食・レシピ
2023.1.19

ビタミンB12を多く含む食べ物【おすすめ一覧】

赤血球の合成に関わる栄養素、ビタミンB12。野菜や豆にはあまり含まれないため、ビタミンB12が豊富な肉や魚を食べない人は不足しがちです。今回はビタミンB12の働きと摂取におすすめの食品、ダイエットや美容への取り入れ方を管理栄養士がご紹介します。また、あわせてビタミンB12を含む食材を使った簡単レシピもピックアップしました!

ビタミンB12の働き

赤血球を作る

ビタミンB12は、血液中に含まれる赤血球の合成に関わります。赤血球は、全身に酸素を送り届ける大切な働きをする成分です。ビタミンB12が不足すると正常な赤血球が作られなくなり、体中で酸素が足りなくなるため、貧血症状が現れます。ビタミンB12不足による貧血で見られる症状は、舌が腫れて炎症を起こす舌炎や下痢、息切れ、めまい、食欲不振などです。

睡眠の質を高める

ビタミンB12は、体内時計を調節するメラトニンというホルモンの分泌に関わる栄養素です。体内時計が正しく機能していると、夜は眠くなり朝になると目が覚めるというリズムで体が自然に動くため、睡眠の質が高まります。眠りの質が高ければ、睡眠中にしっかり疲労を回復して、日中は集中力を高めて活動できます。

ビタミンB12を多く含む食品

食品1食(可食部)当たりに含まれるビタミンB12の量は、以下の通りです。

魚介類

食品の種類 食品1食(可食部)当たりに
含まれるビタミンB12(μg)
しじみ(生)10g 13.6
あさり(生)20g 10.4
まさば(生)100g 13.0
まいわし(生)40g 6.4

肉類

食品の種類 食品1食(可食部)当たりに
含まれるビタミンB12(μg)
牛レバー40g 21.2
鶏レバー40g 17.6
豚レバー40g 10.0

卵類

食品の種類 食品1食(可食部)当たりに
含まれるビタミンB12(μg)
鶏卵(全卵/生)50g 0.6

乳類

食品の種類 食品1食(可食部)当たりに
含まれるビタミンB12(μg)
プロセスチーズ20g 0.6

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

1日の目安量

ビタミンB12について、12歳以上の男女ともに2.4μg/日摂取することが推奨されています(出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」)。ビタミンB12は摂り過ぎても、体に必要な量以上は吸収されないため、過剰摂取による健康への影響はほとんどありません。しかし、ビタミンB12を豊富に含むレバーや卵は栄養価が高い食品であるため、食べ過ぎるとほかの栄養素の過剰摂取につながる恐れがあります。レバーは1日40g程度まで、卵は1日2個までを目安に摂取するとよいでしょう。

ダイエットに効果的な「摂取方法」

摂取に適したタイミング

ビタミンB12は、夕食で摂取することをおすすめします。ビタミンB12は、体内時計を調節して睡眠の質を高めるホルモン、メラトニンの分泌をサポートする栄養素です。メラトニンは夜に分泌が増えて、眠気を誘います。睡眠中は食欲抑制効果を持つホルモンが分泌されるため、質のよい睡眠をとるとダイエットをスムーズに進められるでしょう。夕食でビタミンB12を補って心地よい睡眠をとり、ダイエットの効率を高めてください。

ビタミンB12を摂取する際の組み合わせ

ビタミンB12と一緒に摂取するとよい、おすすめの栄養素は葉酸です。ビタミンB12と葉酸はともに赤血球作りに関わるため、組み合わせて摂取することで貧血の予防効果が期待できます。

レバーは、ビタミンB12と葉酸をどちらも豊富に含む食材です。葉酸はブロッコリーやほうれん草に多く含まれているため、ビタミンB12を含む卵と組み合わせて炒め物やサラダにするとよいでしょう。納豆は毎日の食事に取り入れやすく、習慣的に葉酸を摂取できるおすすめの食品です。

「美容」への作用・メリット

ビタミンB12は、貧血予防と睡眠の質を向上させる効果が期待できる栄養素です。貧血を改善することで全身へ酸素が行き渡り、顔の血色や肌の調子がよくなる、髪がうるおうといったメリットが期待できます。睡眠の質が高まれば、肌荒れやシミ・しわが改善し、美しい肌が手に入るでしょう。

ビタミンB12は、不足する心配がない栄養素とされています。しかしビタミンB12は野菜や果物にはあまり含まれていないため、ダイエット中で肉や魚介をほとんど口にしなければ、ビタミンB12が不足してしまうかもしれません。ダイエットをしていても肉や魚介をバランスよく食べて、ビタミンB12をしっかり摂取するようにしましょう。

