ボディケア
2024.1.21

【医師に聞く】なぜ、舌苔が取れない?「原因」と「除去するコツ」

舌の表面についた白っぽいもの、それは「舌苔(ぜったい)」と呼ばれ口臭や味覚異常の原因にも!胃腸の不調や疲れ、ストレスによって舌苔が取れないことが。歯ブラシでゴシゴシはNG!気になる場合は、舌専用のブラシや綿棒を使って汚れをやさしく除去しましょう。ケアのポイントと舌苔を取る方法をご紹介します。

「舌苔」とは何か?

口腔外科専門医

梯 裕恵先生

舌の表面には無数の小さな突起があり、その間に細菌や古くなった口の中の粘膜、食べ物のカスなどの汚れが溜まると、舌の表面に白っぽいものが付着します。これは舌苔(ぜったい)と呼ばれ、体調不良などにより増えると、口臭の原因となったり味を感じにくくなったりすることも。

舌苔は「口臭」の原因に

大阪大学歯学研究科 予防歯科学教授

天野敦雄先生

「腐った卵のようなニオイは細菌の塊であるプラークの蓄積や舌苔の汚れによる生理的口臭です。毎日の歯磨き、歯科でのメンテナンスで口内環境を整えましょう」(天野先生)

舌苔が厚くなってしまう「原因」は?

胃腸の不調を疑って

日本耳鼻咽喉科学会認定専門医

木村聡子 先生

「本来舌の色は淡い紅色で、うっすらと白いものがついている状態が正常です。そして、べったりと厚く白い舌苔が付いているのは、胃腸が悪いときのサイン。

胃が悪いと体は早く胃の粘膜を治そうとして新しい細胞を作ります。そうすると、舌の粘膜でもどんどん新しい細胞が作られて、古くなった垢が舌の上に溜まりやすくなります。だから、白い舌苔が厚く付いてしまうんです。特に舌の中心部が本来の色がわからないくらい白くなっているときは、暴飲暴食やストレスをうたがってください。」(木村先生)

その他生活習慣が原因になることも

『ホワイトホワイト』恵比寿本店 院長

石井さとこ先生

「必ずしも胃腸の病気が原因というわけではありません。口呼吸がクセになっていて唾液の分泌量が少ない方や、噛む回数の少ない食品ばかりを好んで食べている方、タバコを吸っている方、慢性的に栄養不足の方でも舌苔はたまりやすくなります。」(石井先生)

  • 口呼吸がクセになっている
  • 噛む回数の少ない食品ばかりを好んで食べている
  • タバコを吸っている
  • 慢性的に栄養不足

舌ケアはどうする?注意ポイントは?

【1】必要以上に気にしすぎると悪影響も

内科医・認定産業医/tenrai株式会社 代表取締役医師

桐村 里紗先生

「健康な舌の場合、舌苔の汚れは一時的なものですし、口がしっかり唾液で洗浄され、潤っていれば、ニオイの原因にはなりません。むしろ、気にし過ぎて舌苔を除去しようとして刺激することで、逆に舌苔に汚れがつきやすくなり、口臭を悪化させてしまうというリスクもあります」(桐村先生・以下「」内同)

【2】舌苔除去が必要なケース

「口腔内に原因がある病的口臭の発生原因を調べたところ、61%が歯周病と舌苔の両方に、27%が舌苔だけ、9%が歯周病だけ、3%がその他だったと報告されています。舌苔のケアが必要なのは、口腔内の環境が悪化して病的な口臭がある場合なのです」

【3】炎症がある&痛みを感じるなら口腔内外科や歯科に相談を

「もし舌に炎症がある&痛みを感じることがあれば口内炎など口腔内の病気にかかっている可能性も。その場合はすぐに口腔内外科や歯科でご相談を!」(石井先生)

【4】オーラルケアしているのに口臭が気になる場合も病院へ

美容好き芸人

あきば美容研究生

生理的口臭を軽減するためには、歯垢や食べ物のカス、舌の表面につく舌苔へのケアが最適です。つまり、ブラッシングや歯間ブラシ、デンタルフロス、洗口剤(マウスウォッシュなど)で正しくオーラルケアをすることで予防できるのです。逆に言うと、オーラルケアをしているのに継続的に口臭に違和感がある場合はお医者さんに行くことをおすすめします。

【5】舌磨きは「舌専用のブラシ」を使うこと

サンスター 研究開発統括部
オーラルケアイノベーション研究開発部 研究員

岡澤悠衣 さん

「舌をみがく場合はできる限り専用のものを使ってください。舌には舌苔という汚れが溜まり、それが口臭の原因となることもありますから、気になって舌みがきをしたいと思う人も多いかもしれません。しかし、舌の表面はとても繊細なので、歯をみがくハブラシでは硬く、傷つけてしまう恐れがあります。そのため、舌には舌専用のブラシを使っていただくことをおすすめします。」(岡澤さん)

