4】就寝前にカフェインを取らない
カフェインは血圧上昇、アドレナリン分泌など、交感神経を優位にして脳を覚醒させる働きが。 質のいい睡眠には心身を落ち着かせることが大切なので、就寝前はカフェインレスの飲み物をチョイスして。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
とものなお/睡眠改善で15kgのダイエットや体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。全国での講演活動や企業の商品開発などのコンサルティングを行う。