管理栄養士

いしもとめぐみ

ビタミンB12が豊富な簡単「レシピ」5選

【1】おかひじきとアサリのビール蒸し

【材料 1~2人分】
おかひじき…1/2パック(50g)
アサリ(砂抜き済み)…12個
にんにく…1/2片
ビール(あれば苦めのクラフト
ビール)…1/3カップ
塩…小さじ1/6
黒こしょう…適量

【作り方】

  1. おかひじきは根元のかたい部分を1cm程切る。
  2. にんにくをみじん切りにする。鍋にビール、塩と共に入れて中火にかける。ひと煮立ちしたらアサリを入れ、蓋をする。
  3. アサリの殻が開いたら火を止め、1をアサリの上にのせ、再び蓋をして2分程、余熱で蒸す。器に盛り、黒こしょうを振る。

 

【2】レバーのシナモン煮

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【材料 作りやすい分量】
レバー(血抜きなどせず、そのままでOK)…300g
シナモンスティック…1本(パウダーの場合は大さじ1/2)
しょうゆ・酒…各50ml
水…適量

【作り方】

  1. レバーがちょうど収まる程度の大きさの鍋に、まずは水以外の材料をすべて入れる。レバーがひたひたになるまで水を注ぐ。
  2. 1の鍋を中火で火にかけ、沸騰したら弱火にする。途中2、3度レバーを裏返しながら40分程煮詰める。水分がなくなり、焦げつきそうになったら適宜水(分量外/適量)を加える(仕上げは水分をとばす)。

*日もちは冷蔵庫で5日間程度。

 

【3】白菜とシジミの白ワイン蒸し煮

白菜とシジミの白ワイン蒸し煮

【材料 2~3人分】
シジミ…150g
白菜…5~6枚
べーコン…2枚
白ワイン…100ml
オリーブオイル…大さじ2
塩…少量

【作り方】

  1. シジミは必要なら砂抜きをする。白菜は1cm幅のざく切りにし、べーコンは1cm幅に切る。
  2. 鍋にすべての材料を入れて強火にかける。沸騰したら中火にし、3~5分煮る。

 

【4】ブロッコリー、卵、油揚げの“たん3”サラダ

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【材料】
ブロッコリー…1/2株
油揚げ…1/2枚程度
卵…1個
味噌…小さじ1
白胡麻油(米油、サラダ油でも可)…小さじ1
黒酢(穀物酢、米酢でも可)…小さじ1
きび砂糖…ひとつまみ
すり胡麻…少々

【作り方】

  1. ブロッコリーは食べやすい大きさにカットし、レンチンまたは茹でて程よい硬さに(柔らかくなりすぎないよう注意)。
  2. 油揚げは食べやすい大きさにカットし、フライパンで焼き目がつくくらいに火を通す。
  3. 卵はゆで、好みの硬さのゆで卵に(半熟にしたい場合は、沸騰してから5分半が目安)。できあがったゆで卵は皮をむき、半分に割っておく。
  4. ドレッシングを作る。深さのある小皿またはボウルに味噌、白胡麻油、黒酢、きび砂糖、すり胡麻を入れ、なめらかになるまで混ぜる。味は好みに調整して。
  5. 皿に具材を盛り、ドレッシングをかけてできあがり。

 

【5】サラダほうれん草とポーチドエッグのサラダ

風邪にもダイエットにも効く【サラダほうれん草とポーチドエッグのサラダ】

【材料】
サラダほうれん草…1把
マッシュルーム…3~4個
ベーコン…お好みの量で
卵…1個
酢…大さじ2
オリーブオイル…大さじ1
白ワインビネガー…大さじ1
粒マスタード…少々
ハチミツ…少々
塩こしょう…適宜

【作り方】

  1. サラダほうれん草は食べやすい大きさ、長さ4~5cmにカット。
  2. マッシュルームは薄切りにカット。
  3. ベーコンは細かく刻み、フライパンで炒めてカリカリに。
  4. ポーチドエッグを作る。鍋に水4カップと酢 大さじ2を入れ、沸騰させたら、玉じゃくしなどでクルクルとお湯を対流させ、その中に生卵を落とす。玉じゃくしや菜箸などで白身を整えながら丸くして、半熟状態で引き上げて。
  5. ボウルにサラダほうれん草とマッシュルームを入れ、オリーブオイル、白ワインビネガー、少量のマスタード&ハチミツ、塩こしょうで味を整える。
  6. 5とカリカリにしたベーコンを皿に盛り、ポーチドエッグを真ん中に盛りつける。食べる際には卵をくずし、全体に白身&黄身を絡めていただくと美味しくいただけます!

 

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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