  • ゴシゴシみがきはNGなので、やさしくなでるように
  • 舌をみがくときは奥から手前の一方方向にブラシを動かし、汚れを飲み込んでしまわないように
  • 前後させないこともポイント
  • 奥から手前に、数回で十分
  • 舌はみがきすぎないように1日1回まで

舌苔を取る「セルフケア」方法

【1】舌だけではなく、口腔全体の日々のクリーニングをしっかりと

アンチエイジングデンタルクリニック恵比寿 院長

小川朗子 先生

「口臭を予防するには、口内環境を清潔に保つことが大切。食後のブラッシング、フロスや歯間ブラシを使ったプラスのケア、さらに舌のクリーニングも習慣にしてください」(小川先生)

  • 歯磨きの後、舌も必ずブラッシング
  • そのまま歯ブラシを使っても良いが、専用の舌クリーナーの方が舌に優しく、効率よく汚れを落とせる
  • 舌クリーナーを舌の奥に当て、手前に5~6回引いて舌苔をキレイに除去
  • ゴシゴシこするのはNG

「口内クリーニングの仕上げに、マウスウォッシュもおすすめ。口に含んでクチュクチュするだけで、口内に潜むニオイの原因物質を退治できます。口当たりが優しく、粘膜への刺激が少ないタイプが使いやすい。マウススプレーなども持ち運べて便利」(小川先生)

【2】綿棒を使ったクリーニングでも◎

『ホワイトホワイト』恵比寿本店 院長

石井さとこ先生

「舌ブラシは持ち手が長くて舌の奥まで汚れを除去しやすいのですが、力を強くかけすぎると、舌を傷つけてしまうケースも。私がいちばんオススメなのは、綿棒を使った舌クリーニングです。水で濡らした綿棒を舌の奥から舌先に向かって、舌表面を3~4回やさしくなでる程度で完了します。舌当たりがやわらかく、すぐに捨てられるのでとても衛生的。」(石井先生)

【3】よく噛む(咀嚼)して食事することを意識

口腔外科専門医

梯 裕恵先生

舌苔は十分な唾液で食べ物をよく噛む(咀嚼)することによって自然に取れることが多いといわれています。

舌苔を溜まりにくくする2つの習慣

【1】舌を正しい位置にポジショニングする習慣を

『ホワイトホワイト』恵比寿本店 院長

石井さとこ先生

「本来、舌苔は誰しもの舌にうっすらとあるもの。口をよく動かして唾液を分泌し、定期的に舌のお掃除をしていれば汚れが大量に残ることはありません。また、舌が正しい位置にあると汚れはたまりにくくなります。舌の先が上前歯の裏側に収まるポジションにあれば、舌苔のたまりやすい場所が口蓋という上あごの粘膜に触れ、自然とお掃除することができるのです。」(石井先生)

「正しい位置とは、舌の先が上前歯の裏側に収まるポジションのこと。舌苔の溜まりやすい場所が口蓋という上あごの粘膜に触れることで、自然とクリーニングされるのです。まずは舌を正しい位置にポジショニングする習慣をつけてみてください。そして、舌の汚れが気になる時にだけクリーニングを行うのが良いでしょう」(石井先生)

【2】時々水で口をゆすぐ

日本耳鼻咽喉科学会認定専門医

木村聡子 先生

「歯磨きやうがいは口の中をキレイにするので、新たに付く舌苔を減らすことには有効です。また、コーヒーや赤ワインなど色の強いものをよく口にする人は舌苔に色が付いて目立つこともあります。気になる場合は、飲んだあとに水で軽く口をゆすぐだけでも違うので、実践してみて下さい。」(木村先生)

舌磨きにおすすめ「ケアアイテム」

サンスター バトラー やさしい舌ブラシ

価格
¥330

歯科医師がすすめるやさしい舌ブラシです。口臭の原因となる舌の汚れを集中ケアします。やわらかタイプ。

NONIO 舌クリーナー

美容好き芸人

あきば美容研究生

価格
¥275(編集部調べ)

口臭の原因である舌の汚れをやさしくごっそり落とす専用クリーナー。ソフトな設計と磨きやすいコンパクトヘッドで初めての方でも簡単に。

あきば美容研究生のコメント
舌みがき、きちんとしていますか?舌の表面に付着している白い汚れを舌苔と言いますが、前回の記事で書いたように口臭発生の原因となり、ケアはとても重要です。ライオンさんの調査によると20〜30歳の約44%が舌みがきの習慣を持っているそうですが、やられる方の約86%は通常の歯ブラシでそのままみがいているそうです。もちろんやらないよりはいいですが、通常の歯ブラシだと毛が硬く舌を傷つけてしまったり、奥に入れすぎて「おえっ」となってしまいます。それらを軽減するために生まれたのがこちらの舌クリーナー。やわらかい毛で、舌を傷つけることなくやさしく、ごっそりと汚れを落としてくれますよ。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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