健康・ヘルスケア
2020.9.9

口の中の痛みや傷、舌に付いた白いものが気になる!【女医に訊く#124】

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頬の内側など、口の粘膜に痛みを感じたり、誤ってかんで出血してしまったり、舌に白いものが付着したりしたことはありませんか? 口腔内のトラブルとその対処法について、口腔外科専門医の梯裕恵先生に教えていただきました。

頬の内側など、口の粘膜がヒリヒリするときは?

食べ物や飲み物による火傷、硬い食べ物・歯ブラシ・義歯などによる傷、腫れている場合は口内炎などの細菌感染が疑われます。まずは、口腔内を清潔にし、刺激物を避けるなどして様子をみましょう。

「それでも症状が続く場合は、口腔扁平苔癬(へんぺいたいせん)や尋常性天疱瘡(じんじょうせいてんぽうそう)、類天疱瘡(るいてんぽうそう)などの病気が疑われます」と語るのは、口腔外科専門医の梯裕恵先生。

「扁平苔癬は皮膚や粘膜にできる角化性で炎症を伴う難治性の病変。口腔では頬粘膜に多く認めますが、舌や口唇にも生じます。白い粘膜の角化がレース状に見られ、周囲に発赤を伴い、びらん(ただれ)や潰瘍を形成し、接触痛を認めたり食物がしみたりします。まれにがん化することもあります」(梯先生)

一方、尋常性天疱瘡や類天疱瘡は、さまざまな大きさの水疱が急に多数発生する疾患。破れて出血しやすく、発赤やびらんを呈します。

「いずれも組織を一部切り取った検査を経て確定診断に至りますので、口腔外科を受診してください」(梯先生)

誤って舌や頬の内側をかんでしまったときは?

食事中や会話中、転倒時などに誤って舌や頬の内側をかんでしまったことはありませんか? 口腔や顔面は比較的よく出血します。すぐに出血が止まれば問題ありませんが、止まらない場合はタオルやガーゼで圧迫して医療機関を受診しましょう。

「咀嚼時や会話時の誤咬(ごこう)は通常、舌縁部や頬粘膜の浅い損傷であり、小さな血腫(血豆)や挫創、裂創は数日で自然治癒します。しかし、舌を深くかんだ場合は、舌動静脈が損傷し、出血が多量に見られることがあります。筋肉や骨まで到達する傷は、止血や感染防止のために縫合処置が必要になりますので、口腔外科を受診してください」(梯先生)

歯ブラシや箸などが子供の口腔内や咽頭部に刺さる症例も少なくありません。なかには、割り箸が折れて体内に残存し、死に至った事例もあるため、非常に慎重な対応が必要です。

「刺さったものを抜いて問題なさそうでも、大きな病院の救命救急や口腔外科、耳鼻咽喉科を受診し、CTなどで異物残存がないか、体調に変化がないか確認した方が安心です。その際は、必ず刺したものを持参してください。先端が折れて体内に残っていないかの診断に役立ちます」(梯先生)

舌の表面に白っぽいものが…歯ブラシで磨いていい?

舌の表面には無数の小さな突起があり、その間に細菌や古くなった口の中の粘膜、食べ物のカスなどの汚れが溜まると、舌の表面に白っぽいものが付着します。これは舌苔(ぜったい)と呼ばれ、体調不良などにより増えると、口臭の原因となったり味を感じにくくなったりすることも。

舌苔を取り除くには舌磨きが有効なこともありますが、舌の表面を傷つける可能性があるため、専用ブラシなど適切な器具を用いて正しく行うことが大切です。

「また、舌が白い原因が舌苔ではなく、前述の口腔扁平苔癬や白板症、タバコによる(無煙タバコでも)粘膜の角化症、口腔カンジダ症などの前がん病変(口腔潜在的悪性疾患)、地図状舌、また悪性腫瘍の場合もあります。その場合は、それぞれに対する適切な治療を受けなくてはなりませんので、口腔外科を受診してください」(梯先生)

 

口腔外科専門医

梯 裕恵先生

歯学博士。日本口腔外科学会口腔外科専門医。専門は骨吸収抑制薬関連顎骨壊死、顎関節症。福岡県出身、九州大学卒業。大学病院での口腔外科外来、病棟診療のほか、学生や研修医の指導も行う。女性ならではの視点での診療を心がけている。趣味はワイン、海外旅行、エアロビクス、スペイン語。
文/清瀧流美

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